六行詩13番

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[[六行詩集]]>13番* *原文 L'[[auanturier>avanturier]]&sup(){1} six cens & six&sup(){2} ou neuf, Sera surpris par fiel mis dans&sup(){3} vn oeuf&sup(){4}, Et peu apres&sup(){5} sera hors&sup(){6} de puissance&sup(){7} Par le puissant&sup(){8} Empereur general&sup(){9} Qu'au&sup(){10} monde&sup(){11} n'est&sup(){12} vn&sup(){13} pareil&sup(){14} ny esgal, Dont vn chascun&sup(){15} luy rend&sup(){16} obeïssance&sup(){17}. **異文 (1) L'auanturier : L'auenturier 1600Mo, L’a uanturier 1628dR (2) & six : cinq 1600Au 1600Mo (3) dans : en 1600Au (4) oeuf : Oeuf 1672Ga (5) peu apres : par apres 1600Mo (6) sera hors : mis hors 1600Mo, fera hors 1627Di (7) de puissance : de sa puissance 1600Mo (8) le puissant : le tres grand 1600Au (9) general : General 1672Ga (10) Qu'au : Qu'ou 1672Ga (11) monde : Monde 1672Ga (12) n'est : nest 1672Ga (13) vn : son 1600Au, an 1672Ga (14) pareil : pereil 1672Ga (15) chascun : chécun 1627Ma, chacun 1611B 1627Di 1644Hu 1649Xa (16) rend : rendra 1600Mo (17) obeïssance : obeyssance 1600Mo 1644Hu, obeissance 1611 1627Ma 1627Di 1628dR 1649Ca 1672Ga *日本語訳 危険を冒す者は、六百と六ないし九に、 卵に入った苦味に不意を打たれ、 ほどなくして力を揮えなくなるだろう。 強大な皇帝にして将軍で、 世界には比肩する者も互角の者もなく、 誰もが恭順の意を示す者によって。 **訳について  2行目 fiel は「胆汁」が本来の意味だが、そこから転じて「苦味」「嫌悪感」「嫉妬」などの意味があった。また憂鬱の原因になると仮想された「黒胆汁」の意味もあった((LLS))。  5、6行目は4行目を形容している。そのままだと訳しづらいので、本来4行目におくべき「によって」を6行目に回した。 *信奉者側の見解  [[テオフィル・ド・ガランシエール]]は、ビロン公の裏切り([[六行詩6番]]参照)がフランス王[[アンリ4世]]とサヴォワ公にもたらした影響と解釈した。  ビロン公はサヴォワ寄りで、その死がサヴォワに不利に働いたことを喩えたものが「卵に入った胆汁」だという。そして、その結果、サヴォワへの帰属が決まっていたサルッツォ侯国の扱いが蒸し返され、サヴォワはその返還は拒否したものの、譲歩としてフランスにブレスなどいくつかの領土を割譲せざるを得なかったことに対応しているとした((Garencieres [1672]))。 *同時代的な視点  ガランシエールの解釈を採った場合でも事後予言としておかしな事例ではないが、年号の扱いが微妙に思える。  手稿で605 (1605年)となっていたものが印刷版で606 (1606年)に直されている事実からは、未来に想定していた出来事が1605年に起こらなかったので、とりあえず先送りしたという印象を受ける。609 (1609年)の方が直されていないのは、未来の時点ということで先送りする必要性が認識されなかったためだろう。  「危険を冒す者」が世界的な皇帝によって毒殺(?)されることを描いているように見えるが、誰のことかは分からない。しかし、後半にある世界的な皇帝はフランス王を想定したものだったと思われる。その見通しは[[アンリ4世]]が1610年に暗殺されたことで、実現せずに終わった。 *その他  1600Au では11番になっている。 ---- #comment
[[六行詩集]]>13番* *原文 L'[[auanturier>avanturier]]&sup(){1} six cens & six&sup(){2} ou neuf, Sera surpris par fiel mis dans&sup(){3} vn oeuf&sup(){4}, Et peu apres&sup(){5} sera hors&sup(){6} de puissance&sup(){7} Par le puissant&sup(){8} Empereur general&sup(){9} Qu'au&sup(){10} monde&sup(){11} n'est&sup(){12} vn&sup(){13} pareil&sup(){14} ny esgal, Dont vn chascun&sup(){15} luy rend&sup(){16} obeïssance&sup(){17}. **異文 (1) L'auanturier : L'auenturier 1600Mo, L’a uanturier 1628dR (2) & six : cinq 1600Au 1600Mo (3) dans : en 1600Au (4) oeuf : Oeuf 1672Ga (5) peu apres : par apres 1600Mo (6) sera hors : mis hors 1600Mo, fera hors 1627Di (7) de puissance : de sa puissance 1600Mo (8) le puissant : le tres grand 1600Au (9) general : General 1672Ga (10) Qu'au : Qu'ou 1672Ga (11) monde : Monde 1672Ga (12) n'est : nest 1672Ga (13) vn : son 1600Au, an 1672Ga (14) pareil : pereil 1672Ga (15) chascun : chécun 1627Ma, chacun 1611B 1627Di 1644Hu 1649Xa (16) rend : rendra 1600Mo (17) obeïssance : obeyssance 1600Mo 1644Hu, obeissance 1611 1627Ma 1627Di 1628dR 1649Ca 1672Ga *日本語訳 危険を冒す者は、六百と六ないし九に、 卵に入った苦味に不意を打たれ、 ほどなくして力を揮えなくなるだろう。 強大な皇帝にして将軍で、 世界には比肩する者も互角の者もなく、 誰もが恭順の意を示す者によって。 **訳について  2行目 fiel は「胆汁」が本来の意味だが、そこから転じて「苦味」「嫌悪感」「嫉妬」などの意味があった。また憂鬱の原因になると仮想された「黒胆汁」の意味もあった((LLS))。  5、6行目は4行目を形容している。そのままだと訳しづらいので、本来4行目におくべき「によって」を6行目に回した。 *信奉者側の見解  [[テオフィル・ド・ガランシエール]]は、ビロン公の裏切り([[六行詩6番]]参照)がフランス王[[アンリ4世]]とサヴォワ公にもたらした影響と解釈した。  ビロン公はサヴォワ寄りで、その死がサヴォワに不利に働いたことを喩えたものが「卵に入った胆汁」だという。  そして、その結果、サヴォワへの帰属が決まっていたサルッツォ侯国の扱いが蒸し返され、サヴォワはその返還は拒否したものの、譲歩としてフランスにブレスなどいくつかの領土を割譲せざるを得なかったことに対応しているとした((Garencieres [1672]))。 *同時代的な視点  ガランシエールの解釈を採った場合でも事後予言としておかしな事例ではないが、年号の扱いが微妙に思える。  手稿で605 (1605年)となっていたものが印刷版で606 (1606年)に直されている事実からは、未来に想定していた出来事が1605年に起こらなかったので、とりあえず先送りしたという印象を受ける。  609 (1609年)の方が直されていないのは、未来の時点ということで先送りする必要性が認識されなかったためだろう。  「危険を冒す者」が世界的な皇帝によって毒殺(?)されることを描いているように見えるが、誰のことかは分からない。  しかし、後半にある世界的な皇帝はフランス王を想定したものだったと思われる。その見通しは[[アンリ4世]]が1610年に暗殺されたことで、実現せずに終わった。 *その他  1600Au では11番になっている。 ---- ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。

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