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『&bold(){ノストラダムス百科全書}』(&italic(){The Nostradamus Encyclopedia})は、[[ピーター・ラメジャラー]]の著書。1997年にロンドンのゴッズフィールド・プレス(Godsfield Press)からハードカバー版が出され、1999年にニューヨークのセント・マーティンス・プレス(St. Martin's Press)からペーパーバック版が出された。
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【画像】ペーパーバック版の扉(クリックするとAmazon のページに飛びます)
*正式名
-The Nostradamus Encyclopedia
--The definitive reference guide to the work and world of Nostradamus
-ノストラダムス百科全書
--ノストラダムスの作品と世界への決定的なリファレンス・ガイド
*内容
5部構成になっている。
第1部「生涯と経歴」(Life and Career)では、伝記、家系図、背景となる時代の年表、当時の医学や占星術についてなどの情報が盛り込まれている。
第2部「書き手としてのノストラダムス」(Nostradamus as author)では、文体や言語、当時の印刷業、初期の版本の書誌やその現存状況などが述べられている。
第3部「予言」(Prophecies)では、ラメジャラーによる予言解釈が展開されている。他方で、若き日の[[シクストゥス5世]]の前で跪いたというような怪しげな伝説についての検証も行われている。
第4部「境遇」(Milieu)では、[[サロン=ド=プロヴァンス]]の観光案内と関連する人物・地名の簡略な事典が収録されている。
第5部「原典」(Texts)では、2つの序文、[[百詩篇集]]、[[予兆詩集]]、[[六行詩集>この世紀のいずれかの年のための驚くべき予言]]などの原文と、[[エリカ・チータム]]、[[ジョン・ホーグ]]らの解釈例が収録されている。また、用語索引と用語集が併録されている。
*コメント
信奉者時代のラメジャラーの著書であり、予言解釈部分をそのまま受容することはできない。また、古版本の書誌に関しても情報が錯綜しており、不適切な点が少なからずある。
しかし、そうした点を差し引いても、歴史的背景なども含む基礎情報をあらかた網羅しているという点で、非常に有益な文献であることは論を俟たない。
予言の原文も、初版収録分については[[初版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1555年リヨン)]]、1557年に出版されていた分については[[1557年11月3日版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1557年)]]、現存最古が1568年のものについては[[1568年版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1568年)]]、補遺篇や予兆詩集などは基本的に[[1605年版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1605年)]]を採用するなど、オリジナルに遡ろうとする原文編纂姿勢がとられている点は、十分に評価されてよいだろう。
現在ではそれらの底本の権威が揺らいでいるもの事実である。ラメジャラーが採用した1555年版はアルビの伝本だが、それよりもウィーンの伝本の方が誤りが少ないとされている。
1557年11月3日版は海賊版の疑いが強く、1557年9月6日版に比べて正当性の点で大きく劣る。実際、ラメジャラーの『[[書物占い師ノストラダムス>Nostradamus, Bibliomancer : the man, the myth, the truth]]』付録CDでは、1557年版は9月6日版しか収録していない。
ラメジャラーが使った1568年版は当「大事典」でいう 1568B だが、1568A の方がオリジナルに近い可能性がある。実際、『書物占い師ノストラダムス』では、1568年版は 1568A しか収録されていない。
しかし、1997年の時点ではそうした原典の利用はきわめて限定的にしかできなかった(1557年9月6日版に至っては発見されたばかりである。一応この本でも言及されてはいるが、11月3日版と区別されていない)。そうした事情を鑑みれば、十分誠実にまとめられているといって良いだろう。
また、用語索引は補遺篇の一部などを除くものの、[[百詩篇集]]、[[予兆詩集]]、[[六行詩集>この世紀のいずれかの年のための驚くべき予言]]のほぼ全ての単語の登場箇所を網羅しており、特定のキーワードが登場する詩を探すときには欠かせない。当「大事典」の用語集にある各単語の記事を作成する際にも大いに活用させていただいている。
*他言語版
日本では『[[ノストラダムス百科全書]]』『[[ノストラダムス予言全書]]』という2分冊で出版された。ほぼ忠実な翻訳だが、上記の「用語索引」だけは省かれている。
当「大事典」では内容までは未確認だが、1999年にミラノで出版された
-Peter Lemesurier, &italic(){Il libro completo delle profezie di Nostradamus : l'analisi più autorevole dell'opera e del messaggio profetico del piu celebrato veggente di tutti i tempi}, Milano, 1999
は、イタリア語版なのではないかと推測される。
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#comment
『&bold(){ノストラダムス百科全書}』(&italic(){The Nostradamus Encyclopedia})は、[[ピーター・ラメジャラー]]の著書。1997年にロンドンのゴッズフィールド・プレス(Godsfield Press)からハードカバー版が出され、1999年にニューヨークのセント・マーティンス・プレス(St. Martin's Press)からペーパーバック版が出された。
#amazon(0312199945)
【画像】ペーパーバック版の扉(クリックするとAmazon のページに飛びます)
*正式名
-The Nostradamus Encyclopedia
--The definitive reference guide to the work and world of Nostradamus
-ノストラダムス百科全書
--ノストラダムスの作品と世界への決定的なリファレンス・ガイド
*内容
5部構成になっている。
第1部「生涯と経歴」(Life and Career)では、伝記、家系図、背景となる時代の年表、当時の医学や占星術についてなどの情報が盛り込まれている。
第2部「書き手としてのノストラダムス」(Nostradamus as author)では、文体や言語、当時の印刷業、初期の版本の書誌やその現存状況などが述べられている。
第3部「予言」(Prophecies)では、ラメジャラーによる予言解釈が展開されている。他方で、若き日の[[シクストゥス5世]]の前で跪いたというような怪しげな伝説についての検証も行われている。
第4部「境遇」(Milieu)では、[[サロン=ド=プロヴァンス]]の観光案内と関連する人物・地名の簡略な事典が収録されている。
第5部「原典」(Texts)では、2つの序文、[[詩百篇集]]、[[予兆詩集]]、[[六行詩集>この世紀のいずれかの年のための驚くべき予言]]などの原文と、[[エリカ・チータム]]、[[ジョン・ホーグ]]らの解釈例が収録されている。また、用語索引と用語集が併録されている。
*コメント
信奉者時代のラメジャラーの著書であり、予言解釈部分をそのまま受容することはできない。また、古版本の書誌に関しても情報が錯綜しており、不適切な点が少なからずある。
しかし、そうした点を差し引いても、歴史的背景なども含む基礎情報をあらかた網羅しているという点で、非常に有益な文献であることは論を俟たない。
予言の原文も、初版収録分については[[初版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1555年リヨン)]]、1557年に出版されていた分については[[1557年11月3日版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1557年)]]、現存最古が1568年のものについては[[1568年版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1568年)]]、補遺篇や予兆詩集などは基本的に[[1605年版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1605年)]]を採用するなど、オリジナルに遡ろうとする原文編纂姿勢がとられている点は、十分に評価されてよいだろう。
現在ではそれらの底本の権威が揺らいでいるもの事実である。ラメジャラーが採用した1555年版はアルビの伝本だが、それよりもウィーンの伝本の方が誤りが少ないとされている。
1557年11月3日版は海賊版の疑いが強く、1557年9月6日版に比べて正当性の点で大きく劣る。実際、ラメジャラーの『[[書物占い師ノストラダムス>Nostradamus, Bibliomancer : the man, the myth, the truth]]』付録CDでは、1557年版は9月6日版しか収録していない。
ラメジャラーが使った1568年版は1568A(ギナール式)だが、1568Xの方がオリジナルに近い可能性がある。実際、『書物占い師ノストラダムス』では、1568年版は 1568Xしか収録されていない。
しかし、1997年の時点ではそうした原典の利用はきわめて限定的にしかできなかった(1557年9月6日版に至っては発見されたばかりである。一応この本でも言及されてはいるが、11月3日版と区別されていない)。そうした事情を鑑みれば、十分誠実にまとめられているといって良いだろう。
また、用語索引は補遺篇の一部などを除くものの、[[詩百篇集]]、[[予兆詩集]]、[[六行詩集>この世紀のいずれかの年のための驚くべき予言]]のほぼ全ての単語の登場箇所を網羅しており、特定のキーワードが登場する詩を探すときには欠かせない。当「大事典」の用語集にある各単語の記事を作成する際にも大いに活用させていただいている。
*他言語版
日本では『[[ノストラダムス百科全書]]』『[[ノストラダムス予言全書]]』という2分冊で出版された。ほぼ忠実な翻訳だが、上記の「用語索引」だけは省かれている。
当「大事典」では内容までは未確認だが、1999年にミラノで出版された
-Peter Lemesurier, &italic(){Il libro completo delle profezie di Nostradamus : l'analisi più autorevole dell'opera e del messaggio profetico del piu celebrato veggente di tutti i tempi}, Milano, 1999
は、イタリア語版なのではないかと推測される。
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