六行詩46番

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[[六行詩集]]>46番* *原文 Le [[pouruoyeur>pourvoyeur]]&sup(){1} mettra tout en desroute, Sansuë&sup(){2} & loup&sup(){3}, en mon dire n'escoute&sup(){4} Quand&sup(){5} Mars sera au signe&sup(){6} du Mouton&sup(){7} Ioint à Saturne, & Saturne à la Lune, Alors sera ta&sup(){8} plus grande infortune&sup(){9}, Le Soleil lors en exaltation. **異文 (1) Le pouruoyeur : Les Pourvoieux 1672Ga (2) Sansuë : Censue 1600Au, Sensue 1600Mo, Sangsuë 1611 1627Ma 1627Di 1644Hu 1649Ca, Sangsue 1672Ga (3) loup : Loup 1672Ga (4) n'escoute : mescoutte 1600Au, m'escoutte 1600Mo, escoute 1672Ga (5) Quand : Quad 1611A (6) signe : Signe 1672Ga (7) Mouton : mouton 1600Mo (8) ta : la 1600Mo (9) infortune : fortune 1600Au *日本語訳 提供する者は全てを混乱させるだろう。 蛭と狼は私の言うことを聞かない。 火星が羊の星座に位置するであろう時に、 土星と合になり、土星は月とも合になる。 その時に、汝の不幸は最大になるだろう。 おりしも、太陽は興になる。 **訳について  [[五島勉]]はこの詩を「マルス(戦争)が中東をおおい、吸血鬼やオオカミ(戦車などの兵器類)がわたし(ノストラダムス)の警告を無視するとき、日の国もまた、エクザルタシオンのなかにいる」((五島 『ノストラダムスの大予言V』p.128))と要約していた。  「太陽」を「日の国」、「蛭」を「吸血鬼」と意訳したことはまだ理解できるにしても、「羊の星座」がなぜ「中東」になるのか、よく分からない。 *信奉者側の見解  [[ノエル=レオン・モルガール]]の用語解説では、「提供する者」は王太子、「蛭」はスペイン人、「狼」はイングランド人となっている((1600Mo))。  [[テオフィル・ド・ガランシエール]]は、「提供する者」がフランス王、「蛭」がスペイン王、「狼」がサヴォワ公という対応が理解できていれば、平易な詩だと述べた((Garencieres [1672]))。  [[ジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌ]]は、共産主義勢力の西欧侵攻と、その苦難にさらされる中でフランスに王政復古が起こる詩とした((Fontbrune [1980/1982]))。  [[五島勉]]は、上の「訳について」の節で引用した要約に基づき、近未来の中東大戦に日本も熱狂して巻き込まれていく危険があると解釈した((五島、前掲書、pp.128-131))。  信奉者時代の[[ピーター・ラメジャラー]]は、星位の計算から2026年のこととし、イスラム勢力の侵攻からフランスが解放された後のことを描いているとした((ラメジャラー [1998b] pp.14, 305))。 *同時代的な視点  [[六行詩16番]]のように「提供する者」が王太子(のちのルイ13世)を指すのだとしても、それが「全てを混乱させる」とは何のことか分かりづらい。  [[アンリ4世]]にとっては50歳近くになって生まれた待望の男児だったが、王位継承をめぐって計略をめぐらしていた輩、あるいは男児が生まれないまま王位継承問題で内紛が生じることを期待していた外国勢力にとっては、当てが外れたということだろうか。  あるいは、ルイが王位に就いてから多くの国を蹴散らすことになると期待したものか。 *その他 1600Au では 44番になっている。 ---- #comment
[[六行詩集]]>46番* *原文 Le [[pouruoyeur>pourvoyeur]]&sup(){1} mettra tout en desroute, Sansuë&sup(){2} & loup&sup(){3}, en mon dire n'escoute&sup(){4} Quand&sup(){5} Mars sera au signe&sup(){6} du Mouton&sup(){7} Ioint à Saturne, & Saturne à la Lune, Alors sera ta&sup(){8} plus grande infortune&sup(){9}, Le Soleil lors en exaltation. **異文 (1) Le pouruoyeur : Les Pourvoieux 1672Ga (2) Sansuë : Censue 1600Au, Sensue 1600Mo, Sangsuë 1611 1627Ma 1627Di 1644Hu 1649Ca, Sangsue 1672Ga (3) loup : Loup 1672Ga (4) n'escoute : mescoutte 1600Au, m'escoutte 1600Mo, escoute 1672Ga (5) Quand : Quad 1611A (6) signe : Signe 1672Ga (7) Mouton : mouton 1600Mo (8) ta : la 1600Mo (9) infortune : fortune 1600Au *日本語訳 提供する者は全てを混乱させるだろう。 蛭と狼は私の言うことを聞かない。 火星が羊の星座に位置するであろう時に、 土星と合になり、土星は月とも合になる。 その時に、汝の不幸は最大になるだろう。 おりしも、太陽は興になる。 **訳について  [[五島勉]]はこの詩を「マルス(戦争)が中東をおおい、吸血鬼やオオカミ(戦車などの兵器類)がわたし(ノストラダムス)の警告を無視するとき、日の国もまた、エクザルタシオンのなかにいる」((五島 『ノストラダムスの大予言V』p.128))と要約していた。  「太陽」を「日の国」、「蛭」を「吸血鬼」と意訳したことはまだ理解できるにしても、「羊の星座」がなぜ「中東」になるのか、よく分からない。 *信奉者側の見解  [[ノエル=レオン・モルガール]]の用語解説では、「提供する者」は王太子、「蛭」はスペイン人、「狼」はイングランド人となっている((1600Mo))。  [[テオフィル・ド・ガランシエール]]は、「提供する者」がフランス王、「蛭」がスペイン王、「狼」がサヴォワ公という対応が理解できていれば、平易な詩だと述べた((Garencieres [1672]))。  [[ジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌ]]は、共産主義勢力の西欧侵攻と、その苦難にさらされる中でフランスに王政復古が起こる詩とした((Fontbrune [1980/1982]))。  [[五島勉]]は、上の「訳について」の節で引用した要約に基づき、近未来の中東大戦に日本も熱狂して巻き込まれていく危険があると解釈した((五島、前掲書、pp.128-131))。  信奉者時代の[[ピーター・ラメジャラー]]は、星位の計算から2026年のこととし、イスラム勢力の侵攻からフランスが解放された後のことを描いているとした((ラメジャラー [1998b] pp.14, 305))。 *同時代的な視点  [[六行詩16番]]のように「提供する者」が王太子(のちのルイ13世)を指すのだとしても、それが「全てを混乱させる」とは何のことか分かりづらい。  [[アンリ4世]]にとっては50歳近くになって生まれた待望の男児だったが、王位継承をめぐって計略をめぐらしていた輩、あるいは男児が生まれないまま王位継承問題で内紛が生じることを期待していた外国勢力にとっては、当てが外れたということだろうか。  あるいは、ルイが王位に就いてから多くの国を蹴散らすことになると期待したものか。 *その他 1600Au では 44番になっている。 ---- ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。

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