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『&bold(){ノストラダムスの生涯}』は、1998年に朝日新聞社から出版された[[竹下節子]]の著書。
#amazon(4022572213)
【画像】 カバー表紙
*内容
題名が示すとおり、ノストラダムスの伝記が中心になっている。
第1章「ノストラダムスの時代」では、ルネサンスの時代精神、人文主義とオカルティズム、印刷術の発達とそれが果たした役割などが、簡潔に紹介されている。
第2章「ノストラダムスの生涯」は最も分量の多い章であり、先祖、生涯、『予言集』以外の作品などについて、手際よくまとめられている。伝記の土台となっているのは、[[エドガール・ルロワ]]の伝記研究や[[ジャン・デュペーブ]]の往復書簡研究である。なお、[[アンリエット・ダンコス]]への言及も見られるが、これは、公刊された文献として、国際的に見ても最も早い部類に属している。
第3章「予言について」は、予言と預言、占星術とキリスト教など、ノストラダムス予言を論ずる前提となる、概括的な知識を提供している。
第4章「ノストラダムスの予言」は、『[[予言集>ミシェル・ノストラダムス師の予言集]]』についての紹介である。ルロワの研究をもとに、ノストラダムスが少年時代をすごした[[サン=レミ=ド=プロヴァンス]]の情景を詩に織り込んだ可能性を指摘するなど、実証的な視点からの読み方も紹介している。補足的な情報として、[[ジャン・ド・マルイユ]]の新発見予言にも触れている。
*評価
立場を問わず十分に評価されているといってよいだろう。
信奉者側では、[[五島勉]]が 「唯一、これはひじょうにすぐれている」 「多くの原資料を深く読み込んで、たいへん正確な、バランスの取れたノストラダムス像を描き出しておられます」 と評価した((五島『ノストラダムスの大予言・最終解答編』p.233))。
懐疑派からも、 「解釈本ではオミットされてしまっているような事実やフランスでの最新の研究成果が多く紹介されている、文字通りの必読書」([[志水一夫]])((志水『トンデモノストラダムス解剖学』p.231))、 「資料的価値はとても高い。ノストラダムス・ファンなら必ず買え!」([[山本弘]])((山本『トンデモノストラダムス本の世界』文庫版、p.438))等と、高い評価が寄せられている。
科学史家からも好意的な書評が提示された。三浦伸夫(神戸大学教授)は 「科学史書でないので、科学史家からみれば気になるところが数多く見られる」 としていくつか指摘しつつも 「本書全体から見れば些細なことであると評者は考える」 とし、 「本書は現在のところ人間ノストラダムスを扱った日本語で読みうる唯一の作品ではなかろうか」 と高く評価している((『化学史研究』25(3), 1999, pp.210-211))。
ただし、『[[ノストラダムス ― 予言の真実]]』では、監修者の[[伊藤進]]によるものか、訳者の[[後藤淳一]]によるものか明記されていないが、 「予言者の生涯を綿密に跡づけようとする、その先駆的な紹介としては評価しなければならないが、いくつかの点で注意して読む必要がある」((同書 p.150))と若干の留保が付けられている。
*書誌
:書名|ノストラダムスの生涯
:著者|竹下節子
:版元|朝日新聞社
:出版日|1998年2月1日
**外国人研究者向けの暫定的な仏語訳書誌(Bibliographie provisoire)
:Titre|Nostradamus no shôgai (trad./ La vie de Nostradamus)
:Auteur|TAKESHITA Setsuko
:Publication|Asahi shimbunsha
:Lieu|Tokyo, Japon
:Date|le 1&sup(){er} février 1998
:Note|Biographie remarquable.
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『&bold(){ノストラダムスの生涯}』は、1998年に朝日新聞社から出版された[[竹下節子]]の著書。
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【画像】 カバー表紙
*内容
題名が示すとおり、ノストラダムスの伝記が中心になっている。
第1章「ノストラダムスの時代」では、ルネサンスの時代精神、人文主義とオカルティズム、印刷術の発達とそれが果たした役割などが、簡潔に紹介されている。
第2章「ノストラダムスの生涯」は最も分量の多い章であり、先祖、生涯、『予言集』以外の作品などについて、手際よくまとめられている。伝記の土台となっているのは、[[エドガール・ルロワ]]の伝記研究や[[ジャン・デュペーブ]]の往復書簡研究である。なお、[[アンリエット・ダンコス]]への言及も見られるが、これは、公刊された文献として、国際的に見ても最も早い部類に属している。
第3章「予言について」は、予言と預言、占星術とキリスト教など、ノストラダムス予言を論ずる前提となる、概括的な知識を提供している。
第4章「ノストラダムスの予言」は、『[[予言集>ミシェル・ノストラダムス師の予言集]]』についての紹介である。ルロワの研究をもとに、ノストラダムスが少年時代をすごした[[サン=レミ=ド=プロヴァンス]]の情景を詩に織り込んだ可能性を指摘するなど、実証的な視点からの読み方も紹介している。補足的な情報として、[[ジャン・ド・マルイユ]]の新発見予言にも触れている。
*評価
立場を問わず十分に評価されているといってよいだろう。
信奉者側では、[[五島勉]]が 「唯一、これはひじょうにすぐれている」 「多くの原資料を深く読み込んで、たいへん正確な、バランスの取れたノストラダムス像を描き出しておられます」 と評価した((五島『ノストラダムスの大予言・最終解答編』p.233))。
懐疑派からも、 「解釈本ではオミットされてしまっているような事実やフランスでの最新の研究成果が多く紹介されている、文字通りの必読書」([[志水一夫]])((志水『トンデモノストラダムス解剖学』p.231))、 「資料的価値はとても高い。ノストラダムス・ファンなら必ず買え!」([[山本弘]])((山本『トンデモノストラダムス本の世界』文庫版、p.438))等と、高い評価が寄せられている。
科学史家からも好意的な書評が提示された。三浦伸夫(神戸大学教授)は 「科学史書でないので、科学史家からみれば気になるところが数多く見られる」 としていくつか指摘しつつも 「本書全体から見れば些細なことであると評者は考える」 とし、 「本書は現在のところ人間ノストラダムスを扱った日本語で読みうる唯一の作品ではなかろうか」 と高く評価している((『化学史研究』25(3), 1999, pp.210-211))。
ただし、『[[ノストラダムス ― 予言の真実]]』では、監修者の[[伊藤進]]によるものか、訳者の[[後藤淳一]]によるものか明記されていないが、 「予言者の生涯を綿密に跡づけようとする、その先駆的な紹介としては評価しなければならないが、いくつかの点で注意して読む必要がある」((同書 p.150))と若干の留保が付けられている。
*書誌
:書名|ノストラダムスの生涯
:著者|竹下節子
:版元|朝日新聞社
:出版日|1998年2月1日
**外国人研究者向けの暫定的な仏語訳書誌(Bibliographie provisoire)
:Titre|Nostradamus no shôgai (trad./ La vie de Nostradamus)
:Auteur|TAKESHITA Setsuko
:Publication|Asahi shimbunsha
:Lieu|Tokyo, Japon
:Date|le 1&sup(){er} février 1998
:Note|Biographie remarquable.
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