「六行詩56番」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「六行詩56番」(2020/01/28 (火) 01:48:52) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
[[六行詩集]]>56番*
*原文
Tost l'Elephant&sup(){1} de toutes [[parts>part]] verra&sup(){2}
Quand [[pouruoyeur>pourvoyeur]]&sup(){3} au Griffon&sup(){4} se ioindra,
Sa ruine proche, & Mars qui tousiours gronde:
Fera grands faits aupres de terre&sup(){5} saincte&sup(){6},
Grands estendars&sup(){7} sur la terre&sup(){8} & sur l'onde&sup(){9},
Si la nef&sup(){10} a esté&sup(){11} de deux freres enceinte.
**異文
(1) l'Elephant : l'Elefant 1600Au
(2) de toutes parts verra : de toute parts viendra 1600Mo, viendra de toutes parts 1600Au, de toutes pars verra 1627Ma 1627Di
(3) Quand pouruoyeur : Grand pouruoyeur 1600Au, Le pouruoyeur 1600Mo, Quand prouoyeur 1611B, Quand Pourvoyeur 1672Ga
(4) Griffon : griffon 1600Mo
(5) aupres de terre : proche de terre 1600Au, proche la terre 1600Mo, aupres de Terre 1672Ga
(6) saincte : Sainte 1672Ga
(7) estendars : Estendars 1672Ga
(8) terre : Terre 1672Ga
(9) & sur l'onde : & l'onde 1627Ma 1627Di 1644Hu, & sur l'Onde 1672Ga
(10) nef : Nef 1672Ga
(11) a esté : n'a esté 1600Mo
**校訂
この詩は他の六行詩に典型的な aabccb 式ではなく aabcbc 式に韻を踏んでいる。2行目の joindra との韻を考えると、1行目は1600Au にあるように viendra でも差支えがない。
*日本語訳
すぐに象はあらゆる方向から見るだろう、
供給する者が[[グリフィン]]と結びつくであろう時に。
その破滅は近い。そして、[[マルス]]は始終唸りどおしで、
聖地の近くで大きな諸事件を起こすだろう。
大地にも海にも偉大な軍旗の数々がはためくことになる、
もしも舟が二人の兄弟に取り囲まれたのならば。
*信奉者側の見解
[[ノエル=レオン・モルガール]]の用語解説では、提供する者は王太子(ルイ13世)、グリフィンは神聖ローマ帝国、象はトルコとされている((1600Mo))。
[[テオフィル・ド・ガランシエール]]は、象を神聖ローマ帝国、供給する者をフランス王、グリフィンをオランダと解釈し、フランスとオランダで同盟が成立するときに、神聖ローマ帝国が滅びるという予言だろうとした((Garencieres [1672]))。
[[ジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌ]]は、近未来に起こると想定していた第三次世界大戦において、ソ連(提供する者)とグリフィン(ワルシャワ条約機構)が結託して戦うときの、南アフリカ(象)が果たす役割を説明した詩と解釈した((Fontbrune [1980/1982]))。
*同時代的な視点
モルガールの読み方が当たっているのだとすれば、フランスが従来の親オスマン帝国的な姿勢を改めて神聖ローマ帝国と同盟をむすび、オスマン帝国を滅ぼすことを期待したものだろうか。
あるいは、[[アンリ4世]]は即位以来、ヨーロッパ諸国の大同盟を作り上げ、ハプスブルク家への抑止力にしようとする計画を立てていたので、その計画がルイ13世の代に実現することを期待したものかもしれない。
----
#comment
[[六行詩集]]>56番*
*原文
Tost l'Elephant&sup(){1} de toutes [[parts>part]] verra&sup(){2}
Quand [[pouruoyeur>pourvoyeur]]&sup(){3} au Griffon&sup(){4} se ioindra,
Sa ruine proche, & Mars qui tousiours gronde:
Fera grands faits aupres de terre&sup(){5} saincte&sup(){6},
Grands estendars&sup(){7} sur la terre&sup(){8} & sur l'onde&sup(){9},
Si la nef&sup(){10} a esté&sup(){11} de deux freres enceinte.
**異文
(1) l'Elephant : l'Elefant 1600Au
(2) de toutes parts verra : de toute parts viendra 1600Mo, viendra de toutes parts 1600Au, de toutes pars verra 1627Ma 1627Di
(3) Quand pouruoyeur : Grand pouruoyeur 1600Au, Le pouruoyeur 1600Mo, Quand prouoyeur 1611B, Quand Pourvoyeur 1672Ga
(4) Griffon : griffon 1600Mo
(5) aupres de terre : proche de terre 1600Au, proche la terre 1600Mo, aupres de Terre 1672Ga
(6) saincte : Sainte 1672Ga
(7) estendars : Estendars 1672Ga
(8) terre : Terre 1672Ga
(9) & sur l'onde : & l'onde 1627Ma 1627Di 1644Hu, & sur l'Onde 1672Ga
(10) nef : Nef 1672Ga
(11) a esté : n'a esté 1600Mo
**校訂
この詩は他の六行詩に典型的な aabccb 式ではなく aabcbc 式に韻を踏んでいる。
2行目の joindra との韻を考えると、1行目は1600Au にあるように viendra でも差支えがない。
*日本語訳
すぐに象はあらゆる方向から見るだろう、
供給する者が[[グリフィン]]と結びつくであろう時に。
その破滅は近い。そして、[[マルス]]は始終唸りどおしで、
聖地の近くで大きな諸事件を起こすだろう。
大地にも海にも偉大な軍旗の数々がはためくことになる、
もしも舟が二人の兄弟に取り囲まれたのならば。
*信奉者側の見解
[[ノエル=レオン・モルガール]]の用語解説では、提供する者は王太子(ルイ13世)、グリフィンは神聖ローマ帝国、象はトルコとされている((1600Mo))。
[[テオフィル・ド・ガランシエール]]は、象を神聖ローマ帝国、供給する者をフランス王、グリフィンをオランダと解釈し、フランスとオランダで同盟が成立するときに、神聖ローマ帝国が滅びるという予言だろうとした((Garencieres [1672]))。
[[ジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌ]]は、近未来に起こると想定していた第三次世界大戦において、ソ連(提供する者)とグリフィン(ワルシャワ条約機構)が結託して戦うときの、南アフリカ(象)が果たす役割を説明した詩と解釈した((Fontbrune [1980/1982]))。
*同時代的な視点
モルガールの読み方が当たっているのだとすれば、フランスが従来の親オスマン帝国的な姿勢を改めて神聖ローマ帝国と同盟をむすび、オスマン帝国を滅ぼすことを期待したものだろうか。
あるいは、[[アンリ4世]]は即位以来、ヨーロッパ諸国の大同盟を作り上げ、ハプスブルク家への抑止力にしようとする計画を立てていたので、その計画がルイ13世の代に実現することを期待したものかもしれない。
----
※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。