百詩篇第5巻41番

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*原文 Nay soubz les vmbres&sup(){1} & iornee&sup(){2} nocturne Sera en [[regne]]&sup(){3} & bonté&sup(){4} souueraine&sup(){5}: Fera renaistre son sang de l'antique&sup(){6} vrne&sup(){7}, Renouuelant siecle d'or pour l'ærain&sup(){8}. **異文 (1) Nay soubz les vmbres 1577U 1557B 1568 1590Ro 1649Ca 1650Le 1772Ri : Naises vmbre 1588Rf 1589Me, Naises vmbres 1589Rg, Nay soubz les ombres &italic(){T.A.Eds.} (2) iornee 1557U : iournee / iournée &italic(){T.A.Eds.} (&italic(){sauf} : tournee 1589Rg) (3) regne : Regne 1672 (4) bonté : bonte 1605 (5) souueraine : Souveraine 1672 (6) l'antique : lantique 1589Me, l'entique 1605 1649Xa (7) vrne : vine 1588-89, Urne 1672 (8) d'or : d'Or 1672 (8) ærain : airain 1597 1600 1605 1610 1611 1649Ca 1649Xa 1650Le 1650Ri 1668 1672 1716, airin 1644 1653 1665 1840, arin 1588Rf? 1589Rg, arine 1589Me, ærin 1627 (注記)?がついている異文は判読が困難なもの *日本語訳 夜のような日中と陰の下に生まれた者が、 この上ない善良さで君臨し、 古い壺からの彼の血統を蘇らせるだろう、 青銅の時代を黄金の時代と取り替えつつ。 **訳について  大乗訳1行目「暗黒の夜のひとときに生れるものは」((大乗 [1975] p.159))は、恐らく不適切。journee は多彩な意味を持つが、[[ピーター・ラメジャラー]]や[[ジャン=ポール・クレベール]]は「昼間」の意味に解釈している。  同3行目「古代の骨つぼから発見されるために血の原因となり」は意味不明。[[ヘンリー・C・ロバーツ]]の英訳 He shall cause his blood to be born again from the antique urn ((Roberts [1949] p.158))を何か読み違えたのだろうか。  山根訳は3行目「みずからの血を用いて古い幕を蘇らせ」((山根 [1988] p.191))が不適切。前置詞の位置から言って、そうは読めない。 *信奉者側の見解  未来の偉大な君主に関する詩という点では、おおむね合意されているといってよいだろう。  [[テオフィル・ド・ガランシエール]]は、宵の口に生まれる、ある君主の偉大さと善良さについてとした((Garencieres [1672]))。  その後、19世紀末までの論者でこの詩に触れたのは、[[アナトール・ル・ペルチエ]]だけだった。彼は、未来に現われる「偉大なケルト人」とした((Le Pelletier [1867a] p.330))。  [[エミール・リュイール]]は、未来のフランス王アンリ5世に関する詩とした((Ruir [1939] p.116))。  [[アンドレ・ラモン]]も、近未来においてブルボン家に繋がる血筋から王政復古を実現させる人物が現れる予言と解釈した((Lamont [1943] p.291))。  [[セルジュ・ユタン]]も、伝統的な政体を復活させる大君主の予言とした((Hutin [1978]))。  [[ヴライク・イオネスク]]は[[百詩篇第10巻72番]]と対をなす詩と位置付け、1999年8月の皆既日食の時に、のちにクローヴィス1世の再来と言われるような名君が誕生すると解釈した((イオネスク [1993] pp.132-143))。  [[加治木義博]]は、近未来に日本から現われる真の救世主に関する詩と解釈した((加治木『真説ノストラダムスの大予言』pp.207-209 ; 同『真説ノストラダムスの大予言 黄金の世紀』pp.28-29, 116-118))。 *同時代的な視点  [[ピーター・ラメジャラー]]は、『[[ミラビリス・リベル]]』に描かれた大君主の予言が下敷きになっているとした((Lemesurier [2003b]))。  [[ロジェ・プレヴォ]]は、フリードリヒ2世の再来が終末の皇帝として君臨するという中世の予言が下敷きになっている可能性を指摘した((Prévost [1999] p.218))。  伝説的な名君の誕生という解釈自体は、信奉者側も非信奉者側も変わらない。ただ、それを未来に実現すると解釈するのか、未来に実現するわけではない(であろう)古くからある伝説的なモチーフに過ぎないと解釈するかの違いだろう。 ---- #comment
*原文 Nay soubz les vmbres&sup(){1} & iornee&sup(){2} nocturne Sera en [[regne]]&sup(){3} & bonté&sup(){4} souueraine&sup(){5}: Fera renaistre son sang de l'antique&sup(){6} vrne&sup(){7}, Renouuelant siecle d'or pour l'[[ærain>airain]]&sup(){8}. **異文 (1) Nay soubz les vmbres 1577U 1557B 1568 1590Ro 1649Ca 1650Le 1772Ri : Naises vmbre 1588Rf 1589Me, Naises vmbres 1589Rg, Nay soubz les ombres &italic(){T.A.Eds.} (2) iornee 1557U : iournee / iournée &italic(){T.A.Eds.} (&italic(){sauf} : tournee 1589Rg) (3) regne : Regne 1672 (4) bonté : bonte 1605 (5) souueraine : Souveraine 1672 (6) l'antique : lantique 1589Me, l'entique 1605 1649Xa (7) vrne : vine 1588-89, Urne 1672 (8) d'or : d'Or 1672 (8) ærain : airain 1597 1600 1605 1610 1611 1649Ca 1649Xa 1650Le 1650Ri 1668 1672 1716, airin 1644 1653 1665 1840, arin 1588Rf? 1589Rg, arine 1589Me, ærin 1627 (注記)?がついている異文は判読が困難なもの *日本語訳 夜のような日中と陰の下に生まれた者が、 この上ない善良さで君臨し、 古い壺からの彼の血統を蘇らせるだろう、 青銅の時代を黄金の時代と取り替えつつ。 **訳について  大乗訳1行目「暗黒の夜のひとときに生れるものは」((大乗 [1975] p.159))は、恐らく不適切。journee は多彩な意味を持つが、[[ピーター・ラメジャラー]]や[[ジャン=ポール・クレベール]]は「昼間」の意味に解釈している。  同3行目「古代の骨つぼから発見されるために血の原因となり」は意味不明。[[ヘンリー・C・ロバーツ]]の英訳 He shall cause his blood to be born again from the antique urn ((Roberts [1949] p.158))を何か読み違えたのだろうか。  山根訳は3行目「みずからの血を用いて古い幕を蘇らせ」((山根 [1988] p.191))が不適切。前置詞の位置から言って、そうは読めない。 *信奉者側の見解  未来の偉大な君主に関する詩という点では、おおむね合意されているといってよいだろう。  [[テオフィル・ド・ガランシエール]]は、宵の口に生まれる、ある君主の偉大さと善良さについてとした((Garencieres [1672]))。  その後、19世紀末までの論者でこの詩に触れたのは、[[アナトール・ル・ペルチエ]]だけだった。彼は、未来に現われる「偉大なケルト人」とした((Le Pelletier [1867a] p.330))。  [[エミール・リュイール]]は、未来のフランス王アンリ5世に関する詩とした((Ruir [1939] p.116))。  [[アンドレ・ラモン]]も、近未来においてブルボン家に繋がる血筋から王政復古を実現させる人物が現れる予言と解釈した((Lamont [1943] p.291))。  [[セルジュ・ユタン]]も、伝統的な政体を復活させる大君主の予言とした((Hutin [1978]))。  [[ヴライク・イオネスク]]は[[百詩篇第10巻72番]]と対をなす詩と位置付け、1999年8月の皆既日食の時に、のちにクローヴィス1世の再来と言われるような名君が誕生すると解釈した((イオネスク [1993] pp.132-143))。  [[加治木義博]]は、近未来に日本から現われる真の救世主に関する詩と解釈した((加治木『真説ノストラダムスの大予言』pp.207-209 ; 同『真説ノストラダムスの大予言 黄金の世紀』pp.28-29, 116-118))。 *同時代的な視点  [[ピーター・ラメジャラー]]は、『[[ミラビリス・リベル]]』に描かれた大君主の予言が下敷きになっているとした((Lemesurier [2003b]))。  [[ロジェ・プレヴォ]]は、フリードリヒ2世の再来が終末の皇帝として君臨するという中世の予言が下敷きになっている可能性を指摘した((Prévost [1999] p.218))。  伝説的な名君の誕生という解釈自体は、信奉者側も非信奉者側も変わらない。ただ、それを未来に実現すると解釈するのか、未来に実現するわけではない(であろう)古くからある伝説的なモチーフに過ぎないと解釈するかの違いだろう。 ---- #comment

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