六行詩9番

「六行詩9番」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

六行詩9番」(2019/12/09 (月) 01:45:47) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

[[六行詩集]]>9番* *原文 Deux estendars&sup(){1} du costé de l'Auuergne, [[Senestre>senestre]] pris&sup(){2}, pour vn temps prison regne, Et vne Dame&sup(){3} enfans&sup(){4} voudra mener: Au [[Censuart]]&sup(){5} mais descouuert l'affaire, Danger de mort murmure&sup(){6} sur la terre&sup(){7}, [[Germain]], Bastille&sup(){8} frere & sœur prisonnier&sup(){9}. **異文 (1) estendars : estandarts 1600Au 1600Mo, é[ ]endars 1627Ma, étendar 1627Di, Estendars 1672Ga (2) pris : Prince 1600Mo (3) Et vne Dame : Vne Dame 1600Mo, et vne dame 1627Ma 1627Di (4) enfans : enfant 1672Ga (5) Censuart : Censuard 1600Mo, Censuar 1649Ca, Censurat 1649Xa (6) murmure : & murmure 1627Ma 1627Di 1644Hu (7) la terre : terre 1627Ma 1627Di 1644Hu, la Terre 1672Ga (8) Bastille : dans la Bastille 1600Mo, bastille 1627Ma 1627Di (9) prisonnier : prisonniers 1600Mo (注記)1627Maは1行目 é[ ]endarsの2文字目が不鮮明で文字が読み取れない。 **校訂  costé を[[テオフィル・ド・ガランシエール]]は county と英訳した。フランス語原文はいじっていないが、実質的に comté (伯爵領)と見なしたのだろう。17世紀初頭のオーヴェルニュには確かにオーヴェルニュ伯爵領が存在していた。その方がより文脈に沿っている可能性があることは確かである。 *日本語訳 オーヴェルニュの側からの二つの軍旗は、 左が取られ、一時の間、監獄が支配する。 そして婦人は子供たちを連れて行きたいと思うだろう、 監察官の方へ。しかし、厄介事が露わになる。 死の危険が地上でざわめく。 血の繋がった兄弟姉妹はバスチーユに投獄される。 **訳について  2行目「左が取られ」は「不吉な方が取られ」とも訳せる。  6行目の直訳は「血が繋がった(兄弟)、バスチーユ、兄弟姉妹、囚人」である。妥当と思われる形で語順の調整と補足をした。 *信奉者側の解釈  [[テオフィル・ド・ガランシエール]]や[[マリニー・ローズ]]は、アンリエット・ダントラーグとその一族と解釈した((Garencieres [1672], Rose [2002a]))。  アンリエットの異父兄は、フランス王シャルル9世を父に持つオーヴェルニュ伯シャルルであった。彼らは、アンリエットが[[アンリ4世]]の正妃となることに失敗した後、スペインと結びついたとされ、国家反逆罪に問われた。  オーヴェルニュ伯は1605年2月1日に斬首刑を宣告されたあと、終身刑に減刑されてバスチーユに収監された(のち恩赦で釈放)。 *同時代的な視点  ガランシエールの解釈は詩の情景と十分に一致している。その事件をモデルとした事後予言と見なしても差し支えはないだろう。 ---- #comment
[[六行詩集]]>9番* *原文 Deux estendars&sup(){1} du costé de l'Auuergne, [[Senestre>senestre]] pris&sup(){2}, pour vn temps prison regne, Et vne Dame&sup(){3} enfans&sup(){4} voudra mener: Au [[Censuart]]&sup(){5} mais descouuert l'affaire, Danger de mort murmure&sup(){6} sur la terre&sup(){7}, [[Germain]], Bastille&sup(){8} frere & sœur prisonnier&sup(){9}. **異文 (1) estendars : estandarts 1600Au 1600Mo, é[ ]endars 1627Ma, étendar 1627Di, Estendars 1672Ga (2) pris : Prince 1600Mo (3) Et vne Dame : Vne Dame 1600Mo, et vne dame 1627Ma 1627Di (4) enfans : enfant 1672Ga (5) Censuart : Censuard 1600Mo, Censuar 1649Ca, Censurat 1649Xa (6) murmure : & murmure 1627Ma 1627Di 1644Hu (7) la terre : terre 1627Ma 1627Di 1644Hu, la Terre 1672Ga (8) Bastille : dans la Bastille 1600Mo, bastille 1627Ma 1627Di (9) prisonnier : prisonniers 1600Mo (注記)1627Maは1行目 é[ ]endarsの2文字目が不鮮明で文字が読み取れない。 **校訂  costé を[[テオフィル・ド・ガランシエール]]は county と英訳した。フランス語原文はいじっていないが、実質的に comté (伯爵領)と見なしたのだろう。17世紀初頭のオーヴェルニュには確かにオーヴェルニュ伯爵領が存在していた。その方がより文脈に沿っている可能性があることは確かである。 *日本語訳 オーヴェルニュの側からの二つの軍旗は、 左が取られ、一時の間、監獄が支配する。 そして婦人は子供たちを連れて行きたいと思うだろう、 監察官の方へ。しかし、厄介事が露わになる。 死の危険が地上でざわめく。 血の繋がった兄弟姉妹はバスチーユに投獄される。 **訳について  2行目「左が取られ」は「不吉な方が取られ」とも訳せる。  6行目の直訳は「血が繋がった(兄弟)、バスチーユ、兄弟姉妹、囚人」である。妥当と思われる形で語順の調整と補足をした。 *信奉者側の解釈  [[テオフィル・ド・ガランシエール]]や[[マリニー・ローズ]]は、アンリエット・ダントラーグとその一族と解釈した((Garencieres [1672], Rose [2002a]))。  アンリエットの異父兄は、フランス王シャルル9世を父に持つオーヴェルニュ伯シャルルであった。彼らは、アンリエットが[[アンリ4世]]の正妃となることに失敗した後、スペインと結びついたとされ、国家反逆罪に問われた。  オーヴェルニュ伯は1605年2月1日に斬首刑を宣告されたあと、終身刑に減刑されてバスチーユに収監された(のち恩赦で釈放)。 *同時代的な視点  ガランシエールの解釈は詩の情景と十分に一致している。その事件をモデルとした事後予言と見なしても差し支えはないだろう。 ---- ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: