「ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集 (ピエール・アブグー、1689年)」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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『ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集』(Les Vraies Centuries et Prophéties de Maistre Michel Nostradamus)は、1689年にボルドーの[[ピエール・アブグー]]によっても出版された。
#ref(abegou.PNG)
【画像】左から、1689年アブグー版の扉、第一部扉、第二部扉 ((画像の出典:[[http://www.propheties.it/]]))
*正式名
全体の扉
-LES VRAYES CENTURIES ET PROPHETIES DE MAISTRE MICHEL NOSTRADAMUS.
--Où se void representé tout ce qui s'est passé & se passe presentement tant en France, Espagne, Italie, Allemagne, Angleterre, que autres parties du monde.
--Reveuës & corrigées suivant les premieres Editions.
--Avec la Vie de l'Auteur.
--A BORDEAUX.
--Chez PIERRE ABEGOU, Imprimeur & Marchand Libraire, ruë Saint Jâmes à l'Enseigne du Coq. 1689.
--AVEC PERMISSION.
-ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集
--そこにはフランス、スペイン、イタリア、ドイツ、イギリス、および世界の他の地域で起こったことと現下で起こっていることが全て描かれている。
--初期の諸版に従い、改訂・校正された。
--著者の伝記とともに。
--ボルドー
--雄鶏の旗を掲げるサン・ジャム通りの印刷業者・書肆ピエール・アブグーの工房にて。1689年。
--認可とともに。
第一部
-LES PROPHETIES DE MONSIEUR MICHEL NOSTRADAMUS.
--Dont il y en a trois cens qui n'ont encore jamais été imprimées. Ajoûtées de nouveau.
--A BORDEAUX.
--Chez PIERRE ABEGOU, Imprimeur & Marchand Libraire, ruë Saint Jâmes à l'Enseigne du Coq. 1689.
--AVEC PERMISSION.
-ミシェル・ノストラダムス氏の予言集。
--新たに加えられた未刊の300篇を含む。
--ボルドー
--雄鶏の旗を掲げるサン・ジャム通りの印刷業者・書肆ピエール・アブグーの工房にて。1689年。
--認可とともに。
第二部
-LES PROPHETIES DE M. MICHEL NOSTRADAMUS.
--CENTURIE VIII. IX. X. Qui n'ont encores jamais été imprimées.
--A BORDEAUX.
--Chez PIERRE ABEGOU, Imprimeur & Marchand Libraire, ruë Saint Jâmes à l'Enseigne du Coq. 1689.
--AVEC PERMISSION.
-ミシェル・ノストラダムス師の予言集。
--未刊であった百詩篇第八・九・十巻。
--ボルドー
--雄鶏の旗を掲げるサン・ジャム通りの印刷業者・書肆ピエール・アブグーの工房にて。1689年。
--認可とともに。
扉と第一部とで別の題名が付けられている珍しい版。
扉の題名は[[1650年ライデン版>ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集 (ピエール・レファン、1650年)]]などとほぼ同じだが、「現下で起こっていることが」というフレーズの追加と「初期の諸版」についての説明を省いている点が特殊である。1689年には[[ジャン・ヴォルケ版>ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集 (ジャン・ヴォルケ、1689年)]]、ジャン=バチスト・ブゾンニュ版なども出版されているが、それらにはこのような特色は見られない。
第一部は、リヨンの版で多く用いられてきた題名とほぼ同じだが、M.を Maistre (師)ではなく Monsieur (氏)とした点は他の版では全く見られない。また、「新たに加えられた」についているはずの「著者により」というフレーズが省かれている。
第二部の題名は Centurie が単数形である点は珍しい。
*内容
扉のあとに伝記が収録されている。
そのあと第一部の扉があり、第一序文([[セザールへの手紙]])、百詩篇第1巻1番から第7巻42番までが収められている(補遺篇にあたる内容は含んでいない)。
第二部の扉に続いて、第二序文([[アンリ2世への手紙]])、百詩篇第1巻から第10巻、第11巻(2篇)、第12巻(11篇)が収録されている。第8巻から第10巻までには補遺篇が載っていないのだが、なぜか第12巻のあとに第8巻の補遺篇(6篇)が掲載されている。
最後に[[六行詩集>この世紀のいずれかの年のための驚くべき予言]]が掲載されているが、[[ヴァンサン・セーヴ]]の献辞は省かれている。
*異本
アブグーの版は、最低でもあと2つの異本が存在する。
1つ目は、扉に使われている木版画が上で見たような王冠のようなデザインではなく、花模様を重ねたデザインになっている版である。
2つ目は、冒頭の扉と第二部の扉が上と同じで、第一部の扉のみ以下のようになっている版である。
-LES PROPHETIES DE MONSIEUR MICHEL NOSTRADAMUS.
--Dont il y en a trois cens qui n'ont encore jamais été imprimées. Ajoûtées de nouveau.
--A BORDEAUX.
--Chez ARNAUD LALANE, Marchand Libraire, ruë Saint James. 1689.
--AVEC PERMISSION.
-ミシェル・ノストラダムス氏の予言集。
--新たに加えられた未刊の300篇を含む。
--ボルドー
--サン・ジャム通りの書肆アルノー・ララーヌの店にて。1689年。
--認可とともに。
これは[[ミシェル・ショマラ]]が指摘しているが、[[ロベール・ブナズラ]]はアブグー版とララーヌ版を別の版として紹介している((Chomarat [1989] no.293, Benazra [1990] pp.258-261))。
最後は、[[ロベール・ブナズラ]]が所蔵しているもので、扉と伝記が省かれている版である((Benazra [1990] pp.259-260))。もっとも、これは単に、扉と伝記が欠落したあとにその当時の持ち主が製本し直したなどの状況も想定できるので、ブナズラが設定したように別の版と見なせるのかは分からない。
*所蔵先
上で指摘したように、この版の書誌情報は少々混乱している。そのため、以下の所蔵先は異本ごとに区別することをしていない。
-ボルドー市立図書館、[[ポール・アルボー博物館]]
-マドリード国立図書館、ハーヴァード大学、イリノイ大学、マクマスター大学〔カナダ〕
-ほかにロベール・ギーが私蔵している。また、上で触れたように[[ロベール・ブナズラ]]も全体の扉と伝記のない版を所有している。
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#comment
『ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集』(Les Vraies Centuries et Prophéties de Maistre Michel Nostradamus)は、1689年にボルドーの[[ピエール・アブグー]]によっても出版された。
#ref(abegou.PNG)
【画像】左から、1689年アブグー版の扉、第一部扉、第二部扉 ((画像の出典:[[http://www.propheties.it/]]))
*正式名
全体の扉
-LES VRAYES CENTURIES ET PROPHETIES DE MAISTRE MICHEL NOSTRADAMUS.
--Où se void representé tout ce qui s'est passé & se passe presentement tant en France, Espagne, Italie, Allemagne, Angleterre, que autres parties du monde.
--Reveuës & corrigées suivant les premieres Editions.
--Avec la Vie de l'Auteur.
--A BORDEAUX.
--Chez PIERRE ABEGOU, Imprimeur & Marchand Libraire, ruë Saint Jâmes à l'Enseigne du Coq. 1689.
--AVEC PERMISSION.
-ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集
--そこにはフランス、スペイン、イタリア、ドイツ、イギリス、および世界の他の地域で起こったことと現下で起こっていることが全て描かれている。
--初期の諸版に従い、改訂・校正された。
--著者の伝記とともに。
--ボルドー
--雄鶏の旗を掲げるサン・ジャム通りの印刷業者・書肆ピエール・アブグーの工房にて。1689年。
--認可とともに。
第一部
-LES PROPHETIES DE MONSIEUR MICHEL NOSTRADAMUS.
--Dont il y en a trois cens qui n'ont encore jamais été imprimées. Ajoûtées de nouveau.
--A BORDEAUX.
--Chez PIERRE ABEGOU, Imprimeur & Marchand Libraire, ruë Saint Jâmes à l'Enseigne du Coq. 1689.
--AVEC PERMISSION.
-ミシェル・ノストラダムス氏の予言集。
--新たに加えられた未刊の300篇を含む。
--ボルドー
--雄鶏の旗を掲げるサン・ジャム通りの印刷業者・書肆ピエール・アブグーの工房にて。1689年。
--認可とともに。
第二部
-LES PROPHETIES DE M. MICHEL NOSTRADAMUS.
--CENTURIE VIII. IX. X. Qui n'ont encores jamais été imprimées.
--A BORDEAUX.
--Chez PIERRE ABEGOU, Imprimeur & Marchand Libraire, ruë Saint Jâmes à l'Enseigne du Coq. 1689.
--AVEC PERMISSION.
-ミシェル・ノストラダムス師の予言集。
--未刊であった百詩篇第八・九・十巻。
--ボルドー
--雄鶏の旗を掲げるサン・ジャム通りの印刷業者・書肆ピエール・アブグーの工房にて。1689年。
--認可とともに。
扉と第一部とで別の題名が付けられている珍しい版。
扉の題名は[[1650年ライデン版>ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集 (ピエール・レファン、1650年)]]などとほぼ同じだが、「現下で起こっていることが」というフレーズの追加と「初期の諸版」についての説明を省いている点が特殊である。1689年には[[ジャン・ヴォルケ版>ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集 (ジャン・ヴォルケ、1689年)]]、ジャン=バチスト・ブゾンニュ版なども出版されているが、それらにはこのような特色は見られない。
第一部は、リヨンの版で多く用いられてきた題名とほぼ同じだが、M.を Maistre (師)ではなく Monsieur (氏)とした点は他の版では全く見られない。また、「新たに加えられた」についているはずの「著者により」というフレーズが省かれている。
第二部の題名は Centurie が単数形である点は珍しい。
*内容
扉のあとに伝記が収録されている。
そのあと第一部の扉があり、第一序文([[セザールへの手紙]])、百詩篇第1巻1番から第7巻42番までが収められている(補遺篇にあたる内容は含んでいない)。
第二部の扉に続いて、第二序文([[アンリ2世への手紙]])、百詩篇第1巻から第10巻、第11巻(2篇)、第12巻(11篇)が収録されている。第8巻から第10巻までには補遺篇が載っていないのだが、なぜか第12巻のあとに第8巻の補遺篇(6篇)が掲載されている。
最後に[[六行詩集>この世紀のいずれかの年のための驚くべき予言]]が掲載されているが、[[ヴァンサン・セーヴ]]の献辞は省かれている。
*異本
アブグーの版は、最低でもあと2つの異本が存在する。
1つ目は、扉に使われている木版画が上で見たような王冠のようなデザインではなく、花模様を重ねたデザインになっている版である。
2つ目は、冒頭の扉と第二部の扉が上と同じで、第一部の扉のみ以下のようになっている版である。
-LES PROPHETIES DE MONSIEUR MICHEL NOSTRADAMUS.
--Dont il y en a trois cens qui n'ont encore jamais été imprimées. Ajoûtées de nouveau.
--A BORDEAUX.
--Chez ARNAUD LALANE, Marchand Libraire, ruë Saint James. 1689.
--AVEC PERMISSION.
-ミシェル・ノストラダムス氏の予言集。
--新たに加えられた未刊の300篇を含む。
--ボルドー
--サン・ジャム通りの書肆[[アルノー・ララヌ>アルノー・ラランヌ]]の店にて。1689年。
--認可とともに。
これは[[ミシェル・ショマラ]]が指摘しているが、[[ロベール・ブナズラ]]はアブグー版とララヌ版を別の版として紹介している((Chomarat [1989] no.293, Benazra [1990] pp.258-261))。
最後は、[[ロベール・ブナズラ]]が所蔵しているもので、扉と伝記が省かれている版である((Benazra [1990] pp.259-260))。もっとも、これは単に、扉と伝記が欠落したあとにその当時の持ち主が製本し直したなどの状況も想定できるので、ブナズラが設定したように別の版と見なせるのかは分からない。
*所蔵先
上で指摘したように、この版の書誌情報は少々混乱している。そのため、以下の所蔵先は異本ごとに区別することをしていない。
-ボルドー市立図書館、[[ポール・アルボー博物館]]
-マドリード国立図書館、ハーヴァード大学、イリノイ大学、マクマスター大学〔カナダ〕
-ほかにロベール・ギーが私蔵している。また、上で触れたように[[ロベール・ブナズラ]]も全体の扉と伝記のない版を所有している。
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