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[[六行詩集]]>41番*
*原文
Vaisseaux&sup(){1}, galleres&sup(){2} auec leur estendar&sup(){3},
S'entrebattront&sup(){4} prés&sup(){5} du mont&sup(){6} [[Gilbattar]]&sup(){7}
Et lors sera [[fors]] faits&sup(){8} à Pampelonne&sup(){9},
Qui pour&sup(){11} son bien souffrira&sup(){12} mille maux,
Par plusieurs fois soustiendra les assaux&sup(){13},
Mais à la fin vnie&sup(){14} à la Couronne&sup(){15}.
**異文
(1) Vaisseaux : Vaisseau 1627Di
(2) galleres : Galeres 1672Ga
(3) leur estendar : leurs estendarts 1600Mo, leur Estendar 1672Ga
(4) S'entrebattront : S’entrebattrons 1649Xa, Sentrebattront 1672Ga
(5) prés : pres 1600Mo 1611 1627Ma 1627Di 1644Hu 1672Ga
(6) mont : Mont 1672Ga
(7) Gilbattar : Gilbatard 1600Au, Garbartar 1627Ma 1627Di, Gilbartar 1644Hu
(8) sera fors faits : seront forts faits 1600Au 1600Mo, sera fors fait 1611 1628dR 1649Ca, sera fort fait 1627Ma 1627Di 1644Hu, sera forfait 1672Ga
(9) à Pampelonne : en Pampelune 1600Mo
(10) Qui pour : Que pour 1600Mo
(11) mille maux : milles maux 1600Mo
(12) soustiendra : souffriront 1600Au
(13) les assaux : des assauts 1600Mo
(14) vnie : viendra 1600Mo, vni 1627Ma 1627Di, vny 1644Hu
(15) Couronne : Coronne 1672Ga
**校訂
2行目ジルバタル([[Gilbattar]])がジブラルタル(Gibraltar)だということに異論はない。仮に完全なアナグラムを意識するのなら、異文にもあるようにジルバルタル(Gilbartar)の方が良いだろうが、ラブレーの使用例もあるので、ジルバタルが誤りかどうかはわからない。
3行目 sera fors faits は、いくつもの異文があるように、どのように捉えるのかについて複数の可能性がある。
*日本語訳
軍旗を掲げた艦船やガレー船が、
ジルバタルの山の近くで戦い合うだろう。
そしてその時パンプローナで蚊帳の外に置かれるだろう、
その富のせいで一千の災厄に見舞われるだろう者が。
何度となく襲撃に耐えるだろう、
しかし最後には王冠に結び付けられる。
**訳について
3行目 fors faits を[[エドガー・レオニ]]は heinous crimes と英訳しているが、これは forfait (重大犯罪)と読み替えたものと思われる。他方、forfaire à (~に背く)が受動態になっているのかもしれない。[[テオフィル・ド・ガランシエール]]の読み shall be endeavoured against はそちらに近い。
*信奉者側の解釈
[[テオフィル・ド・ガランシエール]]は、([[アンリ4世]]の即位によってフランス王家にナバラ王家が併呑される形になり)ナバラ王国の首都パンプローナの地位が低下したことの予言とした((Garencieres [1672]))。
*同時代的な視点
ジルバタルがジブラルタル海峡であることに異論はないので、その山は古来「ヘラクレスの柱」として知られた両岸の岩山を指しているのだろう。つまり、そこでの海戦が描かれているのだろうが、具体的なモデルは未詳。
ガランシエールも指摘するように、パンプローナ(の何者か)が王冠に結び付けられるというのは、ナバラ王だったアンリ4世がフランス王にもなったことと関係があるかもしれない。ただし、これまた詩の情景が不鮮明である。
*その他
1600Auでは 39番になっている。
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#comment
[[六行詩集]]>41番*
*原文
Vaisseaux&sup(){1}, galleres&sup(){2} auec leur estendar&sup(){3},
S'entrebattront&sup(){4} prés&sup(){5} du mont&sup(){6} [[Gilbattar]]&sup(){7}
Et lors sera [[fors]] faits&sup(){8} à Pampelonne&sup(){9},
Qui pour&sup(){11} son bien souffrira&sup(){12} mille maux,
Par plusieurs fois soustiendra les assaux&sup(){13},
Mais à la fin vnie&sup(){14} à la Couronne&sup(){15}.
**異文
(1) Vaisseaux : Vaisseau 1627Di
(2) galleres : Galeres 1672Ga
(3) leur estendar : leurs estendarts 1600Mo, leur Estendar 1672Ga
(4) S'entrebattront : S’entrebattrons 1649Xa, Sentrebattront 1672Ga
(5) prés : pres 1600Mo 1611 1627Ma 1627Di 1644Hu 1672Ga
(6) mont : Mont 1672Ga
(7) Gilbattar : Gilbatard 1600Au, Garbartar 1627Ma 1627Di, Gilbartar 1644Hu
(8) sera fors faits : seront forts faits 1600Au 1600Mo, sera fors fait 1611 1628dR 1649Ca, sera fort fait 1627Ma 1627Di 1644Hu, sera forfait 1672Ga
(9) à Pampelonne : en Pampelune 1600Mo
(10) Qui pour : Que pour 1600Mo
(11) mille maux : milles maux 1600Mo
(12) soustiendra : souffriront 1600Au
(13) les assaux : des assauts 1600Mo
(14) vnie : viendra 1600Mo, vni 1627Ma 1627Di, vny 1644Hu
(15) Couronne : Coronne 1672Ga
**校訂
2行目ジルバタル([[Gilbattar]])がジブラルタル(Gibraltar)だということに異論はない。仮に完全なアナグラムを意識するのなら、異文にもあるようにジルバルタル(Gilbartar)の方が良いだろうが、ラブレーの使用例もあるので、ジルバタルが誤りかどうかはわからない。
3行目 sera fors faits は、いくつもの異文があるように、どのように捉えるのかについて複数の可能性がある。
*日本語訳
軍旗を掲げた艦船やガレー船が、
ジルバタルの山の近くで戦い合うだろう。
そしてその時パンプローナで蚊帳の外に置かれるだろう、
その富のせいで一千の災厄に見舞われるだろう者が。
何度となく襲撃に耐えるだろう、
しかし最後には王冠に結び付けられる。
**訳について
3行目 fors faits を[[エドガー・レオニ]]は heinous crimes と英訳しているが、これは forfait (重大犯罪)と読み替えたものと思われる。他方、forfaire à (~に背く)が受動態になっているのかもしれない。[[テオフィル・ド・ガランシエール]]の読み shall be endeavoured against はそちらに近い。
*信奉者側の解釈
[[テオフィル・ド・ガランシエール]]は、([[アンリ4世]]の即位によってフランス王家にナバラ王家が併呑される形になり)ナバラ王国の首都パンプローナの地位が低下したことの予言とした((Garencieres [1672]))。
*同時代的な視点
ジルバタルがジブラルタル海峡であることに異論はないので、その山は古来「ヘラクレスの柱」として知られた両岸の岩山を指しているのだろう。つまり、そこでの海戦が描かれているのだろうが、具体的なモデルは未詳。
ガランシエールも指摘するように、パンプローナ(の何者か)が王冠に結び付けられるというのは、ナバラ王だったアンリ4世がフランス王にもなったことと関係があるかもしれない。ただし、これまた詩の情景が不鮮明である。
*その他
1600Auでは 39番になっている。
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