ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1698年リヨン)

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 『[[ミシェル・ノストラダムス師の予言集]]』は1698年にも[[リヨン]]で出版された。リヨンでは初版以来連綿と『予言集』が再版され続けてきたが、これを最後にリヨンでの再版は1984年まで途絶えることになる。 #ref(1698.PNG) 【画像】第一部の扉(左)と第二部の扉(右)((画像の出典:Chomarat [1976] p.14)) *正式名 第一部 -LES PROPHETIES DE M. MICHEL NOSTRADAMUS, --Dont il y en a trois cens qui n'ont jamais esté imprimées. Ajoustées de nouveau par ledit Autheur. --A LYON. --M. DC. LXXXXVIII. -ミシェル・ノストラダムス師の予言集。 --前述の著者によって新たに加えられた未刊の300篇を含む。 --リヨン。 --1698年 第二部 -LES PROPHETIES DE M. MICHEL NOSTRADAMUS. --Centuries VIII. IX. X. Qui n'ont encore jamais esté imprimées. --A LYON. --M. DC. LXXXXVIII. -ミシェル・ノストラダムス師の予言集。 --未刊であった百詩篇第八・九・十巻。 --リヨン。 --1698年  前年の[[リヨン版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (ジャン・ヴィレ、1697年)]]とほぼ同じである。ただし、cents → cens, été → esté, Ajoûtées → Ajoustées, Auteur → Autheur など、1697年版で現代に近づいた綴りが、幾分古い綴りに逆戻りしている。また、ローマ数字での90の書き方が XC と LXXXX とで違っている。 *内容  第一部は、第一序文([[セザールへの手紙]])、百詩篇第1巻から第6巻([[ラテン語詩>愚かな批評家に対する法の警句]]は含むが、補遺篇の[[百詩篇第6巻100番]]は含まない)、第7巻([[43番>百詩篇第7巻43番ter]]、[[44番>百詩篇第7巻44番]]を含む44篇)の順に収められている。  また、第二部は、第二序文(アンリ2世への手紙)、百詩篇第8巻から第10巻([[101番>Adiousté depuis l'impression de 1568.]]を含む)、第11巻(四行詩2篇と[[六行詩>この世紀のいずれかの年のための驚くべき予言]]58篇)、第12巻([[56番>百詩篇第12巻56番]]を除く10篇)が収められている。  第12巻の末尾に「1665年版や1696年版よりも正確な最古級の諸版に全て従っている」(Le tout suivant les plus anciennes impressions plus correctes que celles de 1665 & 1696.)とある。  最後のページにはノストラダムスの墓碑銘が掲載されている。 **コメント  原文をいくらか比較する範囲では、[[1665年リヨン版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1665年リヨン)]]や[[1697年リヨン版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (ジャン・ヴィレ、1697年)]]と共通するようである。  そういう意味では、巻末の「最古級の諸版」云々を額面通りに捉えることはできない。そもそも、1696年版は現存しない。数字の順序を間違えたのだとしたら[[1669年リヨン版>ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集 (1669年リヨン)]]などの誤りかもしれない。他方、隣接する数字との取り違えなのだとしたら1697年リヨン版などの誤りなのかもしれない。  刊行者名が書かれていないが、かつて[[アンリ・トルネ=シャヴィニー]]は1697年版と同じくジャン・ヴィレの出版としていた。たしかに字体なども似ているように見えなくもないが、前年に名前と住所を明記して出版した人物が、わざわざ匿名で出版する理由は不明である。  前年の特認がヴィレ宛でなく、フランソワ・ルー未亡人宛になっていたことから、何か許認可上のトラブルがあって、仕方なくヴィレが匿名で再版したといったストーリーを仮定することは不可能でないが、根拠は全くない。  [[ミシェル・ショマラ]]や[[ロベール・ブナズラ]]は、特に刊行者について推測はしていない。 *所蔵先 -ブザンソン市立図書館、カーン市立図書館、ドゥーエ市立図書館、ナント市立図書館、リヨン市立図書館ミシェル・ショマラ文庫、マザラン図書館、[[ポール・アルボー博物館]]、RAMKAT -ヴェネツィア市立図書館、ジュネーヴBPU、ローザンヌ州立・大学図書館、ルガノ州立・大学(スイス)、ヌーシャテル州立・大学図書館、国立マルチアーナ図書館、大英図書館、ウェルカム医学史図書館、ウプサラ大学、スロヴァキア国立Matica Slovenska、ハーヴァード大学、テキサス大学 ---- #comment
 『[[ミシェル・ノストラダムス師の予言集]]』は1698年にも[[リヨン]]で出版された。リヨンでは初版以来連綿と『予言集』が再版され続けてきたが、これを最後にリヨンでの再版は1984年まで途絶えることになる。 #ref(1698.PNG) 【画像】第一部の扉(左)と第二部の扉(右)((画像の出典:Chomarat [1976] p.14)) *正式名 第一部 -LES PROPHETIES DE M. MICHEL NOSTRADAMUS, --Dont il y en a trois cens qui n'ont jamais esté imprimées. Ajoustées de nouveau par ledit Autheur. --A LYON. --M. DC. LXXXXVIII. -ミシェル・ノストラダムス師の予言集。 --前述の著者によって新たに加えられた未刊の300篇を含む。 --リヨン。 --1698年 第二部 -LES PROPHETIES DE M. MICHEL NOSTRADAMUS. --Centuries VIII. IX. X. Qui n'ont encore jamais esté imprimées. --A LYON. --M. DC. LXXXXVIII. -ミシェル・ノストラダムス師の予言集。 --未刊であった百詩篇第八・九・十巻。 --リヨン。 --1698年  前年の[[リヨン版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (ジャン・ヴィレ、1697年)]]とほぼ同じである。ただし、cents → cens, été → esté, Ajoûtées → Ajoustées, Auteur → Autheur など、1697年版で現代に近づいた綴りが、幾分古い綴りに逆戻りしている。また、ローマ数字での90の書き方が XC と LXXXX とで違っている。 *内容  第一部は、第一序文([[セザールへの手紙]])、百詩篇第1巻から第6巻([[ラテン語詩>愚かな批評家に対する法の警句]]は含むが、補遺篇の[[百詩篇第6巻100番]]は含まない)、第7巻([[43番>百詩篇第7巻43番ter]]、[[44番>百詩篇第7巻44番]]を含む44篇)の順に収められている。  また、第二部は、第二序文(アンリ2世への手紙)、百詩篇第8巻から第10巻([[101番>Adiousté depuis l'impression de 1568.]]を含む)、第11巻(四行詩2篇と[[六行詩>この世紀のいずれかの年のための驚くべき予言]]58篇)、第12巻([[56番>百詩篇第12巻56番]]を除く10篇)が収められている。  第12巻の末尾に「1665年版や1696年版よりも正確な最古級の諸版に全て従っている」(Le tout suivant les plus anciennes impressions plus correctes que celles de 1665 & 1696.)とある。  最後のページにはノストラダムスの墓碑銘が掲載されている。 **コメント  そもそも、1696年版は現存しないので、巻末の「最古級の諸版」云々を額面通りに捉えることはできない。数字の順序を間違えたのだとしたら[[1669年リヨン版>ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集 (1669年リヨン)]]などの誤りかもしれない。他方、隣接する数字との取り違えなのだとしたら[[1697年リヨン版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (ジャン・ヴィレ、1697年)]]などの誤りなのかもしれない。  確かに、原文をいくらか比較する範囲では、[[1665年リヨン版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1665年リヨン)]]や[[1697年リヨン版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (ジャン・ヴィレ、1697年)]]とは若干系統が異なるのは事実で、リヨン系でも、それらよりもさかのぼる版を参照した可能性は否定できない。  刊行者名が書かれていないが、かつて[[アンリ・トルネ=シャヴィニー]]は1697年版と同じくジャン・ヴィレの出版としていた。たしかに字体なども似ているように見えなくもないが、前年に名前と住所を明記して出版した人物が、わざわざ匿名で出版する理由は不明である。  実際、上述の通り、ローマ数字の綴り方なども異なるし、原文の系統にも違いがあるとなれば、ヴィレとは別の業者を想定する方が妥当なようにも見えなくない。  前年の特認がヴィレ宛でなく、フランソワ・ルー未亡人宛になっていたことから、何か許認可上のトラブルがあって、仕方なくヴィレが匿名で再版したといったストーリーを仮定することは不可能でないが、根拠は全くない。  [[ミシェル・ショマラ]]や[[ロベール・ブナズラ]]は、特に刊行者について推測はしていない。 *所蔵先 -ブザンソン市立図書館、カーン市立図書館、ドゥーエ市立図書館、ナント市立図書館、リヨン市立図書館ミシェル・ショマラ文庫、マザラン図書館、[[ポール・アルボー博物館]]、RAMKAT -ヴェネツィア市立図書館、ジュネーヴBPU、ローザンヌ州立・大学図書館、ルガノ州立・大学(スイス)、ヌーシャテル州立・大学図書館、国立マルチアーナ図書館、大英図書館、ウェルカム医学史図書館、ウプサラ大学、スロヴァキア国立Matica Slovenska、ハーヴァード大学、テキサス大学 ---- #comment

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