六行詩29番

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[[六行詩集]]>29番* *原文 Le Griffon&sup(){1} se peut aprester Pour à l'ennemy resister, Et renforcer&sup(){2} bien son armée&sup(){3}, Autremenr&sup(){4} l'Elephant viendra Qui d'vn a bord&sup(){5} le&sup(){6} surprendra, Six cens & huict, mer&sup(){7} enflammée. **異文 (1) Griffon : griffon 1600Mo (2) renforcer : renforce 1600Mo (3) armée : Armée 1672Ga (4) Autremenr 1605sn : Autrement &italic(){T.A.Eds.} (5) a bord 1605sn 1649Xa : abord &italic(){T.A.Eds.}(sauf : abort 1600Mo) (6) le : se 1627Di (7) mer : Mer 1672Ga **校訂  Autremenr が単なる誤植なのは言うまでもない。 *日本語訳 [[グリフィン]]が準備しているのかもしれない、 敵に抵抗し、 まさにその軍備を増強するために。 他方、象が来るだろう。 それは近づくや彼を急襲するだろう。 六百と八、海が燃やされる。 **訳について  5行目の「彼」(le)は1行目のグリフィンもしくは2行目の敵を受けている。 *信奉者側の見解  [[ノエル=レオン・モルガール]]の用語解説では[[グリフィン]]は神聖ローマ帝国、象はトルコとされている((1600Mo))。  [[テオフィル・ド・ガランシエール]]は[[グリフィン]]をオランダ人、象をスペイン人とし、オランダ独立を巡り、スペインが攻撃を仕掛けるさまを描写したものとした。最後の行は1608年のオランダ・スペイン間の海戦の状況だという((Garencieres [1672]))。  [[マックス・ド・フォンブリュヌ]]は未来に現われるヨーロッパ統一政府の詩とした[[百詩篇第10巻86番]]のすぐ後にこの詩を載せた。ただし、解釈はおろか、ほかの詩に見られる釈義すら載せていない((Fontbrune [1939] p.192))。  [[ジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌ]]は、近未来に起こると想定していた世界大戦で、ワルシャワ条約機構加盟国が南アフリカからの軍隊の襲来に備えることと解釈していた((Fontbrune (1980)[1982]))。 *同時代的な視点  [[グリフィン]]と象の組み合わせは[[六行詩56番]]にも見られるが、具体的に何を喩えたものかは不明である。  モルガールの読みが当たっているのだとすれば、1608年に神聖ローマ帝国とオスマントルコが地中海で衝突することを期待したものだったのかもしれない。それら二国は16世紀末から争っており、この詩が偽作された1605年(以前)にはまだ終戦を迎えていなかった(1606年のジトヴァトロク条約で神聖ローマ側に有利な形で終戦((近藤和彦『西洋世界の歴史』p.193)))。 *その他  1600Au では 25番になっている。 ---- #comment
[[六行詩集]]>29番* *原文 Le Griffon&sup(){1} se peut aprester Pour à l'ennemy resister, Et renforcer&sup(){2} bien son armée&sup(){3}, Autremenr&sup(){4} l'Elephant viendra Qui d'vn a bord&sup(){5} le&sup(){6} surprendra, Six cens & huict, mer&sup(){7} enflammée. **異文 (1) Griffon : griffon 1600Mo (2) renforcer : renforce 1600Mo (3) armée : Armée 1672Ga (4) Autremenr 1605sn : Autrement &italic(){T.A.Eds.} (5) a bord 1605sn 1649Xa : abord &italic(){T.A.Eds.}(sauf : abort 1600Mo) (6) le : se 1627Di (7) mer : Mer 1672Ga **校訂  Autremenr が単なる誤植なのは言うまでもない。 *日本語訳 [[グリフィン]]が準備しているのかもしれない、 敵に抵抗し、 まさにその軍備を増強するために。 他方、象が来るだろう。 それは近づくや彼を急襲するだろう。 六百と八、海が燃やされる。 **訳について  5行目の「彼」(le)は1行目のグリフィンもしくは2行目の敵を受けている。 *信奉者側の見解  [[ノエル=レオン・モルガール]]の用語解説では[[グリフィン]]は神聖ローマ帝国、象はトルコとされている((1600Mo))。  [[テオフィル・ド・ガランシエール]]は[[グリフィン]]をオランダ人、象をスペイン人とし、オランダ独立を巡り、スペインが攻撃を仕掛けるさまを描写したものとした。最後の行は1608年のオランダ・スペイン間の海戦の状況だという((Garencieres [1672]))。  [[マックス・ド・フォンブリュヌ]]は未来に現われるヨーロッパ統一政府の詩とした[[百詩篇第10巻86番]]のすぐ後にこの詩を載せた。ただし、解釈はおろか、ほかの詩に見られる釈義すら載せていない((Fontbrune [1939] p.192))。  [[ジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌ]]は、近未来に起こると想定していた世界大戦で、ワルシャワ条約機構加盟国が南アフリカからの軍隊の襲来に備えることと解釈していた((Fontbrune (1980)[1982]))。 *同時代的な視点  [[グリフィン]]と象の組み合わせは[[六行詩56番]]にも見られるが、具体的に何を喩えたものかは不明である。  モルガールの読みが当たっているのだとすれば、1608年に神聖ローマ帝国とオスマントルコが地中海で衝突することを期待したものだったのかもしれない。  それら二国は16世紀末から争っており、この詩が偽作された1605年(以前)にはまだ終戦を迎えていなかった(1606年のジトヴァトロク条約で神聖ローマ側に有利な形で終戦((近藤和彦『西洋世界の歴史』p.193)))。 *その他  1600Au では 25番になっている。 ---- ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。

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