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[[六行詩集]]>25番*
*原文
Six cens & six, six cens & neuf&sup(){1},
Vn Chancelier gros comme vn bœuf&sup(){2},
Vieux comme le Phœnix&sup(){3} du monde&sup(){4},
En&sup(){5} ce terroir&sup(){6} plus ne luyra&sup(){7},
De la nef&sup(){8} d'oubly&sup(){9} passera,
Aux champs [[Elisiens>Elysiens]]&sup(){10} faire ronde.
**異文
(1) Six cens & six, six cens & neuf : Six cens six ou six cens neuf 1600Au, Mil six cens six ou neuf 1600Mo
(2) bœuf : beuf 1627Ma 1627Di, Bœuf 1672Ga
(3) Phœnix : phœnix 1627Ma 1627Di 1644Hu
(4) monde : Monde 1672Ga
(5) En : Fn 1627Di
(6) terroir : terrouer 1600Au 1600Mo, Terroir 1672Ga
(7) luyra : viura 1600Mo
(8) nef : Nef 1672Ga
(9) d'oubly : doubly 1600Au 1600Mo 1672Ga
(10) Aux champs Elisiens : Pour aux champs eliziens 1600Mo, Aux chanps Elisiens 1627Di, Aux Champs Elysiens 1672Ga
*日本語訳
六百と六、六百と九、
牡牛のように大きく、
この世の[[フェニックス]]のように年老いた大法官は、
その領地ではもはや輝かず、
忘却の船で行くだろう、
エリュシオンの野へと巡視のために。
**訳について
「大法官」は2行目に置くべきだが、形容詞の係り方の関係上3行目に回した。
*信奉者側の見解
[[ノエル=レオン・モルガール]]の用語解説ではフェニックスはモンモランシーとされている((1600Mo))。
[[テオフィル・ド・ガランシエール]]は1行目を1606年か1609年ということでなく、それを合成した1615年と解釈し、その頃に当時のフランスの大法官ニコラ・ブリュラール・ド・シルリ(Nicolas Brulart de Sillery, 在位1605年 - 1606年、1607年 - 1616年)が死んだことを的中させたとした((Garencieres [1672]))。
*同時代的な視点
エリュシオンの野は冥府のことで、権勢を誇る「大法官」(宰相、尚書局長)の死が描かれている。
大法官が比喩でないのなら、確かにガランシエールの解釈は可能性としてありうる。ただし、年数の解釈は強引だろう。素直に考えるなら、この詩の偽作者は高齢の大法官の死がそう遠くないことを予測したが、適切に言い当てることに失敗したというだけの話ではないだろうか。その場合、シルリよりもその前任者のポンポンヌ・ド・ベリエーヴル(Pomponne de Bellièvre)のほうが有力に思える。彼は1599年から1605年に大法官の地位にあり、その任を終えた時点で75歳を超えており、近い時期に亡くなると推測することは難しくなかったであろう。
*その他
1600Au では22番とされている。
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#comment
[[六行詩集]]>25番*
*原文
Six cens & six, six cens & neuf&sup(){1},
Vn Chancelier gros comme vn bœuf&sup(){2},
Vieux comme le Phœnix&sup(){3} du monde&sup(){4},
En&sup(){5} ce terroir&sup(){6} plus ne luyra&sup(){7},
De la nef&sup(){8} d'oubly&sup(){9} passera,
Aux champs [[Elisiens>Elysiens]]&sup(){10} faire ronde.
**異文
(1) Six cens & six, six cens & neuf : Six cens six ou six cens neuf 1600Au, Mil six cens six ou neuf 1600Mo
(2) bœuf : beuf 1627Ma 1627Di, Bœuf 1672Ga
(3) Phœnix : phœnix 1627Ma 1627Di 1644Hu
(4) monde : Monde 1672Ga
(5) En : Fn 1627Di
(6) terroir : terrouer 1600Au 1600Mo, Terroir 1672Ga
(7) luyra : viura 1600Mo
(8) nef : Nef 1672Ga
(9) d'oubly : doubly 1600Au 1600Mo 1672Ga
(10) Aux champs Elisiens : Pour aux champs eliziens 1600Mo, Aux chanps Elisiens 1627Di, Aux Champs Elysiens 1672Ga
*日本語訳
六百と六、六百と九、
牡牛のように大きく、
この世の[[フェニックス]]のように年老いた大法官は、
その領地ではもはや輝かず、
忘却の船で行くだろう、
エリュシオンの野へと巡視のために。
**訳について
「大法官」は2行目に置くべきだが、形容詞の係り方の関係上3行目に回した。
*信奉者側の見解
[[ノエル=レオン・モルガール]]の用語解説ではフェニックスはモンモランシーとされている((1600Mo))。
[[テオフィル・ド・ガランシエール]]は1行目を1606年か1609年ということでなく、それを合成した1615年と解釈し、その頃に当時のフランスの大法官ニコラ・ブリュラール・ド・シルリ(Nicolas Brulart de Sillery, 在位1605年 - 1606年、1607年 - 1616年)が死んだことを的中させたとした((Garencieres [1672]))。
*同時代的な視点
エリュシオンの野は冥府のことで、権勢を誇る「大法官」(宰相、尚書局長)の死が描かれている。
大法官が比喩でないのなら、確かにガランシエールの解釈は可能性としてありうる。
ただし、年数の解釈は強引だろう。
素直に考えるなら、この詩の偽作者は高齢の大法官の死がそう遠くないことを予測したが、適切に言い当てることに失敗したというだけの話ではないだろうか。
その場合、シルリよりもその前任者のポンポンヌ・ド・ベリエーヴル(Pomponne de Bellièvre)のほうが有力に思える。
ベリエーヴルは1599年から1605年に大法官の地位にあり、その任を終えた時点で75歳を超えており、近い時期に亡くなると推測することは難しくなかったであろう。
*その他
1600Au では22番とされている。
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