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『&bold(){初期の百詩篇集すなわち(1555年マセ・ボノム版)「予言集」}』(Les Première Centuries ou Prophéties (édition Macé Bonhomme de 1555).)は、[[ピエール・ブランダムール]]の著書。1996年にジュネーヴのドローズ社から、定評ある「フランス文学テクスト」叢書の1冊として出版された信頼度の高い校訂版である。
#amazon(2600001387)
【画像】 表紙
*正式名
- LES PREMIÈRE CENTURIES OU &italic(){PROPHÉTIES} (édition Macé Bonhomme de 1555).
--Edition et commentaire de l'&italic(){Epître à César} et des 353 premiers quatrains par PIERRE BRIND'AMOUR.
-初期の百詩篇集すなわち(1555年マセ・ボノム版)『予言集』
--ピエール・ブランダムールによる「セザールへの献辞」と初版分の353篇の四行詩の編集と注記
*内容
著者[[ピエール・ブランダムール]]はこの著書の出版を見ることなく歿した。そのことを記した、オタワ大学の同僚だったピエール・カンストマン(Pierre Kunstmann)による注記が冒頭に掲載されている。
続いてブランダムール自身による序言と導入が収録され、『予言集』の読み方や背景について説明されている。
「[[セザールへの手紙]]」は[[ウジェーヌ・バレスト]]の区切り方を踏襲しつつ、区切りごとに釈義(paraphrase, 現代フランス語による平易な言い換え)が付けられ、脚注も充実している。
本編となる百詩篇集は[[『予言集』初版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1555年リヨン)]]のうちオーストリア国立図書館の伝本を底本とし、原文の校訂と10種類以上の版と比較した異文の収録が行われている。それだけにとどまらず、それぞれの詩には、用語解説、釈義、韻律論(韻律上どの音を読み、どの音を省くべきかなどの説明)、解説などが掲載されている。
最後に参考文献の一覧が掲載されているが、特にノストラダムス自身の著書については、[[1557年11月3日版の『予言集』>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1557年)]]が海賊版である可能性を示すなど、書誌上の知見も盛り込まれている。
*派生
[[高田勇]]・[[伊藤進]]『[[ノストラダムス予言集>ノストラダムス予言集 (岩波書店)]]』は、この本で校訂された原文を抄訳したものであり、注記にもブランダムールの見解が反映されている。
*コメント
『予言集』について同時代的視点から読み解こうとする研究は複数存在するが、その中でもかなり早い段階に属し、かつ最重要なものといえるだろう。
原文の校訂はものによってはかなり大胆で、かならずしも後続の論者たちから支持されているものばかりではない。また、最終的な校正を本人が行えなかったこともあってか、原文比較にはいくつもの誤植がある。
しかしながら、その豊かな古典知識と、暦書なども含めたノストラダムス作品に対する造詣の深さは他の追随を許すものではなく、初版収録分の内容については、まず第一にこの文献を参照すべきであろう。
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#comment
『&bold(){初期の百詩篇集すなわち(1555年マセ・ボノム版)「予言集」}』(Les Premières Centuries ou Prophéties (édition Macé Bonhomme de 1555).)は、[[ピエール・ブランダムール]]の著書。1996年にジュネーヴのドローズ社から、定評ある「フランス文学テクスト」叢書の1冊として出版された信頼度の高い校訂版である。
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【画像】 表紙
*正式名
- LES PREMIÈRES CENTURIES OU &italic(){PROPHÉTIES} (édition Macé Bonhomme de 1555).
--Edition et commentaire de l'&italic(){Epître à César} et des 353 premiers quatrains par PIERRE BRIND'AMOUR.
-初期の百詩篇集すなわち(1555年マセ・ボノム版)『予言集』
--ピエール・ブランダムールによる「セザールへの献辞」と初版分の353篇の四行詩の編集と注記
*内容
著者[[ピエール・ブランダムール]]はこの著書の出版を見ることなく歿した。そのことを記した、オタワ大学の同僚だったピエール・カンストマン(Pierre Kunstmann)による注記が冒頭に掲載されている。
続いてブランダムール自身による序言と導入が収録され、『予言集』の読み方や背景について説明されている。
「[[セザールへの手紙]]」は[[ウジェーヌ・バレスト]]の区切り方を踏襲しつつ、区切りごとに釈義(paraphrase, 現代フランス語による平易な言い換え)が付けられ、脚注も充実している。
本編となる百詩篇集は[[『予言集』初版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1555年リヨン)]]のうちオーストリア国立図書館の伝本を底本とし、原文の校訂と10種類以上の版と比較した異文の収録が行われている。それだけにとどまらず、それぞれの詩には、用語解説、釈義、韻律論(韻律上どの音を読み、どの音を省くべきかなどの説明)、解説などが掲載されている。
最後に参考文献の一覧が掲載されているが、特にノストラダムス自身の著書については、[[1557年11月3日版の『予言集』>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1557年)]]が海賊版である可能性を示すなど、書誌上の知見も盛り込まれている。
*派生
[[高田勇]]・[[伊藤進]]『[[ノストラダムス予言集>ノストラダムス予言集 (岩波書店)]]』は、この本で校訂された原文を抄訳したものであり、注記にもブランダムールの見解が反映されている。
*コメント
『予言集』について同時代的視点から読み解こうとする研究は複数存在するが、その中でもかなり早い段階に属し、かつ最重要なものといえるだろう。
原文の校訂はものによってはかなり大胆で、かならずしも後続の論者たちから支持されているものばかりではない。また、最終的な校正を本人が行えなかったこともあってか、原文比較にはいくつもの誤植がある。
しかしながら、その豊かな古典知識と、暦書なども含めたノストラダムス作品に対する造詣の深さは他の追随を許すものではなく、初版収録分の内容については、まず第一にこの文献を参照すべきであろう。
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