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[[六行詩集]]>58番*
*原文
Sangsuë&sup(){1} en&sup(){2} peu de temps mourra,
Sa mort bon signe nous donra&sup(){3},
Pour l'accroissement de la France,
Alliance&sup(){4} se trouueront&sup(){5},
Deux grands&sup(){6} Royaumes se ioindront,
François aura&sup(){7} sur eux&sup(){8} puissance.
**異文
(1) Sangsuë : Censue 1600Au, Sansue 1600Mo, Sangsue 1628dR
(2) en : dans 1600Mo
(3) nous donra : donnera 1600Au, nous donnera 1600Mo
(4) Alliance : Alliances 1611 1627Di 1644Hu 1649Ca 1672Ga
(5) trouueront : trameront 1600Au[?] 1600Mo, treuueront 1627Ma
(6) grands : grandes 1600Au
(7) aura : auront 1600Mo
(8) eux : tout 1600Au 1600Mo
**校訂
4行目の Alliance は動詞の活用からすれば Alliances となっているべき。その動詞は se trouveront よりも se trameront の方がふさわしいように思われる。
6行目の eux は tout の方が良いようにも思える。
*日本語訳
蛭が間もなく死ぬだろう。
その死は我々には吉兆となるだろう。
フランスの発展のために、
同盟が企てられ、
二つの偉大な王国は互いに結びつくだろう。
フランス人は彼らを上回る力を持つだろう。
*信奉者側の見解
[[ノエル=レオン・モルガール]]の用語解説では、「蛭」はスペイン人を指している。
[[テオフィル・ド・ガランシエール]]は、フランス王ルイ14世とスペイン王女マリー=テレーズが結婚し(1660年)、当時男子継承者のいなかったスペイン王フェリペ4世(在位1621年 - 1665年)の死後に、後継問題に関する権利を得たことと解釈した((Garencieres [1672]))。
[[1691年ルーアン版『予言集』>ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集 (ブゾンニュ、1691年)]]に掲載された「当代の一知識人」の解釈では、スペイン王が子供のいないまま死ぬことで、フランスがスペインを併呑することになると解釈した((1691Besongne, p.216))。1661年にカルロス2世が誕生してフェリペの跡を継いだが、子供のいないまま1700年に歿し、ブルボン系のスペイン王フェリペ5世が誕生したから、部分的には当たったといえるのかもしれない。
*同時代的な視点
蛭がスペイン王家を指しているのだとしたら、フランスがスペインを飲み込むことを期待して書かれた詩の可能性は確かにある。
ただし、六行詩集はブルボン王家に好意的な立場で書かれているので、その締めくくりの詩もフランス王家の繁栄を描いているということにすぎないのではなかろうか。
*その他
1600Au では56番になっている。これが最後の詩であることに変わりはない。
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#comment
[[六行詩集]]>58番*
*原文
Sangsuë&sup(){1} en&sup(){2} peu de temps mourra,
Sa mort bon signe nous donra&sup(){3},
Pour l'accroissement de la France,
Alliance&sup(){4} se trouueront&sup(){5},
Deux grands&sup(){6} Royaumes se ioindront,
François aura&sup(){7} sur eux&sup(){8} puissance.
**異文
(1) Sangsuë : Censue 1600Au, Sansue 1600Mo, Sangsue 1628dR
(2) en : dans 1600Mo
(3) nous donra : donnera 1600Au, nous donnera 1600Mo
(4) Alliance : Alliances 1611 1627Di 1644Hu 1649Ca 1672Ga
(5) trouueront : trameront 1600Au[?] 1600Mo, treuueront 1627Ma
(6) grands : grandes 1600Au
(7) aura : auront 1600Mo
(8) eux : tout 1600Au 1600Mo
**校訂
4行目の Alliance は動詞の活用からすれば Alliances となっているべき。その動詞は se trouveront よりも se trameront の方がふさわしいように思われる。
6行目の eux は tout の方が良いようにも思える。
*日本語訳
蛭が間もなく死ぬだろう。
その死は我々には吉兆となるだろう。
フランスの発展のために、
同盟が企てられ、
二つの偉大な王国は互いに結びつくだろう。
フランス人は彼らを上回る力を持つだろう。
*信奉者側の見解
[[ノエル=レオン・モルガール]]の用語解説では、「蛭」はスペイン人を指している。
[[テオフィル・ド・ガランシエール]]は、フランス王ルイ14世とスペイン王女マリー=テレーズが結婚し(1660年)、当時男子継承者のいなかったスペイン王フェリペ4世(在位1621年 - 1665年)の死後に、後継問題に関する権利を得たことと解釈した((Garencieres [1672]))。
[[1691年ルーアン版『予言集』>ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集 (ブゾンニュ、1691年)]]に掲載された「当代の一知識人」の解釈では、スペイン王が子供のいないまま死ぬことで、フランスがスペインを併呑することになると解釈した((1691Besongne, p.216))。1661年にカルロス2世が誕生してフェリペの跡を継いだが、子供のいないまま1700年に歿し、ブルボン系のスペイン王フェリペ5世が誕生したから、部分的には当たったといえるのかもしれない。
*同時代的な視点
蛭がスペイン王家を指しているのだとしたら、フランスがスペインを飲み込むことを期待して書かれた詩の可能性は確かにある。
ただし、六行詩集はブルボン王家に好意的な立場で書かれているので、その締めくくりの詩もフランス王家の繁栄を描いているということにすぎないのではなかろうか。
*その他
1600Au では56番になっている。これが最後の詩であることに変わりはない。
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