六行詩45番

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[[六行詩集]]>45番* *原文 De coup&sup(){1} de fer tout le monde&sup(){2} estonné, Pa&sup(){3} Crocodil&sup(){4} estrangement donné, A vn bien grand, parent de la sangsuë&sup(){5}, Et peu apres&sup(){6} sera vn autre coup De guet à pens&sup(){7}, commis contre le loup&sup(){8}, Et de tels faits on ne&sup(){9} verra l'issuë&sup(){10}. **異文 (1) De coup : D'vn coup 1600Au 1600Mo, De coup. 1611B (2) monde : Monde 1672Ga (3) Pa 1605sn 1649Xa : Par T.A.Eds. (4) Crocodil : Crocodril 1600Au, Cocodril 1600Mo (5) sangsuë : censue 1600Au 1600Mo, Sangsue 1672Ga (6) apres : aupres 1644Hu (7) pens : pend 1600Mo 1611 1627Ma 1627Di 1644Hu (8) loup : Loup 1672Ga (9) ne 1605sn 1649Xa : en 1600Au 1600Mo 1611 1627Ma 1627Di 1628dR 1644Hu 1649Ca 1672Ga (10) l'issuë : l'yssüe 1672Ga **校訂  2行目 Pa が Par の誤植なのは論を俟たない。  6行目は多くの版が ne verra を en verra としており、どちらを採るかで意味が正反対になる。モデルを特定しきれない以上、どちらとするかの決め手を欠くが、手稿(1600Au)が en であったということは、そちらが優勢か。 *日本語訳 鉄器の一撃に皆が驚かされる、 (それは)奇妙にもワニによって与えられる、 蛭の縁者である非常に偉大な者への(一撃だ)。 そして程なくして別の一撃があるだろう。 (それは)悪意を持って狼に対して犯された(一撃だ)。 そうした諸事件により、その結果が目撃されるだろう。 **訳について  2、3行目は1行目の「鉄器の一撃」を修飾しており、5行目は4行目の「別の一撃」を修飾している。そのあたりの関係が分かりやすいように行の順序を入れ替えて訳せば、  蛭の縁者である非常に偉大な者に対して、  ワニが奇妙にも加えることになる  鉄器の一撃に皆が驚かされる。  そして程なくして、悪意を持って狼に対して犯される  別の一撃があるだろう。  そうした諸事件により、その結果が目撃されるだろう。 とでも訳すと、いくぶん繋がりが分かりやすいのではないだろうか。  5行目 De guet a pens は中期フランス語の成句で「予謀して」(de manière préméditée)、「悪意を持って」(avec l'intention de nuire)を意味する成句((DMF p.338))。現代語の guet-apens に通じる。  6行目はとりあえず肯定文として訳した。 *信奉者側の見解  [[ノエル=レオン・モルガール]]の用語解説では「ワニ」はフランス人の裏切り者、「蛭」はスペイン人、「狼」はイギリス人とされている((1600Mo))。  [[テオフィル・ド・ガランシエール]]は[[六行詩31番]]で与えた以上の説明をする必要がないと述べていた((Garencieres [1672]))。つまり、[[アンリ4世]]暗殺かアンリ・ド・モンモランシーの刑死と解釈したということだろう。  匿名の解釈書『暴かれた未来』は、[[六行詩31番]]と同じ表現が使われていることを認めつつ、アンリ3世の暗殺と解釈した((L’Avenir..., pp.102-103))。 *同時代的な視点  冒頭の2行は[[六行詩31番]]の4、5行目とほぼ同じである。当然、モチーフも同一線上にある可能性は想定できるが、曖昧すぎて特定が難しい。 *その他  1600Au では43番になっている。 ---- #comment
[[六行詩集]]>45番* *原文 De coup&sup(){1} de fer tout le monde&sup(){2} estonné, Pa&sup(){3} Crocodil&sup(){4} estrangement donné, A vn bien grand, parent de la sangsuë&sup(){5}, Et peu apres&sup(){6} sera vn autre coup De guet à pens&sup(){7}, commis contre le loup&sup(){8}, Et de tels faits on ne&sup(){9} verra l'issuë&sup(){10}. **異文 (1) De coup : D'vn coup 1600Au 1600Mo, De coup. 1611B (2) monde : Monde 1672Ga (3) Pa 1605sn 1649Xa : Par T.A.Eds. (4) Crocodil : Crocodril 1600Au, Cocodril 1600Mo (5) sangsuë : censue 1600Au 1600Mo, Sangsue 1672Ga (6) apres : aupres 1644Hu (7) pens : pend 1600Mo 1611 1627Ma 1627Di 1644Hu (8) loup : Loup 1672Ga (9) ne 1605sn 1649Xa : en 1600Au 1600Mo 1611 1627Ma 1627Di 1628dR 1644Hu 1649Ca 1672Ga (10) l'issuë : l'yssüe 1672Ga **校訂  2行目 Pa が Par の誤植なのは論を俟たない。  6行目は多くの版が ne verra を en verra としており、どちらを採るかで意味が正反対になる。モデルを特定しきれない以上、どちらとするかの決め手を欠くが、手稿(1600Au)が en であったということは、そちらが優勢か。 *日本語訳 鉄器の一撃に皆が驚かされる、 (それは)奇妙にもワニによって与えられる、 蛭の縁者である非常に偉大な者への(一撃だ)。 そして程なくして別の一撃があるだろう。 (それは)悪意を持って狼に対して犯された(一撃だ)。 そうした諸事件により、その結果が目撃されるだろう。 **訳について  2、3行目は1行目の「鉄器の一撃」を修飾しており、5行目は4行目の「別の一撃」を修飾している。そのあたりの関係が分かりやすいように行の順序を入れ替えて訳せば、  蛭の縁者である非常に偉大な者に対して、  ワニが奇妙にも加えることになる  鉄器の一撃に皆が驚かされる。  そして程なくして、悪意を持って狼に対して犯される  別の一撃があるだろう。  そうした諸事件により、その結果が目撃されるだろう。 とでも訳すと、いくぶん繋がりが分かりやすいのではないだろうか。  5行目 De guet a pens は中期フランス語の成句で「予謀して」(de manière préméditée)、「悪意を持って」(avec l'intention de nuire)を意味する成句((DMF p.338))。現代語の guet-apens に通じる。  6行目はとりあえず肯定文として訳した。 *信奉者側の見解  [[ノエル=レオン・モルガール]]の用語解説では「ワニ」はフランス人の裏切り者、「蛭」はスペイン人、「狼」はイギリス人とされている((1600Mo))。  [[テオフィル・ド・ガランシエール]]は[[六行詩31番]]で与えた以上の説明をする必要がないと述べていた((Garencieres [1672]))。つまり、[[アンリ4世]]暗殺かアンリ・ド・モンモランシーの刑死と解釈したということだろう。  匿名の解釈書『暴かれた未来』は、[[六行詩31番]]と同じ表現が使われていることを認めつつ、アンリ3世の暗殺と解釈した((L’Avenir..., pp.102-103))。 *同時代的な視点  冒頭の2行は[[六行詩31番]]の4、5行目とほぼ同じである。当然、モチーフも同一線上にある可能性は想定できるが、曖昧すぎて特定が難しい。 *その他  1600Au では43番になっている。 ---- ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。

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