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「六行詩37番」(2020/01/06 (月) 20:51:42) の最新版変更点
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[[六行詩集]]>37番*
*原文
Foible&sup(){1} & puissant seront en grand discord,
Plusieurs mourront auant&sup(){2} faire l'accord
Foible au puissant&sup(){3} vainqueur&sup(){4} se fera dire,
Le plus puissant au ieune cedera,
Et le plus vieux des deux decedera,
Lors que l'vn d'eux&sup(){5} enuahira&sup(){6} l'Empire.
**異文
(1) Foible (vers1) : Foibles 1600Mo
(2) auant : deuant 1600Mo
(3) au puissant : ou puissant 1672Ga
(4) vainqueur : vaincœur 1627Ma 1627Di
(5) d'eux : deux 1611B
(6) enuahira : enuyera 1600Mo
*日本語訳
弱き者と強き者が大きな不和の中にあり、
合意に至る前に多くの者たちが死ぬだろう。
弱き者は強き者に勝利者と呼ばせるだろう。
最も強き者は若者に譲るだろう。
二人のうちでより年老いた者が歿するだろう、
彼らのうちの一人が帝国を侵略するであろう時に。
**訳について
2行目 plusieurs は例によって「数人」から「大勢」までかなり幅のある語。
3行目は[[テオフィル・ド・ガランシエール]]の英訳に従ったが、au puissant vanqueur で一つのまとまりと見なして、「弱き者は強き勝利者に言わせる(命じさせる)だろう」と訳すことも可能である。
*信奉者側の見解
[[テオフィル・ド・ガランシエール]]は、未来に起こる出来事だろうと推測した((Garencieres [1672]))。
匿名の解釈書『暴かれた未来』(1800年)では、弱者が勝者となることを予言したもので、フランス革命を的中させたと解釈されていた((L’Avenir..., p.32))。
[[アンドレ・ラモン]]は、ヒトラーの台頭によって古い秩序が消え、新しい秩序(全体主義)が現れ、弱体化していたドイツが強国としてのし上がろうとする状況を描いたもので、第二次世界大戦に対応しているとした((Lamont [1943] p.170))。
*同時代的な視点
17世紀初頭の段階で「強国」と呼ばれうる国としては、フランス、スペイン、神聖ローマ帝国などが挙げられる。そのいずれかに「弱者」が噛み付いて勝者たることを認めさせるというのだから、スペインからの独立を宣言して戦争が続いていたネーデルラント情勢あたりがモデルになったものだろうか。ただし、後半は不鮮明でよく分からない。
*その他
1600Au では35番となっている。
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#comment
[[六行詩集]]>37番*
*原文
Foible&sup(){1} & puissant seront en grand discord,
Plusieurs mourront auant&sup(){2} faire l'accord
Foible au puissant&sup(){3} vainqueur&sup(){4} se fera dire,
Le plus puissant au ieune cedera,
Et le plus vieux des deux decedera,
Lors que l'vn d'eux&sup(){5} enuahira&sup(){6} l'Empire.
**異文
(1) Foible (vers1) : Foibles 1600Mo
(2) auant : deuant 1600Mo
(3) au puissant : ou puissant 1672Ga
(4) vainqueur : vaincœur 1627Ma 1627Di
(5) d'eux : deux 1611B
(6) enuahira : enuyera 1600Mo
*日本語訳
弱き者と強き者が大きな不和の中にあり、
合意に至る前に多くの者たちが死ぬだろう。
弱き者は強き者に勝利者と呼ばせるだろう。
最も強き者は若者に譲るだろう。
二人のうちでより年老いた者が歿するだろう、
彼らのうちの一人が帝国を侵略するであろう時に。
**訳について
2行目 plusieurs は例によって「数人」から「大勢」までかなり幅のある語。
3行目は[[テオフィル・ド・ガランシエール]]の英訳に従ったが、au puissant vanqueur で一つのまとまりと見なして、「弱き者は強き勝利者に言わせる(命じさせる)だろう」と訳すことも可能である。
*信奉者側の見解
[[テオフィル・ド・ガランシエール]]は、未来に起こる出来事だろうと推測した((Garencieres [1672]))。
匿名の解釈書『暴かれた未来』(1800年)では、弱者が勝者となることを予言したもので、フランス革命を的中させたと解釈されていた((L’Avenir..., p.32))。
[[アンドレ・ラモン]]は、ヒトラーの台頭によって古い秩序が消え、新しい秩序(全体主義)が現れ、弱体化していたドイツが強国としてのし上がろうとする状況を描いたもので、第二次世界大戦に対応しているとした((Lamont [1943] p.170))。
*同時代的な視点
17世紀初頭の段階で「強国」と呼ばれうる国としては、フランス、スペイン、神聖ローマ帝国などが挙げられる。
そのいずれかに「弱者」が噛み付いて勝者たることを認めさせるというのだから、スペインからの独立を宣言して戦争が続いていたネーデルラント情勢あたりがモデルになったものだろうか。
ただし、後半は不鮮明でよく分からない。
*その他
1600Au では35番となっている。
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