Propheties par l'astrologue du treschrestien Roy de France

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 『&bold(){敬虔なキリスト教徒たるフランス王とサヴォワ公妃に仕える占星術師による予言集}』(Propheties par l'astrologue du treschrestien Roy de France & de Madame la Duchesse de Savoye.)は、[[リヨン]]の[[フランソワ・アルヌレ]]によって1572年に出版された[[アントワーヌ・クレスパン]]の著書。クレスパンの著書の中でも、本家[[ノストラダムス]]の[[百詩篇集]]からの剽窃が特に目立つ文献である。 #ref(1572Cr.PNG) 【画像】(左)リヨン市立図書館所蔵、(右)大英図書館所蔵((画像の出典:(左)[[http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Antoine_Crespin_Proph%C3%A9ties.PNG?uselang=ja]](右)British Library))。題名の2列目や文字配列など、いくつもの違いがある。 *正式名 -Propheties par l'astrologue du treschrestien Roy de France & de Madame la Duchesse de Sauoye, dediees à la puissance Diuine, & à la nation Françoise. --A LYON, --Par François Arnoullet. 1572. --Auec priuilege du Roy. -敬虔なるキリスト教徒のフランス王とサヴォワ公妃に仕える占星術師による、神の御力とフランスの民に捧げられた予言集 --リヨンにて、 --フランソワ・アルヌレによる。1572年 --国王の特認とともに。  上記題名はリヨン市立図書館の伝本にしたがっているが、大英図書館の伝本には treschrestien という言葉がない。 *内容  ノンブルのない30ページの文献である。  1572年3月24日の日付の見られる特認の抜粋に続く本編は、様々な人物に向けられた散文体の予言である。しかし、その文面の多くはノストラダムス本人の[[百詩篇集]]からの大々的な剽窃によって成り立っており、様々な詩句を継ぎ接ぎしていることが読み取れる。 *コメント  クレスパンの著書の中では、ノストラダムス本人からの剽窃が最も目立つ文献という点で重要である。特に注目すべき点は、[[ジャック・アルブロン]]も指摘するように((cf. Halbronn [2002]))、[[初版本>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1555年リヨン)]]に収録されていた詩篇([[百詩篇第4巻53番]]まで)と、いわゆる第二部([[百詩篇第8巻]]から[[百詩篇第10巻]]まで)からの剽窃しかなく、[[百詩篇第4巻54番]]から[[百詩篇第7巻42番]]までの剽窃は全くないことである。  この事実は、[[アントワーヌ・クレスパン]]の手許に、初版本と「第二部のみが収録された版」の2種類しかなかった可能性を示している。1572年以前の「第二部のみが収録された版」などは現存しておらず、実在したかどうか自体が論点になっている[[1558年版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1558年)]]をめぐる論争にも関わってくることは確かだろう。 *所蔵先 -フランス国立図書館、リヨン市立図書館 -大英図書館  Gallicaで公開されているのはリヨン市立図書館の伝本だが、大英図書館の伝本はそれと内容的に食い違う点がいくつもある。扉のレイアウトも異なっていることは上の画像で分かるとおりだが、それらだけでなく特認の文面すら異なっている(大英図書館のものには日付がない)。 *関連項目 -[[Adiousté depuis l'impression de 1568.]](百詩篇第10巻に追加された偽の詩篇。クレスパンのこの文献に、関係のある記述が見られる) ---- #comment
 『&bold(){敬虔なキリスト教徒たるフランス王とサヴォワ公妃に仕える占星術師による予言集}』(Propheties par l'astrologue du treschrestien Roy de France & de Madame la Duchesse de Savoye.)は、[[リヨン]]の[[フランソワ・アルヌレ]]によって1572年に出版された[[アントワーヌ・クレスパン]]の著書。クレスパンの著書の中でも、本家[[ノストラダムス]]の[[百詩篇集]]からの剽窃が特に目立つ文献である。 #ref(1572Cr.PNG) 【画像】(左)リヨン市立図書館所蔵、(右)大英図書館所蔵((画像の出典:(左)[[http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Antoine_Crespin_Proph%C3%A9ties.PNG?uselang=ja]](右)British Library))。題名の2列目や文字配列など、いくつもの違いがある。 *正式名 -Propheties par l'astrologue du treschrestien Roy de France & de Madame la Duchesse de Sauoye, dediees à la puissance Diuine, & à la nation Françoise. --A LYON, --Par François Arnoullet. 1572. --Auec priuilege du Roy. -敬虔なキリスト教徒たるフランス王とサヴォワ公妃に仕える占星術師による、神の御力とフランスの民に捧げられた予言集 --リヨンにて、 --フランソワ・アルヌレによる。1572年 --国王の特認とともに。  上記題名はリヨン市立図書館の伝本にしたがっているが、大英図書館の伝本には treschrestien という言葉がない。 *内容  ノンブルのない30ページの文献である。  1572年3月24日の日付の見られる特認の抜粋に続く本編は、様々な人物に向けられた散文体の予言である。しかし、その文面の多くはノストラダムス本人の[[百詩篇集]]からの大々的な剽窃によって成り立っており、様々な詩句を継ぎ接ぎしていることが読み取れる。 *コメント  クレスパンの著書の中では、ノストラダムス本人からの剽窃が最も目立つ文献という点で重要である。特に注目すべき点は、[[ジャック・アルブロン]]も指摘するように((cf. Halbronn [2002]))、[[初版本>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1555年リヨン)]]に収録されていた詩篇([[百詩篇第4巻53番]]まで)と、いわゆる第二部([[百詩篇第8巻]]から[[百詩篇第10巻]]まで)からの剽窃しかなく、[[百詩篇第4巻54番]]から[[百詩篇第7巻42番]]までの剽窃は全くないことである。  この事実は、[[アントワーヌ・クレスパン]]の手許に、初版本と「第二部のみが収録された版」の2種類しかなかった可能性を示している。1572年以前の「第二部のみが収録された版」などは現存しておらず、実在したかどうか自体が論点になっている[[1558年版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1558年)]]をめぐる論争にも関わってくることは確かだろう。 *所蔵先 -フランス国立図書館、リヨン市立図書館 -大英図書館  Gallicaで公開されているのはリヨン市立図書館の伝本だが、大英図書館の伝本はそれと内容的に食い違う点がいくつもある。扉のレイアウトも異なっていることは上の画像で分かるとおりだが、それらだけでなく特認の文面すら異なっている(大英図書館のものには日付がない)。 *関連項目 -[[Adiousté depuis l'impression de 1568.]](百詩篇第10巻に追加された偽の詩篇。クレスパンのこの文献に、関係のある記述が見られる) ---- #comment

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