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『&bold(){クレスパン・ノストラダムス師に送られてきた書簡}』(Epistre Envoyée à M. Crespin Nostradamus)は[[ヴィエンヌ]]の[[ニコラ・マルタン]]が出版した文献。[[アントワーヌ・クレスパン]]の元に送られてきたという体裁になってはいるが、クレスパン自身の著作であろうということに異論はない。
少なくとも18世紀末までに[[ヴィエンヌ]]で出された唯一のノストラダムス関連書のはずだが、[[ニコラ・マルタン]]の正当性には疑問もあり、出版情報が偽られている可能性もある。
#ref(1573vienne.PNG)
【画像】扉((画像の出典:[[http://www.propheties.it/]]))
*正式名
-EPISTRE ENVOYEE A M. CRESPIN NOSTRADAMVS, SEIGNEUR DE HAVTE VILLE, Docteur & Conseiller, Astrologue ordinaire du grand Roy & Empereur de France, Et de la Duchesse de Sauoye, & de l'Admiral dudit Royaume : Par les six Philosophes d'Egipte, & l’Astrologue du grand Seigneur de Constantinople :
--Sur vn Deluge d'eau particulier, qui doit aduenir deuant qui soit passé L' an mil cinq cents octante & trois.
--Dedié audit grand Roy Empereur de France, Charles ix. Et aux Autheurs des disputations Souphistiques de ce Ciecle.
--A VIENNE, Par Nicolas Martin. 1573.
-エジプトの6人の哲学者と、コンスタンティノープルの大領主に仕える1人の占星術師によって、フランスの大王・皇帝、サヴォワ公妃、前記王国の提督らのお抱えの博士、顧問、占星術師であるオートヴィルの領主クレスパン・ノストラダムス師に送られてきた書簡
--特に1583年が過ぎる前に起こるに違いない大洪水について。
--フランスの大王・皇帝たるシャルル9世と、今世紀の哲学論争の当事者達にささげられた版。
--ヴィエンヌにて、ニコラ・マルタンによる。1573年。
*内容
ノンブルのない八つ折版16ページの文献である。
扉にもあるように、ジャン・カサンドル・ダポロン(Jean Cassandre d'Apolon)というトルコの占星術師たちがクレスパンに送ってきた書簡という体裁の文献で、奥付は「コンスタンティノープルにて、1572年9月20日」となっている。
*コメント
ジャン(ヨハネ)は『ヨハネの黙示録』の著者、アポロは太陽神であるとともに予言を司る神、カサンドル(カサンドラ)はアポロから予言の才能を与えられた女性の名である。つまり、ジャン・カサンドル・ダポロンは、後世の[[ガブリエル・ノストラデイマス]]のように、予言に関係ありそうな名前をつなぎ合わせた偽名に過ぎないのではないかと思われる。
なお、1583年の大洪水は、当時[[キュプリアヌス・レオウィティウス]]らが主張していたもので、大いに話題になっていたらしい。
*所蔵先
-フランス国立図書館
Gallica で公開されている。
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#comment
『&bold(){クレスパン・ノストラダムス師に送られてきた書簡}』(Epistre Envoyée à M. Crespin Nostradamus)は[[ヴィエンヌ]]の[[ニコラ・マルタン]]が出版した文献。[[アントワーヌ・クレスパン]]の元に送られてきたという体裁になってはいるが、クレスパン自身の著作であろうということに異論はない。
少なくとも18世紀末までに[[ヴィエンヌ]]で出された唯一のノストラダムス関連書のはずだが、[[ニコラ・マルタン]]の正当性には疑問もあり、出版情報が偽られている可能性もある。
#ref(1573vienne.PNG)
【画像】扉((画像の出典:[[http://www.propheties.it/]]))
*正式名
-EPISTRE ENVOYEE A M. CRESPIN NOSTRADAMVS, SEIGNEUR DE HAVTE VILLE, Docteur & Conseiller, Astrologue ordinaire du grand Roy & Empereur de France, Et de la Duchesse de Sauoye, & de l'Admiral dudit Royaume : Par les six Philosophes d'Egipte, & l’Astrologue du grand Seigneur de Constantinople :
--Sur vn Deluge d'eau particulier, qui doit aduenir deuant qui soit passé L' an mil cinq cents octante & trois.
--Dedié audit grand Roy Empereur de France, Charles ix. Et aux Autheurs des disputations Souphistiques de ce Ciecle.
--A VIENNE, Par Nicolas Martin. 1573.
-エジプトの6人の哲学者と、コンスタンティノープルの大領主に仕える1人の占星術師によって、フランスの偉大なる帝王、サヴォワ公妃、前記王国の提督らのお抱えの博士、顧問、占星術師であるオートヴィルの領主クレスパン・ノストラダムス師に送られてきた書簡
--特に1583年が過ぎる前に起こるに違いない大洪水について。
--フランスの大王・皇帝たるシャルル9世と、今世紀の哲学論争の当事者達にささげられた版。
--ヴィエンヌにて、ニコラ・マルタンによる。1573年。
*内容
ノンブルのない八つ折版16ページの文献である。
扉にもあるように、ジャン・カサンドル・ダポロン(Jean Cassandre d'Apolon)というトルコの占星術師たちがクレスパンに送ってきた書簡という体裁の文献で、奥付は「コンスタンティノープルにて、1572年9月20日」となっている。
*コメント
ジャン(ヨハネ)は『ヨハネの黙示録』の著者、アポロは太陽神であるとともに予言を司る神、カサンドル(カサンドラ)はアポロから予言の才能を与えられた女性の名である。つまり、ジャン・カサンドル・ダポロンは、後世の[[ガブリエル・ノストラデイマス]]のように、予言に関係ありそうな名前をつなぎ合わせた偽名に過ぎないのではないかと思われる。
なお、1583年の大洪水は、当時[[キュプリアヌス・レオウィティウス]]らが主張していたもので、大いに話題になっていたらしい。
*所蔵先
-フランス国立図書館
Gallica で公開されている。
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