百詩篇第6巻51番

「百詩篇第6巻51番」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

百詩篇第6巻51番」(2010/07/24 (土) 10:44:59) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*原文 Peuple assemblé&sup(){1}, voir nouueau expectacle&sup(){2}, Princes & Roys par plusieurs&sup(){3} assistans : Pilliers faillir, murs, mais&sup(){4} comme miracle, Le Roy&sup(){5} sauué&sup(){6} & trente des instans. **異文 (1) assemblé : assamblé 1590Ro, assemble 1672 (2) expectacle : exspectacle 1605 1649Xa, spectacle 1590Ro 1672, espectacle 1650Ri (3) plusieurs : plusieus 1557B (4) murs, mais : murs, mis 1557B, murs : Mais 1627 (5) Roy : roy 1590Ro (6) sauué : sauve 1649Xa 1672 (注意)1588-89では、3-4-1-2の順でIV-14に差し換えられており、収録されていない。 *日本語訳 新しい見世物を見に集まった人々。 王子たちと王たちも多くの支持者たちのために。 柱と壁は崩れるが、奇跡のように 救われた王と、居合せた人々のうち三十人。 **訳について  4行目は「王とその場の三十人は難を逃れる」((山根和郎訳『ノストラダムス全予言』p.224))などと訳されるが、sauvéが王だけでなく30人にも掛かるかは微妙である。ノストラダムスがしばしば用いた変則的な活用からすると、そうも読める。  ただし、「王は三〇人の味方によって救われる」((大乗和子訳『ノストラダムス大予言原典・諸世紀』p.188))と読むのはかなり苦しい。原書でのロバーツの英訳でも“The King saved, and thirty of the standers-by”((Roberts [1947/1949] p.196))となっており、解釈を交えて訳しすぎなのではないかと思われる。 *信奉者側の見解  ヒトラー暗殺未遂事件(1939年)の予言((Cheetham [1990], Hogue [1997]))と解釈される。ほか、19世紀のルイ=フィリップの襲撃事件と結び付ける者もいる((Hutin [1978]))。 *同時代的な視点  [[ピエール・ブランダムール]]や[[エドガー・レオニ]]は[[百詩篇第6巻37番]]とプロットが似通っていることを指摘している((Brind’Amour [1993] p.229, Leoni [1982]))。  [[ロジェ・プレヴォ]]は1305年にリヨンで即位式を行ったローマ教皇クレメンス5世と結び付けている。この即位式にはフランス王、アラゴン王をはじめとする諸侯が列席したが、壁の崩落事故が起こり、ブルターニュ公らが亡くなったのである((Prévost [1999] pp.43-44))。プレヴォは[[百詩篇第2巻97番]]も関連があると見ており、こうした説は[[ピーター・ラメジャラー]]も支持している。 ---- &bold(){コメントらん} 以下のコメント欄は[[コメントの著作権および削除基準>著作権について]]を了解の上でご使用ください。 - レーニンと支持者30人を乗せた封印列車。見世物は同時期のファティマ預言。"柱と壁は崩れるが"はロマノフ王朝の終焉の比喩。 -- とある信奉者 (2010-07-24 10:44:59) #comment
*原文 Peuple assemblé&sup(){1}, voir nouueau expectacle&sup(){2}, Princes & Roys par plusieurs&sup(){3} assistans : Pilliers faillir, murs, mais&sup(){4} comme miracle, Le Roy&sup(){5} sauué&sup(){6} & trente des instans. **異文 (1) assemblé : assamblé 1590Ro, assemble 1672 (2) expectacle : exspectacle 1605 1649Xa, spectacle 1590Ro 1672, espectacle 1650Ri (3) plusieurs : plusieus 1557B (4) murs, mais : murs, mis 1557B, murs : Mais 1627 (5) Roy : roy 1590Ro (6) sauué : sauve 1649Xa 1672 (注意)1588-89では、3-4-1-2の順でIV-14に差し換えられており、収録されていない。 *日本語訳 新しい見世物を見に集まった人々。 王子たちと王たちも多くの支持者たちのために。 柱と壁は崩れるが、奇跡のように 救われた王と、居合せた人々のうち三十人。 **訳について  4行目は「王とその場の三十人は難を逃れる」((山根和郎訳『ノストラダムス全予言』p.224))などと訳されるが、sauvéが王だけでなく30人にも掛かるかは微妙である。ノストラダムスがしばしば用いた変則的な活用からすると、そうも読める。  ただし、「王は三〇人の味方によって救われる」((大乗和子訳『ノストラダムス大予言原典・諸世紀』p.188))と読むのはかなり苦しい。原書でのロバーツの英訳でも“The King saved, and thirty of the standers-by”((Roberts [1947/1949] p.196))となっており、解釈を交えて訳しすぎなのではないかと思われる。 *信奉者側の見解  ヒトラー暗殺未遂事件(1939年)の予言((Cheetham [1990], Hogue [1997]))と解釈される。ほか、19世紀のルイ=フィリップの襲撃事件と結び付ける者もいる((Hutin [1978]))。 *同時代的な視点  [[ピエール・ブランダムール]]や[[エドガー・レオニ]]は[[詩百篇第6巻37番>百詩篇第6巻37番]]とプロットが似通っていることを指摘している((Brind’Amour [1993] p.229, Leoni [1982]))。  [[ロジェ・プレヴォ]]は1305年にリヨンで即位式を行ったローマ教皇クレメンス5世と結び付けている。この即位式にはフランス王、アラゴン王をはじめとする諸侯が列席したが、壁の崩落事故が起こり、ブルターニュ公らが亡くなったのである((Prévost [1999] pp.43-44))。  プレヴォは[[詩百篇第2巻97番>百詩篇第2巻97番]]も関連があると見ており、こうした説は[[ピーター・ラメジャラー]]も支持している。 ---- ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。 ---- &bold(){コメントらん} 以下に投稿されたコメントは&u(){書き込んだ方々の個人的見解であり}、当「大事典」としては、その信頼性などをなんら担保するものではありません。  なお、現在、コメント書き込みフォームは撤去していますので、新規の書き込みはできません。 - レーニンと支持者30人を乗せた封印列車。見世物は同時期のファティマ預言。"柱と壁は崩れるが"はロマノフ王朝の終焉の比喩。 -- とある信奉者 (2010-07-24 10:44:59)

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: