百詩篇第6巻66番

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*原文 Au fondement de la nouuelle&sup(){1} secte, Seront les oz du grand Romain trouués&sup(){2}, Sepulcre&sup(){3} en marbre&sup(){4} apparoistra couuerte&sup(){5}, Terre trembler en Auril&sup(){6}, mal enfouetz&sup(){7}. **異文 (1) la nouuelle : nouuelle 1649Xa 1672 (2) trouués : treuuez 1627 (3) Sepulcre 1557U 1557B 1568A 1568B : Sepulchre &italic(){T.A.Eds.} (4) marbre : Marbre 1672 (5) couuerte : ouverte 1650Le 1668, converte 1672 (6) Auril : l'Auril 1627 1644 1650Ri 1653 1665 1840, auril 1660 (7) enfouetz : enfoüets 1600 1650Ri, enfoüez 1597 1605 1611A 1628 1649Ca 1650Le 1660 1668 1840, enfoüetz 1610 1716, en foüez 1611B 1649Xa, en foüets 1627 1644 1653 1665, enfeüvez 1672 (注記)1588-89では、3-4-1-2の順でIV-35に差し換えられており、収録されていない。 *日本語訳 新しい宗派の礎で、 偉大なローマ人の骨が発見されるだろう。 覆われた大理石の墳墓が出現するだろう。 大地が四月に震え、不十分に埋もれる。 **訳について  大乗訳1行目「新しい一派の発見で」((大乗 [1975] p.191))は誤訳。ロバーツの英訳 At the founding of a new sect((Roberts [1949] p.201))の founding を finding と見間違えたのだろう。  同2行目「ローマ人の骨がみつかり」は、grand が訳に反映されていない。  同3行目「骨は大理石におおわれているのがあらわれ」も不適切で、Sepulchre が「骨」になる理由が不明。  同4行目「大地は四月にゆれ かれらは悪い場所に埋葬されるだろう」は微妙。この場合の mal は否定的なニュアンスで使われているであろう語で、[[ジャン=ポール・クレベール]]の現代フランス語訳も[[高田勇]]・[[伊藤進]]の訳もそうした読み方をしている((Clébert [2003], 高田・伊藤 [1999]))。ただし、彼らの読みは、現われたものが中途半端に埋もれてしまうのか、元々埋もれていたものが中途半端な埋没状態になって姿を現すのかで、読み方に違いがある。  山根訳1行目「新宗派の創立にさいし」((山根 [1988] p.229))は可能な訳。  同4行目「四月 大地揺れ動き 無残に埋没しよう」は、mal の処理の仕方に問題がある。それは上記の大乗訳の場合と同じ。 *信奉者側の見解  [[テオフィル・ド・ガランシエール]]は、ほとんどそのまま敷衍したような解釈しかつけていなかった。  その後、20世紀半ばまでこの詩を解釈した者はいないようである。少なくとも、[[ジャック・ド・ジャン]]、[[バルタザール・ギノー]]、[[D.D.]]、[[テオドール・ブーイ]]、[[フランシス・ジロー]]、[[ウジェーヌ・バレスト]]、[[アナトール・ル・ペルチエ]]、[[チャールズ・ウォード]]、[[アンドレ・ラモン]]、[[ジェイムズ・レイヴァー]]の著書には載っていない。  [[ロルフ・ボズウェル]]は詩番号に獣の数字666が隠されていると主張した((Boswell [1943] pp.279-280))。  [[セルジュ・ユタン]]は未来に聖ペテロの墓が発掘されることと解釈した((Hutin [1978]))。 *同時代的な視点  [[ピエール・ブランダムール]]は[[百詩篇第3巻65番]]にも偉大なローマ人の墓が発見されるモチーフがあることと関連付け、おそらくユリウス・カエサルのことだろうとした((Brind’Amour [1996] p.420))。  [[ロジェ・プレヴォ]]は1502年にモデルがあると判断し、ピエトロ・ベルナルディーノが異端の分派を創設したとして火刑に処された一方、ローマでは古代遺跡が発見されたこととした。[[ピーター・ラメジャラー]]もそれを支持したが、彼は1500年にアウグストゥス・カエサルのオベリスクが発見されたことと結びつけた((Prévost [1999] pp.139-140, Lemesurier [2003b/2010]))。 ---- ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。 ---- &bold(){コメントらん} 以下に投稿されたコメントは&u(){書き込んだ方々の個人的見解であり}、当「大事典」としては、その信頼性などをなんら担保するものではありません。  なお、現在、コメント書き込みフォームは撤去していますので、新規の書き込みはできません。 - 9巻84番とリンクしている詩篇。ファシズムを作ったムッソリーニが4月に死亡、イタリアを攻撃していたローズベルトも同じ月に死亡。大理石の墳墓とは国葬のメタファーと考えられ、大統領の任期を全うしないまま病死した後者を意味している。 -- とある信奉者 (2011-06-15 00:41:47) - 原爆開発して広島に投下して大量虐殺して、民間人は墓もないのに、権力者(ローズベルト)は立派な墓に収められるという痛烈な批判。 -- とある信奉者 (2011-06-15 00:56:01) - ネロの(7番目の)セクトの基盤から、偉大なるローマ人のlesOzが発見されるであろう、マーブル状から分離されて隠されていたものが姿を現し、アウリルで(の中で)地は震え、悪が力付く。 -- Nao_a_jp (2012-06-23 02:54:21)
*原文 Au fondement de la nouuelle&sup(){1} secte, Seront les oz du grand Romain trouués&sup(){2}, Sepulcre&sup(){3} en marbre&sup(){4} apparoistra couuerte&sup(){5}, Terre trembler en Auril&sup(){6}, mal enfouetz&sup(){7}. **異文 (1) la nouuelle : nouuelle 1649Xa 1672 (2) trouués : treuuez 1627 (3) Sepulcre 1557U 1557B 1568A 1568B : Sepulchre &italic(){T.A.Eds.} (4) marbre : Marbre 1672 (5) couuerte : ouverte 1650Le 1668, converte 1672 (6) Auril : l'Auril 1627 1644 1650Ri 1653 1665 1840, auril 1660 (7) enfouetz : enfoüets 1600 1650Ri, enfoüez 1597 1605 1611A 1628 1649Ca 1650Le 1660 1668 1840, enfoüetz 1610 1716, en foüez 1611B 1649Xa, en foüets 1627 1644 1653 1665, enfeüvez 1672 (注記)1588-89では、3-4-1-2の順でIV-35に差し換えられており、収録されていない。 *日本語訳 新しい宗派の礎で、 偉大なローマ人の骨が発見されるだろう。 覆われた大理石の墳墓が出現するだろう。 大地が四月に震え、不十分に埋もれる。 **訳について  大乗訳1行目「新しい一派の発見で」((大乗 [1975] p.191))は誤訳。ロバーツの英訳 At the founding of a new sect((Roberts [1949] p.201))の founding を finding と見間違えたのだろう。  同2行目「ローマ人の骨がみつかり」は、grand が訳に反映されていない。  同3行目「骨は大理石におおわれているのがあらわれ」も不適切で、Sepulchre が「骨」になる理由が不明。  同4行目「大地は四月にゆれ かれらは悪い場所に埋葬されるだろう」は微妙。この場合の mal は否定的なニュアンスで使われているであろう語で、[[ジャン=ポール・クレベール]]の現代フランス語訳も[[高田勇]]・[[伊藤進]]の訳もそうした読み方をしている((Clébert [2003], 高田・伊藤 [1999]))。ただし、彼らの読みは、現われたものが中途半端に埋もれてしまうのか、元々埋もれていたものが中途半端な埋没状態になって姿を現すのかで、読み方に違いがある。  山根訳1行目「新宗派の創立にさいし」((山根 [1988] p.229))は可能な訳。  同4行目「四月 大地揺れ動き 無残に埋没しよう」は、mal の処理の仕方に問題がある。それは上記の大乗訳の場合と同じ。 *信奉者側の見解  [[テオフィル・ド・ガランシエール]]は、ほとんどそのまま敷衍したような解釈しかつけていなかった。  その後、20世紀半ばまでこの詩を解釈した者はいないようである。少なくとも、[[ジャック・ド・ジャン]]、[[バルタザール・ギノー]]、[[D.D.]]、[[テオドール・ブーイ]]、[[フランシス・ジロー]]、[[ウジェーヌ・バレスト]]、[[アナトール・ル・ペルチエ]]、[[チャールズ・ウォード]]、[[アンドレ・ラモン]]、[[ジェイムズ・レイヴァー]]の著書には載っていない。  [[ロルフ・ボズウェル]]は詩番号に獣の数字[[666]]が隠されていると主張した((Boswell [1943] pp.279-280))。  [[セルジュ・ユタン]]は未来に聖ペテロの墓が発掘されることと解釈した((Hutin [1978]))。 *同時代的な視点  [[ピエール・ブランダムール]]は[[百詩篇第3巻65番]]にも偉大なローマ人の墓が発見されるモチーフがあることと関連付け、おそらくユリウス・カエサルのことだろうとした((Brind’Amour [1996] p.420))。  [[ロジェ・プレヴォ]]は1502年にモデルがあると判断し、ピエトロ・ベルナルディーノが異端の分派を創設したとして火刑に処された一方、ローマでは古代遺跡が発見されたこととした。[[ピーター・ラメジャラー]]もそれを支持したが、彼は1500年にアウグストゥス・カエサルのオベリスクが発見されたことと結びつけた((Prévost [1999] pp.139-140, Lemesurier [2003b/2010]))。 ---- ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。 ---- &bold(){コメントらん} 以下に投稿されたコメントは&u(){書き込んだ方々の個人的見解であり}、当「大事典」としては、その信頼性などをなんら担保するものではありません。  なお、現在、コメント書き込みフォームは撤去していますので、新規の書き込みはできません。 - 9巻84番とリンクしている詩篇。ファシズムを作ったムッソリーニが4月に死亡、イタリアを攻撃していたローズベルトも同じ月に死亡。大理石の墳墓とは国葬のメタファーと考えられ、大統領の任期を全うしないまま病死した後者を意味している。 -- とある信奉者 (2011-06-15 00:41:47) - 原爆開発して広島に投下して大量虐殺して、民間人は墓もないのに、権力者(ローズベルト)は立派な墓に収められるという痛烈な批判。 -- とある信奉者 (2011-06-15 00:56:01) - ネロの(7番目の)セクトの基盤から、偉大なるローマ人のlesOzが発見されるであろう、マーブル状から分離されて隠されていたものが姿を現し、アウリルで(の中で)地は震え、悪が力付く。 -- Nao_a_jp (2012-06-23 02:54:21)

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