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『&bold(){絶望の大予言ミステリー}』は、2011年に双葉社から出版された予言解釈本である。コンビニ売りの廉価なペーパーバック版で、監修者は[[南山宏]]。
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『絶望の大予言ミステリー』
*内容
古今東西の予言者たちの予言を紹介している。その情報や図版は、前年に出版された『恐怖の大予言ミステリー99』(監修者、出版社同じ)と共通する要素が多いが、文章や構成が全面的に手直しされている上、前著がモノクロなのに対し、この本は全ページカラーになっている(その分、前者が500円に対し後者は600円と、価格が上がった)。
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『恐怖の大予言ミステリー99』
*ノストラダムス関連
ノストラダムスについては第1章「2012年 人類最後の日は来たれり」と第3章「恐怖の大王はいつ舞い降りるのか? ノストラダムスの真実」で扱われている。
ノストラダムスの生涯に関する簡潔な紹介や、[[予言絵画>ノストラダムスの予言絵画]]、[[アーサー・クロケットが発見したと称する四行詩>クロケットの四行詩]]などが主に紹介されている。
*コメント
ノストラダムス関連の参考文献としては、主に南山宏が関わった文献が中心に挙げられている。特に[[アーサー・クロケット]]の本として『[[ノストラダムスの極秘大予言]]』と『[[新発掘 ノストラダムス最後の封印予言]]』の2冊が挙げられているが、これらの内容は若干の改訂箇所を除けばほぼ同じである。
そのように南山宏が訳したクロケットの本を2冊とも挙げているにもかかわらず、文中で引用されているクロケットの四行詩6篇のうち、&u(){3篇は当「大事典」の訳文の無断転載(句読点の位置も含めて完全一致)}である。特に、そのうち1篇は「暗黒予言」7番([[クロケットの四行詩]]参照)で、これは南山の訳書のみならず、当「大事典」のコンテンツ以外では日本語で一切示されたことはなかったものなので、当該箇所の執筆担当者が当「大事典」を参照したことは明らかである。
当然、そこに示された懐疑的な指摘の数々も見ているはずだが、そうした情報は一切なく、「暗黒予言」7番にしても「&italic(){まるで今日の酸性雨をはじめとする環境問題を表すような詩もある}」((『絶望の大予言ミステリー』p.74))などと、本物扱いして解釈している。
調査不足などによって懐疑的な見解があることを知らないというのならまだしも、当「大事典」を見ているのなら、クロケットの四行詩がフランスの地元メディアから酷評されたという事実や、[[ピーター・ラメジャラー]]によって、ノストラダムスの家の地下室が100年ほど前に埋められたままという事実が指摘されていることも認識していたはずである。
にもかかわらず、そうした情報を一切省いているあたりに、執筆者たちの予言に対するスタンスが端的に表れているといえるだろう。
なお、『恐怖の大予言ミステリー99』では[[五島勉]]が述べていた[[アンリ2世]]の死を10年前に予言したという、史実と全く整合しない話が載っていたが、この本でも同じネタが使い回されていることも指摘しておく。
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#comment
『&bold(){絶望の大予言ミステリー}』は、2011年に双葉社から出版された予言解釈本である。コンビニ売りの廉価なペーパーバック版で、監修者は[[南山宏]]。
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『絶望の大予言ミステリー』
*内容
古今東西の予言者たちの予言を紹介している。その情報や図版は、前年に出版された『恐怖の大予言ミステリー99』(監修者、出版社同じ)と共通する要素が多いが、文章や構成が全面的に手直しされている。
また、前著がモノクロなのに対し、この本は全ページカラーになっている(その分、前者が500円に対し後者は600円と、価格が上がった)。
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『恐怖の大予言ミステリー99』
*ノストラダムス関連
ノストラダムスについては第1章「2012年 人類最後の日は来たれり」と第3章「恐怖の大王はいつ舞い降りるのか? ノストラダムスの真実」で扱われている。
ノストラダムスの生涯に関する簡潔な紹介や、[[予言絵画>ノストラダムスの予言絵画]]、[[アーサー・クロケットが発見したと称する四行詩>クロケットの四行詩]]などが主に紹介されている。
*コメント
ノストラダムス関連の参考文献としては、主に南山宏が関わった文献が中心に挙げられている。特に[[アーサー・クロケット]]の本として『[[ノストラダムスの極秘大予言]]』と『[[新発掘 ノストラダムス最後の封印予言]]』の2冊が挙げられているが、これらの内容は若干の改訂箇所を除けばほぼ同じである。
そのように南山宏が訳したクロケットの本を2冊とも挙げているにもかかわらず、文中で引用されているクロケットの四行詩6篇のうち、&color(red){3篇は当「大事典」の訳文の無断転載(句読点の位置も含めて完全一致)}である。特に、そのうち1篇は「暗黒予言」7番([[クロケットの四行詩]]参照)で、これは南山の訳書のみならず、&color(red){当「大事典」のコンテンツ以外では日本語で一切示されたことはなかったもの}なので、当該箇所の執筆担当者が当「大事典」を参照したことは明らかである。
当然、そこに示された懐疑的な指摘の数々も見ているはずだが、そうした情報は一切なく、「暗黒予言」7番にしても「&color(green){まるで今日の酸性雨をはじめとする環境問題を表すような詩もある}」((『絶望の大予言ミステリー』p.74))などと、本物扱いして解釈している。
調査不足などによって懐疑的な見解があることを知らないというのならまだしも、当「大事典」を見ているのなら、クロケットの四行詩が&color(red){フランスの地元メディアから疑問視されたり、まともな研究者から酷評された}という事実なども認識していたはずである。
にもかかわらず、そうした情報を一切省いているあたりに、執筆者たちの予言に対するスタンスが端的に表れているといえるだろう。
なお、『恐怖の大予言ミステリー99』では[[五島勉]]が述べていた[[アンリ2世]]の死を10年前に予言したという、史実と全く整合しない話が載っていたが、この本でも同じネタが使い回されていることも指摘しておく。
「[[2012年]]人類滅亡説」のブームをあてこんで、どれだけいい加減な予言本が濫造されていたのか、という一つの証言とは見なせるのかもしれない。
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