The Prophecies (Gerson & Sieburth)

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 ペンギン・クラシックス版の&bold(){ノストラダムスの『予言集』}(The Prophecies) は、2012年7月に刊行された。[[ステファヌ・ジェルソン]]序論、[[リチャード・シーバース]]訳。  ペーパーバック版は2013年12月に刊行された。 #amazon(0143106759) 【画像】The Prophecies (ハードカバー版) #amazon(0143107232) 【画像】The Prophecies (ペーパーバック版) *内容  『予言集』の全訳で、[[百詩篇第1巻1番]]から[[第10巻100番>百詩篇第10巻100番]]までの仏英対訳となっている。[[セザールへの手紙]]と[[アンリ2世への手紙]]も英訳のみ掲載されている。  原文の底本は第4巻53番までが[[ピエール・ブランダムール]]による校訂版、[[第7巻42番>百詩篇第7巻42番]]までが[[ブリューノ・プテ=ジラール]]による校訂版となっており、残りは拠るべき校訂版がないという理由で、[[1568年版予言集>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1568年)]]が利用されている。  すべての詩篇にではないが、簡略な語注がついている。 *コメント  序論を手がける[[ステファヌ・ジェルソン]]はニューヨーク大学准教授(2012年時点)で、フランス近代史の専門家だが、「[[ノストラダムスの調査>Searching for Nostradamus]]」という論考を発表するなど、ノストラダムスにも造詣が深い。  翻訳を手がけるリチャード・シーバース (Richard Sieburth)はニューヨーク大学教授(2012年時点)で、こちらはフランス文学の専門家である。特に、ジェラール・ド・ネルヴァルの詩集の翻訳や、モーリス・セーヴの詩集『デリー』の研究など、フランス詩の翻訳・研究方面での実績を持っている。  英語圏には[[エドガー・レオニ]]、[[エヴリット・ブライラー]]、[[ピーター・ラメジャラー]]らによる定評のある翻訳が、すでに複数存在している。しかし、専門のフランス文学者による翻訳は、今まで出版されることがなかった。そういう意味では、アカデミック・ポストを占めるフランス詩の専門家による初の全訳本として、英語圏のノストラダムス関連書の中でかなりの重要な位置を占めるといえるだろう。  なお、語注にはレオニやラメジャラーの見解もかなり取り込まれている。この事実は、従来のアマチュア研究者らの蓄積が、十分に高い水準であったことを間接的に裏付けているといえるかもしれない。  ただし、あくまでも英訳自体が文学的香気を漂わせるものとなっているため、すべての単語を訳に反映させるような逐語訳的作品でない点には、注意が必要である。  一例を挙げると、[[百詩篇第1巻35番]]の四行目、ブランダムールら実証的な研究者が「二つの船団(艦隊)がひとつに」と訳している Deux classes une を、シーバースは Winner taking all と英訳している。 ---- #comment
 ペンギン・クラシックス版の&bold(){ノストラダムスの『予言集』}(The Prophecies) は、2012年7月に刊行された。[[ステファヌ・ジェルソン]]序論、[[リチャード・シーバース]]訳。  ペーパーバック版は2013年12月に刊行された。 #amazon(0143106759) 【画像】The Prophecies (ハードカバー版) #amazon(0143107232) 【画像】The Prophecies (ペーパーバック版) *内容  『予言集』の全訳で、[[詩百篇第1巻1番]]から[[第10巻100番>詩百篇第10巻100番]]までの仏英対訳となっている。[[セザールへの手紙]]と[[アンリ2世への手紙]]も英訳のみ掲載されている。  原文の底本は第4巻53番までが[[ピエール・ブランダムール]]による校訂版、[[第7巻42番>百詩篇第7巻42番]]までが[[ブリューノ・プテ=ジラール]]による校訂版となっており、残りは拠るべき校訂版がないという理由で、[[1568年版予言集>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1568年)]]が利用されている。  すべての詩篇にではないが、簡略な語注がついている。 *コメント  序論を手がける[[ステファヌ・ジェルソン]]はニューヨーク大学准教授(2012年時点)で、フランス近代史の専門家だが、「[[ノストラダムスの調査>Searching for Nostradamus]]」という論考を発表するなど、ノストラダムスにも造詣が深い。  翻訳を手がけるリチャード・シーバース (Richard Sieburth)はニューヨーク大学教授(2012年時点)で、こちらはフランス文学の専門家である。特に、ジェラール・ド・ネルヴァルの詩集の翻訳や、モーリス・セーヴの詩集『デリー』の研究など、フランス詩の翻訳・研究方面での実績を持っている。  英語圏には[[エドガー・レオニ]]、[[エヴリット・ブライラー]]、[[ピーター・ラメジャラー]]らによる定評のある翻訳が、すでに複数存在している。しかし、専門のフランス文学者による翻訳は、今まで出版されることがなかった。  そういう意味では、アカデミック・ポストを占めるフランス詩の専門家による初の全訳本として、英語圏のノストラダムス関連書の中でかなりの重要な位置を占めるといえるだろう。  なお、語注にはレオニやラメジャラーの見解もかなり取り込まれている。この事実は、従来のアマチュア研究者らの蓄積が、十分に高い水準であったことを間接的に裏付けているといえるかもしれない。  ただし、あくまでも英訳自体が文学的香気を漂わせるものとなっているため、すべての単語を訳に反映させるような逐語訳的作品でない点には、注意が必要である。  一例を挙げると、[[詩百篇第1巻35番]]の四行目、ブランダムールらが「二つの船団(艦隊)がひとつに」と訳している Deux classes une を、シーバースは Winner taking all と英訳している。 ---- ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。

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