borneaux

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 &bold(){borneaux} は[[百詩篇第9巻14番]]に一度だけ登場するが、このような語は現代語にも古語にもない (当時、o と ou が交換可能であったことを考慮して bourneaux と見なしたとしても同じである)。版によっては[[ボルドー]](Bordeaux) と綴られることもあるが、従来の論者たちは以下のような読み方を提示している。 *懐疑論者や文学者らの説 -[[エドガー・レオニ]]は、そういう名前の村がオート=ロワール県にあるとしていた((Leoni [1961]))。ただし、DNLFには見当たらない。比較的似た綴りということでは、ヴァンデ県のブルノー (Bourneau)、オート=ロワール県やアルデーシュ県のボルヌ (Borne)、ピレネー=ザトランティック県のブルノ (Bournos, ブルノス) などがある((DNLF))。 -[[ピエール・ブランダムール]]は bardeaux (屋根板) と校訂した((Brind’Amour [1996] p.300))。 -[[ピーター・ラメジャラー]]は bourreaux (死刑や拷問の執行吏) と校訂していた((Lemesurier [2003b]))。これは murderer と英訳した2010年でも堅持されているようである。 -[[ジャン=ポール・クレベール]]は、プロヴァンス語の borno (煙突) からと理解した((Clébert [2003]))。[[リチャード・シーバース]]の場合、その4行目の英訳 Boiled until the last wisp of smoke expires. ((Sieburth [2012] p.241))からはどのように校訂したのか今ひとつ判然としないが、地名や「処刑者」などの読みに近いようには見えず、煙突に近い理解ではないかとも思える。 *信奉者側の説  信奉者側では、[[アンリ・トルネ=シャヴィニー]]の解釈が一定の支持を得た。彼は、この単語が Sept. fum extaint au canon des borneaux. という形で出てきていることと、16世紀後半の地図においてワーテルローが 7 born (Sept Born) と表記されていることとを結びつけた((Torné-Chavigny [1861], L'histoire prédite et jugée..., T.II, p.217))。  [[アナトール・ル・ペルチエ]]の用語集でも、(トルネ=シャヴィニーへの言及はないが)この解釈が踏襲された((Le Pelletier [1867b]))。ル・ペルチエはもうひとつ、ラテン語の borinus から 「北の」 という可能性も示していた。  なお、[[竹本忠雄]]は、従来誰一人として解読できなかった borneaux について、古地図を元に Sept-Borneaux という地名と結びつけたのは[[ヴライク・イオネスク]]が最初だと主張したが((竹本 『秘伝ノストラダムスコード』 p.755))、上記のように事実に反している。そして、竹本はル・ペルチエの『[[ミシェル・ド・ノートルダム神託集>Les Oracles de Michel de Nostredame, 1867]]』を持っているどころか、それをテクストの底本としているとまで主張していたのだから((竹本ほか 『予言のすべて』 日本文芸社、1996年、p.85))、その巻末用語集を確認したことがないとは思えない。 ---- &bold(){コメントらん} 以下のコメント欄は[[コメントの著作権および削除基準>著作権について]]を了解の上でご使用ください。なお、当「大事典」としては、以下に投稿されたコメントの信頼性などをなんら担保するものではありません (当「大事典」管理者である sumaru 自身によって投稿されたコメントを除く)。 - bourreaux 死刑執行人の複数形 -- とある信奉者 (2019-08-13 06:57:53) #comment
 &bold(){borneaux} は[[詩百篇第9巻14番]]に一度だけ登場するが、このような語は現代語にも古語にもない (当時、o と ou が交換可能であったことを考慮して bourneaux と見なしたとしても同じである)。版によっては[[ボルドー]](Bordeaux) と綴られることもあるが、従来の論者たちは以下のような読み方を提示している。 *懐疑論者や文学者らの説 -[[エドガー・レオニ]]は、そういう名前の村がオート=ロワール県にあるとしていた((Leoni [1961]))。ただし、DNLFには見当たらない。比較的似た綴りということでは、ヴァンデ県のブルノー (Bourneau)、オート=ロワール県やアルデーシュ県のボルヌ (Borne)、ピレネー=ザトランティック県のブルノ (Bournos, ブルノス) などがある((DNLF))。 -[[ピエール・ブランダムール]]は bardeaux (屋根板) と校訂した((Brind’Amour [1996] p.300))。 -[[ピーター・ラメジャラー]]は bourreaux (死刑や拷問の執行吏) と校訂していた((Lemesurier [2003b]))。これは murderer と英訳した2010年でも堅持されているようである。 -[[ジャン=ポール・クレベール]]は、プロヴァンス語の borno (煙突) からと理解した((Clébert [2003]))。[[リチャード・シーバース]]の場合、その4行目の英訳 Boiled until the last wisp of smoke expires. ((Sieburth [2012] p.241))からはどのように校訂したのか今ひとつ判然としないが、地名や「処刑者」などの読みに近いようには見えず、煙突に近い理解ではないかとも思える。 *信奉者側の説  信奉者側では、[[アンリ・トルネ=シャヴィニー]]の解釈が一定の支持を得た。彼は、この単語が Sept. fum extaint au canon des borneaux. という形で出てきていることと、16世紀後半の地図においてワーテルローが 7 born (Sept Born) と表記されていることとを結びつけた((Torné-Chavigny [1861], L'histoire prédite et jugée..., T.II, p.217))。  [[アナトール・ル・ペルチエ]]の用語集でも、(トルネ=シャヴィニーへの言及はないが)この解釈が踏襲された((Le Pelletier [1867b]))。ル・ペルチエはもうひとつ、ラテン語の borinus から 「北の」 という可能性も示していた。  なお、[[竹本忠雄]]は、従来誰一人として解読できなかった borneaux について、古地図を元に Sept-Borneaux という地名と結びつけたのは[[ヴライク・イオネスク]]が最初だと主張した((竹本 『秘伝ノストラダムスコード』 p.755))。  しかし、それは、上記のように事実に反している。そして、竹本はル・ペルチエの『[[ミシェル・ド・ノートルダム神託集>Les Oracles de Michel de Nostredame, 1867]]』を持っているどころか、それをテクストの底本としているとまで主張していたのだから((竹本ほか 『予言のすべて』 日本文芸社、1996年、p.85))、その巻末用語集を確認したことがないとは思えない。ゆえに、当然、ル・ペルチエの用語集にも出ていることは知っていたはずであろう。 ---- ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。 ---- &bold(){コメントらん} 以下に投稿されたコメントは&u(){書き込んだ方々の個人的見解であり}、当「大事典」としては、その信頼性などをなんら担保するものではありません。  なお、現在、コメント書き込みフォームは撤去していますので、新規の書き込みはできません。 - bourreaux 死刑執行人の複数形 -- とある信奉者 (2019-08-13 06:57:53)

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