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[[シャストゥイユが伝えた百詩篇]]>2番
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*原文
Deus&sup(){1} cens soisante en Espayne&sup(){2} regner
Despartira&sup(){3} son estat deus&sup(){4} grands parts
[[Part>part]] en Afrique [[Romanie]] seigner&sup(){5}
Le mauritain afoibly par l’éparts&sup(){6}.
**異文
(1) Deus : Deux (Ruzo)
(2) Espayne : Espaigne (Ruzo)
(3) Despartira : De partira (Ruzo 1982)
(4) deus : deux (Ruzo)
(5) seigner : Seigner (Ruzo)
(6) l’éparts : departs (Ruzo)
*日本語訳
二百六十、スペインにて君臨し、
その身分を二つの大きな部分に分けるだろう。
アフリカでの一部がロマニアに印をつける。
マウレタニア人は閂によって弱められる。
**訳について
1行目の 「二百六十」 は素直に読めば260年間のことだろう。ただし、単位がないので、260人、260町村などとも読める余地はある。
seigner は signer の綴りの揺れで「署名する」「印をつける」などの意味((DMF))。3行目は 「アフリカの一部にロマニアが印をつける」 とも訳せるが、後述の[[ピーター・ラメジャラー]]の解釈を踏まえた。もっとも、ラメジャラーは saigner (出血する) の綴りの揺れと見なしているようなので、少し訳が違う (DMFには、確かに saigner の綴りの揺れとしての seigner や seiner も載っている)。
マウレタニアはモーリタニアの語源になった古代アフリカの地域名で、現在のモロッコ、アルジェリアなどを含み、マウリ人などの先住民族がいた((『ブリタニカ国際大百科事典』))。
*解説
[[ピーター・ラメジャラー]]は古代ヴァンダル人がモデルだろうと見なしている(([[Quatrains Unpublished - Propheties on Line>>http://www.propheties.it/quatrainsunbublished.htm]]))。
ヴァンダル人はゲルマン民族のひとつで、5世紀初頭に西進し、409年にスペインに侵入・定着した。ヴァンダル人はシリンギとアスディンギという2集団によって構成されており、シリンギはイベリア半島南部、アスディンギは半島北西部に定着した。しかし、西ゴート人の西進によってシリンギは滅ぼされ、アスディンギも429年にアフリカに逃れた。彼らはカルタゴを攻略し、439年にはヴァンダル王国を建国した。国王ガイゼリックは455年にローマを襲撃し、略奪行為に及ぶなど、勢力を伸ばした。しかし、ヴァンダル王国は東ローマ帝国とも対立し、534年に滅ぼされた((以上のヴァンダル人の概要は、『ブリタニカ国際大百科事典』の「バンダル族」「ガイゼリック」の項による。))。
スペイン、アフリカ、ロマニア(=ローマの領地)と、確かに登場している地名はヴァンダルの軌跡とほぼ一致する。しかし、ラメジャラーも認めるように、この解釈では 「二百六十」 が不明なままである。
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#comment
[[シャストゥイユが伝えた百詩篇]]>2番
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*原文
Deus&sup(){1} cens soisante en Espayne&sup(){2} regner
Despartira&sup(){3} son estat deus&sup(){4} grands parts
[[Part>part]] en Afrique [[Romanie]] seigner&sup(){5}
Le mauritain afoibly par l’éparts&sup(){6}.
**異文
(1) Deus : Deux (Ruzo)
(2) Espayne : Espaigne (Ruzo)
(3) Despartira : De partira (Ruzo 1982)
(4) deus : deux (Ruzo)
(5) seigner : Seigner (Ruzo)
(6) l’éparts : departs (Ruzo)
*日本語訳
二百六十、スペインにて君臨し、
その身分を二つの大きな部分に分けるだろう。
アフリカでの一部が[[ロマニア>Romanie]]に印をつける。
[[マウレタニア]]人は閂によって弱められる。
**訳について
1行目の 「二百六十」 は素直に読めば260年間のことだろう。ただし、単位がないので、260人、260町村などとも読める余地はある。
seigner は signer の綴りの揺れで「署名する」「印をつける」などの意味((DMF))。3行目は 「アフリカの一部にロマニアが印をつける」 とも訳せるが、後述の[[ピーター・ラメジャラー]]の解釈を踏まえた。もっとも、ラメジャラーは saigner (出血する) の綴りの揺れと見なしているようなので、少し訳が違う (DMFには、確かに saigner の綴りの揺れとしての seigner や seiner も載っている)。
マウレタニアはモーリタニアの語源になった古代アフリカの地域名で、現在のモロッコ、アルジェリアなどを含み、マウリ人などの先住民族がいた((『ブリタニカ国際大百科事典』))。
*解説
[[ピーター・ラメジャラー]]は古代ヴァンダル人がモデルだろうと見なしている(([[Quatrains Unpublished - Propheties on Line>>http://www.propheties.it/quatrainsunbublished.htm]]))。
ヴァンダル人はゲルマン民族のひとつで、5世紀初頭に西進し、409年にスペインに侵入・定着した。ヴァンダル人はシリンギとアスディンギという2集団によって構成されており、シリンギはイベリア半島南部、アスディンギは半島北西部に定着した。しかし、西ゴート人の西進によってシリンギは滅ぼされ、アスディンギも429年にアフリカに逃れた。彼らはカルタゴを攻略し、439年にはヴァンダル王国を建国した。国王ガイゼリックは455年にローマを襲撃し、略奪行為に及ぶなど、勢力を伸ばした。しかし、ヴァンダル王国は東ローマ帝国とも対立し、534年に滅ぼされた((以上のヴァンダル人の概要は、『ブリタニカ国際大百科事典』の「バンダル族」「ガイゼリック」の項による。))。
スペイン、アフリカ、ロマニア(=ローマの領地)と、確かに登場している地名はヴァンダルの軌跡とほぼ一致する。しかし、ラメジャラーも認めるように、この解釈では 「二百六十」 が不明なままである。
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