百詩篇断片・11番

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[[シャストゥイユが伝えた百詩篇]]>11番 ---- *原文 En Syracuse noveau fis figulrer&sup(){1} Qui plus sera inhumain et cruel De non latin en français&sup(){2} singulier Noir et farouche et plus sec que gruel. **異文 (1) figulrer : figulier (Ruzo 1970), figurer (Ruzo 1982) (2) français : françois (Ruzo) **校訂  1行目の異文は、3行目との韻を考えれば figulier が最も適切である。  3行目の異文は時代ごとの正書法の変化によるもので、ノストラダムスの時代には françois のほうが妥当である。 *日本語訳 [[シラクーザ]]で陶工の新しい息子が、 より非人間的で残酷になるだろう。 ラテン民族でない者から独特のフランス人となる。 黒く粗野で、粗い穀粉よりも乾いている。 **訳について  1行目は figulier を採用した。百詩篇正篇では[[百詩篇第9巻12番]]で一度だけ使用例があり、「陶工」 の意味だろうという点で諸論者が一致している。なお、figurer なら「作る、デッサンする」などを意味する動詞である((DMF))。  3行目は「ラテン語でないものから独特のフランス語になる(訳される)」とも訳しうるが、人物の描写と判断して訳した。  4行目 gruel という語は現代フランス語になく、ノストラダムスも百詩篇正篇では一度も使っていない。[[ピエール・ロレ]]は gruau (挽き割りカラスムギ、穀粒、オートミール) と注記し、[[ピーター・ラメジャラー]]はそのまま gruel (薄い粥) と英訳している。DMF、DALF、DFE には見当たらないが、DAF には確かに gruau の意味で載っている。『ジーニアス英和大辞典』では gruel の語源として、あらびき粉を意味する gru に縮小辞 -el がついた古フランス語の gruel から、と説明されている。  「 gruau よりも乾く」 ということがどういう意味の成句なのかは、古語辞典で gruauや sec を調べても見当たらないのでよく分からないが、文脈からすれば、冷淡さや酷薄さを示すものなのだろう。 *解説  [[ピーター・ラメジャラー]]は、『[[ミラビリス・リベル]]』に描写された反キリストの侵略がモデルと推測した(([[Quatrains Unpublished - Propheties on Line>>http://www.propheties.it/quatrainsunbublished.htm]]))。  シラクーザの独裁者というと、古代の僭主たちが思い浮かぶが、「陶工」とのつながりも、後半との繋がりも不鮮明である。 ---- #comment
[[シャストゥイユが伝えた百詩篇]]>11番 *原文 En Syracuse noveau fis figulrer&sup(){1} Qui plus sera inhumain et cruel De non latin en français&sup(){2} singulier Noir et farouche et plus sec que gruel. **異文 (1) figulrer : figulier (Ruzo 1975), figurer (Ruzo 1982) (2) français : françois (Ruzo) **校訂  1行目の異文は、3行目との韻を考えれば figulier が最も適切である。  3行目の異文は時代ごとの正書法の変化によるもので、ノストラダムスの時代には françois のほうが妥当である。 *日本語訳 [[シラクーザ]]で陶工の新しい息子が、 より非人間的で残酷になるだろう。 ラテン民族でない者から独特のフランス人となる。 黒く粗野で、粗い穀粉よりも乾いている。 **訳について  1行目は figulier を採用した。百詩篇正篇では[[百詩篇第9巻12番]]で一度だけ使用例があり、「陶工」 の意味だろうという点で諸論者が一致している。なお、figurer なら「作る、デッサンする」などを意味する動詞である((DMF))。  3行目は「ラテン語でないものから独特のフランス語になる(訳される)」とも訳しうるが、人物の描写と判断して訳した。  4行目 gruel という語は現代フランス語になく、ノストラダムスも百詩篇正篇では一度も使っていない。[[ピエール・ロレ]]は gruau (挽き割りカラスムギ、穀粒、オートミール) と注記し、[[ピーター・ラメジャラー]]はそのまま gruel (薄い粥) と英訳している。DMF、DALF、DFE には見当たらないが、DAF には確かに gruau の意味で載っている。『ジーニアス英和大辞典』では英語の gruel の語源として、あらびき粉を意味する gru に縮小辞 -el がついた古フランス語の gruel から、と説明されている。  「 gruau よりも乾く」 ということがどういう意味の成句なのかは、古語辞典で gruauや sec を調べても見当たらないのでよく分からないが、文脈からすれば、冷淡さや酷薄さを示すものなのだろう。 *解説  [[ピーター・ラメジャラー]]は、『[[ミラビリス・リベル]]』に描写された反キリストの侵略がモデルと推測した(([[Quatrains Unpublished - Propheties on Line>>http://www.propheties.it/quatrainsunbublished.htm]]))。  シラクーザの独裁者というと古代の僭主たちが思い浮かぶが、「陶工」とのつながりも、後半との繋がりも不鮮明である。 ---- #comment

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