Le Message de Nostradamus sur L'ère prolétaire

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 『プロレタリア時代に関するノストラダムス・メッセージ』(Le Message de Nostradamus sur L'ère prolétaire) は、1976年に刊行された[[ヴライク・イオネスク]]の最初の著書である。フランス語で書かれた800ページを超える自費出版であり、頒布をパリのデルヴィ=リーヴル社が請け負った。  当「大事典」で所蔵している版の背表紙には「1977」とあるので、翌年にも再版されていたようだ。この本の内容を大幅に加筆・再編したものが、『[[ノストラダムス 世界の秘史>Nostradamus L'histoire secrète du monde]]』(1987年)である。 *内容  ジャン・フォールの序文に続く内容はかなり重厚であり、背景となる社会情勢や神秘思想の概説を踏まえて、歴史的諸事件についての予言解釈を行い、未来予測にも踏み込むものになっている。イオネスクが師と仰ぐ[[アナトール・ル・ペルチエ]]の『[[ミシェル・ド・ノートルダムの神託集>Les Oracles de Michel de Nostredame, 1867]]』がそうであったように、未来予測部分が占める割合はきわめて限定的である。  目次は以下の通りである。 -第一部 伝統的思考と近代世界 --1. 歴史的なものと超歴史的なもの --2. 身分制のドクトリンと諸時代の衰退 --3. 聖なるものから俗なるものへ --4.エリートの文化と大衆の文化、あるいは質から量へ --5. プロレタリアの時代と共産主義 -第二部 ノストラダムス現象 --1. 簡略な伝記的データ --2. ノストラダムスの占星術的テーマ --3. あるドクトリンを覆す文書 --4. ノストラダムス的 「隠語」 の鍵を探して --5. ノストラダムスと「鳥の言語」 --6. ヘルメス主義的カバラ -第三部 錬金術師としてのノストラダムス --1. 近代思考以前の錬金術 --2. ノストラダムスと錬金術 --3. ヘルメス主義的テクスト -第四部 フランス革命から十月革命まで --1. ノストラダムスはフランス革命の期日を正確に示している --2. 「第1のバビロン」に関する全般的考察 --3. ルイ16世あるいは「カペティアン・エリュ」 --4. 国民公会。「チエール・プルミエ」 --5. ナポレオン・ボナパルト --6. ナポレオンから第一次世界大戦へ -第五部 第一次世界大戦と共産主義の出現 --1. 第一次世界大戦 --2. 十月革命 ― 「ル・コマナヴェヌマン」 -第六部 独裁者たちの時代と第二次世界大戦 --1. スペイン --2. 大戦までのスターリン体制下のソヴィエト連邦 --3. 第二次世界大戦期の予言 --4. ヒトラーと第二次世界大戦 --5. ムッソリーニと古代ローマ復活の夢 --6. 英国 --7. アメリカ合衆国の介入 --8. 虐げられた国々のはさまで : 戦中・戦後のルーマニア --9. 日米戦争 -第七部 第二次大戦から現在までの核保有超大国の時代 --1. 共産主義の新戦術 : 政府転覆、詐術、諜報 --2. スターリンに支配された国々での抑圧と苦難 --3. ソヴィエト外交政策上の4つの危機 --4. ベトナム戦争 --5. その他の現代的諸事件 -第八部 科学史・技術史上の諸発見 --1.概説 --2. 天文学・宇宙航空学的テーマ --3. 航空技術に関する展望 --4. 輸送手段と陸海の兵器 --5. エネルギーに関する現代的発見 ― 電力、原子力、E.S.P. -第九部 近未来のプロレタリア階級 --1. 全般的考察 --2. 共産主義的ドクトリンは大衆の意識の中で場を失う --3. 1991年、ソヴィエト体制崩壊の年 --4. 東西衝突あるいは第三次世界大戦 *コメント  20世紀の信奉者側の著書としては、最も充実したものの一つといえるだろう。[[パトリス・ギナール]]や[[竹本忠雄]]など、信奉者側にはイオネスク解釈の後継者を自認する者たちもいる。他方で、[[エリザベート・ベルクール]]はイオネスクの解釈を批判していた。  近未来の見通しの中で1991年を 「ソヴィエト体制崩壊の年」 と位置づけていたことは、実際にソ連解体が1991年に実現したことで、大いに注目されることになる。当「大事典」 としては、イオネスク解釈を支持するものでは全くないし、ソ連崩壊に関する解釈に対しても、彼の個人的体験(と、そこから導かれる願望)が投影された結果のまぐれ当たりに近いものと認識している。しかし、そのような立場の違いをこえて、圧制政治から逃れてアメリカに亡命してこの本を書き上げ、自分で活字を組み上げて公表にこぎつけたイオネスクの執念のようなものには、一定の敬意を払いたい。 *改訂版など  1987年に刊行された『[[ノストラダムス 世界の秘史>Nostradamus L'histoire secrète du monde]]』は、この本の実質的な改訂新版と位置づけることができるだろう。  また、1991年に日本で刊行された『[[ノストラダムス・メッセージ]]』は、この本の抄訳に大幅な加筆が行われたものといえる。 ---- #comment
 『&bold(){プロレタリア時代に関するノストラダムス・メッセージ}』(&italic(){Le Message de Nostradamus sur L'ère prolétaire}) は、1976年に刊行された[[ヴライク・イオネスク]]の最初の著書である。フランス語で書かれた800ページを超える自費出版であり、頒布をパリのデルヴィ=リーヴル社が請け負った。  当「大事典」で所蔵している版の背表紙には「1977」とあるので、翌年にも再版されていたようだ。この本の内容を大幅に加筆・再編したものが、『[[ノストラダムス 世界の秘史>Nostradamus L'histoire secrète du monde]]』(1987年)である。 *内容  ジャン・フォールの序文に続く内容はかなり重厚であり、背景となる社会情勢や神秘思想の概説を踏まえて、歴史的諸事件についての予言解釈を行い、未来予測にも踏み込むものになっている。イオネスクが師と仰ぐ[[アナトール・ル・ペルチエ]]の『[[ミシェル・ド・ノートルダムの神託集>Les Oracles de Michel de Nostredame, 1867]]』がそうであったように、未来予測部分が占める割合はきわめて限定的である。  目次は以下の通りである。 -第一部 伝統的思考と近代世界 --1. 歴史的なものと超歴史的なもの --2. 身分制のドクトリンと諸時代の衰退 --3. 聖なるものから俗なるものへ --4.エリートの文化と大衆の文化、あるいは質から量へ --5. プロレタリアの時代と共産主義 -第二部 ノストラダムス現象 --1. 簡略な伝記的データ --2. ノストラダムスの占星術的テーマ --3. あるドクトリンを覆す文書 --4. ノストラダムス的 「隠語」 の鍵を探して --5. ノストラダムスと「鳥の言語」 --6. ヘルメス主義的カバラ -第三部 錬金術師としてのノストラダムス --1. 近代思考以前の錬金術 --2. ノストラダムスと錬金術 --3. ヘルメス主義的テクスト -第四部 フランス革命から十月革命まで --1. ノストラダムスはフランス革命の期日を正確に示している --2. 「第1のバビロン」に関する全般的考察 --3. ルイ16世あるいは「カペティアン・エリュ」 --4. 国民公会。「チエール・プルミエ」 --5. ナポレオン・ボナパルト --6. ナポレオンから第一次世界大戦へ -第五部 第一次世界大戦と共産主義の出現 --1. 第一次世界大戦 --2. 十月革命 ― 「ル・コマナヴェヌマン」 -第六部 独裁者たちの時代と第二次世界大戦 --1. スペイン --2. 大戦までのスターリン体制下のソヴィエト連邦 --3. 第二次世界大戦期の予言 --4. ヒトラーと第二次世界大戦 --5. ムッソリーニと古代ローマ復活の夢 --6. 英国 --7. アメリカ合衆国の介入 --8. 虐げられた国々のはさまで : 戦中・戦後のルーマニア --9. 日米戦争 -第七部 第二次大戦から現在までの核保有超大国の時代 --1. 共産主義の新戦術 : 政府転覆、詐術、諜報 --2. スターリンに支配された国々での抑圧と苦難 --3. ソヴィエト外交政策上の4つの危機 --4. ベトナム戦争 --5. その他の現代的諸事件 -第八部 科学史・技術史上の諸発見 --1.概説 --2. 天文学・宇宙航空学的テーマ --3. 航空技術に関する展望 --4. 輸送手段と陸海の兵器 --5. エネルギーに関する現代的発見 ― 電力、原子力、E.S.P. -第九部 近未来のプロレタリア階級 --1. 全般的考察 --2. 共産主義的ドクトリンは大衆の意識の中で場を失う --3. 1991年、ソヴィエト体制崩壊の年 --4. 東西衝突あるいは第三次世界大戦 *コメント  20世紀の信奉者側の著書としては、最も充実したものの一つといえるだろう。[[パトリス・ギナール]]や[[竹本忠雄]]など、信奉者側にはイオネスク解釈の後継者を自認する者たちもいる。他方で、[[エリザベート・ベルクール]]はイオネスクの解釈を批判していた。  近未来の見通しの中で1991年を 「ソヴィエト体制崩壊の年」 と位置づけていたことは、実際にソ連解体が1991年に実現したことで、大いに注目されることになる。当「大事典」 としては、イオネスク解釈を支持するものでは全くないし、ソ連崩壊に関する解釈に対しても、彼の個人的体験(と、そこから導かれる願望)が投影された結果のまぐれ当たりに近いものと認識している。しかし、そのような立場の違いをこえて、圧制政治から逃れてアメリカに亡命してこの本を書き上げ、自分で活字を組み上げて公表にこぎつけたイオネスクの執念のようなものには、一定の敬意を払いたい。 *改訂版など  1987年に刊行された『[[ノストラダムス 世界の秘史>Nostradamus L'histoire secrète du monde]]』は、この本の実質的な改訂新版と位置づけることができるだろう。  また、1991年に日本で刊行された『[[ノストラダムス・メッセージ]]』は、この本の抄訳に大幅な加筆が行われたものといえる。 ---- #comment

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