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『&bold(){ノストラダムス 神話と現実:占星術師たちの時代における一歴史家}』(&italic(){Nostradamus le mythe et la réalité. Un historien au temps des astrologues}) は1999年にロベール・ラフォン社から刊行された[[ロジェ・プレヴォ]]の著書。[[ノストラダムス]]の『[[予言集>ミシェル・ノストラダムス師の予言集]]』を歴史的文脈から読み解いている。
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【画像】 表紙
*内容
4部構成になっており、目次は以下の通りである。
-第1部 パズルのピース (Les morceaux du puzzle)
--1. ・・・だが、それはビザンティンだ! (... Mais, c'est Byzance !)
--2. ヴァレンヌ、その通りだが、どこの? (Varennes, oui, mais lequel ?)
--3. まだ、そして既に聖堂騎士団の事件が (Encore et déjà l'affaire des Templiers)
--4. 「理性のきちんとした手がかりで」(«par bon bout de raison»)
--5. ジグザグな歴史 (L'histoire en zigzag)
-第2部 記憶の小道で (Sur les sentiers de la mémoire)
--1. だまし絵の年代 (Des dates en tromp-l'œil)
--2. 獣帯の星座のもとで (Sous les signes du zodiaque)
--3. 天と地の気まぐれ (Les caprices du ciel et de la terre)
--4. 新聞第1面5段抜きの記事 (Cinq colonnes à la une)
-第3部 時間と空間の交差点にて (Au carrefour de l'espace et du temps)
--1. 南仏の空の下で (Sous le ciel du Midi)
--2. 耐えがたき時期 (Les années terribles)
--3. 大灯台の明かりが消える時 (Quand les grands phares s'éteignent)
--4. 帝国の夢 (Rêves d'empire)
-第4部 世界の終わりを待ちながら (En attendant la Fin du Monde)
--1. 黙示録の噂 (Rumeurs d'apocalypse)
--2. 未来を料理する技術 (L'art d'accommoder l'avenir)
--3. 愛星家、それとも愛書家? (Astrophile ou bibliophile ?)
--4. 神話の起源 (La genèse du mythe)
*コメント
[[高田勇]]は「感銘を受けた」((高田 [2000] p.294))と評しており、[[百詩篇第1巻35番]]の解説に際しては、プレヴォの見解を引用していた。
実際、プレヴォの貢献は非常に大きい。
ノストラダムスが過去や同時代を元に予言を記したと見る仏文学者や歴史学者の間でも、ヴァレンヌ事件の予言とされた[[百詩篇第9巻20番]]をはじめ、具体的な歴史的事件との対応がなされていなかった詩篇は多く残っていた。プレヴォはそれらのかなりの詩篇について、モデルと思われる歴史的事件などを指摘した。
また、その際に、[[百詩篇第9巻74番]]の Fertsod や[[百詩篇第10巻14番]]の [[Urnel Vaucile]] などのような謎語についても、大胆な校訂を提案した。
その少なからぬ部分は、[[ブリューノ・プテ=ジラール]]や[[ピーター・ラメジャラー]]といった後続の論者たちに踏襲されており、『予言集』の読解を深めることへの貢献は否定のしようがない。
他方で、[[エリザベート・ベルクール]]の[[Nostradamus trahi]](1981年)に収録された「1605年版」(実際はおそらく18世紀以降の版)を底本とし、原典の書誌にはあまり注意が払われていないようにも見受けられる。結果として、[[1555年の初版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1555年リヨン)]]や[[1557年の増補版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1557年)]]を初出とする詩篇と、1560年代の事件を結び付けるなどの事例があり、当然こうした関連付けは、後続の論者たちも支持していない。
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#comment
『&bold(){ノストラダムス 神話と現実:占星術師たちの時代における一歴史家}』(&italic(){Nostradamus le mythe et la réalité. Un historien au temps des astrologues}) は1999年にロベール・ラフォン社から刊行された[[ロジェ・プレヴォ]]の著書。[[ノストラダムス]]の『[[予言集>ミシェル・ノストラダムス師の予言集]]』を歴史的文脈から読み解いている。
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【画像】 表紙
*内容
4部構成になっており、目次は以下の通りである。
-第1部 パズルのピース (Les morceaux du puzzle)
--1. …だが、それはビザンティンだ! (... Mais, c'est Byzance !)
--2. ヴァレンヌ、その通りだが、どこの? (Varennes, oui, mais lequel ?)
--3. まだ、そして既に聖堂騎士団の事件が (Encore et déjà l'affaire des Templiers)
--4. 「理性のきちんとした手がかりで」(«par bon bout de raison»)
--5. ジグザグな歴史 (L'histoire en zigzag)
-第2部 記憶の小道で (Sur les sentiers de la mémoire)
--1. だまし絵の年代 (Des dates en tromp-l'œil)
--2. 獣帯の星座のもとで (Sous les signes du zodiaque)
--3. 天と地の気まぐれ (Les caprices du ciel et de la terre)
--4. 新聞1面5段抜きの記事 (Cinq colonnes à la une)
-第3部 時間と空間の交差点にて (Au carrefour de l'espace et du temps)
--1. 南仏の空の下で (Sous le ciel du Midi)
--2. 耐えがたき時期 (Les années terribles)
--3. 大灯台の明かりが消える時 (Quand les grands phares s'éteignent)
--4. 帝国の夢 (Rêves d'empire)
-第4部 世界の終わりを待ちながら (En attendant la Fin du Monde)
--1. 黙示録の噂 (Rumeurs d'apocalypse)
--2. 未来を料理する技術 (L'art d'accommoder l'avenir)
--3. 愛星家、それとも愛書家? (Astrophile ou bibliophile ?)
--4. 神話の起源 (La genèse du mythe)
*コメント
[[高田勇]]は「感銘を受けた」((高田 [2000] p.294))と評しており、[[詩百篇第1巻35番]]の解説に際しては、プレヴォの見解を引用していた。
実際、プレヴォの貢献は非常に大きい。
ノストラダムスが過去や同時代を元に予言を記したと見る仏文学者や歴史学者の間でも、ヴァレンヌ事件の予言とされた[[詩百篇第9巻20番]]をはじめ、具体的な歴史的事件との対応がなされていなかった詩篇は多く残っていた。プレヴォはそれらのかなりの詩篇について、モデルと思われる歴史的事件などを指摘した。
また、その際に、[[詩百篇第9巻74番]]の [[Fertsod]] や[[詩百篇第10巻14番]]の [[Urnel Vaucile]] などのような謎語についても、大胆な校訂を提案した。
その少なからぬ部分は、[[ブリューノ・プテ=ジラール]]や[[ピーター・ラメジャラー]]といった後続の論者たちに踏襲されており、『予言集』の読解を深めることへの貢献は否定のしようがない。
他方で、[[エリザベート・ベルクール]]の[[Nostradamus trahi]](1981年)に収録された「1605年版」(実際はおそらく18世紀以降の版)を底本とし、原典の書誌にはあまり注意が払われていないようにも見受けられる。結果として、[[1555年の初版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1555年リヨン)]]や[[1557年の増補版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1557年)]]を初出とする詩篇と、1560年代の事件を結び付けるなどの事例があり、当然こうした関連付けは、後続の論者たちも支持していない。
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