五島勉の著書一覧

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[[五島勉]]の著書をまとめておく。 『[[ノストラダムスの大予言]]』(1973年)以前には、『世界の廃墟物語』でムーやアトランティスを扱ったことや、創価学会関連の著書を複数出していたの除くと、宗教・オカルト系は見られない。 #image(gotoworks.PNG) 【画像】五島勉の主な著作(関連する著作も含む) 以下、 -「🌟」はノストラダムスを主題とするか、関連性が強いもの。関連性が低くとも、題名などにノストラダムスを含む場合には、🌟を付けた場合がある。 -刊行日は奥付による。奥付の日付は、実際の発売日と異なるものも少なくないはずだが、その多くは現在では正確な刊行日の追跡がほぼ不可能なので、奥付の日付で統一する。 -推薦文が掲載されている場合には、推薦者と見出しを記載した(帯の推薦文の場合、本文から抜粋した場合がある)。肩書は、初期の版のまま掲載する。 -過去に公刊された五島勉の著作リストとしては、以下のものがある。 --「保存版 こんなに出ている五島勉著作リスト」(『月刊オーパス』1994年10月号、pp.12-13) --「五島勉氏 著作総目録稿」([[志水一夫]]『トンデモノストラダムス解剖学』データハウス、1998年、pp.206-215) --このほか、許光俊の論考(「五島勉、『ノストラダムスの大予言』への道」『99年の滅亡を夢見て』)には『大予言』刊行以前のリストが、また、『サイゾー』1999年9月号には「五島勉主要著作リスト」(『大予言』刊行以降に限定されたリスト)が、それぞれ載っている。 --なお、志水のリストでは対談やインタビューが収められた本も一部含まれているが、当「大事典」の場合、それらは[[五島勉]]の項目にまとめてあるので、この項目では扱わない。 *『ノストラダムスの大予言』以前(1)1950年代 **[[続・日本の貞操]] -蒼樹社、1953年。 --五島は編者。奥付、前書き等で、編者名にルビはない。 --続編だが、正編は別人名義の著作(水野浩・編『日本の貞操 外国兵に犯された女性の手記』蒼樹社、1953年)。 --初期の刷本の帯には「外国兵による貞操の完全占領/日本政府の性的無條件降伏の実態」という惹句がある。 --1985年に『黒い春』として再版された。なお、『性暴力問題資料集成 : 編集復刻版』第6巻(不二出版、2004年)にもまるごと再録された。 **東京租界 &small(){その、おどろくべき実体} -久保書店、1955年10月25日。著者名のルビはない(なお、後述の初出らしき雑誌記事でのルビは「ごとうつとむ」)。 --いくつかの章が『あまとりあ』に連載されていた記事(「あまとりあ・るぽるたーじゅ 東京租界千一夜・コールガールの夜」1955年6月号所収、「来日スター行状記」1955年8月終刊号)の再録である。そのため、すべての章を特定しているわけではないが、当時の五島の連載記事の再編集版だろう(ちなみに、あまとりあ社と久保書店は同一住所の出版社)。 --余談だが、この本(および元になった連載)には「私たち租界ジャーナリスト」という、特殊性を強調するかのような言葉が出てくる。『ノストラダムスの大予言』で五島は「プロの研究家」なる定義不明の単語を何度も使っていたが、何か似た雰囲気を感じさせる。 --国立国会図書館には所蔵されていないためか、上掲の『月刊オーパス』や志水一夫のリストからも、文芸評論家の許光俊による列挙(『ノストラダムスの大予言』以前の著書限定)からも漏れている。 **アメリカへの離縁状 -拓文館、1956年4月29日。著者名のルビは「ごとうつとむ」。 -北海道立図書館のオンライン目録だと版元が「河出書房」となっているが、奥付によると株式会社拓文館は「河出書房内」と書かれているので、そうした事情によると思われる。なお、『世界の廃墟物語』の編者略歴では「一九五七年河出書房」となっているが、誤記なのか、1957年に改版が出たのかはよく分からない。志水のリストでも「河出書房」「1957年」となっているが、そういう実物を見たのか、実物を確認せずに『世界の廃墟物語』から転記しただけなのかは不明。 --前書きに「&color(green){わたし(筆者)がこの本のなかでえがこうとしたのは、こうしたアメリカの悪行のかずかず――つまり日本がアメリカに離婚を要求するための、のっぴきならない証拠のかずかずである」「この本を読み終わって、あなたはきっとこうつぶやくだろう。『アメリカなんかもうごめんだ! お前のきたない手で、われわれの美しい日本をかきまわさないでくれ!』と。こうした声のなかからもっと完全な離婚請求書が生れ、さらに離婚そのものが実現するようにでもなったら、わたしとしてそれ以上の幸せはない}」等とある。 --[[許光俊]]は、「&color(purple){新書判の小さな本だが、五島氏の著作のなかでももっとも重要なものの一つである。というのは、この書物は、およそ政治や権力に対して抑えようのない嫌悪をあらわにし、さらにその政治や権力に導かれて進む先には破滅しかないのだという主張――これはむろん『大予言』シリーズなどにも共通する――をこのうえなく明瞭に示しているからだ。別の言葉で言うなら、七三年以降、五島氏が老齢になるまで書き続けていく『大予言』シリーズは、すべてこの一冊の変奏ということになる}」((許光俊『99年の滅亡を夢見て』p.132))と評した。 **あまとりあ風流派新書 代表作選集第3集 -あまとりあ社、1956年9月25日 -奥付に明記されていないが、実質的に五島は共著者である。奥付の著者名義は「久木 光 &small(){他}」となっており、この「他」の中に五島も含まれる(全体をまとめる編者などは記載されておらず、前書きや後書きもない)。 --題名の通り、多くの著者の代表作から抜粋したもの。五島以外に、久木光ら14人の著者がいる(なお、五島の名前にルビはない)。 --五島の担当部分(pp.353-372)は、『東京租界』からの抜粋である。 --志水のリストは対談集などまでリストアップしているにもかかわらず、この本は漏れている。 --この代表作選集は少なくとも5巻まで出たようである。そして、第1・4・5巻のみ、国立国会図書館がデジタル化している。しかし、それらには五島の著作(少なくとも五島名義の著作)は含まれていない。第2巻のみは、当「大事典」では未確認である。 **サラリーマン研究 -文芸評論新社、1958年1月31日発行。著者名のルビは「ごとうつとむ」。 --前書きによると、歴史的な大衆誌『キング』に、1957年末の廃刊までの最後の1年間に掲載された連載「サラリーマン研究シリーズ」を単行本化したものだという。雑誌連載時の署名はイニシャルのみのT・Gとしていたらしい。 **禁じられた地帯 -知性社、1958年2月13日。著者名のルビは「ごとうつとむ」。 --五島は当時、雑誌『知性』に「禁じられた地帯」という連載を持っていた。 --初版の帯には「&color(brown){各種週刊誌・月刊誌で ごうごうの反響を起しつづける異色ルポルタージュ作家が 新たに踏破した若い人々の性の実態! かつて大人の眼が入る事を許さなかつた驚くべき世界!}」とあり、内容を端的に示している。『読売新聞』1958年3月24日夕刊では、この本が「&color(purple){ルポルタージュ作家の五島勉氏を中心に、さる総合雑誌の調査団が昨年いっぱいかかって調べ上げた調査記録}」で「&color(purple){皇居前広場、終夜喫茶、夏の湘南の海岸、富士五湖周辺、都内の盛り場などにおけるハイティーンたちの恐るべき性倫理の乱脈ぶりを描いている}」と紹介した。なお、映画『太陽の季節』の公開は1956年で、当時はいわゆる太陽族が話題になっていた時期である。 --その『読売新聞』の夕刊記事は、この本の映画化を報じるもので、「&color(purple){その映画化権の獲得に大映、日活、東映、東宝の四社が名乗りをあげ、その結果日活と大映が最後まではげしい争奪戦を展開して話題を集めた}」とある。大映が7月公開をめどに準備に入ったことを報じているが、実際に公開されたのかは、調査の範囲では未詳。 --なお、この本の略歴は(誤記・誤植も多いが)妙に充実している。その中での種明かしがなかったら、五島が「木村敏夫」名義で発表した(可能性が高い)ルポの存在は忘れ去られていたことだろう([[五島勉]]の記事参照)。 **東京の貞操 -青春出版社、1958年6月20日。著者名のルビはない。 -カバーにはタイトルロゴに一部重なって「TOKYO X」の文字もある。志水のリストでは『東京の貞操――TOKYO X』と表記されているが、副題や英題などの意図だったのかは不明。少なくとも、本体にそういう表記はない。 --『活字秘宝 この本は怪しい!!!』(1997年)の「アノ有名人たちの恥ずかしい初期仕事本」というコーナーで取り上げられている(レビュアーは遊㘴勝〔ゆざまさる。「㘴」の右上は「人」でなく「又」だが、「㘴」で代用。志水が「遊堅勝」と表記しているのは誤り〕)。 --『性暴力問題資料集成 : 編集復刻版 第16巻(1958年2月-8月)』(不二出版、2006年)に再録されることになる。 **白いSEX -青春出版社、1958年11月25日。著者名のルビはない。 --カバー、本体のいずれにも『白いSEX』と書かれている。『オーパス』のリストと志水のリストでは正しく『白いSEX』となっているが、国立国会図書館のオンライン目録などで『白のSEX』と書かれているためか、そちらの誤った表記を採っている文献も見られる。 --内容は『東京の貞操』と全く同じで、呆れたことに前書きでの書名も『東京の貞操』のままである。 *『ノストラダムスの大予言』以前(2)1960年代 **小説 死のF104 &small(){政争のなかのジェット戦闘機} -アサヒ芸能出版(平和新書)、1963年12月15日。著者名のルビはない。 --あとがきで、五島自身は作品のテーマ、すなわち「&color(green){何を主張し、何を訴えたかったか}」について、「&color(green){ひと口でいえば、『日本の防衛政策が真の日本の防衛のためにおこなわれていない』ということである}」としていた。また、「&color(green){作者は、従来の仕事の分野である&u(){ルポルタージュから発展したフィクション}ということを、いつも考えてきた}」((同書p.212。傍点は下線で代用。))と述べており、小説を書くことへの強い意欲を読み取れる。 --五島の小説として最初期のもの。許光俊は、『アメリカへの離縁状』で示した認識を創作の中に投影させたものとしつつ、結末部分で言及される「炎と滅亡の風景」について、それこそが「&color(purple){腐敗した権力者というモチーフ同様、ジャンルを問わずに五島氏の著作に繰り返し登場する一種の原風景なのである}」と指摘した((許、前掲書、p.135))。 **戦後残酷物語 &small(){あなたの知らない時に}  -大和書房(銀河選書)、1963年8月10日。 --五島は編者。名前のルビはなし。 --「第一部・小野年子の遺書」は水野浩・編『日本の貞操』に掲載されていた手記の再録である。「第二部・ある基地の女通訳の証言」は『続・日本の貞操』に掲載されていた北林の手記の再録、「第三部・秘められた戦後史」も基本的には『続・日本の貞操』からの再録である。 --1965年と1968年に再版される。 --のちにこれを原作とする映画『戦後残酷物語』(武智鉄二監督、大映、1968年)が公開された(([[戦後残酷物語>>http://db.eiren.org/contents/04910139801.html]](一般社団法人 映画製作者連盟)))。原作者の名義は小野年子と五島勉。 **BGスパイ &small(){デパートを燃やせ} -芸文社(芸文新書)、1964年11月1日。著者名のルビは「ごとうつとむ」。 --BGは「ビジネスガール」を略した和製英語で女性の会社員・事務員を意味する言葉だったが、英俗語で「売春婦」の意味があることなどから、新たな造語として「OL」が生まれた((「オーエル」『明鏡国語辞典』))。志水一夫や唐沢俊一はBGを五島の造語としていた((と学会『トンデモ本の逆襲』、志水『トンデモノストラダムス解剖学』))。なお、すでに1963年のうちにNHKや読売新聞が使用を自粛するようになっており((『読売新聞』1963年12月20日))、五島のこの本が出た時点でBGの使用は下火になりつつあった。そもそも代替語の「OL」は『週刊女性自身』の公募企画から63年に提案されたものだったので((『読売新聞』1987年10月27日))、同誌のメインライターだった五島が知らなかったはずはない。それであえてBGを使った理由はよく分からない。 --許光俊は『死のF104』とともに、五島の最初期の創作として、考察の俎上に載せている((許、前掲書、p.135-137))。 --のちの五島の著書の略歴には、この作品がテレビドラマ化されたと書かれているものがあるが((『㊙東京ローズ残酷物語』略歴欄、『東京ローズの戦慄』略歴欄))、放送局や放送日などの詳細は不明。 **あなたの知らない時に &small(){戦後残酷物語}  -大和書房(ペンギン・ブックス)、1965年4月1日。 --五島は編者。名前のルビはない。 --1963年の『戦後残酷物語 あなたの知らない時に』の再版だが、メインタイトルとサブタイトルが入れ替わっている。 --ほぼ単純な再版だが、前書きの日付が「'65年春」に変わっている。また、後書きの題名も「『日本の貞操』は生きている――この本を読まれた方へ――」から「この本を読まれた方へ――悲劇はいまもつづいている――」へ変わったが、目次は元のまま。少々慌てて刊行されたきらいはあるが、戦後20年目という節目が意識されての再版だったものと思われる。 --実際、初版の帯には「&color(brown){はらわれた黒いベール}」「&color(brown){敗戦20年にして明かされた埋もれた真実}」等とある。わずか2年前に元版が出ていたのに、それへの言及がないまま、あたかも新発見であるかのように語る惹句というのはどうなのだろうか。 **世界の廃墟物語 &small(){失なわれた栄華の跡を求めて} -大和書房(銀河選書)、1965年12月10日 --五島は編者。ルビは「ごとうつとむ」。 --『女性自身』の連載をまとめたものだといい、「&color(green){週刊連載中の担当者の分担については、女性自身編集部の雲村俊慥がプロデュースを受け持ち、同記者の浅利佳典・和田光江が主として取材にあたり、ライターの五島勉が全体の執筆・構成を担当しました}」((同書 p.201))とある。 --アンコール・ワット、シルクロード、アルタミラといった通常の考古遺跡を扱った章がある一方で、当時の「失われた大陸」ブーム(『[[昭和・平成オカルト研究読本]]』参照)を受けてか、ムウ(ムー)を扱った章やアトランティスを扱った章がある。 --1987年に文庫化されることになる。 **危機の数は13 &small(){X21/恐怖のエプシロン作戦} -芸文社(芸文新書)、1966年7月25日。著者名のルビはなし。 --「序章 極秘兵器オールマイティ」以外は全13章で、章題は「最初の危機」「第二の危機」…「第十二の危機」「最後の危機」となっている。本の題名はここからきているのだろう(X21は主人公のコードネーム)。 --[[と学会]]『トンデモ本の逆襲』でトンデモ本としてレビューされている(レビュアーは唐沢俊一 pp.131-136)。唐沢は、007シリーズのヒットによって模倣作が粗製乱造されていた状況を指摘し、本来はこの作品もその一つと位置付けられると見なしていた。 --唐沢のレビューにもコピーが載っているが、カバー裏表紙には主人公が使う無茶苦茶な設定の武器(唐沢は没個性な主人公よりも、むしろこの武器の方を主役と見なしている)の図解が掲載されている。本文にその図解はないので、国会図書館のようにカバーを外した状態では、武器の構造をつかみにくいものと思われる。 --許光俊はこの小説に描かれた白色人種と有色人種の関係に「&color(purple){書き手の自虐的な自己評価}」を見ている((許、前掲書、p.141))。 **戦後残酷物語 &small(){あなたの知らない時に}  -大和書房(ペンギン・ブックス)、1968年2月20日。 --五島は編者。編者名にルビはない。 --1963年、1965年に刊行されていたものの再版。再びメインタイトルが『戦後残酷物語』に戻っている。初版の帯には「&color(brown){問題の映画!武智鉄二監督『戦後残酷物語』の原作!}」とあり、題名の再変更は、映画の題名に合わせたものであろうと推測できる。 **現代の英雄 &small(){日本が狭すぎる5人の男} -大和書房(ペンギン・ブックス)、1968年6月20日。著者名にルビはない。 --池田大作(pp.11-66)、三島由紀夫(pp.67-105)、小澤征爾(pp.107-139)、本田宗一郎(pp.141-167)、黒澤明(pp.169-192)の評伝。 --池田大作の評伝は、五島が1970年代初頭に相次いで出す創価学会に好意的な著書の先駆といえるはずだが、宮崎哲弥や志水一夫が五島のそういった本をリストアップした中からは漏れていた。五島の他の創価学会関連書と結びつけて言及したのは、宗教社会学者の住家正芳が最初ではないかと思われる((清住家「宗教書がベストセラーになるとき」『オカルトの帝国』所収))(ただし、住家が触れているのは1970年版の方のみ)。 --また、三島のインタビューは、本人が存命中でこの本を見る可能性がある(=創作などを混ぜることは控えたであろう)時期に公刊された点で価値がある(三島の自害は1970年11月25日)。というのは、五島は『1999年以後』『やはり世界は予言で動いている』など、著書の重要部分について生前の三島から助言されていたと主張する文献を複数刊行しているが、第三者には検証が困難だからである。脚色のない(または少ない)インタビューは、実際の接点の記録という点で、五島について考察する際にも一定の意味があるだろう。 --次項『㊙東京ローズ残酷物語』略歴には、この本について「昨年度〔=1968年度〕ベストセラー」という注記がある。 --1970年に再版される。 **㊙東京ローズ残酷物語 &small(){ある女スパイと太平洋戦争} -ノーベル書房、1969年8月31日。著者名のルビは「ごとうつとむ」。 -カバーには Secret story of Tokyo Rose という英題が併記されているが、「残酷」というニュアンスはない。日本語名を「残酷物語」としたのは、『戦後残酷物語』に合わせたものだろうか。 --ウェブサイト『オカルトクロニクル』の記事「[[東京ローズ――誰が伝説の魔女だったか>>https://okakuro.org/tokyo-rose/]]」で、基本的な事実関係にさえ誤りが多いことを指摘されている。 --『オーパス』のリストからも、志水のリストからも漏れている(これらのリストで挙がっている東京ローズ関連文献は、1973年の光潮社版のみである)。許光俊も挙げていない。 --1973年と1978年に再版された。 *『ノストラダムスの大予言』以前(3)1970年代 **生命の若者たち &small(){池田会長と一千万人の記録} -大和書房、1970年5月10日。著者名にルビなどはなし。 --5月の刊行で、前年末からの「言論出版妨害事件」で創価学会や公明党が批判されていた時期だが、本文では触れられていない。五島は「あとがき」で、前年春から取材していた内容を当初の方針通りに書いたとし、「&color(green){公明党の一部幹部が、池田氏を敬愛するあまり、相手に乗ぜられるスキをつくった}」ことを残念がりつつも、「&color(green){事件についてとくにふれねばならぬ必要も感じなかった}」と一蹴し、創価学会の「&color(green){発展自体が停止することはけっしてありえないだろう}」等と全面擁護した。 --創価学会や公明党が逆風にさらされていた時期に出たこの本を皮切りに、五島は創価学会を主題とし、好意的に紹介する本を次々と出していくことになる。 --作家の佐木隆三は、「&color(purple){チョウチン持ちの典型的な例}」とする一方、『大予言』以前に五島が著したベストセラーと位置づけ、「&color(purple){創価学会もののなかでも特によく売れたらしい}」とした((『問題小説』1974年5月号))。実際、『出版年鑑』のベストセラーランキングでは1970年の第28位に入っている。 **現代の英雄 &small(){日本が狭すぎる五人の男}  -大和書房(ダイワブックス)、1970年6月15日。著者名にルビはない(カバーは未確認)。 --1968年の本の再版だが、元版の刊行年や加筆の有無などについて、特に著書の中に断り書きのようなものはない。少なくとも、5人の評伝のページ割りは元本と全く同じである。 **戦後の暴力史 &small(){かくて悲劇はくりかえされるか……} -大和書房(ダイワブックス)、1970年7月10日 --五島は編者。カバー記載の編者名のルビは「ごとうつとむ」。 --後書き部分でベトナム戦争への言及が加わったことなどを除けば、巻末の年表などまで含めて『戦後残酷物語』1968年版とほぼ同じである(前書きで戦後23年を25年に直しているが、直しそこねて23年のままになっている箇所がある)。しかし、前書きなどでも『戦後残酷物語』の再版であるなどの断り書きはない。 **生命(いのち)の旗の下に &small(){世界に拡がる妙法の輪} -大和書房、1971年5月10日 --高橋猛との共著。奥付では「猛」に「もう」とルビがあるものの、五島の方にルビはない。 --創価学会の世界への広まりを紹介した本。創価学会に好意的な五島の本を宮崎哲弥が挙げた際、その中には含まれていなかった。志水は(志水が挙げる4冊のうち、宮崎は3冊を紹介したという形で)宮崎の脱漏を事実上指摘したが、なぜか共著者名に触れておらず、五島の単著のように扱っていた。 **池田大作という人 &small(){その素顔と愛と生き方} -若木書房、1971年6月25日。著者名のルビは「ごとうつとむ」。 --前書きによると、出版社から池田大作の評伝を若者向けに書くよう依頼があり、それを踏まえてまとめたらしい。近所の若者「洋介君」からの質問に答える形式で書かれている。 --初版の帯には「&color(brown){若いあなたと共に生き、未来を力強くさし示す“新しい人間”池田大作氏。この人のすべてを知ることは、あなた自身のすばらしさを発見することだ!}」等とある。 **愛のパズル &small(){異性はあなたに何を求めているか} -大和書房(ダイワブックス)、1971年12月15日。カバーの著者名のルビは「ごとうつとむ」。 --前書きによると、週刊誌時代に蓄積したアンケート、体験記、面接などを踏まえて、男女の性意識に関するクイズにまとめている。なお、「&color(green){ごく一部ではあるが、すでに女性週刊誌や男性週刊誌に、この本とは別のかたちで発表した部分がある}」という断り書きがある。 --『オーパス』のリストからも、志水のリストからも漏れている。 **近親相愛 -海潮社、1972年(本体には刊行年月日はない)。著作権表示に Tutomu Goto (Tsutomu でなく Tutomu なのは原文ママ)とある。 --いわゆる近親相姦を扱った本であり、前書きではそれを「近親相愛」と呼ぶ理由を説明している。また、後書きでは体験談を募集している。 --『オーパス』のリストからは漏れている。 --原田武(大阪外国語大学名誉教授)の『インセスト幻想』では、この本から事例のいくつかが引かれ、五島が紹介している調査にしても「&color(purple){比較的信用のおける調査とみなせるだろう}」((同書p.33))としている。 **生命(いのち)の恋人たち &small(){明日ひらく新しい愛のために} -若木書房、1972年7月20日。著者名にルビはないが、著作権表示に Tsutomu Gotō とある。 --国会図書館には所蔵されておらず、『オーパス』や許光俊のリストからも漏れていたが、志水一夫のリストには挙がっている。志水がこの本について「&color(purple){恋愛論がいつの間にか『富士のふもとのその人』〔池田大作氏〕の話にもなっていく不思議な本である}」((志水『トンデモノストラダムス解剖学』p.66))と紹介している通り、創価学会関連本の一つである。 --志水の紹介は間違っているわけではないが、むしろ前書きの以下の箇所の方が注目に値するように思われる。「&color(green){この本を、ラブ・ストーリーみたいな甘い本だと思われると困ります。〔…〕人類全体の生命がいつメタメタに破壊されるかもしれないような不安が、たえず私たちをとり巻いているからです。いや、もしかすると、あなたも私も、もうなしくずしに破壊されかかっているのかもしれません。〔…〕人間として生きている以上、私たちは人間の生命や幸福をおびやかす現在の状況に対して、自分のできるかぎりは立ち向かってゆかねばならないと思います}」((同書、pp.1-2))。つまり、終末ブームが勃興しつつあった当時の状況下で、それに立ち向かうための「愛」の模索という枠組みが、前書きできちんと示されているのである。だから、(創価学会へ収斂することの是非は措くとして)宗教的な「愛」の話へと転じる構成自体は、志水が言うほどには「不思議な」話には思えない。むしろ、翌年の『ノストラダムスの大予言』とはやや違った形ではあるが、終末ブームに便乗して読者を呼び込もうとするスタイルの原型が、この本に見られることが興味深い。 **[[コイン利殖入門]] &small(){暴騰をつづける価値の収集} -青春出版社(プレイブックス)、1973年4月1日 --「倉田英乃介」(くらたひでのすけ)名義。カバーの推薦者はなし。 --後書きによると、前身にあたる雑誌連載があったらしいが、掲載誌は未詳。 --当時はコイン利殖がブームだったらしく、『週刊サンケイ』1973年4月13日号の記事「コイン利殖ブームの意外に大きい『実利』と『落し穴』」でも、倉田(五島)は「コイン専門家」としてコメントを求められている。 --『読売新聞』でも他の著者の実用書2冊とともに、「財産づくり入門」と題した記事で紹介されている((読売1973年4月23日))。 --『ノストラダムスの大予言』の初期の版では、プロフィール欄で言及されている。 **東京ローズの戦慄 &small(){太平洋戦争下に躍った謎の電波のヒロイン!} -光潮社、1973年6月20日。著者名のルビは「ごとうつとむ」。 -- 1969年の『㊙東京ローズ残酷物語』の改題。 --あとがきには、「今回、光潮社の要望で手を加え、新しい意義のもとに再刊した」とある。 --1978年に再版されることになる。 *『ノストラダムスの大予言』(1973年11月)以後(1)1970年代 **🌟[[ノストラダムスの大予言]] &small(){迫りくる1999年7の月人類滅亡の日} -祥伝社(ノン・ブック)、1973年11月25日 --カバーの推薦者は落合恵子(文化放送アナウンサー)「&color(brown){あなたならどうする?}」、森村誠一「&color(brown){一読して、背すじが寒くなった}」。 --[[『ノストラダムスの大予言』シリーズ]]の1冊目。なお、いわゆる赤背版、青背版が存在するが、詳しくは[[『ノストラダムスの大予言』の各版の違い]]参照。 **🌟実説大予言 &small(){地球は冷え、乾き、人々は飢える} -祥伝社(ノン・ブック)、1974年7月5日 --西丸震哉との共著。西丸は同年夏に公開された[[映画『ノストラダムスの大予言』>ノストラダムスの大予言 (映画)]]に大きく関わった専門家であり、発売日から言っても映画のタイアップの側面があったものと思われる。 --カバーの推薦者は野坂昭如「&color(brown){直面せざるを得ない事実だけが…}」、丹波哲郎(俳優)「&color(brown){日本人全部が読むべき本だ}」、根本順吉(科学評論家)「&color(brown){人々が生きのびるための出発点}」。なお、丹波は映画『ノストラダムスの大予言』に主演した。 **宇宙人謎の遺産 &small(){彼らこそ地球文明の影の支配者だ} -祥伝社(ノン・ブック)、1975年8月25日 --カバーの推薦者は竹村健一「&color(brown){推理小説を凌ぐ怪しい魅力}」、落合恵子「&color(brown){五島勉氏自身が宇宙人の直系では‥‥}」、西丸震哉(食生態学者)「&color(brown){さすがの私も驚歎、敬服!}」。 --オーパーツなどを含む、いわゆる超古代文明論や古代宇宙飛行士説を扱った本。まえがきには「&color(green){スイスのデニケンや米国のベルリッツをはじめ、すぐれた先人たちが多くいるが、この本の結論は彼らの仮説や推理ともちがってしまった}」とある。なお、この本は五島の本としては珍しく、巻末に参考文献一覧が掲げられている。 --このころは、デニケンが日本でも売れ始めていた時期であり(『昭和・平成オカルト研究読本』参照)、ブームに便乗した側面もあったのだろう。なお、五島は小惑星帯にかつて太陽系第5惑星があったという仮説に立脚しているが、現代の多数説ではそのような天体は形成されなかったと見なされている((R・コーフィールド『太陽系はここまでわかった』ほか))。 **カバラの呪い -祥伝社(ノン・ノベル)、1976年8月15日 --カバーの推薦者は石川喬司(文芸評論家)「&color(brown){忽ち読者の背筋を凍りつかす}」。 --許光俊は、それ以前の小説に比べて技量が向上していることを指摘しつつ、「&color(purple){前二作においても五島氏の小説の特徴だった厭世観がより強烈に打ち出され、かつ同時代の大衆文化に対してはっきりと批判的な態度を示すようになるのだ}」((許、前掲書、p.139))と、同情的だった大衆への視線の変化も指摘した。 --1986年に文庫化された。 **ツングース恐怖の黙示 &small(){遥か原爆以前に、突如、起きた核爆発の謎} -祥伝社(ノン・ブック)、1977年1月30日 --カバーの推薦者は草柳文恵(TVレポーター)「&color(brown){心が凍てつくような恐怖}」、桜井邦朋(ニューヨーク科学アカデミー会員、メリーランド大学教授)「&color(brown){戦慄すべき壮大な謎解き}」。 --1908年に起こったツングースカ大爆発について、1976年10月にソ連のタス通信が、広島型原爆の2000倍の核爆発だったと報じ、『毎日新聞』などでも紹介された。五島のこの本では本文だけでなく、カバー見返しでもこの報道に言及されており、五島はその報道に触発されて執筆したのではないかと思われる。なお、ツングースカ大爆発の正体については、最近の研究では氷の核を持つ彗星の落下((『朝日新聞』2009年7月2日))や隕石といった説はあるが、五島が主張するような異星人による核爆発という説を支持するような研究は、(当然というか)提示されていない。 --1990年に文庫化され、2008年に電子書籍化された。 **運命周期律 &small(){あなたを支配する謎の正体} -青春出版社(プレイブックス)、1977年8月25日 --カバーの推薦者は藤井幸雄(気象庁気象研究所主任研究官)「&color(brown){本書に書かれていることはSFではない}」、手塚治虫「&color(brown){運命周期の恐るべき正体を明かす}」。 --1985年にこれを基にした文庫版が出される。 **超兵器戦争(スーパー・ウエポン・ゲーム) -祥伝社(ノン・ノベル)、1978年4月5日 --カバーの推薦者はなし。ただし、編集部によると思われる惹句の中に「&color(brown){『大予言』の著者五島勉が放つ“スーパー・ウエポン”近未来小説の傑作!}」とある(なお、この本でのweaponは「ウェポン」ではなく「ウエポン」と表記されている。志水のリストで「ウェポン」となっているのは、一般的な表記に引きずられたと思われる単純な転記ミス)。 --また、カバーには「著者のことば」が掲載されており、米ソの最新兵器類がもつ精密さや「非常な美しさ」を認めつつ、「&color(green){これらの超兵器が使われれば罪のない民衆がかならず滅ぼされ、狡猾な政産軍複合体だけがますますふとるのだ。だまされてはならない。そのための切実な警告としてわたしはこれを書いた}」と執筆意図を説明していた。 --許光俊は「&color(purple){おそらく『影の軍団』と並んで、五島氏のあらゆる創作のなかでももっとも不快な読後感を残す小説だろう。そして、まちがいなく氏のもっとも重苦しい小説だろう。/なぜなら、この小説がもっぱら、次々に開発される新兵器がいかに人を殺していくかだけを描いた作品だからである}」((許光俊『99年の滅亡を夢見て』p.142))と述べた。 --1984年に文庫化される。 **東京ローズの悲劇 &small(){太平洋戦争――謎の対米放送のヒロイン} -光潮社、1978年7月15日。ルビは「ごとうつとむ」。 -- 1973年の『東京ローズの戦慄』の改題。基本的に同じ内容だが、後書きに「新版のためのあとがき」と題する短い追加があり、「&color(green){筆者はいま、別の系統の仕事に没頭しているが、ときどきローズ事件を思いだし、いまでもゾッとする不気味さをかみしめている}」等と語っている。 --巻末の著者略歴に挙がっている書名は『ノストラダムスの大予言』『ツングース恐怖の黙示』『宇宙人謎の遺産』『カバラの呪い』で、いずれも1973年以降の文献に差し替わっている。 --『オーパス』のリストからも、志水のリストからも、『サイゾー』のリストからも漏れている。 **&small(){生命転生の秘密} カルマの法則 &small(){あなたは死後どうなるか} -祥伝社(ノン・ブック)、1978年7月25日 --カバーの推薦者は新井基夫(東京医大講師、西華クリニック院長)「&color(brown){“人類最大のテーマ”に挑戦}」、後藤隆一(東洋哲学研究所所長)「&color(brown){タブーの『死』を問うて迫力十分}」。また、著書そのものを推薦するものではないが、川田洋一との対談からの抜粋と断って、E・キューブラー・ロス(前シカゴ大学精神医学部教授)の「&color(brown){死後の世界は一〇〇%確実に存在する}」とするコメントもカバーに掲載されている。 --仏教哲学の権威とだけ紹介される医学博士の川田洋一について、評論家の宮崎哲弥は、「&color(purple){じつは創価学会の要職に就く人物であるという事実には一つの断りもない。これは不可解なことではないだろうか。本書後段では、創価学会の基本教義の一つである「十界論」すら詳解されているのに}」等と、五島の紹介の仕方に疑問を呈している((宮崎『正義の見方』洋泉社、1996年))。 --1991年に文庫化され、のちに電子書籍化された。 **🌟[[ノストラダムスの大予言II]] &small(){1999年の破局を不可避にする大十字(グランド・クロス)} -祥伝社(ノン・ブック)、1979年12月5日 --カバーの推薦者は徳光和夫(日本テレビアナウンサー)「&color(brown){人類に西暦2000年はあるのか?}」、結城モイラ(西洋占星術師)「&color(brown){かつて経験しなかった惨状が…}」、桜井邦朋(元・京大助教授、神奈川大学教授(太陽物理学専攻))「&color(brown){余さず証した今世紀末の様相}」。 --[[山本弘]]は、のちの日本のノストラダムス本のフォーマットが完成していると評した((山本『トンデモノストラダムス本の世界』文庫版、1999年、p.79))。[[田窪勇人]]も、「&color(purple){現在のように、ノストラダムス研究に恣意的な予言解釈を許容する土壌を作った}」と評していた((『ユリイカ』1999年2月号、p.149))。 *『ノストラダムスの大予言』以後(2)1980年代 **🌟[[ノストラダムスの大予言III]] &small(){1999年の破滅を決定する「最後の秘詩」} -祥伝社(ノン・ブック)、1981年2月15日 --カバーの推薦者は秋山達子(お茶の水女子大講師)「&color(brown){ユングも注目した予言と現実の一致}」、志茂田景樹「&color(brown){優れた文明批評の書として推す}」。 --この本でユダヤ陰謀論が展開されていることについて、山本弘は、この本の発行部数や影響力を踏まえ、1986年以降に本格化する「&color(purple){ユダヤ陰謀論ブームの火付け役になったと解釈したほうが自然だろう}」と指摘した((山本『トンデモノストラダムス本の世界』文庫版、p.80))。 **影の軍団 -双葉社(FUTABA NOVELS)、1981年8月5日 --2年後に出る文庫版によれば、1980年11月から『週刊大衆』に掲載されていた連載の単行本化のようである。 --カバーなどには「近未来パニック・ロマン」ともある。ソ連が北海道に侵攻してくるというシナリオの小説で、それを超能力で迎え撃つのが「影の軍団」という設定である。 --許光俊は、五島の反米、反ユダヤに関連し、この小説では「&color(purple){やはり大国だったソ連に対する直接的な悪意がいたるところに噴出しており、引用するためにどこか一部を選ぶのもむずかしいほどである}」((許、前掲書、p.142))と言及している。 **ファティマ・第三の秘密 &small(){法王庁(バチカン)が封じ続けた今世紀最大の予言} -祥伝社(ノン・ブック)、1981年9月30日 --カバーの推薦者は中原理恵(歌手)「&color(brown){血も凍るような恐怖の予言}」、丹波哲郎「&color(brown){やはり人類滅亡の確定的な予言か}」。 --1981年5月、アイルランドで[[ファティマ第三の秘密]]を公表しろと要求するハイジャック事件が起こり、日本では、事件だけでなくファティマについて紹介する新聞記事なども見られた。この本では、本文でもカバー見返しでもその事件に言及されており、それに触発されて書かれたのではないかと思われる。 --ダニエル・レジュ『ファチマ第3の予言』の訳者、梶野修平はかなり慎重に言葉を選びつつも、五島のこの本を批判的に紹介している(「&color(purple){この本には単なる事実誤認にとどまらない意図的創作や過度の脚色が存在します}」「&color(purple){神への恐れを知らぬ五島氏を、心からお気の毒に思います}」等((レジュ『ファチマ第3の予言』巻末「文献案内」)))。 **🌟[[ノストラダムスの大予言IV]] &small(){1999年、日本に課された"第四の選択"} -祥伝社(ノン・ブック)、1982年7月5日 --カバーの推薦者は川島なお美(歌手)「&color(brown){“一九九九年”をめぐる新解釈の恐怖}」、黒鉄ヒロシ「&color(brown){偏見に充ちた挑戦を五島氏が粉砕}」。 --初期の刷本の帯には「&color(brown){フランスの研究家が五島勉に挑戦!/1999年・7の月の"恐怖の大王"は日本だ!?/本書は、この挑戦を受け、その仏版『新釈・大予言』の誤りを痛撃!さらに、"大王"の正体を解明する!}」と宣言されていた。 --帯の惹句の通り、[[ジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌ]]の『[[歴史家にして予言者ノストラダムス>Nostradamus, Historien et Prophète]]』への批判が大半を占める(もっとも、フォンブリュヌが五島に挑戦した事実はない。五島が一方的に批判しているだけである)。なお、上記『ファティマ・第三の秘密』の「あとがきに代えて」では、フォンブリュヌ解釈について、「&color(green){私のいままでのノストラダムス解読は、この、ノストラダムスの母国の研究家による新解釈で、完全に裏付けられた}」((同書p.216))と述べていたが、これへの釈明は一切ない。 --『朝日新聞』1982年8月16日朝刊には「話題のほん」として、批判的な短い書評が載っている。 **🌟ノストラダムスの大秘法 &small(){ついに解読された至高の運命予知術} -祥伝社(ノン・ブック)、1983年4月10日 --カバーの推薦者は梨元勝(芸能レポーター)「&color(brown){西洋占星術をはるかに凌ぐ驚異}」、山内雅夫(NHKチーフディレクター)「&color(brown){いま蘇る古代ユダヤの秘法}」。 --曜日占いを中心に、日付、月、年の占いを混ぜたもの。生まれ年に関する記述などには、1977年の『運命周期律』からの使い回しが見られる。ただし、『運命周期律』で挙げられている周期判断は、五島が自分で集めたデータに基づいて導いたものと位置付けられており、カバラなど一言も出てこない。 **影の軍団  -双葉社(双葉文庫)、1983年7月25日 --1981年のノベルス(新書判)を文庫化したもの。 --前書きも後書きもないが、「この作品は昭和55年11月より『週刊大衆』に連載されたものです」というノベルスにはなかった注記がある。その一方、ノベルスが先に刊行されていたという事実には一切触れられていない。 **第三の黙示録(プログラム) &small(){日本滅亡を狙う戦慄のコンロン計画} -祥伝社(ノン・ブック)、1983年12月20日 --カバーの推薦者は早見優(歌手)「&color(brown){ノストラダムス以上に恐ろしい本}」、森路英雄(国際戦略研究所代表)「&color(brown){『恐怖の極秘計画』の全貌}」。 --初期の刷本の帯には「&color(brown){知らないのは日本人だけだ!! 2,500年前の旧約聖書とノストラダムスの大予言は、戦後のコンロン計画とチベッツ極秘指令とピッタリ重なる。この怖るべき運命からどう脱却するか?}」とある。 **2000年5月5日 &small(){ポール・シフト!?} -三笠書房(ミカサブックス)、1984年6月10日 --カバーの推薦者はなし。 --ジョン・ホワイト『地球の最期を予測する』(竹内均・監訳)の姉妹編。当初は竹内監訳書の未訳部分をそのまま訳出する予定だったらしいが、五島がかなり改変しているようである。 --これを基にした文庫版が1987年に刊行された。 **超兵器戦争(スーパー・ウエポン・ゲーム) -双葉社(双葉文庫)、1984年7月25日 --1978年の祥伝社版『超兵器戦争』を文庫化したもの。 **ハルマゲドンの大破局 &small(){ついに解読されたユダヤ予言の謎} -光文社(カッパ・ビジネス)、1984年11月30日 --カバーの推薦者は邦光史郎(作家)「&color(brown){恐怖の世界の案内者・五島勉氏}」。 --かつて光文社の『週刊女性自身』のアンカーをつとめていた五島が、『大予言』以降に光文社から出した最初の本。 --1987年に文庫化された。 **幻の超古代帝国アスカ &small(){ついに発見された人類最古の地球文明} -祥伝社(ノン・ブック)、1985年5月5日 --カバーの推薦者は並河萬里(写真家)「&color(brown){ユネスコも注目する“アスカ”の謎}」、飛鳥涼(チャゲ&飛鳥)「&color(brown){知られざる超古代文明の発見}」、菊地秀行(作家)「&color(brown){スリリングな、もう一つの文明論}」。 --『マガジン・ノン』の連載をまとめたもの。 --この「アスカ」については、[[飛鳥昭雄]]と三神たけるも『失われた超大陸パンゲア文明「アスカ」の謎』(学研プラス、2016年)で取り扱うことになる(同書には、アスカに関する五島のコメントも、わずかではあるが載っている)。 **運命周期の大秘法 -双葉社(双葉文庫)、1985年7月25日 --1977年の『運命周期律』を底本にした文庫版(カバーの推薦者はなし)。 --五島自身が書き下ろしに近いと断っている通り、一部の題材が重複するが、全体としてはかなり異なる。前著では「八二~八三年に人類滅亡か」などという章もあったので、当然といえば当然であろう。 **黒い春 &small(){米軍・パンパン・女たちの戦後} -倒語社(空洞の戦後叢書)、1985年10月7日 -「編者」とされていた蒼樹社版と違い、五島は「著者」と位置付けられている。著者名にルビはない。 --1953年の『[[続・日本の貞操]]』の改題再版。再版に際して専用の前書きが追加されている。 --その前書きで「&color(green){本文中では}」「&color(green){三十数年前の古めかしい表現を、だいたいそのまま使った}」とあり、どの程度改変したのかがぼかされている。実際には、(特に終戦直後の)事件のあった日付などが10日程度遅くずらされている箇所がいくつもある。これは聞き書きと称する部分だけでなく、五島自身の調査報告の部分でさえもそうである。 --帯には一番ヶ瀬康子(日本女子大学教授)の推薦文があり、「&color(brown){この本を通じて、文字にきざみこまれた歴史のひとこまを、是非多くの人が読んで欲しい}」等と述べていた。 --古久保さくら「敗戦後日本における街娼という問題」(大阪市立大学『人権問題研究』1号、2001年、pp.4-16)では、この『黒い春』に載っている事例に言及されている。 --水間正憲「封印されていた占領下の米兵『日本人婦女子凌辱事件』ファイル」(『SAPIO』2007年4月11日号、pp.63-65)でも言及されており、『黒い春』について「&color(purple){その内容は、調書よりも残酷さがひしひしと伝わってくる}」とある。 **🌟[[ノストラダムスの大予言V]] &small(){ついに解けた1999年・人類滅亡の謎} -祥伝社(ノン・ブック)、1986年2月5日 --カバーの推薦者は金森誠也(静岡大学人文学部教授)「&color(brown){一九九九年以後の世界が見えた}」、桜井邦朋(神奈川大学工学部教授)「&color(brown){人類滅亡を防ぐ思想を求めて}」、小池一夫「&color(brown){『大予言』シリーズは学術書なのだ‼}」。 --『マガジン・ノン』の連載を再編集したもの。 --初期の刷本には「&color(brown){400万部突破の超ベストセラー 遂に完結!}」とあったが、その後も続編は出された。 **カバラの呪い -祥伝社(ノン・ポシェット)、1986年2月25日 --1976年のノベルス(新書版)を文庫化したもの。元版と違い、カバーの推薦者はなし。 --のちには、この文庫版を基に電子書籍化された。 **🌟&small(){ノストラ・コネクション} 地球少年ジュン -祥伝社(ノン・ポシェット)、1986年9月1日 --全3巻のうち、この巻のみ「あとがき」がある。 --山本弘は全3巻まとめて「&color(purple){五島氏の思想や趣味がわかって興味深い(いろんな意味で)}」等と評した((山本『トンデモ大予言の後始末』p.175))。 **🌟&small(){ノストラ・コネクション} 地球少年ジュン2 -祥伝社(ノン・ポシェット)、1986年12月20日 **THE LAST DAY(ザ・ラスト・デイ) &small(){地球終末の日はいつか} -光文社(光文社文庫)、1987年1月20日 --1984年の『2000年5月5日』の改定文庫版。 --巻末には「この本は、三笠書房より発行の五島勉著『二〇〇〇年五月五日』を底本として、新しい観点から著者が徹底的な改稿を加えたものです」と注記されているが、ジョン・ホワイトの元本には全く言及がない。 --初版の帯には「&color(brown){ノストラダムス研究の権威が、新資料で警告する地球滅亡の大予言。}」とある。 **🌟&small(){ノストラ最後の審判} 地球少年ジュン3 -祥伝社(ノン・ポシェット)、1987年5月1日 **世界の廃墟物語 &small(){失われた栄華の跡を求めて} -光文社(光文社文庫)、1987年5月20日 --1965年の大和書房版『世界の廃墟物語』の改訂文庫化。 --「編者」とされていた大和書房版と違い、五島は「著者」と位置付けられており、雑誌連載時の分担などはカットされている。著者名のルビは「ごとうべん」。 --口絵の写真がカットされた代わりに、ピラミッドの章とアスカの章が追加されている。 **🌟[[ノストラダムスの大予言スペシャル・日本編]] &small(){人類の滅亡を救うのは「日の国」だ} -祥伝社(ノン・ブック)、1987年12月20日 --カバーの推薦者は美内すずえ(漫画家)「&color(brown){人類滅亡を救う鍵は、日本にある}」、高橋克彦(作家)「&color(brown){救世主は、あなたかもしれない}」。 --初期の刷本には「&color(brown){450万部突破のスーパーセラー 『大予言』最新刊!}」等とある。 **&small(){ついに解読されたユダヤ予言の謎} ハルマゲドンの大破局 -光文社(光文社文庫)、1988年7月20日 --1984年に刊行された新書版を文庫化したもの。 **宇宙人謎の遺産 &small(){彼らこそ地球文明の影の支配者だ} -祥伝社(ノン・ポシェット)、1988年7月20日 --1977年のノン・ブック(新書判)の文庫化。カバーには、ノン・ブック版にあった竹村健一の推薦文からの抜粋が引用されている。 --内容も若干の調整がなされている。「まえがき」にしても、デニケン、ベルリッツ(バーリッツ)の名前が消えている。また、『ノストラダムスの大予言』シリーズとの関係について、ノン・ブック版では初巻しか出ていなかったため、「&color(green){私は一年半前に、『ノストラダムスの大予言』(ノン・ブック・祥伝社)を書き、人類の未来が悲劇的で異常なものになるらしいことを知った。それとおなじく、多くの遺物からみちびかれる人類の遠い過去も、やはり異常で悲劇的なものだったように思われるのである}」と書いていた。それが、この文庫では「&color(green){私はいままで一〇年以上かけて、『ノストラダムスの大予言』のシリーズ(ノン・ブック/祥伝社刊)を書き、いまとは別の文明を早急に打ち立てないかぎり、人類の未来が悲劇的で異常なものになるらしいことを知った。それとおなじく、多くの遺物からみちびかれる人類の遠い過去も、やはり異常で悲劇的なものだったように思われるのである}」と手直しされている。 **1999年以後 &small(){ヒトラーだけに見えた恐怖の未来図} -祥伝社(ノン・ブック)、1988年10月5日 --カバーの推薦者は望月三起也(漫画家)「&color(brown){ノストラダムスを超えた恐怖の予言}」、菊地秀行(作家)「&color(brown){われわれの未来に待つものは?}」。 --初期の刷本の帯には「&color(brown){ノストラダムスの『大予言』シリーズ ここに新展開‼}」とある。 --2015年に題名と判型を変えて再版された。 --[[ASIOS]] 『「新」怪奇現象41の真相』(彩図社、2016年)にて、創作の多さなどを指摘されている(項目担当者は[[山本弘]])。 **&small(){古代ユダヤの秘法} カバラの幸運術 &small(){生まれた曜日があなたの運命を左右する} -光文社(カッパ・ブックス)、1988年12月20日 --カバーの推薦者は中井美穂(フジテレビ・アナウンサー)「&color(brown){占い不信の私も熟読!}」。 --1983年の『ノストラダムスの大秘法』について言及があり、「&color(green){それから十年近くたち}」(実際は5年)、新たに発見した「&color(green){いくつかの重要な新しいカバラ法則}」と「&color(green){前の本では書ききれなかった部分}」を中心にしたとある((同書 p.15))。続編、もしくは同じ題材を扱った再構成系の著作と位置付けられるだろう(ただし、ノストラダムスにはほとんど言及がない)。 --なお、1985年の『運命周期の大秘法』とも少なからず重なる題材を含むが、そこに登場した「タントラ=カバラ」(カバラのルーツはインドのタントラにあるという意味不明な概念)は、こちらの本には登場しない。 --大和書房版『世界の廃墟物語』でも名が挙がっていた光文社の雲村俊慥がこの当時は文庫編集部にいて、元は文庫用として依頼された書き下ろし原稿だったという。しかし、編集部内で出来の良さを評価されてカッパ・ブックスに回されたらしい((京谷六二「カッパ・ブックスの遺伝子 五島勉1」『出版人・広告人』2018年12月号))。 --そうした編集部内の意気込みを反映したものか、初版の帯には「&color(brown){占星術でも、四柱推命でも、天中殺でもない! これが究極の占いだ!}」と謳われていた。 **ユダヤ深層予言 &small(){なぜ、ダニエルに「終末の日」が見えたか} -祥伝社(ノン・ブック)、1989年9月30日 --カバーの推薦者は徳光和夫(アナウンサー)「&color(brown){地球人の一人として、ぜひ一読を}」、矢追純一(TVディレクター)「&color(brown){ユダヤ予言に潜む“宇宙人の謎”}」、桜井邦朋(神奈川大学教授・元NASA研究員)「&color(brown){本書こそ、現代の予言書だ}」。 --初期の刷本の帯には「&color(brown){破局の日は近い! 救いはないのか? “ダニエルからノストラダムス”に至る『ユダヤ予言体系』の戦慄すべき真実}」とある。 *『ノストラダムスの大予言』以後(3)1990年代 **「1998年日本崩壊」エドガー・ケーシーの大予告 &small(){日本人これから10年戦慄の興亡} -青春出版社(プレイブックス)、1990年2月5日 --カバーの推薦者は舛添要一(国際政治学者)「&color(brown){この恐怖と不安の10年間、私たちは一体どうなるのか!?}」、竹村健一(評論家)「&color(brown){突如あらわれる悲劇は、とても口に出せない戦慄の内容だ}」、山口令子(ジャーナリスト)「&color(brown){“'98年日本大破局”を回避できる知恵が私たちにあるのだろうか}」、荒俣宏(作家)「&color(brown){今世紀最大の予言者が予告した悲劇的な日本大破局の図式}」。 --志水一夫は「&color(purple){予言の解釈においても事実関係においても、五島氏の予言本の例にもれず、なかなかに問題が多いものである}」((『大予言の嘘』p.233))と評した。 **宇宙人謎の遺産 &small(){彼らこそ地球文明の影の支配者だ} -祥伝社(ノン・ブック 愛蔵版)、1990年4月5日 --1977年のノン・ブック版、1988年のノン・ポシェット版の愛蔵版。直接的には後者に微加筆されている。また、口絵が付いた。 --カバーの推薦者は竹村健一「&color(brown){推理小説を凌ぐ怪しい魅力}」、西丸震哉(食生態学者)「&color(brown){さすがの私も驚歎、敬服!}」、矢追純一「&color(brown){胸ときめかせる、古典的名著}」。竹村と矢追に肩書などはなし。竹村、西丸の推薦文はノン・ブック版のままだが、矢追は愛蔵版向けに寄せられたもの。なお、カバーのレイアウト変更にともない、後の版では西丸の推薦文がカットされている。 --「まえがき」が「愛蔵版のための『まえがき』」になっているが、内容はノン・ポシェット版の「まえがき」を微調整したもの。 **狙われた地球 &small(){新版・ツングース恐怖の黙示} -祥伝社(ノン・ポシェット)、1990年5月30日 --1977年の『ツングース恐怖の黙示』の改題文庫版。 --カバーには桜井邦朋による1977年版の推薦文の抜粋が引用されている。 **🌟[[ノストラダムスの大予言・中東編]] &small(){中東(フセイン)危機は人類破局への序曲だ} -祥伝社(ノン・ブック)、1990年11月5日 --カバーの推薦者は森口博子(タレント)「&color(brown){運命を決めるのは自分だ}」、井沢元彦(作家)「&color(brown){“警告としての予言”に耳を傾けよ}」。 --初版の帯には「&color(brown){『日の国』(ソレイユ)だけが“地球崩壊”を防げる}」とあったが、1991年3月の刷本の帯には「&color(brown){フセインの野望とその末路を予言!}」とある。 **&small(){生命転生の秘密} カルマの法則 &small(){あなたは死後どうなるか} -祥伝社(ノン・ポシェット)、1991年4月20日 --1978年のノン・ブック版『カルマの法則』を文庫化したもの。 --カバーには、過去の推薦文からの引用などもなし。 --のちには、この文庫版を底本に、電子書籍化された。 **聖徳太子「未来記」の秘予言 &small(){1996年世界の大乱、2000年の超変革、2017年日本は} -青春出版社(プレイブックス)、1991年9月15日 --カバーの推薦者は阿部正路(国学院大学文学部教授・文学博士、中国長春市・東北師範大学客員教授)「&color(brown){『予知』という視点からの聖徳太子『未来記』の分析は新鮮な驚きだ!}」、生島ヒロシ(キャスター)「&color(brown){『未来記』が記す“日本”にこれから先何が起こるか―この緊迫した時代に必読!}」。 --[[と学会]] 『トンデモ本の世界』(洋泉社、1995年)でレビューされている(レビュアーは藤倉珊)。 --ウェブサイト『超常現象の謎解き』の「[[古代日本最高の知性が見通す未来「聖徳太子の予言」>>http://www.nazotoki.com/shotokutaishi.html]]」で問題点が指摘されている。 --また、続編の問題点もまとめて指摘する形で、[[原田実]]『トンデモ日本史の真相』およびその分冊文庫版である『トンデモ日本史の真相・人物伝承編』で扱われている。 **🌟[[ノストラダムスの大予言・残された希望編]] &small(){世界破滅を防ぐ日本の使命} -祥伝社(ノン・ブック)、1992年2月25日 --カバーの推薦者は桜井邦朋(神奈川大学教授・宇宙物理学)「&color(brown){賢明さと努力が“希望”をもたらす}」。 **エドガー・ケーシーの最終予告1998年"裁きの救世主" &small(){その謎の正体は?そして人類の運命は…} -青春出版社(プレイブックス)、1992年12月15日 --カバーの推薦者は舛添要一(国際政治学者)「&color(brown){“人類が託す最後の切り札”について、私も目を離せない!}」、福岡克也(立正大学教授、地球環境財団理事)「&color(brown){人類のサバイバルを考える人間として、本書は大いなる警鐘だ!}」、寺田理恵子(キャスター)「&color(brown){ショック!軽い気持ちで読み始めたら後悔します!}」。 --1990年の『エドガー・ケーシーの大予告』の続編。 **&small(){隠された予言} イソップ物語の謎 &small(){"人類の遺産"が発信する戦慄のメッセージ} -祥伝社(ノン・ブック)、1993年4月5日 --カバーの推薦者は志茂田景樹(作家)「&color(brown){世紀末の大人のための切実な教訓}」、南博(一橋大学名誉教授)「&color(brown){“本当の自己”を知り、未来を築け}」。 --各章の最後には心理テストがついており、巻末に「解答編」がある。前年のベストセラー1位は『それいけ×ココロジー』(1・2・3巻)であり(トーハン調べ)、当時の通俗的な心理テストのブームを踏まえた形式だったものと思われる。なお、その権威づけのためか、心理学者の秋山達子から生前アドバイスを受けていた話が出てくる。 --[[山田高明]]『トンデモ予言者大集合』(KKベストセラーズ、1998年)でレビューされている。 **&small(){幻の予言書"先代旧辞"の封印は切られた} 2000年聖徳太子からの最終告知 &small(){その日、旧文明は全滅し、"新しいアマテラス"が来る} -青春出版社、1993年12月1日 --カバーの推薦者はなし。 --1991年の『聖徳太子「未来記」の秘予言』の続編だが、こちらは四六判で、版型が異なる。 **🌟[[ノストラダムスの大予言・地獄編]] &small(){1999年未知の超エルニーニョが地球を襲う} -祥伝社(ノン・ブック)、1994年4月30日 --カバーの推薦者は西丸震哉(食生態学研究所長)「&color(brown){『残り時間』を、あなたはどう生きる}」。 **🌟&small(){1995~1999 and α?} [[ノストラダムスの超法則 死活の書]] &small(){〈迫り来るシレーヌの大破局〉を覆す恐るべき未来バイブル} -青春出版社(プレイブックス)、1994年12月1日 --カバーの推薦者は舛添要一(国際政治学者)「&color(brown){あのノストラダムスが『生き残りの法則』を遺していた事実に圧倒される!}」、竹村健一(評論家)「&color(brown){真の生命力を問われる激動の時代に必読の、恐るべきパワーの書!}」。 **&small(){聖なる予言者〈聖徳太子〉の"救いの創世記"} 天と地の予言書 &small(){「1999年ハルマゲドンか希望か」ノストラダムスを超える衝撃} -青春出版社(プレイブックス)、1995年6月5日 --カバーの推薦者は舛添要一(国際政治学者)「&color(brown){日本再浮上のカギを示唆する本書は、混迷の現代の必読書だ!}」、藤本義一(作家)「&color(brown){歴史のタブーを打ち破った著者渾身の一冊だ!}」。 --1993年の『2000年聖徳太子からの最終告知』をもとに、内容を大幅に改訂した新書版。 **&small(){カルマを超える}アマラの法則 &small(){あなたは死後こうなる} -祥伝社(ノン・ブック)、1995年8月5日 --カバーの推薦者は南博(一橋大学名誉教授)「&color(brown){科学的に究明されるべき未知現象}」。 --『イソップ物語の謎』と同じく、本文中には生前の秋山達子から教えられていたと主張する話が登場する。 --宮崎哲弥は「&color(purple){主だった新新宗教の雛形的存在である宗教団体GLA系の教祖、高橋佳子を持ち上げる本}」とし、「&color(purple){まったく懲りない人のようである}」((宮崎、前掲書、p.91))と評している。なお、五島のこの本では高橋佳子について、教団名などは記載されず「&color(green){若い誠実な穏やかな宗教家で、天才的な霊感者と言われている}」((同書p.210))とだけ紹介され、その手紙の概要紹介がこの本の結論部分を構成している。 --「カルマを超える」と銘打たれているが、のちに『カルマの法則』が電子書籍化されたのに対し、『アマラの法則』の方は電子書籍化されていない(2020年8月時点)。 **🌟[[1999年日本「大予言(ノストラダムス)」からの脱出]] &small(){終末を覆す「来るべきものたちの影」} -光文社(カッパ・ビジネス)、1996年1月30日 --カバーの推薦者はなし。 --H・G・ウェルズを主題にした予言解釈書。 --編集者の京谷六二が五島に、希望のある方向でとリクエストして執筆が始まったらしく、打ち合わせの中でウェルズを軸にすることも決まったという((京谷「カッパ・ブックスの遺伝子 五島勉2」『出版人・広告人』2019年1月号))。   **神々の陰謀 &small(){ハルマゲドンの真の密約を追って} -扶桑社、1997年3月10日 --カバーの推薦者はなし。 --『大予言』以降の著書では例外的に、著者名のルビが「ごとうつとむ」となっている。 --題名はグラハム・ハンコック『神々の指紋』全2巻(1996年ベストセラー3位、トーハン調べ)に便乗したものだろう。実際、序文では、自分の本のほうが「&color(green){ハンコックよりさらにショッキングで切り口が新しく正しい}」と主張している。 **🌟&small(){ノストラダムス†幸運の秘法} 赤い糸・黒い糸の書 &small(){見えない「愛と運命の糸」をひき寄せられる} -青春出版社(プレイブックス)、1997年3月20日 --カバーの推薦者はなし。以降のプレイブックスで、推薦者が掲載されているものはない。 **アジア黙示録 &small(){ハルマゲドン・シフトが日本を襲う} -光文社(カッパ・ブックス)、1997年10月30日 --カバーの推薦者はなし。 **🌟[[ノストラダムスの大予言・最終解答編]] &small(){1999年、"恐怖の大王"の正体と最後の活路} -祥伝社(ノン・ブック)、1998年7月25日 --カバーの推薦者は高橋克彦(作家)「&color(brown){大いなる希望}」。推薦文は巻末特別寄稿の抜粋。 --結果的に『ノストラダムスの大予言』シリーズの最終巻になった。 **🌟ザ・ラスト・イヤー &small(){「死海文書」・ノストラダムス・アインシュタイン日本人への最後の警告} -光文社(カッパ・ブックス)、1998年11月20日 --カバーの推薦者はなし。 --初版の帯には「&color(brown){ノストラダムスの大予言をアインシュタインが修正した! 緊急書下ろし!}」とある。 **世界最終戦争(ハルマゲドン)の秘密 &small(){日本と世界はこれからどうなっていくのか?} -扶桑社(扶桑社文庫)、1999年5月30日 --1997年の『神々の陰謀』の文庫化。 --初版の帯には「&color(brown){ノストラダムスが予言した、あの夏が来る! ハルマゲドンの真の意味がここに明かされる!}」とある。 --著者名にルビはないが、著作権表示のローマ字表記が Tsutomu Goto となっている。 **イソップ物語 その恐ろしい真相 &small(){「オオカミ少年」「アリとキリギリス」…が暗示する人類の未来} -祥伝社(祥伝社文庫)、1999年6月15日 --1993年の『イソップ物語の謎』を改題・改訂して文庫化したもの。 --巻末の断り書きでは「改題し、大幅に加筆したもの」とあるが、実際には、各章末にあった心理テストと巻末の「解答編」が全面的にカットされたほか、新書版で秋山達子(故人)から示唆を受けたとして「秋山さんに捧げる追悼の予言書」としていたコメント、「ギリシャ秘数4095」を基に現代がオメガ(終末)の時代だとしていた主張、イソップがデルポイで神託を受けたという説など、消されている要素も数多い。 --なお、この文庫版刊行当時、桐生操『本当は恐ろしいグリム童話』がベストセラーになっていた(トーハン調べで1巻が1998年のベストセラー14位、1・2巻の合計が1999年のベストセラー4位)。変更された題名は、おそらくそうした世情と無関係ではないだろう。 *『ノストラダムスの大予言』以後(4)2000年代 **アザーズ 別のものが来る &small(){ケーシー・ホーキング・ビルゲイツも予見する人類と日本の超・創世紀} -青萠堂、2000年4月10日 --カバーの推薦者はなし。 --初版の帯には「&color(green){本書発刊にあたって}」と題する五島自身の短いコメント(前書きや後書きの抜粋ではない)がある。 --[[山本弘]]は、この本に見られる初歩的なIT知識の誤りなどを例示しつつ、「&color(purple){インターネット・ブームに便乗し、新聞やテレビで得た乏しい知識だけを材料に、創作で数十倍にふくらませた本}」等と評した((『トンデモ大予言の後始末』pp.57-59))。 --『週刊女性』では、「&color(purple){なんのことはない“[[恐怖の大王]]”がダメなら“[[別のもの]]”が来る、というわけ。この変わり身の早さと打たれ強さがある限り、地球が滅亡してもこの人は生きていけそう!?}」((『週刊女性』2000年7月11日号))と揶揄された。 **聖母マリア悲しみの大予言 &small(){20世紀世界の権力者たちを陰で動かしてきた極秘手記} -青春出版社(プレイブックス)、2000年7月25日 --1981年の『ファティマ・第三の秘密』と内容的に重なる部分を含む。同じ題材を使った加筆再構成系の著書といえるだろう(ただし、本文中で『ファティマ・第三の秘密』との関連についての言及はない)。 --この年にローマ教皇庁が[[ファティマ第三の秘密]]の内容を公表し、話題になっていたことを踏まえたものと思われる。 **&small(){究極の終戦秘史} 日本・原爆開発の真実 &small(){米国を戦慄させた破壊力と昭和天皇の決断} -祥伝社(ノン・ブック)、2001年9月10日 --カバーの推薦者はなし。 --この内容の問題点については、[[原田実]]『トンデモ日本史の真相』およびその分冊文庫版である『トンデモ日本史の真相・人物伝承編』で指摘されている。 **🌟[[イスラムvs.アメリカ 「終わりなき戦い」の秘予言]] -青春出版社(プレイブックス)、2002年1月1日 --帯には「緊急出版」の文字も見られる。 --[[恐怖の大王]]は2001年の同時多発テロ事件のことだったとする主張の初登場で、以降の五島の著書ではその釈明が繰り返し語られることになる。 **予言体系I [釈迦と日蓮] やはり世界は予言で動いている &small(){光と闇の奥書} -青萠堂、2004年7月30日 --「予言体系I」とシリーズ化が想定されていたかのような題名だが、II以降は刊行されていない。 **イソップ物語 その恐ろしい真相(電子書籍版) -祥伝社、2006年 --1999年の文庫版を底本に電子書籍化したもの。 **狙われた地球(電子書籍版) -祥伝社、2008年 --1990年の文庫版を底本に電子化したもの。 *『ノストラダムスの大予言』以後(5)2010年代 **未来仏ミロクの指は何をさしているか &small(){2012年・25年・39年の秘予言} -青萠堂、2010年3月25日 --カバーの推薦者はなし。 --[[と学会]] 『[[トンデモ本の新世界 世界滅亡編]]』(文芸社、2012年)でトンデモ本として紹介されている(レビュアーは多田克己)。 **🌟[[予言・預言対談 飛鳥昭雄×五島勉]] &small(){ノストラダムスの正体と黙示録の真実} -学研パブリッシング([[ムー・スーパー・ミステリー・ブックス]])、2012年12月31日 --題名の通り、[[飛鳥昭雄]]との対談本。 **H.G.ウェルズの予言された未来の記録 -祥伝社、2013年5月5日 --カバーの推薦者はなし。 --1996年の『1999年日本「大予言」からの脱出』と同じ題材(ウェルズの『世界はこうなる』)を基にした再構成系の著書。 --[[ASIOS]] 『謎解き超常現象IV』(彩図社、2015年)で、創作の多さや事実に反する記述などが指摘されている(項目担当者は[[山本弘]])。 **🌟[[ノストラダムスの大予言 (電子書籍版)]] -祥伝社、2014年 --電子版のためのまえがき、あとがきが追加されている。 **ヒトラーの終末予言 &small(){側近に語った2039年} -祥伝社、2015年8月10日 --カバーの推薦者はなし。 --1988年の『1999年以後』の内容の改訂(ソウルオリンピックに関する陰謀事件などを含む1章をカットする一方、一部の情報を追記)し、改題したもの。 --2020年に歿した五島にとって、結果的に最後の著作になった。 *外国語訳 **LA CASTECO DE JAPANIO -Esperanto-Tusinsha, 1954 --MIZUNO Hirosi, GOTOO Cutomu 著。『日本の貞操』のエスペラント語訳版だという。 --国立国会図書館では宮崎県立図書館の蔵書としてヒットするが、当の宮崎県立図書館のオンライン目録ではヒットしないので、詳細は不明。 --当「大事典」管理者はエスペラント語には不案内だが、題名をGoogle翻訳にかけると The Case of Japan と出る。「日本の事例」といった意味だろうか。 **🌟1999年人类大劫难 (1999年人類大劫難) -学苑出版社(北京)、1989年6月。年月のみで出版日までは書かれていない。 -五岛勉著、杨劲松等译 --『ノストラダムスの大予言』の中国語訳版。中国語版は複数の出版社で出ていたらしいことが分かるため、これが最初の訳かどうかは分からない。 --「劫難」は災難の意味。 **🌟노스트라다무스의 대예언 1999 (ノストラダムスの大予言1999) -베스트북스, 1998 --『ノストラダムスの大予言』の韓国語訳版。 --Googleブックスだと、これとは別に五島の本として노스트라다무스의지구대멸망(ノストラダムスの地球滅亡)という題名の本もヒットするが、詳細な書誌がないのでよく分からない。 ---- ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。
[[五島勉]]の著書をまとめておく。 『[[ノストラダムスの大予言]]』(1973年)以前には、『世界の廃墟物語』でムーやアトランティスを扱ったことや、創価学会関連の著書を複数出していたの除くと、宗教・オカルト系は見られない。 #image(gotoworks.PNG) 【画像】五島勉の主な著作(関連する著作も含む) 以下、 -「🌟」はノストラダムスを主題とするか、関連性が強いもの。関連性が低くとも、題名などにノストラダムスを含む場合には、🌟を付けた場合がある。 -刊行日は奥付による。奥付の日付は、実際の発売日と異なるものも少なくないはずだが、その多くは現在では正確な刊行日の追跡がほぼ不可能なので、奥付の日付で統一する。 -推薦文が掲載されている場合には、推薦者と見出しを記載した(帯の推薦文の場合、本文から抜粋した場合がある)。肩書は、初期の版のまま掲載する。 -過去に公刊された五島勉の著作リストとしては、以下のものがある。 --「保存版 こんなに出ている五島勉著作リスト」(『月刊オーパス』1994年10月号、pp.12-13) --「五島勉氏 著作総目録稿」([[志水一夫]]『トンデモノストラダムス解剖学』データハウス、1998年、pp.206-215) --このほか、許光俊の論考(「五島勉、『ノストラダムスの大予言』への道」『99年の滅亡を夢見て』)には『大予言』刊行以前のリストが、また、『サイゾー』1999年9月号には「五島勉主要著作リスト」(『大予言』刊行以降に限定されたリスト)が、それぞれ載っている。 --なお、志水のリストでは対談やインタビューが収められた本も一部含まれているが、当「大事典」の場合、それらは[[五島勉]]の項目にまとめてあるので、この項目では扱わない。 *『ノストラダムスの大予言』以前(1)1950年代 **[[続・日本の貞操]] -蒼樹社、1953年。 --五島は編者。奥付、前書き等で、編者名にルビはない。 --続編だが、正編は別人名義の著作(水野浩・編『日本の貞操 外国兵に犯された女性の手記』蒼樹社、1953年)。 --初期の刷本の帯には「外国兵による貞操の完全占領/日本政府の性的無條件降伏の実態」という惹句がある。 --1985年に『黒い春』として再版された。なお、『性暴力問題資料集成 : 編集復刻版』第6巻(不二出版、2004年)にもまるごと再録された。 **東京租界 &small(){その、おどろくべき実体} -久保書店、1955年10月25日。著者名のルビはない(なお、後述の初出らしき雑誌記事でのルビは「ごとうつとむ」)。 --いくつかの章が『あまとりあ』に連載されていた記事(「あまとりあ・るぽるたーじゅ 東京租界千一夜・コールガールの夜」1955年6月号所収、「来日スター行状記」1955年8月終刊号)の再録である。そのため、すべての章を特定しているわけではないが、当時の五島の連載記事の再編集版だろう(ちなみに、あまとりあ社と久保書店は同一住所の出版社)。 --余談だが、この本(および元になった連載)には「私たち租界ジャーナリスト」という、特殊性を強調するかのような言葉が出てくる。『ノストラダムスの大予言』で五島は「プロの研究家」なる定義不明の単語を何度も使っていたが、何か似た雰囲気を感じさせる。 --国立国会図書館には所蔵されていないためか、上掲の『月刊オーパス』や志水一夫のリストからも、文芸評論家の許光俊による列挙(『ノストラダムスの大予言』以前の著書限定)からも漏れている。 **アメリカへの離縁状 -拓文館、1956年4月29日。著者名のルビは「ごとうつとむ」。 -北海道立図書館のオンライン目録だと版元が「河出書房」となっているが、奥付によると株式会社拓文館は「河出書房内」と書かれているので、そうした事情によると思われる。なお、『世界の廃墟物語』の編者略歴では「一九五七年河出書房」となっているが、誤記なのか、1957年に改版が出たのかはよく分からない。志水のリストでも「河出書房」「1957年」となっているが、そういう実物を見たのか、実物を確認せずに『世界の廃墟物語』から転記しただけなのかは不明。 --前書きに「&color(green){わたし(筆者)がこの本のなかでえがこうとしたのは、こうしたアメリカの悪行のかずかず――つまり日本がアメリカに離婚を要求するための、のっぴきならない証拠のかずかずである」「この本を読み終わって、あなたはきっとこうつぶやくだろう。『アメリカなんかもうごめんだ! お前のきたない手で、われわれの美しい日本をかきまわさないでくれ!』と。こうした声のなかからもっと完全な離婚請求書が生れ、さらに離婚そのものが実現するようにでもなったら、わたしとしてそれ以上の幸せはない}」等とある。 --[[許光俊]]は、「&color(purple){新書判の小さな本だが、五島氏の著作のなかでももっとも重要なものの一つである。というのは、この書物は、およそ政治や権力に対して抑えようのない嫌悪をあらわにし、さらにその政治や権力に導かれて進む先には破滅しかないのだという主張――これはむろん『大予言』シリーズなどにも共通する――をこのうえなく明瞭に示しているからだ。別の言葉で言うなら、七三年以降、五島氏が老齢になるまで書き続けていく『大予言』シリーズは、すべてこの一冊の変奏ということになる}」((許光俊『99年の滅亡を夢見て』p.132))と評した。 **あまとりあ風流派新書 代表作選集第3集 -あまとりあ社、1956年9月25日 -奥付に明記されていないが、実質的に五島は共著者である。奥付の著者名義は「久木 光 &small(){他}」となっており、この「他」の中に五島も含まれる(全体をまとめる編者などは記載されておらず、前書きや後書きもない)。 --題名の通り、多くの著者の代表作から抜粋したもの。五島以外に、久木光ら14人の著者がいる(なお、五島の名前にルビはない)。 --五島の担当部分(pp.353-372)は、『東京租界』からの抜粋である。 --志水のリストは対談集などまでリストアップしているにもかかわらず、この本は漏れている。 --この代表作選集は少なくとも5巻まで出たようである。そして、第1・4・5巻のみ、国立国会図書館がデジタル化している。しかし、それらには五島の著作(少なくとも五島名義の著作)は含まれていない。第2巻のみは、当「大事典」では未確認である。 **サラリーマン研究 -文芸評論新社、1958年1月31日発行。著者名のルビは「ごとうつとむ」。 --前書きによると、歴史的な大衆誌『キング』に、1957年末の廃刊までの最後の1年間に掲載された連載「サラリーマン研究シリーズ」を単行本化したものだという。雑誌連載時の署名はイニシャルのみのT・Gとしていたらしい。 **禁じられた地帯 -知性社、1958年2月13日。著者名のルビは「ごとうつとむ」。 --五島は当時、雑誌『知性』に「禁じられた地帯」という連載を持っていた。 --初版の帯には「&color(brown){各種週刊誌・月刊誌で ごうごうの反響を起しつづける異色ルポルタージュ作家が 新たに踏破した若い人々の性の実態! かつて大人の眼が入る事を許さなかつた驚くべき世界!}」とあり、内容を端的に示している。『読売新聞』1958年3月24日夕刊では、この本が「&color(purple){ルポルタージュ作家の五島勉氏を中心に、さる総合雑誌の調査団が昨年いっぱいかかって調べ上げた調査記録}」で「&color(purple){皇居前広場、終夜喫茶、夏の湘南の海岸、富士五湖周辺、都内の盛り場などにおけるハイティーンたちの恐るべき性倫理の乱脈ぶりを描いている}」と紹介した。なお、映画『太陽の季節』の公開は1956年で、当時はいわゆる太陽族が話題になっていた時期である。 --その『読売新聞』の夕刊記事は、この本の映画化を報じるもので、「&color(purple){その映画化権の獲得に大映、日活、東映、東宝の四社が名乗りをあげ、その結果日活と大映が最後まではげしい争奪戦を展開して話題を集めた}」とある。大映が7月公開をめどに準備に入ったことを報じているが、実際に公開されたのかは、調査の範囲では未詳。 --なお、この本の略歴は(誤記・誤植も多いが)妙に充実している。その中での種明かしがなかったら、五島が「木村敏夫」名義で発表した(可能性が高い)ルポの存在は忘れ去られていたことだろう([[五島勉]]の記事参照)。 **東京の貞操 -青春出版社、1958年6月20日。著者名のルビはない。 -カバーにはタイトルロゴに一部重なって「TOKYO X」の文字もある。志水のリストでは『東京の貞操――TOKYO X』と表記されているが、副題や英題などの意図だったのかは不明。少なくとも、本体にそういう表記はない。 --『活字秘宝 この本は怪しい!!!』(1997年)の「アノ有名人たちの恥ずかしい初期仕事本」というコーナーで取り上げられている(レビュアーは遊㘴勝〔ゆざまさる。「㘴」の右上は「人」でなく「又」だが、「㘴」で代用。志水が「遊堅勝」と表記しているのは誤り〕)。 --『性暴力問題資料集成 : 編集復刻版 第16巻(1958年2月-8月)』(不二出版、2006年)に再録されることになる。 **白いSEX -青春出版社、1958年11月25日。著者名のルビはない。 --カバー、本体のいずれにも『白いSEX』と書かれている。『オーパス』のリストと志水のリストでは正しく『白いSEX』となっているが、国立国会図書館のオンライン目録などで『白のSEX』と書かれているためか、そちらの誤った表記を採っている文献も見られる。 --内容は『東京の貞操』と全く同じで、呆れたことに前書きでの書名も『東京の貞操』のままである。 *『ノストラダムスの大予言』以前(2)1960年代 **小説 死のF104 &small(){政争のなかのジェット戦闘機} -アサヒ芸能出版(平和新書)、1963年12月15日。著者名のルビはない。 --あとがきで、五島自身は作品のテーマ、すなわち「&color(green){何を主張し、何を訴えたかったか}」について、「&color(green){ひと口でいえば、『日本の防衛政策が真の日本の防衛のためにおこなわれていない』ということである}」としていた。また、「&color(green){作者は、従来の仕事の分野である&u(){ルポルタージュから発展したフィクション}ということを、いつも考えてきた}」((同書p.212。傍点は下線で代用。))と述べており、小説を書くことへの強い意欲を読み取れる。 --五島の小説として最初期のもの。許光俊は、『アメリカへの離縁状』で示した認識を創作の中に投影させたものとしつつ、結末部分で言及される「炎と滅亡の風景」について、それこそが「&color(purple){腐敗した権力者というモチーフ同様、ジャンルを問わずに五島氏の著作に繰り返し登場する一種の原風景なのである}」と指摘した((許、前掲書、p.135))。 **戦後残酷物語 &small(){あなたの知らない時に}  -大和書房(銀河選書)、1963年8月10日。 --五島は編者。名前のルビはなし。 --「第一部・小野年子の遺書」は水野浩・編『日本の貞操』に掲載されていた手記の再録である。「第二部・ある基地の女通訳の証言」は『続・日本の貞操』に掲載されていた北林の手記の再録、「第三部・秘められた戦後史」も基本的には『続・日本の貞操』からの再録である。 --1965年と1968年に再版される。 --のちにこれを原作とする映画『戦後残酷物語』(武智鉄二監督、大映、1968年)が公開された(([[戦後残酷物語>>http://db.eiren.org/contents/04910139801.html]](一般社団法人 映画製作者連盟)))。原作者の名義は小野年子と五島勉。 **BGスパイ &small(){デパートを燃やせ} -芸文社(芸文新書)、1964年11月1日。著者名のルビは「ごとうつとむ」。 --BGは「ビジネスガール」を略した和製英語で女性の会社員・事務員を意味する言葉だったが、英俗語で「売春婦」の意味があることなどから、新たな造語として「OL」が生まれた((「オーエル」『明鏡国語辞典』))。志水一夫や唐沢俊一はBGを五島の造語としていた((と学会『トンデモ本の逆襲』、志水『トンデモノストラダムス解剖学』))。なお、すでに1963年のうちにNHKや読売新聞が使用を自粛するようになっており((『読売新聞』1963年12月20日))、五島のこの本が出た時点でBGの使用は下火になりつつあった。そもそも代替語の「OL」は『週刊女性自身』の公募企画から63年に提案されたものだったので((『読売新聞』1987年10月27日))、同誌のメインライターだった五島が知らなかったはずはない。それであえてBGを使った理由はよく分からない。 --許光俊は『死のF104』とともに、五島の最初期の創作として、考察の俎上に載せている((許、前掲書、p.135-137))。 --のちの五島の著書の略歴には、この作品がテレビドラマ化されたと書かれているものがあるが((『㊙東京ローズ残酷物語』略歴欄、『東京ローズの戦慄』略歴欄))、放送局や放送日などの詳細は不明。 **あなたの知らない時に &small(){戦後残酷物語}  -大和書房(ペンギン・ブックス)、1965年4月1日。 --五島は編者。名前のルビはない。 --1963年の『戦後残酷物語 あなたの知らない時に』の再版だが、メインタイトルとサブタイトルが入れ替わっている。 --ほぼ単純な再版だが、前書きの日付が「'65年春」に変わっている。また、後書きの題名も「『日本の貞操』は生きている――この本を読まれた方へ――」から「この本を読まれた方へ――悲劇はいまもつづいている――」へ変わったが、目次は元のまま。少々慌てて刊行されたきらいはあるが、戦後20年目という節目が意識されての再版だったものと思われる。 --実際、初版の帯には「&color(brown){はらわれた黒いベール}」「&color(brown){敗戦20年にして明かされた埋もれた真実}」等とある。わずか2年前に元版が出ていたのに、それへの言及がないまま、あたかも新発見であるかのように語る惹句というのはどうなのだろうか。 **世界の廃墟物語 &small(){失なわれた栄華の跡を求めて} -大和書房(銀河選書)、1965年12月10日 --五島は編者。ルビは「ごとうつとむ」。 --『女性自身』の連載をまとめたものだといい、「&color(green){週刊連載中の担当者の分担については、女性自身編集部の雲村俊慥がプロデュースを受け持ち、同記者の浅利佳典・和田光江が主として取材にあたり、ライターの五島勉が全体の執筆・構成を担当しました}」((同書 p.201))とある。 --アンコール・ワット、シルクロード、アルタミラといった通常の考古遺跡を扱った章がある一方で、当時の「失われた大陸」ブーム(『[[昭和・平成オカルト研究読本]]』参照)を受けてか、ムウ(ムー)を扱った章やアトランティスを扱った章がある。 --1987年に文庫化されることになる。 **危機の数は13 &small(){X21/恐怖のエプシロン作戦} -芸文社(芸文新書)、1966年7月25日。著者名のルビはなし。 --「序章 極秘兵器オールマイティ」以外は全13章で、章題は「最初の危機」「第二の危機」…「第十二の危機」「最後の危機」となっている。本の題名はここからきているのだろう(X21は主人公のコードネーム)。 --[[と学会]]『トンデモ本の逆襲』でトンデモ本としてレビューされている(レビュアーは唐沢俊一 pp.131-136)。唐沢は、007シリーズのヒットによって模倣作が粗製乱造されていた状況を指摘し、本来はこの作品もその一つと位置付けられると見なしていた。 --唐沢のレビューにもコピーが載っているが、カバー裏表紙には主人公が使う無茶苦茶な設定の武器(唐沢は没個性な主人公よりも、むしろこの武器の方を主役と見なしている)の図解が掲載されている。本文にその図解はないので、国会図書館のようにカバーを外した状態では、武器の構造をつかみにくいものと思われる。 --許光俊はこの小説に描かれた白色人種と有色人種の関係に「&color(purple){書き手の自虐的な自己評価}」を見ている((許、前掲書、p.141))。 **戦後残酷物語 &small(){あなたの知らない時に}  -大和書房(ペンギン・ブックス)、1968年2月20日。 --五島は編者。編者名にルビはない。 --1963年、1965年に刊行されていたものの再版。再びメインタイトルが『戦後残酷物語』に戻っている。初版の帯には「&color(brown){問題の映画!武智鉄二監督『戦後残酷物語』の原作!}」とあり、題名の再変更は、映画の題名に合わせたものであろうと推測できる。 **現代の英雄 &small(){日本が狭すぎる5人の男} -大和書房(ペンギン・ブックス)、1968年6月20日。著者名にルビはない。 --池田大作(pp.11-66)、三島由紀夫(pp.67-105)、小澤征爾(pp.107-139)、本田宗一郎(pp.141-167)、黒澤明(pp.169-192)の評伝。 --池田大作の評伝は、五島が1970年代初頭に相次いで出す創価学会に好意的な著書の先駆といえるはずだが、宮崎哲弥や志水一夫が五島のそういった本をリストアップした中からは漏れていた。五島の他の創価学会関連書と結びつけて言及したのは、宗教社会学者の住家正芳が最初ではないかと思われる((清住家「宗教書がベストセラーになるとき」『オカルトの帝国』所収))(ただし、住家が触れているのは1970年版の方のみ)。 --また、三島のインタビューは、本人が存命中でこの本を見る可能性がある(=創作などを混ぜることは控えたであろう)時期に公刊された点で価値がある(三島の自害は1970年11月25日)。というのは、五島は『1999年以後』『やはり世界は予言で動いている』など、著書の重要部分について生前の三島から助言されていたと主張する文献を複数刊行しているが、第三者には検証が困難だからである。脚色のない(または少ない)インタビューは、実際の接点の記録という点で、五島について考察する際にも一定の意味があるだろう。 --次項『㊙東京ローズ残酷物語』略歴には、この本について「昨年度〔=1968年度〕ベストセラー」という注記がある。 --1970年に再版される。 **㊙東京ローズ残酷物語 &small(){ある女スパイと太平洋戦争} -ノーベル書房、1969年8月31日。著者名のルビは「ごとうつとむ」。 -カバーには Secret story of Tokyo Rose という英題が併記されているが、「残酷」というニュアンスはない。日本語名を「残酷物語」としたのは、『戦後残酷物語』に合わせたものだろうか。 --ウェブサイト『オカルトクロニクル』の記事「[[東京ローズ――誰が伝説の魔女だったか>>https://okakuro.org/tokyo-rose/]]」で、基本的な事実関係にさえ誤りが多いことを指摘されている。 --『オーパス』のリストからも、志水のリストからも漏れている(これらのリストで挙がっている東京ローズ関連文献は、1973年の光潮社版のみである)。許光俊も挙げていない。 --1973年と1978年に再版された。 *『ノストラダムスの大予言』以前(3)1970年代 **生命の若者たち &small(){池田会長と一千万人の記録} -大和書房、1970年5月10日。著者名にルビなどはなし。 --5月の刊行で、前年末からの「言論出版妨害事件」で創価学会や公明党が批判されていた時期だが、本文では触れられていない。五島は「あとがき」で、前年春から取材していた内容を当初の方針通りに書いたとし、「&color(green){公明党の一部幹部が、池田氏を敬愛するあまり、相手に乗ぜられるスキをつくった}」ことを残念がりつつも、「&color(green){事件についてとくにふれねばならぬ必要も感じなかった}」と一蹴し、創価学会の「&color(green){発展自体が停止することはけっしてありえないだろう}」等と全面擁護した。 --創価学会や公明党が逆風にさらされていた時期に出たこの本を皮切りに、五島は創価学会を主題とし、好意的に紹介する本を次々と出していくことになる。 --作家の佐木隆三は、「&color(purple){チョウチン持ちの典型的な例}」とする一方、『大予言』以前に五島が著したベストセラーと位置づけ、「&color(purple){創価学会もののなかでも特によく売れたらしい}」とした((『問題小説』1974年5月号))。実際、『出版年鑑』のベストセラーランキングでは1970年の第28位に入っている。 **現代の英雄 &small(){日本が狭すぎる五人の男}  -大和書房(ダイワブックス)、1970年6月15日。著者名にルビはない(カバーは未確認)。 --1968年の本の再版だが、元版の刊行年や加筆の有無などについて、特に著書の中に断り書きのようなものはない。少なくとも、5人の評伝のページ割りは元本と全く同じである。 **戦後の暴力史 &small(){かくて悲劇はくりかえされるか……} -大和書房(ダイワブックス)、1970年7月10日 --五島は編者。カバー記載の編者名のルビは「ごとうつとむ」。 --後書き部分でベトナム戦争への言及が加わったことなどを除けば、巻末の年表などまで含めて『戦後残酷物語』1968年版とほぼ同じである(前書きで戦後23年を25年に直しているが、直しそこねて23年のままになっている箇所がある)。しかし、前書きなどでも『戦後残酷物語』の再版であるなどの断り書きはない。 **生命(いのち)の旗の下に &small(){世界に拡がる妙法の輪} -大和書房、1971年5月10日 --高橋猛との共著。奥付では「猛」に「もう」とルビがあるものの、五島の方にルビはない。 --創価学会の世界への広まりを紹介した本。創価学会に好意的な五島の本を宮崎哲弥が挙げた際、その中には含まれていなかった。志水は(志水が挙げる4冊のうち、宮崎は3冊を紹介したという形で)宮崎の脱漏を事実上指摘したが、なぜか共著者名に触れておらず、五島の単著のように扱っていた。 **池田大作という人 &small(){その素顔と愛と生き方} -若木書房、1971年6月25日。著者名のルビは「ごとうつとむ」。 --前書きによると、出版社から池田大作の評伝を若者向けに書くよう依頼があり、それを踏まえてまとめたらしい。近所の若者「洋介君」からの質問に答える形式で書かれている。 --初版の帯には「&color(brown){若いあなたと共に生き、未来を力強くさし示す“新しい人間”池田大作氏。この人のすべてを知ることは、あなた自身のすばらしさを発見することだ!}」等とある。 **愛のパズル &small(){異性はあなたに何を求めているか} -大和書房(ダイワブックス)、1971年12月15日。カバーの著者名のルビは「ごとうつとむ」。 --前書きによると、週刊誌時代に蓄積したアンケート、体験記、面接などを踏まえて、男女の性意識に関するクイズにまとめている。なお、「&color(green){ごく一部ではあるが、すでに女性週刊誌や男性週刊誌に、この本とは別のかたちで発表した部分がある}」という断り書きがある。 --『オーパス』のリストからも、志水のリストからも漏れている。 **近親相愛 -海潮社、1972年(本体には刊行年月日はない)。著作権表示に Tutomu Goto (Tsutomu でなく Tutomu なのは原文ママ)とある。 --いわゆる近親相姦を扱った本であり、前書きではそれを「近親相愛」と呼ぶ理由を説明している。また、後書きでは体験談を募集している。 --『オーパス』のリストからは漏れている。 --原田武(大阪外国語大学名誉教授)の『インセスト幻想』では、この本から事例のいくつかが引かれ、五島が紹介している調査にしても「&color(purple){比較的信用のおける調査とみなせるだろう}」((同書p.33))としている。 **生命(いのち)の恋人たち &small(){明日ひらく新しい愛のために} -若木書房、1972年7月20日。著者名にルビはないが、著作権表示に Tsutomu Gotō とある。 --国会図書館には所蔵されておらず、『オーパス』や許光俊のリストからも漏れていたが、志水一夫のリストには挙がっている。志水がこの本について「&color(purple){恋愛論がいつの間にか『富士のふもとのその人』〔池田大作氏〕の話にもなっていく不思議な本である}」((志水『トンデモノストラダムス解剖学』p.66))と紹介している通り、創価学会関連本の一つである。 --志水の紹介は間違っているわけではないが、むしろ前書きの以下の箇所の方が注目に値するように思われる。「&color(green){この本を、ラブ・ストーリーみたいな甘い本だと思われると困ります。〔…〕人類全体の生命がいつメタメタに破壊されるかもしれないような不安が、たえず私たちをとり巻いているからです。いや、もしかすると、あなたも私も、もうなしくずしに破壊されかかっているのかもしれません。〔…〕人間として生きている以上、私たちは人間の生命や幸福をおびやかす現在の状況に対して、自分のできるかぎりは立ち向かってゆかねばならないと思います}」((同書、pp.1-2))。つまり、終末ブームが勃興しつつあった当時の状況下で、それに立ち向かうための「愛」の模索という枠組みが、前書きできちんと示されているのである。だから、(創価学会へ収斂することの是非は措くとして)宗教的な「愛」の話へと転じる構成自体は、志水が言うほどには「不思議な」話には思えない。むしろ、翌年の『ノストラダムスの大予言』とはやや違った形ではあるが、終末ブームに便乗して読者を呼び込もうとするスタイルの原型が、この本に見られることが興味深い。 **[[コイン利殖入門]] &small(){暴騰をつづける価値の収集} -青春出版社(プレイブックス)、1973年4月1日 --「倉田英乃介」(くらたひでのすけ)名義。カバーの推薦者はなし。 --後書きによると、前身にあたる雑誌連載があったらしいが、掲載誌は未詳。 --当時はコイン利殖がブームだったらしく、『週刊サンケイ』1973年4月13日号の記事「コイン利殖ブームの意外に大きい『実利』と『落し穴』」でも、倉田(五島)は「コイン専門家」としてコメントを求められている。 --『読売新聞』でも他の著者の実用書2冊とともに、「財産づくり入門」と題した記事で紹介されている((読売1973年4月23日))。 --『ノストラダムスの大予言』の初期の版では、プロフィール欄で言及されている。 **東京ローズの戦慄 &small(){太平洋戦争下に躍った謎の電波のヒロイン!} -光潮社、1973年6月20日。著者名のルビは「ごとうつとむ」。 -- 1969年の『㊙東京ローズ残酷物語』の改題。 --あとがきには、「今回、光潮社の要望で手を加え、新しい意義のもとに再刊した」とある。 --1978年に再版されることになる。 *『ノストラダムスの大予言』(1973年11月)以後(1)1970年代 **🌟[[ノストラダムスの大予言]] &small(){迫りくる1999年7の月人類滅亡の日} -祥伝社(ノン・ブック)、1973年11月25日 --カバーの推薦者は落合恵子(文化放送アナウンサー)「&color(brown){あなたならどうする?}」、森村誠一「&color(brown){一読して、背すじが寒くなった}」。 --[[『ノストラダムスの大予言』シリーズ]]の1冊目。なお、カバーの色によって赤版、青版、水色版が存在するが、詳しくは[[『ノストラダムスの大予言』の各版の違い]]参照。 **🌟実説大予言 &small(){地球は冷え、乾き、人々は飢える} -祥伝社(ノン・ブック)、1974年7月5日 --西丸震哉との共著。西丸は同年夏に公開された[[映画『ノストラダムスの大予言』>ノストラダムスの大予言 (映画)]]に大きく関わった専門家であり、発売日から言っても映画のタイアップの側面があったものと思われる。 --カバーの推薦者は野坂昭如「&color(brown){直面せざるを得ない事実だけが…}」、丹波哲郎(俳優)「&color(brown){日本人全部が読むべき本だ}」、根本順吉(科学評論家)「&color(brown){人々が生きのびるための出発点}」。なお、丹波は映画『ノストラダムスの大予言』に主演した。 **宇宙人謎の遺産 &small(){彼らこそ地球文明の影の支配者だ} -祥伝社(ノン・ブック)、1975年8月25日 --カバーの推薦者は竹村健一「&color(brown){推理小説を凌ぐ怪しい魅力}」、落合恵子「&color(brown){五島勉氏自身が宇宙人の直系では‥‥}」、西丸震哉(食生態学者)「&color(brown){さすがの私も驚歎、敬服!}」。 --オーパーツなどを含む、いわゆる超古代文明論や古代宇宙飛行士説を扱った本。まえがきには「&color(green){スイスのデニケンや米国のベルリッツをはじめ、すぐれた先人たちが多くいるが、この本の結論は彼らの仮説や推理ともちがってしまった}」とある。なお、この本は五島の本としては珍しく、巻末に参考文献一覧が掲げられている。 --このころは、デニケンが日本でも売れ始めていた時期であり(『昭和・平成オカルト研究読本』参照)、ブームに便乗した側面もあったのだろう。なお、五島は小惑星帯にかつて太陽系第5惑星があったという仮説に立脚しているが、現代の多数説ではそのような天体は形成されなかったと見なされている((R・コーフィールド『太陽系はここまでわかった』ほか))。 **カバラの呪い -祥伝社(ノン・ノベル)、1976年8月15日 --カバーの推薦者は石川喬司(文芸評論家)「&color(brown){忽ち読者の背筋を凍りつかす}」。 --許光俊は、それ以前の小説に比べて技量が向上していることを指摘しつつ、「&color(purple){前二作においても五島氏の小説の特徴だった厭世観がより強烈に打ち出され、かつ同時代の大衆文化に対してはっきりと批判的な態度を示すようになるのだ}」((許、前掲書、p.139))と、同情的だった大衆への視線の変化も指摘した。 --1986年に文庫化された。 **ツングース恐怖の黙示 &small(){遥か原爆以前に、突如、起きた核爆発の謎} -祥伝社(ノン・ブック)、1977年1月30日 --カバーの推薦者は草柳文恵(TVレポーター)「&color(brown){心が凍てつくような恐怖}」、桜井邦朋(ニューヨーク科学アカデミー会員、メリーランド大学教授)「&color(brown){戦慄すべき壮大な謎解き}」。 --1908年に起こったツングースカ大爆発について、1976年10月にソ連のタス通信が、広島型原爆の2000倍の核爆発だったと報じ、『毎日新聞』などでも紹介された。五島のこの本では本文だけでなく、カバー見返しでもこの報道に言及されており、五島はその報道に触発されて執筆したのではないかと思われる。なお、ツングースカ大爆発の正体については、最近の研究では氷の核を持つ彗星の落下((『朝日新聞』2009年7月2日))や隕石といった説はあるが、五島が主張するような異星人による核爆発という説を支持するような研究は、(当然というか)提示されていない。 --1990年に文庫化され、2008年に電子書籍化された。 **運命周期律 &small(){あなたを支配する謎の正体} -青春出版社(プレイブックス)、1977年8月25日 --カバーの推薦者は藤井幸雄(気象庁気象研究所主任研究官)「&color(brown){本書に書かれていることはSFではない}」、手塚治虫「&color(brown){運命周期の恐るべき正体を明かす}」。 --1985年にこれを基にした文庫版が出される。 **超兵器戦争(スーパー・ウエポン・ゲーム) -祥伝社(ノン・ノベル)、1978年4月5日 --カバーの推薦者はなし。ただし、編集部によると思われる惹句の中に「&color(brown){『大予言』の著者五島勉が放つ“スーパー・ウエポン”近未来小説の傑作!}」とある(なお、この本でのweaponは「ウェポン」ではなく「ウエポン」と表記されている。志水のリストで「ウェポン」となっているのは、一般的な表記に引きずられたと思われる単純な転記ミス)。 --また、カバーには「著者のことば」が掲載されており、米ソの最新兵器類がもつ精密さや「非常な美しさ」を認めつつ、「&color(green){これらの超兵器が使われれば罪のない民衆がかならず滅ぼされ、狡猾な政産軍複合体だけがますますふとるのだ。だまされてはならない。そのための切実な警告としてわたしはこれを書いた}」と執筆意図を説明していた。 --許光俊は「&color(purple){おそらく『影の軍団』と並んで、五島氏のあらゆる創作のなかでももっとも不快な読後感を残す小説だろう。そして、まちがいなく氏のもっとも重苦しい小説だろう。/なぜなら、この小説がもっぱら、次々に開発される新兵器がいかに人を殺していくかだけを描いた作品だからである}」((許光俊『99年の滅亡を夢見て』p.142))と述べた。 --1984年に文庫化される。 **東京ローズの悲劇 &small(){太平洋戦争――謎の対米放送のヒロイン} -光潮社、1978年7月15日。ルビは「ごとうつとむ」。 -- 1973年の『東京ローズの戦慄』の改題。基本的に同じ内容だが、後書きに「新版のためのあとがき」と題する短い追加があり、「&color(green){筆者はいま、別の系統の仕事に没頭しているが、ときどきローズ事件を思いだし、いまでもゾッとする不気味さをかみしめている}」等と語っている。 --巻末の著者略歴に挙がっている書名は『ノストラダムスの大予言』『ツングース恐怖の黙示』『宇宙人謎の遺産』『カバラの呪い』で、いずれも1973年以降の文献に差し替わっている。 --『オーパス』のリストからも、志水のリストからも、『サイゾー』のリストからも漏れている。 **&small(){生命転生の秘密} カルマの法則 &small(){あなたは死後どうなるか} -祥伝社(ノン・ブック)、1978年7月25日 --カバーの推薦者は新井基夫(東京医大講師、西華クリニック院長)「&color(brown){“人類最大のテーマ”に挑戦}」、後藤隆一(東洋哲学研究所所長)「&color(brown){タブーの『死』を問うて迫力十分}」。また、著書そのものを推薦するものではないが、川田洋一との対談からの抜粋と断って、E・キューブラー・ロス(前シカゴ大学精神医学部教授)の「&color(brown){死後の世界は一〇〇%確実に存在する}」とするコメントもカバーに掲載されている。 --仏教哲学の権威とだけ紹介される医学博士の川田洋一について、評論家の宮崎哲弥は、「&color(purple){じつは創価学会の要職に就く人物であるという事実には一つの断りもない。これは不可解なことではないだろうか。本書後段では、創価学会の基本教義の一つである「十界論」すら詳解されているのに}」等と、五島の紹介の仕方に疑問を呈している((宮崎『正義の見方』洋泉社、1996年))。 --1991年に文庫化され、のちに電子書籍化された。 **🌟[[ノストラダムスの大予言II]] &small(){1999年の破局を不可避にする大十字(グランド・クロス)} -祥伝社(ノン・ブック)、1979年12月5日 --カバーの推薦者は徳光和夫(日本テレビアナウンサー)「&color(brown){人類に西暦2000年はあるのか?}」、結城モイラ(西洋占星術師)「&color(brown){かつて経験しなかった惨状が…}」、桜井邦朋(元・京大助教授、神奈川大学教授(太陽物理学専攻))「&color(brown){余さず証した今世紀末の様相}」。 --[[山本弘]]は、のちの日本のノストラダムス本のフォーマットが完成していると評した((山本『トンデモノストラダムス本の世界』文庫版、1999年、p.79))。[[田窪勇人]]も、「&color(purple){現在のように、ノストラダムス研究に恣意的な予言解釈を許容する土壌を作った}」と評していた((『ユリイカ』1999年2月号、p.149))。 *『ノストラダムスの大予言』以後(2)1980年代 **🌟[[ノストラダムスの大予言III]] &small(){1999年の破滅を決定する「最後の秘詩」} -祥伝社(ノン・ブック)、1981年2月15日 --カバーの推薦者は秋山達子(お茶の水女子大講師)「&color(brown){ユングも注目した予言と現実の一致}」、志茂田景樹「&color(brown){優れた文明批評の書として推す}」。 --この本でユダヤ陰謀論が展開されていることについて、山本弘は、この本の発行部数や影響力を踏まえ、1986年以降に本格化する「&color(purple){ユダヤ陰謀論ブームの火付け役になったと解釈したほうが自然だろう}」と指摘した((山本『トンデモノストラダムス本の世界』文庫版、p.80))。 **影の軍団 -双葉社(FUTABA NOVELS)、1981年8月5日 --2年後に出る文庫版によれば、1980年11月から『週刊大衆』に掲載されていた連載の単行本化のようである。 --カバーなどには「近未来パニック・ロマン」ともある。ソ連が北海道に侵攻してくるというシナリオの小説で、それを超能力で迎え撃つのが「影の軍団」という設定である。 --許光俊は、五島の反米、反ユダヤに関連し、この小説では「&color(purple){やはり大国だったソ連に対する直接的な悪意がいたるところに噴出しており、引用するためにどこか一部を選ぶのもむずかしいほどである}」((許、前掲書、p.142))と言及している。 **ファティマ・第三の秘密 &small(){法王庁(バチカン)が封じ続けた今世紀最大の予言} -祥伝社(ノン・ブック)、1981年9月30日 --カバーの推薦者は中原理恵(歌手)「&color(brown){血も凍るような恐怖の予言}」、丹波哲郎「&color(brown){やはり人類滅亡の確定的な予言か}」。 --1981年5月、アイルランドで[[ファティマ第三の秘密]]を公表しろと要求するハイジャック事件が起こり、日本では、事件だけでなくファティマについて紹介する新聞記事なども見られた。この本では、本文でもカバー見返しでもその事件に言及されており、それに触発されて書かれたのではないかと思われる。 --ダニエル・レジュ『ファチマ第3の予言』の訳者、梶野修平はかなり慎重に言葉を選びつつも、五島のこの本を批判的に紹介している(「&color(purple){この本には単なる事実誤認にとどまらない意図的創作や過度の脚色が存在します}」「&color(purple){神への恐れを知らぬ五島氏を、心からお気の毒に思います}」等((レジュ『ファチマ第3の予言』巻末「文献案内」)))。 **🌟[[ノストラダムスの大予言IV]] &small(){1999年、日本に課された"第四の選択"} -祥伝社(ノン・ブック)、1982年7月5日 --カバーの推薦者は川島なお美(歌手)「&color(brown){“一九九九年”をめぐる新解釈の恐怖}」、黒鉄ヒロシ「&color(brown){偏見に充ちた挑戦を五島氏が粉砕}」。 --初期の刷本の帯には「&color(brown){フランスの研究家が五島勉に挑戦!/1999年・7の月の"恐怖の大王"は日本だ!?/本書は、この挑戦を受け、その仏版『新釈・大予言』の誤りを痛撃!さらに、"大王"の正体を解明する!}」と宣言されていた。 --帯の惹句の通り、[[ジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌ]]の『[[歴史家にして予言者ノストラダムス>Nostradamus, Historien et Prophète]]』への批判が大半を占める(もっとも、フォンブリュヌが五島に挑戦した事実はない。五島が一方的に批判しているだけである)。なお、上記『ファティマ・第三の秘密』の「あとがきに代えて」では、フォンブリュヌ解釈について、「&color(green){私のいままでのノストラダムス解読は、この、ノストラダムスの母国の研究家による新解釈で、完全に裏付けられた}」((同書p.216))と述べていたが、これへの釈明は一切ない。 --『朝日新聞』1982年8月16日朝刊には「話題のほん」として、批判的な短い書評が載っている。 **🌟ノストラダムスの大秘法 &small(){ついに解読された至高の運命予知術} -祥伝社(ノン・ブック)、1983年4月10日 --カバーの推薦者は梨元勝(芸能レポーター)「&color(brown){西洋占星術をはるかに凌ぐ驚異}」、山内雅夫(NHKチーフディレクター)「&color(brown){いま蘇る古代ユダヤの秘法}」。 --曜日占いを中心に、日付、月、年の占いを混ぜたもの。生まれ年に関する記述などには、1977年の『運命周期律』からの使い回しが見られる。ただし、『運命周期律』で挙げられている周期判断は、五島が自分で集めたデータに基づいて導いたものと位置付けられており、カバラなど一言も出てこない。 **影の軍団  -双葉社(双葉文庫)、1983年7月25日 --1981年のノベルス(新書判)を文庫化したもの。 --前書きも後書きもないが、「この作品は昭和55年11月より『週刊大衆』に連載されたものです」というノベルスにはなかった注記がある。その一方、ノベルスが先に刊行されていたという事実には一切触れられていない。 **第三の黙示録(プログラム) &small(){日本滅亡を狙う戦慄のコンロン計画} -祥伝社(ノン・ブック)、1983年12月20日 --カバーの推薦者は早見優(歌手)「&color(brown){ノストラダムス以上に恐ろしい本}」、森路英雄(国際戦略研究所代表)「&color(brown){『恐怖の極秘計画』の全貌}」。 --初期の刷本の帯には「&color(brown){知らないのは日本人だけだ!! 2,500年前の旧約聖書とノストラダムスの大予言は、戦後のコンロン計画とチベッツ極秘指令とピッタリ重なる。この怖るべき運命からどう脱却するか?}」とある。 **2000年5月5日 &small(){ポール・シフト!?} -三笠書房(ミカサブックス)、1984年6月10日 --カバーの推薦者はなし。 --ジョン・ホワイト『地球の最期を予測する』(竹内均・監訳)の姉妹編。当初は竹内監訳書の未訳部分をそのまま訳出する予定だったらしいが、五島がかなり改変しているようである。 --これを基にした文庫版が1987年に刊行された。 **超兵器戦争(スーパー・ウエポン・ゲーム) -双葉社(双葉文庫)、1984年7月25日 --1978年の祥伝社版『超兵器戦争』を文庫化したもの。 **ハルマゲドンの大破局 &small(){ついに解読されたユダヤ予言の謎} -光文社(カッパ・ビジネス)、1984年11月30日 --カバーの推薦者は邦光史郎(作家)「&color(brown){恐怖の世界の案内者・五島勉氏}」。 --かつて光文社の『週刊女性自身』のアンカーをつとめていた五島が、『大予言』以降に光文社から出した最初の本。 --1987年に文庫化された。 **幻の超古代帝国アスカ &small(){ついに発見された人類最古の地球文明} -祥伝社(ノン・ブック)、1985年5月5日 --カバーの推薦者は並河萬里(写真家)「&color(brown){ユネスコも注目する“アスカ”の謎}」、飛鳥涼(チャゲ&飛鳥)「&color(brown){知られざる超古代文明の発見}」、菊地秀行(作家)「&color(brown){スリリングな、もう一つの文明論}」。 --『マガジン・ノン』の連載をまとめたもの。 --この「アスカ」については、[[飛鳥昭雄]]と三神たけるも『失われた超大陸パンゲア文明「アスカ」の謎』(学研プラス、2016年)で取り扱うことになる(同書には、アスカに関する五島のコメントも、わずかではあるが載っている)。 **運命周期の大秘法 -双葉社(双葉文庫)、1985年7月25日 --1977年の『運命周期律』を底本にした文庫版(カバーの推薦者はなし)。 --五島自身が書き下ろしに近いと断っている通り、一部の題材が重複するが、全体としてはかなり異なる。前著では「八二~八三年に人類滅亡か」などという章もあったので、当然といえば当然であろう。 **黒い春 &small(){米軍・パンパン・女たちの戦後} -倒語社(空洞の戦後叢書)、1985年10月7日 -「編者」とされていた蒼樹社版と違い、五島は「著者」と位置付けられている。著者名にルビはない。 --1953年の『[[続・日本の貞操]]』の改題再版。再版に際して専用の前書きが追加されている。 --その前書きで「&color(green){本文中では}」「&color(green){三十数年前の古めかしい表現を、だいたいそのまま使った}」とあり、どの程度改変したのかがぼかされている。実際には、(特に終戦直後の)事件のあった日付などが10日程度遅くずらされている箇所がいくつもある。これは聞き書きと称する部分だけでなく、五島自身の調査報告の部分でさえもそうである。 --帯には一番ヶ瀬康子(日本女子大学教授)の推薦文があり、「&color(brown){この本を通じて、文字にきざみこまれた歴史のひとこまを、是非多くの人が読んで欲しい}」等と述べていた。 --古久保さくら「敗戦後日本における街娼という問題」(大阪市立大学『人権問題研究』1号、2001年、pp.4-16)では、この『黒い春』に載っている事例に言及されている。 --水間正憲「封印されていた占領下の米兵『日本人婦女子凌辱事件』ファイル」(『SAPIO』2007年4月11日号、pp.63-65)でも言及されており、『黒い春』について「&color(purple){その内容は、調書よりも残酷さがひしひしと伝わってくる}」とある。 **🌟[[ノストラダムスの大予言V]] &small(){ついに解けた1999年・人類滅亡の謎} -祥伝社(ノン・ブック)、1986年2月5日 --カバーの推薦者は金森誠也(静岡大学人文学部教授)「&color(brown){一九九九年以後の世界が見えた}」、桜井邦朋(神奈川大学工学部教授)「&color(brown){人類滅亡を防ぐ思想を求めて}」、小池一夫「&color(brown){『大予言』シリーズは学術書なのだ‼}」。 --『マガジン・ノン』の連載を再編集したもの。 --初期の刷本には「&color(brown){400万部突破の超ベストセラー 遂に完結!}」とあったが、その後も続編は出された。 **カバラの呪い -祥伝社(ノン・ポシェット)、1986年2月25日 --1976年のノベルス(新書版)を文庫化したもの。元版と違い、カバーの推薦者はなし。 --のちには、この文庫版を基に電子書籍化された。 **🌟&small(){ノストラ・コネクション} 地球少年ジュン -祥伝社(ノン・ポシェット)、1986年9月1日 --全3巻のうち、この巻のみ「あとがき」がある。 --山本弘は全3巻まとめて「&color(purple){五島氏の思想や趣味がわかって興味深い(いろんな意味で)}」等と評した((山本『トンデモ大予言の後始末』p.175))。 **🌟&small(){ノストラ・コネクション} 地球少年ジュン2 -祥伝社(ノン・ポシェット)、1986年12月20日 **THE LAST DAY(ザ・ラスト・デイ) &small(){地球終末の日はいつか} -光文社(光文社文庫)、1987年1月20日 --1984年の『2000年5月5日』の改定文庫版。 --巻末には「この本は、三笠書房より発行の五島勉著『二〇〇〇年五月五日』を底本として、新しい観点から著者が徹底的な改稿を加えたものです」と注記されているが、ジョン・ホワイトの元本には全く言及がない。 --初版の帯には「&color(brown){ノストラダムス研究の権威が、新資料で警告する地球滅亡の大予言。}」とある。 **🌟&small(){ノストラ最後の審判} 地球少年ジュン3 -祥伝社(ノン・ポシェット)、1987年5月1日 **世界の廃墟物語 &small(){失われた栄華の跡を求めて} -光文社(光文社文庫)、1987年5月20日 --1965年の大和書房版『世界の廃墟物語』の改訂文庫化。 --「編者」とされていた大和書房版と違い、五島は「著者」と位置付けられており、雑誌連載時の分担などはカットされている。著者名のルビは「ごとうべん」。 --口絵の写真がカットされた代わりに、ピラミッドの章とアスカの章が追加されている。 **🌟[[ノストラダムスの大予言スペシャル・日本編]] &small(){人類の滅亡を救うのは「日の国」だ} -祥伝社(ノン・ブック)、1987年12月20日 --カバーの推薦者は美内すずえ(漫画家)「&color(brown){人類滅亡を救う鍵は、日本にある}」、高橋克彦(作家)「&color(brown){救世主は、あなたかもしれない}」。 --初期の刷本には「&color(brown){450万部突破のスーパーセラー 『大予言』最新刊!}」等とある。 **&small(){ついに解読されたユダヤ予言の謎} ハルマゲドンの大破局 -光文社(光文社文庫)、1988年7月20日 --1984年に刊行された新書版を文庫化したもの。 **宇宙人謎の遺産 &small(){彼らこそ地球文明の影の支配者だ} -祥伝社(ノン・ポシェット)、1988年7月20日 --1977年のノン・ブック(新書判)の文庫化。カバーには、ノン・ブック版にあった竹村健一の推薦文からの抜粋が引用されている。 --内容も若干の調整がなされている。「まえがき」にしても、デニケン、ベルリッツ(バーリッツ)の名前が消えている。また、『ノストラダムスの大予言』シリーズとの関係について、ノン・ブック版では初巻しか出ていなかったため、「&color(green){私は一年半前に、『ノストラダムスの大予言』(ノン・ブック・祥伝社)を書き、人類の未来が悲劇的で異常なものになるらしいことを知った。それとおなじく、多くの遺物からみちびかれる人類の遠い過去も、やはり異常で悲劇的なものだったように思われるのである}」と書いていた。それが、この文庫では「&color(green){私はいままで一〇年以上かけて、『ノストラダムスの大予言』のシリーズ(ノン・ブック/祥伝社刊)を書き、いまとは別の文明を早急に打ち立てないかぎり、人類の未来が悲劇的で異常なものになるらしいことを知った。それとおなじく、多くの遺物からみちびかれる人類の遠い過去も、やはり異常で悲劇的なものだったように思われるのである}」と手直しされている。 **1999年以後 &small(){ヒトラーだけに見えた恐怖の未来図} -祥伝社(ノン・ブック)、1988年10月5日 --カバーの推薦者は望月三起也(漫画家)「&color(brown){ノストラダムスを超えた恐怖の予言}」、菊地秀行(作家)「&color(brown){われわれの未来に待つものは?}」。 --初期の刷本の帯には「&color(brown){ノストラダムスの『大予言』シリーズ ここに新展開‼}」とある。 --2015年に題名と判型を変えて再版された。 --[[ASIOS]] 『「新」怪奇現象41の真相』(彩図社、2016年)にて、創作の多さなどを指摘されている(項目担当者は[[山本弘]])。 **&small(){古代ユダヤの秘法} カバラの幸運術 &small(){生まれた曜日があなたの運命を左右する} -光文社(カッパ・ブックス)、1988年12月20日 --カバーの推薦者は中井美穂(フジテレビ・アナウンサー)「&color(brown){占い不信の私も熟読!}」。 --1983年の『ノストラダムスの大秘法』について言及があり、「&color(green){それから十年近くたち}」(実際は5年)、新たに発見した「&color(green){いくつかの重要な新しいカバラ法則}」と「&color(green){前の本では書ききれなかった部分}」を中心にしたとある((同書 p.15))。続編、もしくは同じ題材を扱った再構成系の著作と位置付けられるだろう(ただし、ノストラダムスにはほとんど言及がない)。 --なお、1985年の『運命周期の大秘法』とも少なからず重なる題材を含むが、そこに登場した「タントラ=カバラ」(カバラのルーツはインドのタントラにあるという意味不明な概念)は、こちらの本には登場しない。 --大和書房版『世界の廃墟物語』でも名が挙がっていた光文社の雲村俊慥がこの当時は文庫編集部にいて、元は文庫用として依頼された書き下ろし原稿だったという。しかし、編集部内で出来の良さを評価されてカッパ・ブックスに回されたらしい((京谷六二「カッパ・ブックスの遺伝子 五島勉1」『出版人・広告人』2018年12月号))。 --そうした編集部内の意気込みを反映したものか、初版の帯には「&color(brown){占星術でも、四柱推命でも、天中殺でもない! これが究極の占いだ!}」と謳われていた。 **ユダヤ深層予言 &small(){なぜ、ダニエルに「終末の日」が見えたか} -祥伝社(ノン・ブック)、1989年9月30日 --カバーの推薦者は徳光和夫(アナウンサー)「&color(brown){地球人の一人として、ぜひ一読を}」、矢追純一(TVディレクター)「&color(brown){ユダヤ予言に潜む“宇宙人の謎”}」、桜井邦朋(神奈川大学教授・元NASA研究員)「&color(brown){本書こそ、現代の予言書だ}」。 --初期の刷本の帯には「&color(brown){破局の日は近い! 救いはないのか? “ダニエルからノストラダムス”に至る『ユダヤ予言体系』の戦慄すべき真実}」とある。 *『ノストラダムスの大予言』以後(3)1990年代 **「1998年日本崩壊」エドガー・ケーシーの大予告 &small(){日本人これから10年戦慄の興亡} -青春出版社(プレイブックス)、1990年2月5日 --カバーの推薦者は舛添要一(国際政治学者)「&color(brown){この恐怖と不安の10年間、私たちは一体どうなるのか!?}」、竹村健一(評論家)「&color(brown){突如あらわれる悲劇は、とても口に出せない戦慄の内容だ}」、山口令子(ジャーナリスト)「&color(brown){“'98年日本大破局”を回避できる知恵が私たちにあるのだろうか}」、荒俣宏(作家)「&color(brown){今世紀最大の予言者が予告した悲劇的な日本大破局の図式}」。 --志水一夫は「&color(purple){予言の解釈においても事実関係においても、五島氏の予言本の例にもれず、なかなかに問題が多いものである}」((『大予言の嘘』p.233))と評した。 **宇宙人謎の遺産 &small(){彼らこそ地球文明の影の支配者だ} -祥伝社(ノン・ブック 愛蔵版)、1990年4月5日 --1977年のノン・ブック版、1988年のノン・ポシェット版の愛蔵版。直接的には後者に微加筆されている。また、口絵が付いた。 --カバーの推薦者は竹村健一「&color(brown){推理小説を凌ぐ怪しい魅力}」、西丸震哉(食生態学者)「&color(brown){さすがの私も驚歎、敬服!}」、矢追純一「&color(brown){胸ときめかせる、古典的名著}」。竹村と矢追に肩書などはなし。竹村、西丸の推薦文はノン・ブック版のままだが、矢追は愛蔵版向けに寄せられたもの。なお、カバーのレイアウト変更にともない、後の版では西丸の推薦文がカットされている。 --「まえがき」が「愛蔵版のための『まえがき』」になっているが、内容はノン・ポシェット版の「まえがき」を微調整したもの。 **狙われた地球 &small(){新版・ツングース恐怖の黙示} -祥伝社(ノン・ポシェット)、1990年5月30日 --1977年の『ツングース恐怖の黙示』の改題文庫版。 --カバーには桜井邦朋による1977年版の推薦文の抜粋が引用されている。 **🌟[[ノストラダムスの大予言・中東編]] &small(){中東(フセイン)危機は人類破局への序曲だ} -祥伝社(ノン・ブック)、1990年11月5日 --カバーの推薦者は森口博子(タレント)「&color(brown){運命を決めるのは自分だ}」、井沢元彦(作家)「&color(brown){“警告としての予言”に耳を傾けよ}」。 --初版の帯には「&color(brown){『日の国』(ソレイユ)だけが“地球崩壊”を防げる}」とあったが、1991年3月の刷本の帯には「&color(brown){フセインの野望とその末路を予言!}」とある。 **&small(){生命転生の秘密} カルマの法則 &small(){あなたは死後どうなるか} -祥伝社(ノン・ポシェット)、1991年4月20日 --1978年のノン・ブック版『カルマの法則』を文庫化したもの。 --カバーには、過去の推薦文からの引用などもなし。 --のちには、この文庫版を底本に、電子書籍化された。 **聖徳太子「未来記」の秘予言 &small(){1996年世界の大乱、2000年の超変革、2017年日本は} -青春出版社(プレイブックス)、1991年9月15日 --カバーの推薦者は阿部正路(国学院大学文学部教授・文学博士、中国長春市・東北師範大学客員教授)「&color(brown){『予知』という視点からの聖徳太子『未来記』の分析は新鮮な驚きだ!}」、生島ヒロシ(キャスター)「&color(brown){『未来記』が記す“日本”にこれから先何が起こるか―この緊迫した時代に必読!}」。 --[[と学会]] 『トンデモ本の世界』(洋泉社、1995年)でレビューされている(レビュアーは藤倉珊)。 --ウェブサイト『超常現象の謎解き』の「[[古代日本最高の知性が見通す未来「聖徳太子の予言」>>http://www.nazotoki.com/shotokutaishi.html]]」で問題点が指摘されている。 --また、続編の問題点もまとめて指摘する形で、[[原田実]]『トンデモ日本史の真相』およびその分冊文庫版である『トンデモ日本史の真相・人物伝承編』で扱われている。 **🌟[[ノストラダムスの大予言・残された希望編]] &small(){世界破滅を防ぐ日本の使命} -祥伝社(ノン・ブック)、1992年2月25日 --カバーの推薦者は桜井邦朋(神奈川大学教授・宇宙物理学)「&color(brown){賢明さと努力が“希望”をもたらす}」。 **エドガー・ケーシーの最終予告1998年"裁きの救世主" &small(){その謎の正体は?そして人類の運命は…} -青春出版社(プレイブックス)、1992年12月15日 --カバーの推薦者は舛添要一(国際政治学者)「&color(brown){“人類が託す最後の切り札”について、私も目を離せない!}」、福岡克也(立正大学教授、地球環境財団理事)「&color(brown){人類のサバイバルを考える人間として、本書は大いなる警鐘だ!}」、寺田理恵子(キャスター)「&color(brown){ショック!軽い気持ちで読み始めたら後悔します!}」。 --1990年の『エドガー・ケーシーの大予告』の続編。 **&small(){隠された予言} イソップ物語の謎 &small(){"人類の遺産"が発信する戦慄のメッセージ} -祥伝社(ノン・ブック)、1993年4月5日 --カバーの推薦者は志茂田景樹(作家)「&color(brown){世紀末の大人のための切実な教訓}」、南博(一橋大学名誉教授)「&color(brown){“本当の自己”を知り、未来を築け}」。 --各章の最後には心理テストがついており、巻末に「解答編」がある。前年のベストセラー1位は『それいけ×ココロジー』(1・2・3巻)であり(トーハン調べ)、当時の通俗的な心理テストのブームを踏まえた形式だったものと思われる。なお、その権威づけのためか、心理学者の秋山達子から生前アドバイスを受けていた話が出てくる。 --[[山田高明]]『トンデモ予言者大集合』(KKベストセラーズ、1998年)でレビューされている。 **&small(){幻の予言書"先代旧辞"の封印は切られた} 2000年聖徳太子からの最終告知 &small(){その日、旧文明は全滅し、"新しいアマテラス"が来る} -青春出版社、1993年12月1日 --カバーの推薦者はなし。 --1991年の『聖徳太子「未来記」の秘予言』の続編だが、こちらは四六判で、版型が異なる。 **🌟[[ノストラダムスの大予言・地獄編]] &small(){1999年未知の超エルニーニョが地球を襲う} -祥伝社(ノン・ブック)、1994年4月30日 --カバーの推薦者は西丸震哉(食生態学研究所長)「&color(brown){『残り時間』を、あなたはどう生きる}」。 **🌟&small(){1995~1999 and α?} [[ノストラダムスの超法則 死活の書]] &small(){〈迫り来るシレーヌの大破局〉を覆す恐るべき未来バイブル} -青春出版社(プレイブックス)、1994年12月1日 --カバーの推薦者は舛添要一(国際政治学者)「&color(brown){あのノストラダムスが『生き残りの法則』を遺していた事実に圧倒される!}」、竹村健一(評論家)「&color(brown){真の生命力を問われる激動の時代に必読の、恐るべきパワーの書!}」。 **&small(){聖なる予言者〈聖徳太子〉の"救いの創世記"} 天と地の予言書 &small(){「1999年ハルマゲドンか希望か」ノストラダムスを超える衝撃} -青春出版社(プレイブックス)、1995年6月5日 --カバーの推薦者は舛添要一(国際政治学者)「&color(brown){日本再浮上のカギを示唆する本書は、混迷の現代の必読書だ!}」、藤本義一(作家)「&color(brown){歴史のタブーを打ち破った著者渾身の一冊だ!}」。 --1993年の『2000年聖徳太子からの最終告知』をもとに、内容を大幅に改訂した新書版。 **&small(){カルマを超える}アマラの法則 &small(){あなたは死後こうなる} -祥伝社(ノン・ブック)、1995年8月5日 --カバーの推薦者は南博(一橋大学名誉教授)「&color(brown){科学的に究明されるべき未知現象}」。 --『イソップ物語の謎』と同じく、本文中には生前の秋山達子から教えられていたと主張する話が登場する。 --宮崎哲弥は「&color(purple){主だった新新宗教の雛形的存在である宗教団体GLA系の教祖、高橋佳子を持ち上げる本}」とし、「&color(purple){まったく懲りない人のようである}」((宮崎、前掲書、p.91))と評している。なお、五島のこの本では高橋佳子について、教団名などは記載されず「&color(green){若い誠実な穏やかな宗教家で、天才的な霊感者と言われている}」((同書p.210))とだけ紹介され、その手紙の概要紹介がこの本の結論部分を構成している。 --「カルマを超える」と銘打たれているが、のちに『カルマの法則』が電子書籍化されたのに対し、『アマラの法則』の方は電子書籍化されていない(2020年8月時点)。 **🌟[[1999年日本「大予言(ノストラダムス)」からの脱出]] &small(){終末を覆す「来るべきものたちの影」} -光文社(カッパ・ビジネス)、1996年1月30日 --カバーの推薦者はなし。 --H・G・ウェルズを主題にした予言解釈書。 --編集者の京谷六二が五島に、希望のある方向でとリクエストして執筆が始まったらしく、打ち合わせの中でウェルズを軸にすることも決まったという((京谷「カッパ・ブックスの遺伝子 五島勉2」『出版人・広告人』2019年1月号))。   **神々の陰謀 &small(){ハルマゲドンの真の密約を追って} -扶桑社、1997年3月10日 --カバーの推薦者はなし。 --『大予言』以降の著書では例外的に、著者名のルビが「ごとうつとむ」となっている。 --題名はグラハム・ハンコック『神々の指紋』全2巻(1996年ベストセラー3位、トーハン調べ)に便乗したものだろう。実際、序文では、自分の本のほうが「&color(green){ハンコックよりさらにショッキングで切り口が新しく正しい}」と主張している。 **🌟&small(){ノストラダムス†幸運の秘法} 赤い糸・黒い糸の書 &small(){見えない「愛と運命の糸」をひき寄せられる} -青春出版社(プレイブックス)、1997年3月20日 --カバーの推薦者はなし。以降のプレイブックスで、推薦者が掲載されているものはない。 **アジア黙示録 &small(){ハルマゲドン・シフトが日本を襲う} -光文社(カッパ・ブックス)、1997年10月30日 --カバーの推薦者はなし。 **🌟[[ノストラダムスの大予言・最終解答編]] &small(){1999年、"恐怖の大王"の正体と最後の活路} -祥伝社(ノン・ブック)、1998年7月25日 --カバーの推薦者は高橋克彦(作家)「&color(brown){大いなる希望}」。推薦文は巻末特別寄稿の抜粋。 --結果的に『ノストラダムスの大予言』シリーズの最終巻になった。 **🌟ザ・ラスト・イヤー &small(){「死海文書」・ノストラダムス・アインシュタイン日本人への最後の警告} -光文社(カッパ・ブックス)、1998年11月20日 --カバーの推薦者はなし。 --初版の帯には「&color(brown){ノストラダムスの大予言をアインシュタインが修正した! 緊急書下ろし!}」とある。 **世界最終戦争(ハルマゲドン)の秘密 &small(){日本と世界はこれからどうなっていくのか?} -扶桑社(扶桑社文庫)、1999年5月30日 --1997年の『神々の陰謀』の文庫化。 --初版の帯には「&color(brown){ノストラダムスが予言した、あの夏が来る! ハルマゲドンの真の意味がここに明かされる!}」とある。 --著者名にルビはないが、著作権表示のローマ字表記が Tsutomu Goto となっている。 **イソップ物語 その恐ろしい真相 &small(){「オオカミ少年」「アリとキリギリス」…が暗示する人類の未来} -祥伝社(祥伝社文庫)、1999年6月15日 --1993年の『イソップ物語の謎』を改題・改訂して文庫化したもの。 --巻末の断り書きでは「改題し、大幅に加筆したもの」とあるが、実際には、各章末にあった心理テストと巻末の「解答編」が全面的にカットされたほか、新書版で秋山達子(故人)から示唆を受けたとして「秋山さんに捧げる追悼の予言書」としていたコメント、「ギリシャ秘数4095」を基に現代がオメガ(終末)の時代だとしていた主張、イソップがデルポイで神託を受けたという説など、消されている要素も数多い。 --なお、この文庫版刊行当時、桐生操『本当は恐ろしいグリム童話』がベストセラーになっていた(トーハン調べで1巻が1998年のベストセラー14位、1・2巻の合計が1999年のベストセラー4位)。変更された題名は、おそらくそうした世情と無関係ではないだろう。 *『ノストラダムスの大予言』以後(4)2000年代 **アザーズ 別のものが来る &small(){ケーシー・ホーキング・ビルゲイツも予見する人類と日本の超・創世紀} -青萠堂、2000年4月10日 --カバーの推薦者はなし。 --初版の帯には「&color(green){本書発刊にあたって}」と題する五島自身の短いコメント(前書きや後書きの抜粋ではない)がある。 --[[山本弘]]は、この本に見られる初歩的なIT知識の誤りなどを例示しつつ、「&color(purple){インターネット・ブームに便乗し、新聞やテレビで得た乏しい知識だけを材料に、創作で数十倍にふくらませた本}」等と評した((『トンデモ大予言の後始末』pp.57-59))。 --『週刊女性』では、「&color(purple){なんのことはない“[[恐怖の大王]]”がダメなら“[[別のもの]]”が来る、というわけ。この変わり身の早さと打たれ強さがある限り、地球が滅亡してもこの人は生きていけそう!?}」((『週刊女性』2000年7月11日号))と揶揄された。 **聖母マリア悲しみの大予言 &small(){20世紀世界の権力者たちを陰で動かしてきた極秘手記} -青春出版社(プレイブックス)、2000年7月25日 --1981年の『ファティマ・第三の秘密』と内容的に重なる部分を含む。同じ題材を使った加筆再構成系の著書といえるだろう(ただし、本文中で『ファティマ・第三の秘密』との関連についての言及はない)。 --この年にローマ教皇庁が[[ファティマ第三の秘密]]の内容を公表し、話題になっていたことを踏まえたものと思われる。 **&small(){究極の終戦秘史} 日本・原爆開発の真実 &small(){米国を戦慄させた破壊力と昭和天皇の決断} -祥伝社(ノン・ブック)、2001年9月10日 --カバーの推薦者はなし。 --この内容の問題点については、[[原田実]]『トンデモ日本史の真相』およびその分冊文庫版である『トンデモ日本史の真相・人物伝承編』で指摘されている。 **🌟[[イスラムvs.アメリカ 「終わりなき戦い」の秘予言]] -青春出版社(プレイブックス)、2002年1月1日 --帯には「緊急出版」の文字も見られる。 --[[恐怖の大王]]は2001年の同時多発テロ事件のことだったとする主張の初登場で、以降の五島の著書ではその釈明が繰り返し語られることになる。 **予言体系I [釈迦と日蓮] やはり世界は予言で動いている &small(){光と闇の奥書} -青萠堂、2004年7月30日 --「予言体系I」とシリーズ化が想定されていたかのような題名だが、II以降は刊行されていない。 **イソップ物語 その恐ろしい真相(電子書籍版) -祥伝社、2006年 --1999年の文庫版を底本に電子書籍化したもの。 **狙われた地球(電子書籍版) -祥伝社、2008年 --1990年の文庫版を底本に電子化したもの。 *『ノストラダムスの大予言』以後(5)2010年代 **未来仏ミロクの指は何をさしているか &small(){2012年・25年・39年の秘予言} -青萠堂、2010年3月25日 --カバーの推薦者はなし。 --[[と学会]] 『[[トンデモ本の新世界 世界滅亡編]]』(文芸社、2012年)でトンデモ本として紹介されている(レビュアーは多田克己)。 **🌟[[予言・預言対談 飛鳥昭雄×五島勉]] &small(){ノストラダムスの正体と黙示録の真実} -学研パブリッシング([[ムー・スーパー・ミステリー・ブックス]])、2012年12月31日 --題名の通り、[[飛鳥昭雄]]との対談本。 **H.G.ウェルズの予言された未来の記録 -祥伝社、2013年5月5日 --カバーの推薦者はなし。 --1996年の『1999年日本「大予言」からの脱出』と同じ題材(ウェルズの『世界はこうなる』)を基にした再構成系の著書。 --[[ASIOS]] 『謎解き超常現象IV』(彩図社、2015年)で、創作の多さや事実に反する記述などが指摘されている(項目担当者は[[山本弘]])。 **🌟[[ノストラダムスの大予言 (電子書籍版)]] -祥伝社、2014年 --電子版のためのまえがき、あとがきが追加されている。 **ヒトラーの終末予言 &small(){側近に語った2039年} -祥伝社、2015年8月10日 --カバーの推薦者はなし。 --1988年の『1999年以後』の内容の改訂(ソウルオリンピックに関する陰謀事件などを含む1章をカットする一方、一部の情報を追記)し、改題したもの。 --2020年に歿した五島にとって、結果的に最後の著作になった。 *外国語訳 **LA CASTECO DE JAPANIO -Esperanto-Tusinsha, 1954 --MIZUNO Hirosi, GOTOO Cutomu 著。『日本の貞操』のエスペラント語訳版だという。 --国立国会図書館では宮崎県立図書館の蔵書としてヒットするが、当の宮崎県立図書館のオンライン目録ではヒットしないので、詳細は不明。 --当「大事典」管理者はエスペラント語には不案内だが、題名をGoogle翻訳にかけると The Case of Japan と出る。「日本の事例」といった意味だろうか。 **🌟1999年人类大劫难 (1999年人類大劫難) -学苑出版社(北京)、1989年6月。年月のみで出版日までは書かれていない。 -五岛勉著、杨劲松等译 --『ノストラダムスの大予言』の中国語訳版。中国語版は複数の出版社で出ていたらしいことが分かるため、これが最初の訳かどうかは分からない。 --「劫難」は災難の意味。 **🌟노스트라다무스의 대예언 1999 (ノストラダムスの大予言1999) -베스트북스, 1998 --『ノストラダムスの大予言』の韓国語訳版。 --Googleブックスだと、これとは別に五島の本として노스트라다무스의지구대멸망(ノストラダムスの地球滅亡)という題名の本もヒットするが、詳細な書誌がないのでよく分からない。 ---- ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。

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