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『&bold(){ミラビリス・リベル}』(Mirabilis Liber ; 後代には Liber Mirabilis とも)は1520年代にフランスで刊行された編著者不明の予言書。[[ピエール・チュレル]]、[[リシャール・ルーサ]]、[[ギヨーム・ポステル]]、[[ノストラダムス]]らに対し、直接・間接的に少なからぬ影響を及ぼした。なお、ミラビリス・リベルとは『驚異の書』を意味するラテン語であるが、今日の英語圏、仏語圏などでは、訳出されることはほとんどなく、半ば固有名詞化しているため、ここでもそのように扱う。
#ref(mirabilis.PNG)((画像の出典: &italic(){Nostradamus/Early Printed Books, April 23, 2007}(SWANN, 2007)))
現在のところ、1522年にパリで出された版が初版と考えられている。1520年代に、他に8つの版が刊行された。なお、後述の理由により、この文書のオリジナルは1510年代後半には登場していたと考えられている。
2部構成(初版では全88葉)になっており、第1部(68葉まで)はラテン語、第2部(残り)はフランス語で書かれている。
古来の著名な聖人らの予言を集めた、という体裁になっているが、各聖人の予言については偽書も少なくないとの指摘がある。なお、[[ジロラモ・サヴォナローラ]]の『[[天啓大要]]』や、[[ヨハン・リヒテンベルガーの占筮]]からの抜粋も含まれている。
1522年の初版では、神聖ローマ帝国の皇帝選挙(1519年)の際に[[フランソワ1世]]が選出されると理解できる「予言」が含まれていることから、現在では、元来この文書は選挙前に彼を支援する目的で作成されたのではないか、と見られている。ちなみに、実際に選ばれたのはカール5世であり、ゆえにその部分は初版以外では削られている。
編著者は不明である。[[ジョーム・ド・ノートルダム]]が関与したとする説もあるが、これはむしろ誤って関連付けられたものであろう。
*参考文献
-Jennifer Britnell and Derek Stubbs , “The Mirabilis Liber: its Compilation and Influence” , &italic(){Journal of the Warburg and Courtauld Institutes}, Volume 49, 1986, pp.126-149
*外部リンク
-[[Wikipedia日本語版の「ミラビリス・リベル」の項>>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%83%93%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%99%E3%83%AB]](各章の概要や現存状況などについて詳述している)
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『&bold(){ミラビリス・リベル}』(Mirabilis Liber ; 後代には Liber Mirabilis とも)は1520年代にフランスで刊行された編著者不明の予言書。[[ピエール・チュレル]]、[[リシャール・ルーサ]]、[[ギヨーム・ポステル]]、[[ノストラダムス]]らに対し、直接・間接的に少なからぬ影響を及ぼした。なお、ミラビリス・リベルとは『驚異の書』を意味するラテン語であるが、今日の英語圏、仏語圏などでは、訳出されることはほとんどなく、半ば固有名詞化しているため、ここでもそのように扱う。
#ref(mirabilis.PNG)((画像の出典: &italic(){Nostradamus/Early Printed Books, April 23, 2007}(SWANN, 2007)))
*出現の背景
現在のところ、1522年にパリで出された版が初版と考えられている。1520年代に、他に8つの版が刊行された。なお、後述の理由により、この文書のオリジナルは1510年代後半には登場していたと考えられている。
1522年の初版では、神聖ローマ帝国の皇帝選挙(1519年)の際に[[フランソワ1世]]が選出されると理解できる「予言」が含まれていることから、現在では、元来この文書は選挙前に彼を支援する目的で作成されたのではないか、と見られている。ちなみに、実際に選ばれたのはカール5世であり、ゆえにその部分は初版以外では削られている。
*内容
2部構成(初版では全88葉)になっており、第1部(68葉まで)はラテン語、第2部(残り)はフランス語で書かれている。
古来の著名な聖人らの予言を集めた、という体裁になっているが、各聖人の予言については偽書も少なくない。そのうち、特にノストラダムスに影響を及ぼしたとされるのは
-[[偽メトディウス]](第1章)
-[[ティブルのシビュラ]](第2章)
-アドソの反キリスト論(第3章)
-ヨハン・リヒテンベルガーの占筮(第5章)
-ジロラモ・サヴォナローラの『天啓大綱』(第18章)
などである。
*編著者
編著者は不明である。[[ジョーム・ド・ノートルダム]]が関与したとする説もあるが、これはむしろ誤って関連付けられたものであろう。
*参考文献
-Jennifer Britnell and Derek Stubbs , “The Mirabilis Liber: its Compilation and Influence” , &italic(){Journal of the Warburg and Courtauld Institutes}, Volume 49, 1986, pp.126-149
*外部リンク
-[[Wikipedia日本語版の「ミラビリス・リベル」の項>>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%83%93%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%99%E3%83%AB]](良質な記事に選出。主執筆者は当「大事典」管理者でもある sumaru。各章の概要や現存状況などについて詳述している)
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