百詩篇第6巻96番

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*原文 Grande&sup(){1} cité&sup(){2} à souldartz&sup(){3} habandonnee&sup(){4}, Onques&sup(){5} ny&sup(){6} eust&sup(){7} mortel tumult&sup(){8} si proche&sup(){9}, O&sup(){10} quel&sup(){11} hideuse calamité&sup(){12} s'approche&sup(){13}, [[Fors>fors]] vne offence&sup(){14} n'y&sup(){15} sera pardonnee. **異文 (1) Grande : Grand 1611B 1649Ca 1672 (2) cité : Cité 1672 (3) souldartz 1557U 1557B 1589PV : soldartz 1568A 1568B, soldatz 1568C 1568I 1590Ro, Soldats 1672, soldats &italic(){T.A.Eds.} (4) habandonnee 1557U 1557B 1589PV : abandonnee 1597 1600 1610 1611A 1627 1649Xa 1650Ri 1660, abendonnée 1653, abandonnée &italic(){T.A.Eds.} (5) Onques : Onc 1597 1605 1611 1628 1649Ca 1649Xa 1660 1667 1668 1672, On 1610, On que 1627 (6) ny : n'y 1568C 1568I 1589PV 1590Ro 1597 1600 1610 1611 1627 1644 1650Ri 1653 1660 1665 1668P 1716 1772Ri 1840 (7) eust : eu 1600 1610 1627 1644 1650Ri 1716, eut 1590Ro 1597 1605 1628 1649Xa 1653 1672 (8) tumult : tumul 1627 (9) proche : proches 1627 (10) O : Oh ! 1627, O ! 1644 (11) quel 1557U 1557B 1568A 1568B 1568C 1589PV 1772Ri : quel' 1590Ro, qu'elle 1610 1611 1628 1649Ca 1650Le 1668A, quelle &italic(){T.A.Eds.} (12) calamité : mortalité 1597 1600 1610 1611 1627 1644 1650Le 1650Ri 1653 1660 1665 1668 1716 1840, calamités 1649Xa 1672 (13) s'approche, : s'approche! 1660, approche, 1649Xa 1672 (14) offence : offense 1605 1611 1628 1649Ca 1650Le 1660 1668 1772Ri (15) n'y : ny 1557B 1568A 1568B **校訂 habandonnee は当然 abandonnée となるべき。 *日本語訳 大いなる都市は兵士たちに委ねられる。 こんなに切迫した致命的な騒擾はかつてなかった。 おお、何という忌まわしい惨禍が近づいていることか。 一つの攻撃を除けば、そこで許されるものはないだろう。 **訳について  大乗訳1行目「都市は兵士たちをみすて」((大乗 [1975] p.199))は不適切。à souldartz が a soldats になっている原文を採用しているので、それの訳としては誤訳ではないが、その原文を採用する場合、時制は過去を表していることになる。  同2行目「死のような動乱が間近に」は、onc を使った否定文が全く訳に反映されていない。 *信奉者側の見解  [[1656年の注釈書>Eclaircissement des veritables Quatrains de Maistre Michel Nostradamus]]では、1557年8月のサン=カンタンの掠奪と解釈されているようである((Leoni [1982]))。[[テオフィル・ド・ガランシエール]]もこの解釈を採用している((Garencieres [1672]))。  [[アナトール・ル・ペルチエ]]や[[ジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌ]]は、それぞれの時点から見て未来に起こるであろうパリの壊滅の様子と解釈した((Le Pelletier [1867a], Fontbrune [1980/1982]))。 *同時代的な視点  かなり漠然とした詩ではあるが、[[ピーター・ラメジャラー]]や[[ジャン=ポール・クレベール]]は、16世紀当時に単に「大いなる都市」といった場合、ローマを指しているのだろうとしている。ラメジャラーは『ミラビリス・リベル』において、ローマが侵略されることが予言されているため、それとの関連性を指摘している((Lemesurier [2003b], Clébert [2003]))。  仮にローマだとするならば、カール5世による「ローマの掠奪」(サッコ・ディ・ローマ、1527年)とも関連付けることが出来るのではないだろうか。  ただ、いずれにしても4行目について説得的な解釈を展開した者は今のところいないようである。 ---- #comment
*原文 Grande&sup(){1} cité&sup(){2} à souldartz&sup(){3} habandonnee&sup(){4}, Onques&sup(){5} ny&sup(){6} eust&sup(){7} mortel tumult&sup(){8} si proche&sup(){9}, O&sup(){10} quel&sup(){11} hideuse calamité&sup(){12} s'approche&sup(){13}, [[Fors>fors]] vne offence&sup(){14} n'y&sup(){15} sera pardonnee. **異文 (1) Grande : Grand 1611B 1649Ca 1672 (2) cité : Cité 1672 (3) souldartz 1557U 1557B 1589PV : soldartz 1568A 1568B, soldatz 1568C 1568I 1590Ro, Soldats 1672, soldats &italic(){T.A.Eds.} (4) habandonnee 1557U 1557B 1589PV : abandonnee 1597 1600 1610 1611A 1627 1649Xa 1650Ri 1660, abendonnée 1653, abandonnée &italic(){T.A.Eds.} (5) Onques : Onc 1597 1605 1611 1628 1649Ca 1649Xa 1660 1667 1668 1672, On 1610, On que 1627 (6) ny : n'y 1568C 1568I 1589PV 1590Ro 1597 1600 1610 1611 1627 1644 1650Ri 1653 1660 1665 1668P 1716 1772Ri 1840 (7) eust : eu 1600 1610 1627 1644 1650Ri 1716, eut 1590Ro 1597 1605 1628 1649Xa 1653 1672 (8) tumult : tumul 1627 (9) proche : proches 1627 (10) O : Oh ! 1627, O ! 1644 (11) quel 1557U 1557B 1568A 1568B 1568C 1589PV 1772Ri : quel' 1590Ro, qu'elle 1610 1611 1628 1649Ca 1650Le 1668A, quelle &italic(){T.A.Eds.} (12) calamité : mortalité 1597 1600 1610 1611 1627 1644 1650Le 1650Ri 1653 1660 1665 1668 1716 1840, calamités 1649Xa 1672 (13) s'approche, : s'approche! 1660, approche, 1649Xa 1672 (14) offence : offense 1605 1611 1628 1649Ca 1650Le 1660 1668 1772Ri (15) n'y : ny 1557B 1568A 1568B **校訂 habandonnee は当然 abandonnée となるべき。 *日本語訳 大いなる都市は兵士たちに委ねられる。 こんなに切迫した致命的な騒擾はかつてなかった。 おお、何という忌まわしい惨禍が近づいていることか。 一つの攻撃を除けば、そこで許されるものはないだろう。 **訳について  大乗訳1行目「都市は兵士たちをみすて」((大乗 [1975] p.199))は不適切。à souldartz が a soldats になっている原文を採用しているので、それの訳としては誤訳ではないが、その原文を採用する場合、時制は過去を表していることになる。  同2行目「死のような動乱が間近に」は、onc を使った否定文が全く訳に反映されていない。 *信奉者側の見解  [[1656年の注釈書>Eclaircissement des veritables Quatrains de Maistre Michel Nostradamus]]では、1557年8月のサン=カンタンの掠奪と解釈されているようである((Leoni [1982]))。[[テオフィル・ド・ガランシエール]]もこの解釈を採用している((Garencieres [1672]))。  [[アナトール・ル・ペルチエ]]や[[ジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌ]]は、それぞれの時点から見て未来に起こるであろうパリの壊滅の様子と解釈した((Le Pelletier [1867a], Fontbrune [1980/1982]))。 *同時代的な視点  かなり漠然とした詩ではあるが、[[ピーター・ラメジャラー]]や[[ジャン=ポール・クレベール]]は、16世紀当時に単に「大いなる都市」といった場合、ローマを指しているのだろうとしている。ラメジャラーは『ミラビリス・リベル』において、ローマが侵略されることが予言されているため、それとの関連性を指摘している((Lemesurier [2003b], Clébert [2003]))。  仮にローマだとするならば、カール5世による「ローマの掠奪」(サッコ・ディ・ローマ、1527年)とも関連付けることが出来るのではないだろうか。  ただ、いずれにしても4行目について説得的な解釈を展開した者は今のところいないようである。 ---- ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。

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