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[[ミシェル・ノストラダムス師の予言集]]の&bold(){詩百篇第4巻}(&bold(){百詩篇第4巻})は、100篇の四行詩で構成されている。補遺篇などは存在しない。
53番までは[[予言集初版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1555年リヨン)]]に収録されていた。
54番から100番までは、現在確認できる範囲内では、[[1557年版予言集>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1557年)]]で初めて追加された。
*翻訳
以下に詩百篇第4巻の全100篇の翻訳を提供する。
詩番号にリンクが貼ってあるものは、別ページに解説を用意してある。各詩解説ページの原文の底本には、53番までは初版 (1555V) を、54番以降は1557年9月6日版 (1557U) をそれぞれ使用した。
訳文はいずれも不断の見直しを必要とする仮訳だが、とりわけ解説を作成していない詩については、今後の詳細な分析の中で、主として採用する訳文が大きく変更される可能性があることを、あらかじめご承知おきいただきたい。
[[1>百詩篇第4巻1番]]
流れ出ていない血の残りであるところの
[[ヴェネツィア]]は、助けが与えられることを求める。
あまりにも長いあいだ待たされた後で、
都市は最初に鳴らされた角笛で引き渡される。
2
死によってフランスは航海を計画するだろう。
艦隊は海を行き、(人々は)ピレネー山脈を行進する。
スペインは混乱する。軍隊の連中は行進する。
最も高貴な婦人の何人かがフランスに連れ去られる。
3
アラスとブールジュと[[ブロド>Brode]]の大歩兵部隊、
さらにはより大勢のガスコーニュ人たちが、徒歩で戦う。
[[ローヌ川]]流域の人々はスペイン人たちの血を流させるだろう、
サグントが座する丘陵の近くで。
4
力なき君主は怒らされ、嘆かされ、喧嘩する、
雄鶏とリビア人たちとによる誘拐と掠奪のせいで。
地べたには貴人、海には無数の帆。
信頼できるイタリアはケルト人たちを駆逐するだろう。
[[5>百詩篇第4巻5番]]
十字架は完全なる[[みことば]]のもとで平和に。
スペインとガリアはひとつにまとまるだろう。
大災厄は近く、戦いは極めて過酷に。
動揺しないほどに豪胆な者などいないだろう。
[[6>百詩篇第4巻6番]]
新たな服装の発見が行われた後に、
悪意と陰謀と策謀が。
その証拠を示す第一の者が死ぬだろう。
[[ヴェネツィア]]の色(に)、謀略。
[[7>百詩篇第4巻7番]]
偉大だが嫌悪される君主の最も年下の息子は、
二十歳で癩病の大きな染みができるだろう。
悲嘆でその母親はかなり塞ぎこみ、やつれ、死ぬだろう。
そして彼は臆病な指導者の墓がある場所で死ぬだろう。
[[8>百詩篇第4巻8番]]
大都市は突然の急襲で
夜に驚かされ、歩哨が中断される。
聖クインティヌス(の日)、(祝日の)前夜、宵課(の頃に)、
歩哨たちは惨殺され、門扉は破られる。
9
陣営の指導者は群集の真ん中で、
股に一矢を受けて負傷するだろう。
涙と悲嘆にくれる[[ジュネーヴ]]が、
ローザンヌとスイス諸邦に裏切られるであろう時に。
10
偽って告発をする若き君主が
軍隊を混乱と諍いの状態にするだろう。
指導者は支えのせいで打ち傷を負うだろう。
王杖は落ち着く。そして瘰癧を治す。
[[11>百詩篇第4巻11番]]
大いなる袖無し外套の統治権を持つであろう者が、
何らかの罪を犯すように誘導されるだろう。
十二人の赤い者たちが敷布を汚すことになるだろう。
殺人の下で殺人が行われることになるだろう。
12
最大級の敗走をさせられる陣営が
より遠くへと追撃されることはほとんどないだろう。
軍隊は再編され、レギオンは元通りになる。
そして完全にガリアの外へと追放されるだろう。
13
より大きな損失の報せがもたらされる。
報告書が作成され、軍隊は驚愕するだろう。
部隊は(彼に)反して蜂起することでまとまる。
二重の軍隊は貴人を見捨てるだろう。
14
第一位の人物の突然の死が
王国を変え、別の者を(王位に)置くだろう。
遅かれ早かれ、あまりにも高く低い年齢で来るので、
海でも陸でも彼は恐れられるにちがいないだろう。
[[15>百詩篇第4巻15番]]
飢餓を到来させると思うであろう場所、
そこから飽満が来るだろう。
海の目は犬のような貪欲さで、
何でもかんでも油や小麦と交換するだろう。
16
自由市が自由に奉じ、
打ち倒された人々や夢見る人々の避難所となる。
王は変わり、彼らには強く出なくなり、
百人が千人以上になるだろう。
17
ボーヌ、ニュイ、[[シャロン]]、ディジョンで(道を)変え、
公爵はバロワ地方を罰することを望む。
川沿いを行軍し、阿比 〔あび〕 の嘴に魚の
尾を見るだろう。門は閉ざされるだろう。
[[18>百詩篇第4巻18番]]
天空の事柄に関して最も学識ある人々の何人かが、
無知な君主たちによって排斥されるだろう。
勅令で罰せられ、罪人として追放され、
発見されたその場所で殺される。
[[19>百詩篇第4巻19番]]
[[ルーアン]]の前で[[インスブレス人>Insubre]]たちによって攻囲が行われ、
海と陸とで通り道が封鎖される。
[[エノー]]、[[フランドル]]、[[ヘント]]、[[リエージュ]]の人々は
[[レナエウス>ディオニュソス]]の贈り物によって 〔=酔っ払いのごとくに〕 岸辺を荒らすだろう。
20
その場所は長らく平和と豊穣とを宿すであろう。
その無人の王国全土で白百合の花が。
水路と陸路とでそこに死体が運び込まれるだろう、
そこで埋葬される幸運に浴することを虚しく願いつつ。
21
変化はかなり困難だろう。
(だが)都市も州も変化で得をするだろう。
高貴で慎重な心が据えられ、無能は駆逐される。
海と陸とで民衆はその地位を変えるだろう。
22
追放されるであろう大軍隊は、
すぐさま国王に必要なものとなるだろう。
ずっと前から交わされていた約束は裏切られるだろう。
哀れにも狼狽し、自分が丸裸であることに気付くだろう。
[[23>百詩篇第4巻23番]]
海の艦隊の一軍団を、
カルキスとマグネシアは硫黄と松脂で燃やすだろう。
安全が保障されていた場所の長い静穏。
その人々を[[ポール・スラン>スランの港]]とエルクルは火で焼き尽くすだろう。
24
聖なる土地の下から聞こえる、魂のかすかな声
― 神の炎が輝くのを見るための人間の炎 ― が。
(それは)独身者たちに自らの血で大地を染めさせるだろう。
そして聖なる神殿を不浄なもので壊させるだろう。
[[25>百詩篇第4巻25番]]
限りなく昇華した可視の物体は、
それらの理由によって曇らせることになるだろう、
額、感覚、頭、不可視の部分を含む肉体を。
神聖な祈りを減らしつつ。
[[26>百詩篇第4巻26番]]
ミツバチの大群が湧き起こるが、
どこから来たのかは分からないだろう。
夜の待ち伏せ、葡萄棚の下に見張り。
都市は裸でない饒舌な五人に裏切られるだろう。
[[27>百詩篇第4巻27番]]
[[サロン>サロン=ド=プロヴァンス]]、モゾル、タラスコン、セクストゥスの迫持、
今なおピラミッドが建っている場所に、
彼らはデンマークの王子を引き渡しに来るだろう。
その釈放はアルテミスの神殿にて辱められる。
[[28>百詩篇第4巻28番]]
[[ウェヌス]]が太陽によって覆われるであろう時、
光輝の下に隠された形態があるだろう。
[[メルクリウス]]は火でそれらをさらけ出し、
戦闘の騒音によって矢面に立たされるだろう。
[[29>百詩篇第4巻29番]]
太陽は[[水星>メルクリウス]]に隠され蝕となり、
第二天としか思われないだろう。
[[ヘルメス]]が[[ウォルカヌス]]の食い物にされると、
太陽は純粋に輝く金色に見えるだろう。
[[30>百詩篇第4巻30番]]
十一回をこえて(人々は)望まないだろう、月と太陽が
両方とも増大し、その価値が下落するのを。
非常に(価値が)低くなるので、人々は黄金をほとんど縫えないだろう
飢餓と[[悪疫]]の後に、秘密が暴かれる。
[[31>百詩篇第4巻31番]]
真夜中に月は高い山の上、
新しい賢者は唯一の脳でそれを見た。
その弟子たちによって不死の状態たることを叱咤される。
双眼は南に。両手は胸に、体は火へ。
[[32>百詩篇第4巻32番]]
しかるべき場所と時分に肉は魚に場を譲るだろう。
共有の掟が逆さまに作られるだろう。
老人は強く保つであろうが、その場から除外されるだろう。
「パンタ・コイナ・フィロン」はひどく遠ざけられる。
[[33>百詩篇第4巻33番]]
[[ユピテル]]はルナよりも[[ウェヌス]]と結びつけられて、
白く満ちた姿で現われる。
[[ウェヌス]]は[[ネプトゥヌス]]の白さの下に隠されて、
[[マルス]]が重くした枝で打ち据えられるだろう。
34
異国の土地の貴人が捕虜になり連行され、
黄金の鎖につながれて王者[[シラン>Chyren]]に献上される。
その貴人は[[アウソニア]]で[[ミラノ]]の戦いを落とすだろう。
そしてその全軍が火と鉄器とに送られる。
35
火が消える。乙女たちは裏切るだろう、
新しい一味の最大部分の者たちを。
槍の穂に雷。独身者たちは王を守るだろう。
エトルリアと[[コルシカ>コルシカ島]]、夜に喉へ刃が。
36
ガリアでは新しい競技が再興される、
[[インスブリア>Insubre]]とカンパーニアに勝利した後で。
[[ヘスペリア]]の山々にて、貴人たちは繋がれ縛られる。
ロマーニャとスペインは恐怖で震えるだろう。
37
ガリア人は隘路を通って山々を通過することになるだろう。
[[インスブリア>Insubre]]の大きな場所を占領するだろう。
その最奥部に彼の軍隊を入らせるだろう。
ジェノヴァとモナコは真紅の艦隊を押しのけるだろう。
38
公爵が王と王妃を支配するであろう時、
[[ビュザンティオン>イスタンブル]]の指導者はサモトラケ島で囚われる。
襲撃の前に一方が他方を食うだろう。
鉄の無骨漢が血の跡を辿るだろう。
39
[[ロードス]]の人々は救いを求めるだろう、
(島が)その後継者たちの怠慢で放棄されて。
アラブの帝国はその歩みを緩めるだろう。
[[ヘスペリア]]諸邦により大義が再興される。
40
攻囲された者たちの閉門された砦は
火薬によって深淵のどん底に突き落とされる。
裏切り者たちは完全に生きたまま鋸引きされるだろう。
香部屋係たちにかくも哀れな分断が訪れたことはかつてなかった。
41
人質として囚われた女人が、
夜に衛兵たちを騙しに来るだろう。
その言葉に騙された陣営の指揮官は、
佳人に屈し、見るも哀れになるだろう。
42
[[ジュネーヴ]]とラングルは、[[シャルトル]]と[[ドール]]の人々によって、
そして[[グルノーブル]]によって、[[モンテリマール]]で囚われる。
セーセルとローザンヌは詭計によって、
六十マルクの黄金で彼らを裏切るであろう。
[[43>百詩篇第4巻43番]]
空で武器の打ち合う音が聞かれるだろう。
その同じ年、神の敵たちは
聖なる教義と不正にも対決することを望むだろう。
雷と戦争とで立派な信者たちが殺されるだろう。
[[44>百詩篇第4巻44番]]
[[マンド]]、[[ロデーズ]]、[[ミヨー]]、[[カオール]]、[[リモージュ]]、[[カストル]]の
有力者たち(にとっては)、悪い一週間。
夜の入り口、[[ボルドー]]の小石、
[[ペリゴール]]で警鐘が鳴る時に。
45
紛争により、王が王国を放棄するだろう。
最も偉大な指導者は欲される時にいないだろう。
死者たち、打ち倒された者たち、それを免れる者はほとんどいないだろう。
皆殺しにされるが、一人はその証人となるだろう。
46
卓越者による事柄はよく守られる。
トゥールよ、汝に迫る破滅に気をつけよ!
ロンドンとナントは禁じるだろう、[[ランス]]を経由し
霧雨の時に、より遠くへと行かないようにと!
[[47>百詩篇第4巻47番]]
残忍な黒い者が試すだろう、
その血塗られた手を火、鉄、引き絞られた弓によって。
すると民衆は一人残らず縮み上がるだろう、
最も偉大な人々が首や足を吊るされているのを見て。
48
肥沃に広がる[[アウソニア]]の平原が、
アブとあまりにも数多くの[[イナゴ>飛蝗]]を生み出すだろう。
太陽の光は翳るようになるだろう。
すべてを齧る。それらからは大規模な[[悪疫]]が生まれるだろう。
[[49>百詩篇第4巻49番]]
民衆の前で血が流されるだろう、
高き天から隔たらなくなるであろう人物の。
しかし、長いあいだ理解されないだろう。
一人だけの精神がそれを証言することになろう。
[[50>百詩篇第4巻50番]]
天秤宮は目にするだろう、[[ヘスペリア]]諸邦が統治し、
天と地の君主国を保つのを。
誰もアジアの軍隊が滅ぶのを目にしないだろう、
七人が順番通りに[[ヒエラルキア]]を保つまでは。
51
公爵はその敵を追撃することを望み、
歩兵団を妨げつつ、中に入るだろう。
徒歩で急ぐ者たちに余りにも近づくので、
ガンジュの近くで戦いが惹き起こされる。
[[52>百詩篇第4巻52番]]
都市は攻囲され、男も女も壁に。
敵は外にいて、指導者は降伏の準備をする。
風が騎兵たちに向かって強く吹き、
石灰、塵、灰によって追い払われるだろう。
53
逃亡した者たちと追放された者たちが呼び戻される。
貴人である父と息子は高い丘の防備を固める。
残酷な父とその配下の者たちは窒息させられる。
より悪しき息子は井戸に沈められる。
[[54>百詩篇第4巻54番]]
ガリアの王にはかつてなかった名前により、
非常に恐ろしい未曾有の雷霆が。
イタリア、スペイン、[[イングランド]]人たちを震撼させつつも、
異国の女性たちには大いに丁重に。
[[55>百詩篇第4巻55番]]
カラスが煉瓦で組み上げられた塔の上にて、
七時間にわたって鳴き続けているときに、
死が予兆され、彫像は血塗られる。
暴君は殺され、神々へと人々は祈る。
56
激昂した言語の勝利の後に、
魂は落ち着き、休もうという気になる。
血まみれの勝者は紛争に際して演説をする、
舌と肉と骨を焼くために。
[[57>百詩篇第4巻57番]]
大王に支えられた無知なる嫉妬が、
著作を禁止する意図を持ち続けるだろう。
その妻は他者によって誘惑された妻でない女、
二の二倍以上も、騒ぎも叫びもなしに。
58
灼熱の太陽が喉に貼り付く。
エトルリアの地に人間の血を撒き散らす。
指導者は息子を水桶に沈めようと連れてくる。
囚われの婦人はトルコの地に導かれる。
[[59>百詩篇第4巻59番]]
灼熱で攻囲された二者は
丸二杯分の(水がない)ために渇いて果てる。
砦は壊され、老いた夢想家は
[[ジュネーヴ]]の人々に[[ニラ>Nira]]の道筋を示すだろう。
60
七人の子供たちは人質のままにされる。
第三の者が彼の子供を殺しに来るだろう。
その息子によって二人が剣で刺し貫かれるであろう。
そのとき、ジェノヴァと[[フィレンツェ]]を掻き乱しに来るだろう。
61
老人が虚仮にされ、自分の居場所を奪われる、
彼を欺くであろう異邦人によって。
彼の息子の両手は彼の面前で食われる。
[[シャルトル]]にて、兄(弟)はオルレアンと[[ルーアン]]を裏切るだろう。
62
連隊長は野心的な企てで
最も大きな軍隊を掌握するだろう。
その君主に対する偽りの作り話。
そして(彼は)木陰で発見されるだろう。
63
ケルトの軍勢が対抗し、山の民たちは
認識され、食事時に捕らわれるだろう。
若い地元民たちが押し返すだろう、すぐにブドウ摘み農夫たちも。
(だが彼らは)すべてが剣の刃に突き落とされる。
[[64>百詩篇第4巻64番]]
都市民の身なりの背信者が、
国王を傷つけようと試みることになるだろう。
十五人の兵士たち、その大部分が無法者。
生命は最後に(残り)、そして(それは)彼の財産の筆頭。
65
自らの持ち場を放棄した後で、
偉大なる砦から脱走した兵へと、
その敵があまりにも大きな武勇を示すであろう。
皇帝により、彼はすぐさま死刑を宣告されるだろう。
66
七人の剃髪頭たちという偽りの姿で、
様々な間諜が散開するだろう。
井戸や泉には毒が撒かれる。
ジェノヴァでは人々を貪り食う者たちが。
[[67>百詩篇第4巻67番]]
[[サトゥルヌス]]と[[マルス]]が等しく焼かれる年、
空気は非常に乾燥する。長い流星。
秘密の炎によって、大きな場所が熱に灼かれる。
雨はほとんどなく、風は熱い。戦争と侵略。
[[68>百詩篇第4巻68番]]
差し迫った年に、[[ウェヌス]]から遠からずして、
アジアとアフリカの二人の最も偉大な人物が、
ラインと[[ヒステル>Hister]]から来たと噂されるだろう。
[[マルタ>マルタ島]]とリグーリアの海岸に叫びと涙。
69
大都市を亡命者たちが掌握するだろう。
市民たちは死なされ、殺され、追い払われる。
アクイレイアの人々はパルマに約束するだろう、
道ならぬ場所を通る入り口を示すと。
70
ピレネーの大いなる山々のまさに麓で
鷲に対抗する一人が大軍を率いる。
血管が開かれ、戦力は根絶される。
それで指導者をポーまで駆逐することになるだろう。
[[71>百詩篇第4巻71番]]
妻の代わりに娘たちが虐殺される。
大きく過 〔あやま〕 てる殺人で生存者はいないだろう。
井戸の中に[[ウェスタリス]]たちが沈められる。
妻は[[トリカブト]]の一服で亡くなる。
[[72>百詩篇第4巻72番]]
アレコミキ人たちは[[アジャン]]とレクトゥールを通り、
サン・フェリックスで会合を持つだろう。
バザスの人々が運悪く来るだろう、
コンドンとマルサンをすばやく占領しようとして。
73
偉大な甥が軍事力によって試すだろう。
約定は臆病な心によって形成される。
[[フェッラーラ]]とアスティを公爵は見定めるだろう、
無言劇が上演されるであろう晩に。
74
[[レマン湖]]の人々とブランノウィケスの人々は、
アキテーヌの人々に対抗するために集まる。
ゲルマニアの人々、それ以上にスイスの人々は、
メーヌの人々とともに打ち破られるだろう。
[[75>百詩篇第4巻75番]]
いざ戦おうと(いう時に)遁走するだろう。
敵方の指導者が勝利をつかむだろう。
後衛は防御するだろう。
衰える者たちは白い領土で死ぬ。
[[76>百詩篇第4巻76番]]
[[ニティオブリゲス>アジャン]]たちは[[ペリゴール]]の人々によって、
[[ローヌ川]]に至るまでの隣接地域で悩まされるだろう。
[[ガスコーニュ]]人たちと[[ビゴール]]の連合は、
司祭が日曜説教を行っている(最中の)聖堂に背く。
[[77>百詩篇第4巻77番]]
君主[[スラン>Selin]]、平穏なイタリア。
諸王国はひとつにまとまり、世界のキリスト教徒の王者は、
死に際して、[[ブロワ]]の地で眠ることを望むだろう、
海賊たちを海から駆逐した後で。
78
内戦の大軍隊が、
夜に異国の地でパルマに発見される。
七十九人が市内で殺される。
外国人たちはみな剣に委ねられるだろう。
79
王の血よ、逃げよ、モヌール、ル・マス、エギュイヨン。
ランドは[[ボルドー]]の人々で満たされるだろう。
ナヴァルと[[ビゴール]]には剣尖と刺し棒。
飢餓のどん底でコルクガシのドングリを貪る。
[[80>百詩篇第4巻80番]]
大河の近くで大きな溝が土地を潤し、
水は十五の部分に分けられるだろう。
都市が陥落する。火、血、叫び、悲惨な衝突。
そして大部分の者は円形闘技場に閉じ込められる。
81
すぐさま舟で橋を作らせるだろう、
ベルギーの大君主の軍隊が渡るために。
ブリュッセルから遠くない、沈められた場所で、
七人が殺され、槍で切り刻まれる。
[[82>百詩篇第4巻82番]]
[[スクラウォニア>スラヴォーニヤ]]から来る大軍が近づく。
古き破壊者が都市を廃墟にするだろう。
(その者は)ひどく荒れ果てた彼の[[ロマニア>Romanie]]を見るだろう。
そしてその大火をどう消すのか分からないだろう。
83
夜の戦闘、勇敢な艦長が
敗れて逃げるだろう。倒された者はほとんどいない。
その人々は動揺し、煽動も無駄ではない。
彼の実の息子は、彼を攻囲されたままにしておくだろう。
[[84>百詩篇第4巻84番]]
[[オセール]]の貴人があまりにも無残に死ぬだろう、
彼の下にいた人々に追い払われ、
荒々しい索条での後に、鎖で繋がれて。
夏に火星と金星と太陽の合がある年に。
[[85>百詩篇第4巻85番]]
白い炭が黒い炭に追い立てられるだろう。
囚人は死刑囚護送車へ運ばれる。
[[マウレタニア]]のラクダは足に絡みつかれる。
その時、年若き者がチゴハヤブサの瞼を縫うだろう。
[[86>百詩篇第4巻86番]]
その年に土星が水の宮にて
太陽と合するであろう。強大な王が、
[[ランス]]とエクスで受け入れられ、油を塗られる。
征服した後で、彼は無垢な者たちを傷つけるだろう。
87
王の息子の一人が多くの言語を習得し、
王国でその兄とは区別される。
その最も大きな息子に捕らわれた義父は、
主要な支持者を死なせるだろう。
[[88>百詩篇第4巻88番]]
名のある偉大なアントワーヌは卑しい行為によって
その最期にはシラミに齧られる。
鉛を貪ることになるであろう一人は
港を過ぎると、選ばれた者に沈められるだろう。
[[89>百詩篇第4巻89番]]
ロンドンの三十人がひそかに企てるだろう、
彼らの王に対し、橋の上での陰謀を。
従者たちは彼の死を嫌うだろう。
フリースラント生まれの金髪の王が選ばれる。
90
二つの軍隊は壁で合流することが出来ないだろう。
その瞬間、[[ミラノ]]と[[ティキヌム>パヴィーア]]が震える。
飢餓、渇望、疑念が彼らには非常に重くのしかかることになるだろう。
肉もパンも(他の)食糧も一口分すらないだろう。
91
決闘を行うことがガリアの公爵に強制される
メレルの船はモナコに近づかないだろう。
誤って告発される。永遠の監獄。
その息子は死の前に統治しようと努めるだろう。
[[92>百詩篇第4巻92番]]
勇敢な艦長の斬り落とされた首級は、
彼の敵の前に投げ棄てられるだろう。
彼の体は艦船の帆桁に吊るされる。
混乱した者は逆風に向かって櫂で漕いで逃れるだろう。
[[93>百詩篇第4巻93番]]
王家の寝所の近くで一匹の蛇が目撃されるであろう、
婦人によって。夜、犬たちは吠えないだろう。
その時、フランスでは、王にふさわしい一人の王子が生まれるだろう。
全ての君主たちは、(彼が)天から来たと認識するだろう。
94
二人の偉大な兄弟は、スペインから逐われるだろう。
兄はピレネー山脈のもとで倒される。
ドイツによって海も[[ローヌ川]]も[[レマン湖]]も血で赤くなる。
[[ナルボンヌ]]とブリテルは[[アガタ>アグド]]に汚されるだろう。
[[95>百詩篇第4巻95番]]
二人に委ねられた王国を、彼らはほんのわずかしか保てないだろう。
三年と七ヶ月を過ぎると、彼らは戦争をするだろう。
二人の[[ウェスタリス]]は対抗して反乱するだろう。
アルモリカの地で勝利はより若い者に。
[[96>百詩篇第4巻96番]]
ブリタニア島の姉は、
弟よりも十五年先んじて生まれるだろう。
立証されたおかげでその婚約者によって、
(彼女は)天秤宮の王国を継承するであろう。
[[97>百詩篇第4巻97番]]
水星、火星、金星が逆行する年、
偉大な君主の家柄が衰えることはなく、
[[アルマダ]]近くの[[ルシタニア]]人たちから選ばれた者は
平和裏に君臨する中で非常に長生きすることになるだろう。
98
アルバの人々が[[ローマ]]に赴くだろう、
ぼろをまとったラングルのおかげで。
侯爵と公爵は誰も赦さない。
火、血、麻疹、水が少しもなく、穀物は不足する。
[[99>百詩篇第4巻99番]]
王の令嬢の勇敢な長男が、
ケルト人たちをあまりにも奥深くへと押し返すので、
彼は雷を(先々で)置くだろう。そんな有様になるのは如何ばかりか。
近かれ遠かれ、次には[[ヘスペリア]]の奥深くに。
[[100>百詩篇第4巻100番]]
天の火が王家の建物へと、
[[マルス]]の光が弱まるであろう時に。
七か月の大戦、悪事によって死んだ人々。
[[ルーアン]]と[[エヴルー]]は王に背かないだろう。
----
※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。
[[第1巻>詩百篇第1巻]]・[[第2巻>百詩篇第2巻]]・[[第3巻>百詩篇第3巻]]・&bold(){第4巻}・[[第5巻>百詩篇第5巻]]・[[第6巻>百詩篇第6巻]]・[[第7巻>百詩篇第7巻]]・[[第8巻>詩百篇第8巻]]・[[第9巻>詩百篇第9巻]]・[[第10巻>詩百篇第10巻]]・[[第11巻>詩百篇第11巻]]・[[第12巻>詩百篇第12巻]]
[[ミシェル・ノストラダムス師の予言集]]の&bold(){詩百篇第4巻}(&bold(){百詩篇第4巻})は、100篇の四行詩で構成されている。補遺篇などは存在しない。
53番までは[[予言集初版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1555年リヨン)]]に収録されていた。
54番から100番までは、現在確認できる範囲内では、[[1557年版予言集>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1557年)]]で初めて追加された。
*翻訳
以下に詩百篇第4巻の全100篇の翻訳を提供する。
詩番号にリンクが貼ってあるものは、別ページに解説を用意してある。リンク先の原文の底本は1555Vである。ただし、&color(red){詩番号の隣の*にリンクが貼ってある場合は、当面、非公開なのでご理解いただきたい。}
各詩解説ページの原文の底本には、53番までは初版 (1555V) を、54番以降は1557年9月6日版 (1557U) をそれぞれ使用した。
訳文はいずれも不断の見直しを必要とする仮訳だが、とりわけ解説を作成していない詩については、今後の詳細な分析の中で、主として採用する訳文が大きく変更される可能性があることを、あらかじめご承知おきいただきたい。
[[1>百詩篇第4巻1番]]
流れ出ていない血の残りであるところの
[[ヴェネツィア]]は、助けが与えられることを求める。
あまりにも長いあいだ待たされた後で、
都市は最初に鳴らされた角笛で引き渡される。
2
死によってフランスは航海を計画するだろう。
艦隊は海を行き、(人々は)ピレネー山脈を行進する。
スペインは混乱する。軍隊の連中は行進する。
最も高貴な婦人の何人かがフランスに連れ去られる。
3
アラスとブールジュと[[ブロド>Brode]]の大歩兵部隊、
さらにはより大勢のガスコーニュ人たちが、徒歩で戦う。
[[ローヌ川]]流域の人々はスペイン人たちの血を流させるだろう、
サグントが座する丘陵の近くで。
4
力なき君主は怒らされ、嘆かされ、喧嘩する、
雄鶏とリビア人たちとによる誘拐と掠奪のせいで。
地べたには貴人、海には無数の帆。
信頼できるイタリアはケルト人たちを駆逐するだろう。
[[5>百詩篇第4巻5番]]
十字架は完全なる[[みことば]]のもとで平和に。
スペインとガリアはひとつにまとまるだろう。
大災厄は近く、戦いは極めて過酷に。
動揺しないほどに豪胆な者などいないだろう。
[[6>百詩篇第4巻6番]]
新たな服装の発見が行われた後に、
悪意と陰謀と策謀が。
その証拠を示す第一の者が死ぬだろう。
[[ヴェネツィア]]の色(に)、謀略。
[[7>百詩篇第4巻7番]]
偉大だが嫌悪される君主の最も年下の息子は、
二十歳で癩病の大きな染みができるだろう。
悲嘆でその母親はかなり塞ぎこみ、やつれ、死ぬだろう。
そして彼は臆病な指導者の墓がある場所で死ぬだろう。
[[8>百詩篇第4巻8番]]
大都市は突然の急襲で
夜に驚かされ、歩哨が中断される。
聖クインティヌス(の日)、(祝日の)前夜、宵課(の頃に)、
歩哨たちは惨殺され、門扉は破られる。
9
陣営の指導者は群集の真ん中で、
股に一矢を受けて負傷するだろう。
涙と悲嘆にくれる[[ジュネーヴ]]が、
ローザンヌとスイス諸邦に裏切られるであろう時に。
10
偽って告発をする若き君主が
軍隊を混乱と諍いの状態にするだろう。
指導者は支えのせいで打ち傷を負うだろう。
王杖は落ち着く。そして瘰癧を治す。
[[11>百詩篇第4巻11番]]
大いなる袖無し外套の統治権を持つであろう者が、
何らかの罪を犯すように誘導されるだろう。
十二人の赤い者たちが敷布を汚すことになるだろう。
殺人の下で殺人が行われることになるだろう。
12
最大級の敗走をさせられる陣営が
より遠くへと追撃されることはほとんどないだろう。
軍隊は再編され、レギオンは元通りになる。
そして完全にガリアの外へと追放されるだろう。
13
より大きな損失の報せがもたらされる。
報告書が作成され、軍隊は驚愕するだろう。
部隊は(彼に)反して蜂起することでまとまる。
二重の軍隊は貴人を見捨てるだろう。
14
第一位の人物の突然の死が
王国を変え、別の者を(王位に)置くだろう。
遅かれ早かれ、あまりにも高く低い年齢で来るので、
海でも陸でも彼は恐れられるにちがいないだろう。
[[15>百詩篇第4巻15番]]
飢餓を到来させると思うであろう場所、
そこから飽満が来るだろう。
海の目は犬のような貪欲さで、
何でもかんでも油や小麦と交換するだろう。
16
自由市が自由に奉じ、
打ち倒された人々や夢見る人々の避難所となる。
王は変わり、彼らには強く出なくなり、
百人が千人以上になるだろう。
17[[*>詩百篇第4巻17番]]
ボーヌ、ニュイ、[[シャロン]]、ディジョンで(道を)変え、
公爵はバロワ地方を罰することを望む。
川沿いを行軍し、阿比 〔あび〕 の嘴に魚の
尾を見るだろう。門は閉ざされるだろう。
[[18>百詩篇第4巻18番]]
天空の事柄に関して最も学識ある人々の何人かが、
無知な君主たちによって排斥されるだろう。
勅令で罰せられ、罪人として追放され、
発見されたその場所で殺される。
[[19>百詩篇第4巻19番]]
[[ルーアン]]の前で[[インスブレス人>Insubre]]たちによって攻囲が行われ、
海と陸とで通り道が封鎖される。
[[エノー]]、[[フランドル]]、[[ヘント]]、[[リエージュ]]の人々は
[[レナエウス>ディオニュソス]]の贈り物によって 〔=酔っ払いのごとくに〕 岸辺を荒らすだろう。
20
その場所は長らく平和と豊穣とを宿すであろう。
その無人の王国全土で白百合の花が。
水路と陸路とでそこに死体が運び込まれるだろう、
そこで埋葬される幸運に浴することを虚しく願いつつ。
21
変化はかなり困難だろう。
(だが)都市も州も変化で得をするだろう。
高貴で慎重な心が据えられ、無能は駆逐される。
海と陸とで民衆はその地位を変えるだろう。
22
追放されるであろう大軍隊は、
すぐさま国王に必要なものとなるだろう。
ずっと前から交わされていた約束は裏切られるだろう。
哀れにも狼狽し、自分が丸裸であることに気付くだろう。
[[23>百詩篇第4巻23番]]
海の艦隊の一軍団を、
カルキスとマグネシアは硫黄と松脂で燃やすだろう。
安全が保障されていた場所の長い静穏。
その人々を[[ポール・スラン>スランの港]]とエルクルは火で焼き尽くすだろう。
24
聖なる土地の下から聞こえる、魂のかすかな声
― 神の炎が輝くのを見るための人間の炎 ― が。
(それは)独身者たちに自らの血で大地を染めさせるだろう。
そして聖なる神殿を不浄なもので壊させるだろう。
[[25>百詩篇第4巻25番]]
限りなく昇華した可視の物体は、
それらの理由によって曇らせることになるだろう、
額、感覚、頭、不可視の部分を含む肉体を。
神聖な祈りを減らしつつ。
[[26>百詩篇第4巻26番]]
ミツバチの大群が湧き起こるが、
どこから来たのかは分からないだろう。
夜の待ち伏せ、葡萄棚の下に見張り。
都市は裸でない饒舌な五人に裏切られるだろう。
[[27>百詩篇第4巻27番]]
[[サロン>サロン=ド=プロヴァンス]]、モゾル、タラスコン、セクストゥスの迫持、
今なおピラミッドが建っている場所に、
彼らはデンマークの王子を引き渡しに来るだろう。
その釈放はアルテミスの神殿にて辱められる。
[[28>百詩篇第4巻28番]]
[[ウェヌス]]が太陽によって覆われるであろう時、
光輝の下に隠された形態があるだろう。
[[メルクリウス]]は火でそれらをさらけ出し、
戦闘の騒音によって矢面に立たされるだろう。
[[29>百詩篇第4巻29番]]
太陽は[[水星>メルクリウス]]に隠され蝕となり、
第二天としか思われないだろう。
[[ヘルメス]]が[[ウォルカヌス]]の食い物にされると、
太陽は純粋に輝く金色に見えるだろう。
[[30>百詩篇第4巻30番]]
十一回をこえて(人々は)望まないだろう、月と太陽が
両方とも増大し、その価値が下落するのを。
非常に(価値が)低くなるので、人々は黄金をほとんど縫えないだろう
飢餓と[[悪疫]]の後に、秘密が暴かれる。
[[31>百詩篇第4巻31番]]
真夜中に月は高い山の上、
新しい賢者は唯一の脳でそれを見た。
その弟子たちによって不死の状態たることを叱咤される。
双眼は南に。両手は胸に、体は火へ。
[[32>百詩篇第4巻32番]]
しかるべき場所と時分に肉は魚に場を譲るだろう。
共有の掟が逆さまに作られるだろう。
老人は強く保つであろうが、その場から除外されるだろう。
「パンタ・コイナ・フィロン」はひどく遠ざけられる。
[[33>百詩篇第4巻33番]]
[[ユピテル]]はルナよりも[[ウェヌス]]と結びつけられて、
白く満ちた姿で現われる。
[[ウェヌス]]は[[ネプトゥヌス]]の白さの下に隠されて、
[[マルス]]が重くした枝で打ち据えられるだろう。
34
異国の土地の貴人が捕虜になり連行され、
黄金の鎖につながれて王者[[シラン>Chyren]]に献上される。
その貴人は[[アウソニア]]で[[ミラノ]]の戦いを落とすだろう。
そしてその全軍が火と鉄器とに送られる。
35
火が消える。乙女たちは裏切るだろう、
新しい一味の最大部分の者たちを。
槍の穂に雷。独身者たちは王を守るだろう。
エトルリアと[[コルシカ>コルシカ島]]、夜に喉へ刃が。
36
ガリアでは新しい競技が再興される、
[[インスブリア>Insubre]]とカンパーニアに勝利した後で。
[[ヘスペリア]]の山々にて、貴人たちは繋がれ縛られる。
ロマーニャとスペインは恐怖で震えるだろう。
37
ガリア人は隘路を通って山々を通過することになるだろう。
[[インスブリア>Insubre]]の大きな場所を占領するだろう。
その最奥部に彼の軍隊を入らせるだろう。
ジェノヴァとモナコは真紅の艦隊を押しのけるだろう。
38
公爵が王と王妃を支配するであろう時、
[[ビュザンティオン>イスタンブル]]の指導者はサモトラケ島で囚われる。
襲撃の前に一方が他方を食うだろう。
鉄の無骨漢が血の跡を辿るだろう。
39
[[ロードス]]の人々は救いを求めるだろう、
(島が)その後継者たちの怠慢で放棄されて。
アラブの帝国はその歩みを緩めるだろう。
[[ヘスペリア]]諸邦により大義が再興される。
40
攻囲された者たちの閉門された砦は
火薬によって深淵のどん底に突き落とされる。
裏切り者たちは完全に生きたまま鋸引きされるだろう。
香部屋係たちにかくも哀れな分断が訪れたことはかつてなかった。
41
人質として囚われた女人が、
夜に衛兵たちを騙しに来るだろう。
その言葉に騙された陣営の指揮官は、
佳人に屈し、見るも哀れになるだろう。
42
[[ジュネーヴ]]とラングルは、[[シャルトル]]と[[ドール]]の人々によって、
そして[[グルノーブル]]によって、[[モンテリマール]]で囚われる。
セーセルとローザンヌは詭計によって、
六十マルクの黄金で彼らを裏切るであろう。
[[43>百詩篇第4巻43番]]
空で武器の打ち合う音が聞かれるだろう。
その同じ年、神の敵たちは
聖なる教義と不正にも対決することを望むだろう。
雷と戦争とで立派な信者たちが殺されるだろう。
[[44>百詩篇第4巻44番]]
[[マンド]]、[[ロデーズ]]、[[ミヨー]]、[[カオール]]、[[リモージュ]]、[[カストル]]の
有力者たち(にとっては)、悪い一週間。
夜の入り口、[[ボルドー]]の小石、
[[ペリゴール]]で警鐘が鳴る時に。
45
紛争により、王が王国を放棄するだろう。
最も偉大な指導者は欲される時にいないだろう。
死者たち、打ち倒された者たち、それを免れる者はほとんどいないだろう。
皆殺しにされるが、一人はその証人となるだろう。
46
卓越者による事柄はよく守られる。
トゥールよ、汝に迫る破滅に気をつけよ!
ロンドンとナントは禁じるだろう、[[ランス]]を経由し
霧雨の時に、より遠くへと行かないようにと!
[[47>百詩篇第4巻47番]]
残忍な黒い者が試すだろう、
その血塗られた手を火、鉄、引き絞られた弓によって。
すると民衆は一人残らず縮み上がるだろう、
最も偉大な人々が首や足を吊るされているのを見て。
48
肥沃に広がる[[アウソニア]]の平原が、
アブとあまりにも数多くの[[イナゴ>飛蝗]]を生み出すだろう。
太陽の光は翳るようになるだろう。
すべてを齧る。それらからは大規模な[[悪疫]]が生まれるだろう。
[[49>百詩篇第4巻49番]]
民衆の前で血が流されるだろう、
高き天から隔たらなくなるであろう人物の。
しかし、長いあいだ理解されないだろう。
一人だけの精神がそれを証言することになろう。
[[50>百詩篇第4巻50番]]
天秤宮は目にするだろう、[[ヘスペリア]]諸邦が統治し、
天と地の君主国を保つのを。
誰もアジアの軍隊が滅ぶのを目にしないだろう、
七人が順番通りに[[ヒエラルキア]]を保つまでは。
51
公爵はその敵を追撃することを望み、
歩兵団を妨げつつ、中に入るだろう。
徒歩で急ぐ者たちに余りにも近づくので、
ガンジュの近くで戦いが惹き起こされる。
[[52>百詩篇第4巻52番]]
都市は攻囲され、男も女も壁に。
敵は外にいて、指導者は降伏の準備をする。
風が騎兵たちに向かって強く吹き、
石灰、塵、灰によって追い払われるだろう。
53
逃亡した者たちと追放された者たちが呼び戻される。
貴人である父と息子は高い丘の防備を固める。
残酷な父とその配下の者たちは窒息させられる。
より悪しき息子は井戸に沈められる。
[[54>百詩篇第4巻54番]]
ガリアの王にはかつてなかった名前により、
非常に恐ろしい未曾有の雷霆が。
イタリア、スペイン、[[イングランド]]人たちを震撼させつつも、
異国の女性たちには大いに丁重に。
[[55>百詩篇第4巻55番]]
カラスが煉瓦で組み上げられた塔の上にて、
七時間にわたって鳴き続けているときに、
死が予兆され、彫像は血塗られる。
暴君は殺され、神々へと人々は祈る。
56
激昂した言語の勝利の後に、
魂は落ち着き、休もうという気になる。
血まみれの勝者は紛争に際して演説をする、
舌と肉と骨を焼くために。
[[57>百詩篇第4巻57番]]
大王に支えられた無知なる嫉妬が、
著作を禁止する意図を持ち続けるだろう。
その妻は他者によって誘惑された妻でない女、
二の二倍以上も、騒ぎも叫びもなしに。
58
灼熱の太陽が喉に貼り付く。
エトルリアの地に人間の血を撒き散らす。
指導者は息子を水桶に沈めようと連れてくる。
囚われの婦人はトルコの地に導かれる。
[[59>百詩篇第4巻59番]]
灼熱で攻囲された二者は
丸二杯分の(水がない)ために渇いて果てる。
砦は壊され、老いた夢想家は
[[ジュネーヴ]]の人々に[[ニラ>Nira]]の道筋を示すだろう。
60
七人の子供たちは人質のままにされる。
第三の者が彼の子供を殺しに来るだろう。
その息子によって二人が剣で刺し貫かれるであろう。
そのとき、ジェノヴァと[[フィレンツェ]]を掻き乱しに来るだろう。
61
老人が虚仮にされ、自分の居場所を奪われる、
彼を欺くであろう異邦人によって。
彼の息子の両手は彼の面前で食われる。
[[シャルトル]]にて、兄(弟)はオルレアンと[[ルーアン]]を裏切るだろう。
62
連隊長は野心的な企てで
最も大きな軍隊を掌握するだろう。
その君主に対する偽りの作り話。
そして(彼は)木陰で発見されるだろう。
63
ケルトの軍勢が対抗し、山の民たちは
認識され、食事時に捕らわれるだろう。
若い地元民たちが押し返すだろう、すぐにブドウ摘み農夫たちも。
(だが彼らは)すべてが剣の刃に突き落とされる。
[[64>百詩篇第4巻64番]]
都市民の身なりの背信者が、
国王を傷つけようと試みることになるだろう。
十五人の兵士たち、その大部分が無法者。
生命は最後に(残り)、そして(それは)彼の財産の筆頭。
65
自らの持ち場を放棄した後で、
偉大なる砦から脱走した兵へと、
その敵があまりにも大きな武勇を示すであろう。
皇帝により、彼はすぐさま死刑を宣告されるだろう。
66
七人の剃髪頭たちという偽りの姿で、
様々な間諜が散開するだろう。
井戸や泉には毒が撒かれる。
ジェノヴァでは人々を貪り食う者たちが。
[[67>百詩篇第4巻67番]]
[[サトゥルヌス]]と[[マルス]]が等しく焼かれる年、
空気は非常に乾燥する。長い流星。
秘密の炎によって、大きな場所が熱に灼かれる。
雨はほとんどなく、風は熱い。戦争と侵略。
[[68>百詩篇第4巻68番]]
差し迫った年に、[[ウェヌス]]から遠からずして、
アジアとアフリカの二人の最も偉大な人物が、
ラインと[[ヒステル>Hister]]から来たと噂されるだろう。
[[マルタ>マルタ島]]とリグーリアの海岸に叫びと涙。
69
大都市を亡命者たちが掌握するだろう。
市民たちは死なされ、殺され、追い払われる。
アクイレイアの人々はパルマに約束するだろう、
道ならぬ場所を通る入り口を示すと。
70
ピレネーの大いなる山々のまさに麓で
鷲に対抗する一人が大軍を率いる。
血管が開かれ、戦力は根絶される。
それで指導者をポーまで駆逐することになるだろう。
[[71>百詩篇第4巻71番]]
妻の代わりに娘たちが虐殺される。
大きく過 〔あやま〕 てる殺人で生存者はいないだろう。
井戸の中に[[ウェスタリス]]たちが沈められる。
妻は[[トリカブト]]の一服で亡くなる。
[[72>百詩篇第4巻72番]]
アレコミキ人たちは[[アジャン]]とレクトゥールを通り、
サン・フェリックスで会合を持つだろう。
バザスの人々が運悪く来るだろう、
コンドンとマルサンをすばやく占領しようとして。
73
偉大な甥が軍事力によって試すだろう。
約定は臆病な心によって形成される。
[[フェッラーラ]]とアスティを公爵は見定めるだろう、
無言劇が上演されるであろう晩に。
74
[[レマン湖]]の人々とブランノウィケスの人々は、
アキテーヌの人々に対抗するために集まる。
ゲルマニアの人々、それ以上にスイスの人々は、
メーヌの人々とともに打ち破られるだろう。
[[75>百詩篇第4巻75番]]
いざ戦おうと(いう時に)遁走するだろう。
敵方の指導者が勝利をつかむだろう。
後衛は防御するだろう。
衰える者たちは白い領土で死ぬ。
[[76>百詩篇第4巻76番]]
[[ニティオブリゲス>アジャン]]たちは[[ペリゴール]]の人々によって、
[[ローヌ川]]に至るまでの隣接地域で悩まされるだろう。
[[ガスコーニュ]]人たちと[[ビゴール]]の連合は、
司祭が日曜説教を行っている(最中の)聖堂に背く。
[[77>百詩篇第4巻77番]]
君主[[スラン>Selin]]、平穏なイタリア。
諸王国はひとつにまとまり、世界のキリスト教徒の王者は、
死に際して、[[ブロワ]]の地で眠ることを望むだろう、
海賊たちを海から駆逐した後で。
78
内戦の大軍隊が、
夜に異国の地でパルマに発見される。
七十九人が市内で殺される。
外国人たちはみな剣に委ねられるだろう。
79
王の血よ、逃げよ、モヌール、ル・マス、エギュイヨン。
ランドは[[ボルドー]]の人々で満たされるだろう。
ナヴァルと[[ビゴール]]には剣尖と刺し棒。
飢餓のどん底でコルクガシのドングリを貪る。
[[80>百詩篇第4巻80番]]
大河の近くで大きな溝が土地を潤し、
水は十五の部分に分けられるだろう。
都市が陥落する。火、血、叫び、悲惨な衝突。
そして大部分の者は円形闘技場に閉じ込められる。
81
すぐさま舟で橋を作らせるだろう、
ベルギーの大君主の軍隊が渡るために。
ブリュッセルから遠くない、沈められた場所で、
七人が殺され、槍で切り刻まれる。
[[82>百詩篇第4巻82番]]
[[スクラウォニア>スラヴォーニヤ]]から来る大軍が近づく。
古き破壊者が都市を廃墟にするだろう。
(その者は)ひどく荒れ果てた彼の[[ロマニア>Romanie]]を見るだろう。
そしてその大火をどう消すのか分からないだろう。
83
夜の戦闘、勇敢な艦長が
敗れて逃げるだろう。倒された者はほとんどいない。
その人々は動揺し、煽動も無駄ではない。
彼の実の息子は、彼を攻囲されたままにしておくだろう。
[[84>百詩篇第4巻84番]]
[[オセール]]の貴人があまりにも無残に死ぬだろう、
彼の下にいた人々に追い払われ、
荒々しい索条での後に、鎖で繋がれて。
夏に火星と金星と太陽の合がある年に。
[[85>百詩篇第4巻85番]]
白い炭が黒い炭に追い立てられるだろう。
囚人は死刑囚護送車へ運ばれる。
[[マウレタニア]]のラクダは足に絡みつかれる。
その時、年若き者がチゴハヤブサの瞼を縫うだろう。
[[86>百詩篇第4巻86番]]
その年に土星が水の宮にて
太陽と合するであろう。強大な王が、
[[ランス]]とエクスで受け入れられ、油を塗られる。
征服した後で、彼は無垢な者たちを傷つけるだろう。
87
王の息子の一人が多くの言語を習得し、
王国でその兄とは区別される。
その最も大きな息子に捕らわれた義父は、
主要な支持者を死なせるだろう。
[[88>百詩篇第4巻88番]]
名のある偉大なアントワーヌは卑しい行為によって
その最期にはシラミに齧られる。
鉛を貪ることになるであろう一人は
港を過ぎると、選ばれた者に沈められるだろう。
[[89>百詩篇第4巻89番]]
ロンドンの三十人がひそかに企てるだろう、
彼らの王に対し、橋の上での陰謀を。
従者たちは彼の死を嫌うだろう。
フリースラント生まれの金髪の王が選ばれる。
90
二つの軍隊は壁で合流することが出来ないだろう。
その瞬間、[[ミラノ]]と[[ティキヌム>パヴィーア]]が震える。
飢餓、渇望、疑念が彼らには非常に重くのしかかることになるだろう。
肉もパンも(他の)食糧も一口分すらないだろう。
91
決闘を行うことがガリアの公爵に強制される
メレルの船はモナコに近づかないだろう。
誤って告発される。永遠の監獄。
その息子は死の前に統治しようと努めるだろう。
[[92>百詩篇第4巻92番]]
勇敢な艦長の斬り落とされた首級は、
彼の敵の前に投げ棄てられるだろう。
彼の体は艦船の帆桁に吊るされる。
混乱した者は逆風に向かって櫂で漕いで逃れるだろう。
[[93>百詩篇第4巻93番]]
王家の寝所の近くで一匹の蛇が目撃されるであろう、
婦人によって。夜、犬たちは吠えないだろう。
その時、フランスでは、王にふさわしい一人の王子が生まれるだろう。
全ての君主たちは、(彼が)天から来たと認識するだろう。
94
二人の偉大な兄弟は、スペインから逐われるだろう。
兄はピレネー山脈のもとで倒される。
ドイツによって海も[[ローヌ川]]も[[レマン湖]]も血で赤くなる。
[[ナルボンヌ]]とブリテルは[[アガタ>アグド]]に汚されるだろう。
[[95>百詩篇第4巻95番]]
二人に委ねられた王国を、彼らはほんのわずかしか保てないだろう。
三年と七ヶ月を過ぎると、彼らは戦争をするだろう。
二人の[[ウェスタリス]]は対抗して反乱するだろう。
アルモリカの地で勝利はより若い者に。
[[96>百詩篇第4巻96番]]
ブリタニア島の姉は、
弟よりも十五年先んじて生まれるだろう。
立証されたおかげでその婚約者によって、
(彼女は)天秤宮の王国を継承するであろう。
[[97>百詩篇第4巻97番]]
水星、火星、金星が逆行する年、
偉大な君主の家柄が衰えることはなく、
[[アルマダ]]近くの[[ルシタニア]]人たちから選ばれた者は
平和裏に君臨する中で非常に長生きすることになるだろう。
98
アルバの人々が[[ローマ]]に赴くだろう、
ぼろをまとったラングルのおかげで。
侯爵と公爵は誰も赦さない。
火、血、麻疹、水が少しもなく、穀物は不足する。
[[99>百詩篇第4巻99番]]
王の令嬢の勇敢な長男が、
ケルト人たちをあまりにも奥深くへと押し返すので、
彼は雷を(先々で)置くだろう。そんな有様になるのは如何ばかりか。
近かれ遠かれ、次には[[ヘスペリア]]の奥深くに。
[[100>百詩篇第4巻100番]]
天の火が王家の建物へと、
[[マルス]]の光が弱まるであろう時に。
七か月の大戦、悪事によって死んだ人々。
[[ルーアン]]と[[エヴルー]]は王に背かないだろう。
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