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[[ミシェル・ノストラダムス師の予言集]]の&bold(){詩百篇第6巻}(&bold(){百詩篇第6巻})は、1番から99番までの四行詩と、番号のないラテン語による四行詩の計100篇で構成されている。現在確認できる範囲内では、[[1557年9月6日版予言集>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1557年)]]で初めて公刊された。
ほかに[[ジャン=エメ・ド・シャヴィニー]]が発表した補遺篇が1篇存在するが、真贋は不明である。当「大事典」としては、偽作の疑いが強いと考えている。
*翻訳
以下に詩百篇第6巻の全100篇+補遺篇1篇の翻訳を提供する。
詩番号にリンクが貼ってあるものは、別ページに解説を用意してある。リンク先に掲げてある原文については、正篇の底本が 1557U、補遺篇の底本が 1594JF である。ただし、&color(red){詩番号の隣の*にリンクが貼ってある場合は、当面、非公開なのでご理解いただきたい。}
訳文はいずれも不断の見直しを必要とする仮訳だが、とりわけ解説を作成していない詩については、今後の詳細な分析の中で、主として採用する訳文が大きく変更される可能性があることを、あらかじめご承知おきいただきたい。
( )は言葉を補ったもの、〔 〕は難読語の読み、〔= 〕は簡略な語注を指す。
[[1>百詩篇第6巻1番]]
ピレネー山脈の周囲に大群、
それは新しい王を救うための異邦人たち。
ガロンヌ川のル・マスの大寺院の近くで、
[[ローマ]]の首領は彼を水の中に囲い込むだろう。
[[2>百詩篇第6巻2番]]
五百八十より多いか少ないかの年に
とても奇妙な時代が待ち望まれるだろう。
七百と三の年には、― 諸天がそれを証言している ―
多くの王国が一から五に変わるだろう。
3
ケルト人の新しく生まれた者を試す川が
帝国により大きな不和の中にあるだろう。
若い君主は教会の人々により、
王杖を和合から取り除くだろう。
[[4>百詩篇第6巻4番]]
ケルトの川が岸を変え、
もはや[[アグリッピナの都市>ケルン]]を流れることはないだろう。
古い言葉以外の全てが変えられる。
土星は獅子宮、火星は巨蟹宮にて略奪。
[[5>百詩篇第6巻5番]]
非常に大きな飢饉が悪疫の波と
北極沿いの長雨によって広がる。
[[サマロブリウァ>Samarobryn]]は、半球から百リューにて
政治から疎外され、法なしに生きるだろう。
[[6>百詩篇第6巻6番]]
北方に向かって現れるだろう、
長髪の星が巨蟹宮から遠くないところで。
スーザ、シエーナ、ボイオティア、エレトリア。
[[ローマ]]の大物が死ぬだろう。夜が失せる。
7
ノルウェーとダキアとブリテン島は
連合した兄弟によって悩まされるだろう。
ガリアの血筋から出たローマの指導者と
その軍隊は、森林へと押し返されるだろう。
[[8>百詩篇第6巻8番]]
知識に傑出した人々は、
王の代替わりで衰えるだろう。
支援もなく黄金も持たずに追放される人々もいる。
学識者にも文学にも大きな価値はなくなるだろう。
9[[*>詩百篇第6巻9番]]
聖なる殿堂に醜聞が起こるだろう。
(それらは)栄誉と賞賛に値すると見なされるだろう。
金貨や銀貨に刻まれるうちの一人の
最期は、実に奇妙な責め苦によるものになるだろう。
[[10>百詩篇第6巻10番]]
少しの間、白色と黒色の神殿は
双方によって混ぜ合わされる。
赤と黄はお互いに相手のものを盗むだろう。
血、大地、ペスト、飢餓、火が水によって狂わされる。
[[11>百詩篇第6巻11番]]
七つの小枝が三つに減らされるだろう。
最も年上の者たちが死に襲われるだろう。
二人は兄弟殺しに魅惑されるだろう。
眠りに落ちた陰謀者たちは死ぬだろう。
[[12>百詩篇第6巻12番]]
帝国で成り上がるために軍隊を打ち立て、
王家の血は[[バチカン]]によって(その正統性を)保つだろう。
[[フランドル]]人、[[イングランド]]人、スペインは[[シュパイアー]]とともに、
イタリアとフランスに対抗して争うだろう。
13
怪しげな人物は帝国の遠くには来ないだろう。
最大部分は彼を支持することを望むだろう。
カピトリウムのごとき神殿は彼の統治をまったく望まないだろう。
(彼は)その大いなる責務を保ち続けられないだろう。
[[14>百詩篇第6巻14番]]
その領地から離れて、国王は戦いを落とすだろう。
すぐに逃げるが、追撃され、続いて捕らわれる。
(素性を)知られずに捕らわれる、黄金の鎖帷子 〔くさりかたびら〕 と
偽りの身なりで。そして敵は驚かされる。
[[15>百詩篇第6巻15番]]
墓の下で見付かるだろう、
[[ニュルンベルク]]を凌駕する価値を持つであろう君主が。
か細き磨羯宮にてスペインの王は
ヴィッテンベルクの貴人に欺かれ、裏切られる。
16
フランスのノルマンディとピカルディによって、
若い鳶から奪われるであろうところのもの。
黒き森がある場所の寺院の黒き者たちが
ロンバルディアの宿と火を提供するだろう。
[[17>百詩篇第6巻17番]]
シャツを燃やされた後に驢馬引き人たちは
別々の服装に変えることを強いられるだろう。
[[サトゥルヌス主義者]]たちは粉挽き人たちに燃やされる、
覆われるであろう大部分を除いては。
[[18>百詩篇第6巻18番]]
医師たちから見放された大王が、
ヘブライの技術ではなく呪術によって生き延びる。
彼とその同類が王国で高位に押し上げられ、
キリストを嫉む民族に恩寵が与えられる。
[[19>百詩篇第6巻19番]]
真の炎が婦人を呑み込むだろう、
― 彼女は無垢な者たちを火にかけたがるであろう ―
襲撃が近づくと軍隊は炎上する、
セビーリャでは牛の姿をした怪物が目撃されるであろう時に。
20
偽りの同盟はほとんど持続しないだろう。
数人が変わり、大部分が改められる。
船内で軍隊は容認されるだろう。
そのとき[[ローマ]]は新しい豹を戴くだろう。
[[21>百詩篇第6巻21番]]
北極の人々が一つにまとまる時に、
オリエントでは大きな恐怖と畏怖が。
新たな者が選ばれ、大神殿は支えられる。
[[ロードス]]と[[ビュザンティオン>イスタンブル]]は[[バルバロイ]]の血に染まるだろう。
22
天の大神殿に属する土地のなかで、
ロンドンにて、偽りの和睦によって甥が殺される。
それから小舟は分裂的になるだろう。
偽りの自由は角笛と大声とによって(布告される)だろう。
[[23>百詩篇第6巻23番]]
王国の才人によって鋳貨の価値下落が布告され、
民衆はその王に対して煽動されるだろう。
治安も新しい行為も聖なる教えも、より悪化する。
ラピ 〔=[[パリ]]〕 がかつてこれほどに厳しい状況に置かれたことはなかった。
[[24>百詩篇第6巻24番]]
[[マルス]]と王杖が交会するだろう、
巨蟹宮の下で。凄惨な戦争。
少し後で新しい王が聖油を塗られるだろう。
その者は長らく地上に平和をもたらすだろう。
[[25>百詩篇第6巻25番]]
逆さまの[[マルス]]により、偉大な漁師の君主政体は、
破滅的な困難に陥るだろう。
若くて黒い赤き者は[[ヒエラルキア]]を掌握するだろう。
裏切り者たちは霧雨の日に決行するだろう。
[[26>百詩篇第6巻26番]]
四年間、いくらか立派な人物が御座を保つだろう。
生活の不品行な一人が後に続くだろう。
[[ラヴェンナ]]、[[ピサ]]、[[ヴェローナ]]は支持するだろう、
十字架を掲げたいという教皇の熱望を。
27
五つの川が一つになる島々で、
偉大なる[[シラン>Chyren]]・[[スラン>Selin]]の三日月によって、
空模様が霧雨の時期に、ある者が怒る。
六人は亜麻の束に隠されて逃れる。
28
偉大なケルト人が[[ローマ]]に入るだろう、
亡命者たちや追放者たちの群れを引き連れて。
偉大な牧者が死なせるだろう、
アルプスで雄鶏のために結びついた人すべてを。
29
彼女の小枝 〔=子ども〕 たちが混乱と騒乱の中にいるとの
知らせを聖なる未亡人が聞きつつ、
喧騒を鎮めるために導かれるだろう。
その導きによって、剃髪たちで一杯にするだろう。
30
神聖に見せかけた外観のせいで、
御座は裏切られて敵たちに引き渡されるだろう。
安全に眠れると思われていた夜に、
ブラバントの近くでリエージュの人々が行進するだろう。
31
国王は切望していたものを見付けるだろう、
高位聖職者が誤って譴責されるであろう時に。
公爵は自らへの返答に不満を抱き、
[[ミラノ]]で多くの者を死なせるだろう。
[[32>百詩篇第6巻32番]]
裏切りにより死に至るまで杖で打ち据えられ、
その騒乱によって囚われ、乗り越えられるだろう。
取るに足らない会議が偉大な捕虜に嗅ぎつけられる、
[[ベジック>Begich]]が狂って鼻を噛みに来るであろう時に。
[[33>百詩篇第6巻33番]]
彼の最後の手勢は[[ハルス>Alus]]を通じて血まみれになり、
海での安全を保証できないだろう。
二つの川の間で軍の手が取り囲み、
黒き者にして怒れる者は彼を後悔させるだろう。
[[34>百詩篇第6巻34番]]
飛ぶ火による陰謀が
偉大な首領に攻囲された人々を混乱させに来るだろう。
(攻囲された場所の)中では暴動が起こるだろう、
堕落した人々が絶望するような類の。
[[35>百詩篇第6巻35番]]
白い羊毛に近い[[リオン>Rion]]のそばで
― 白羊宮、金牛宮、巨蟹宮、獅子宮、処女宮、
火星、木星、太陽 ― それが焼くだろう、大平原と
木々と都市を。手紙は爉で封をされる。
36
地上戦による良きも悪きも
ペルージャの境界地域には達しないだろう。
[[ピサ]]は蜂起し、[[フィレンツェ]]は悪い状態に気付く。
黒い脚絆でラバに跨る国王は、夜に傷つけられる。
[[37>百詩篇第6巻37番]]
古い作品が仕上がり、
大物の上へ屋根から不幸にも崩れたものが落ちるだろう。
致死的な事実で無実の者が告発されるだろうが、
罪ある者は隠される、霧雨の降る雑木林に。
38
平和の敵たちが打ち倒された者たちへと、
イタリアを征服した後に。
血まみれの黒い赤き者は委ねられるだろう。
火、血が流れ、水は血の色に染まる。
39
王国の子息は囚われた父親を
解放するために丸裸にされるだろう。
トラジメーノ湖の近くで奇襲が。
軍隊はあまりにも酔っていたために人質になる。
40
マゴンティアクムの貴人は大変な渇きをいやすために、
その偉大なる尊厳を奪われるだろう。
[[ケルン]]の人々がそのことをあまりにも強く悔やむことになるので、
その大きな集団はライン川に投げ捨てられるだろう。
[[41>百詩篇第6巻41番]]
デンマーク王国の二番目の指導者は、
フリースラントとブリテン島の人々を介し、
一億マルク以上を支払わせ、
イタリアで無駄に旅をさせるだろう。
42
[[オグミオス]]に残されるだろう、
武力でさらに多くをなすであろう偉大な[[スラン>Selin]]の王国が。
イタリア諸邦をめぐってその軍旗を広げるだろう。
奇形の慎重な人物によって治められるだろう。
43
長いあいだ人が住むことはなくなるだろう、
セーヌ川とマルヌ川が近くで合流することになる場所では。
テムズ川とその好戦的な人々によって到達が試みられ、
休むことを考えていた守備隊たちは不意を突かれる。
[[44>百詩篇第6巻44番]]
ナントのために、夜に[[イリス]]が現れるだろう。
(いくつかの)海の技術が雨を創り出すだろう。
アラブの湾は大艦隊を沈めるだろう。
ザクセンでは雄熊と雌豚から一匹の怪物が生まれるだろう。
45
王国の総督は熟知していて、
国王の行為に同意することを望まない。
マルタの艦隊は逆風により、
彼を、その最も不忠義な者に委ねるだろう。
[[46>百詩篇第6巻46番]]
公正な者が亡命地に戻されるだろう、
[[ノンセグル>Nonseggle]]の境界地域でのペストによって。
赤き者への返答は彼に道を踏み外させるだろう、
蛙と鷲から国王を取り去りつつ。
47
二つの山々の間に集まった二人の貴人が
秘めていた憎悪を捨て去るだろう。
ブリュッセルとドールはラングルに打ちのめされる、
メヘレンに彼らのペストを負わせるために。
[[48>百詩篇第6巻48番]]
ひどい紛い物にして誘惑的な神聖さが、
雄弁な舌に伴われる。
古い都市と[[パルマ]]はあまりにも性急で、
[[フィレンツェ]]と[[シエーナ]]をいっそう荒廃させるだろう。
[[49>百詩篇第6巻49番]]
マメルに属する大祭司が
ドナウ川の両岸を支配するだろう、
鉄(武器)によって何が何でも十字架を駆逐するために。
捕虜たち、黄金、指輪、十万点以上のルビー
50
井戸の中で骨が発見される。
継母によって近親相姦が犯されるだろう。
その身分は変わり、人々は名声と賞賛を求めるだろう。
[[マルス]]はその出生図でアセンダントになるだろう。
[[51>百詩篇第6巻51番]]
新しい見世物を見に集まった人々。
王子たちと王たちも多くの支持者たちのために。
柱と壁は崩れるが、奇跡のように
救われた王と、居合せた人々のうち三十人。
52
刑を宣告された貴人の代わりに
牢獄を出たその友人が彼の地位につく。
六ヶ月間かたわらにあった[[トロイア>トロイアの血]]の希望は死産となる。
太陽は宝瓶宮に。河川は凍りつくだろう。
53
ケルトの偉大な高位聖職者は国王に疑われ、
夜のうちに王国の外に出るだろう。
肥沃なブルターニュの公爵を通じて、その大王へと。
[[ビュザンティオン>イスタンブル]]はキプロスからもチュニスからも疑われない。
[[54>百詩篇第6巻54番]]
夜明け、雄鶏が二度目に啼く時に
チュニス、[[フェズ]]、ベジャイアの人々。
アラブ人により、モロッコ王は囚われの身に。
典礼の千六百と七の年。
55
凪に、協約を結んだ公爵は、
突然に現われたアラブの帆に気付く。
トリポリ、キーオス、[[トレビゾンド]]の人々、
公爵は黒海で捕らわれ、その都市が荒らされる。
56
[[ナルボンヌ]]の敵の恐るべき軍勢が
[[ヘスペリア]]諸邦をあまりにもひどく怯えさせるだろう。
盲目のモグラによってペルピニャンを空にする。
そのときバルセロナは海で攻撃を加えるだろう。
57
王国であまりにも前に出ていた者は、
[[ヒエラルキア]]の近くで赤い頭をしていて、
貪欲にして残酷で、恐れられるだろう。
神聖な君主制を継承するだろう。
58
隔たった二人の君主のあいだで、
― [[月>Selin]]によって太陽の光が失われる時に ―
島々と[[シエーナ]]で自由が回復されたことに
憤慨した二人のあいだに大きな敵意が。
59
姦通の怒りによって取り乱した婦人は、
その君主へと口外しないことを示し合わせに来るだろう。
だがすぐに不名誉が知られるだろう。
それで十七人が殉死するだろう。
60
君主は自分のケルトの領地の外で
通訳に欺かれて、裏切られるだろう。
[[ルーアン]]、ラ・ロッシェルはアルモリカの人々を通じ、
ブライユの港で修道士と司祭に欺かれる。
61
折り畳まれたつづれ織は示さないだろう、
物語の大部分を半分しか。
王国から追放され、遠くで荒々しい者が現われるだろう。
それで誰もが戦闘行為での彼を信じることになるだろう。
62
二つの花が双方とも非常に遅れ、失われるだろう。
(彼は)教えに反する誓いをしたがらないだろう。
陰謀者たちの力は[[ガリア人たち>Gallot]]によって打ち倒される。
サヴォーナとアルベンガではモナコによる大殉教が。
63
婦人が独りで王国に残される。
唯一の者が栄誉ある寝台 〔=戦場〕 で最初に死ぬ。
七年間、(彼女は)悲しみに沈むだろう。
そして、大いなる幸運によって王国での長寿が。
64
いかなる協約も確定したままで保持されないだろう。
すべての調印者たちは欺瞞によって手続きをするだろう。
海と陸とで平和と休戦が主張される。
バルセロナによって艦隊は術策をもって捕らわれる。
65
戦端が半ば開かれ、灰色と茶色が
夜に襲撃され掠奪されるだろう。
囚われた茶色は監獄に移るだろう。
その神殿は開かれ、二人は敷地で焼かれる。
[[66>百詩篇第6巻66番]]
新しい宗派の礎で、
偉大なローマ人の骨が発見されるだろう。
覆われた大理石の墳墓が出現するだろう。
大地が四月に震え、不十分に埋もれる。
[[67>百詩篇第6巻67番]]
まったくの別人が大帝国で成り上がるだろう。
幸福からよりも善良さから程遠い。
藁布団から遠くない場所で生まれた者によって支配される。
諸王国は破滅し、大いなる不幸が。
68
暴動を起こす激情に駆られた兵士たちが
その指導者に対して夜に剣を抜くであろう時に、
アルバからの敵が激昂した武力によるにせよ、
そのとき[[ローマ]]を苦しめ、重要人物たちを誑かす。
[[69>百詩篇第6巻69番]]
大いなる惨めさがすぐにもあるだろう。
与えていた者たちが奪わざるをえなくなるだろう。
寒さと渇きによって飢えた丸裸たちが群れをなし
不祥事を仕出かしつつ山々を越える。
[[70>百詩篇第6巻70番]]
偉大な[[シラン>Chyren]]が世界の首領になるだろう、
プルス・ウルトラが愛され、恐れ慄かれた後に。
彼の名声と称賛は天を越え行くだろう。
そして勝利者という唯一の称号に強く満足する。
[[71>百詩篇第6巻71番]]
その大王の葬礼を執り行おうと人々がやって来るであろう時に、
― 彼がその御霊を完全に返してしまう前に ―
それをあまり悲しむことにならないであろう者へと、
獅子たちと鷲たちを介して、十字架と王冠が売られる。
72
神聖な興奮のふりをした激情により、
貴人の細君は手ひどく犯されるだろう。
裁判官たちはそのような振る舞いを断罪することを望み、
犠牲者が何も知らない民衆に捧げられる。
[[73>百詩篇第6巻73番]]
さる修道士と熟練工が大都市の
門の近く、城壁沿いに住まう。
[[モデナ]]に対し、秘密をフクロウが語り、
(彼らは)裏切られる、婚礼という口実で実行するために。
[[74>百詩篇第6巻74番]]
追い払われた女性が王国に戻るだろう。
謀反者たちの中に彼女の敵が見出される。
かつてないほどに彼女の時代は勝ち誇ったものになるだろう。
三と七十が死を強く保証される。
[[75>百詩篇第6巻75番]]
偉大な水先案内人は国王から命じられるだろう、
より高い場に到るために艦隊を離れるようにと。
七年の後に(彼は)楯突くだろう。
[[バルバロイ]]の軍が[[ヴェネツィア]]を取り囲みに来るだろう。
[[76>百詩篇第6巻76番]]
[[アンテノルにより建設された古き都市>パドヴァ]]は
もはやその暴君を支持することができず、
不具を装う者が神殿で喉を切る。
その手下たちを民衆は死へと押しやることになるだろう。
77
欺かれた者の詐欺的な勝利により、
二艦隊が一つに。ゲルマニアの反乱。
指導者は殺され、その息子は天幕に。
[[フィレンツェ]]とイモラはロマーニャで追い回されるだろう。
78[[*>詩百篇第6巻78番]]
大いなる[[スラン>Selin]]の三日月に勝ったと大声で告げる。
ローマ人たちによって鷲が要請されるだろう。
[[ティキヌム>パヴィーア]]、[[ミラノ]]、ジェノヴァはそれに同意しない。
そして彼ら自身によって偉大なる王位が要求されるだろう。
79
ティチーノの近くで、ロワール、
ガロンヌ、セーヌ、タルン、ジロンドの住民たちは
山々を越えて、橋頭堡を築くだろう。
紛争が与えられる。ポー川は増水し、波に呑まれる。
[[80>百詩篇第6巻80番]]
[[フェズ]]の王国がヨーロッパの諸王国へと到達するだろう。
彼らの都市に火、そして刃が断ち切るだろう。
アジアの貴人が海と陸とで大軍を。
それで紺青の者たちが十字架を死へと追いやるだろう。
[[81>百詩篇第6巻81番]]
涙、叫び、嘆き、怒号、恐怖
人でなしで残酷で黒く、凍てついた心。
レマン湖、島々、ジェノヴァの貴族たち、
血が撒き散らされ、情け容赦のない寒さと飢え。
82
開けた野生の地の砂漠で
偉大な教皇の甥が彷徨うことになるだろう。
(彼は)殴り倒される、重い丸太を持ち、
のちに聖杯を奪うであろう七人によって。
83
ガリア・ベルギカに入るにあたり、
多くの栄誉と賛辞を得るであろう者が、
しばしの後に多くの荒事をなし、
花に対して非常に好戦的になるだろう。
84
跛者であるためにスパルタに君臨できない者、
彼があまりにも誘惑的な方法で行おうとするので、
彼は不意に法廷に召喚されるだろうし、
自らの見解を王に対して示すだろう。
85
タルソスの大都市はガリア人によって
破壊されるだろう。全員ターバンに囚われる。
偉大なポルトガル人たちによる海からの救援。
夏の最初、聖なるウルバヌスの日。
[[86>百詩篇第6巻86番]]
偉大な高位聖職者が夢を見た翌日、
― その意味は正反対に解釈される ―
彼をガスコーニュから来た修道士が突然訪ね、
サンスの偉大な高位聖職者を選出させるだろう。
[[87>百詩篇第6巻87番]]
[[フランクフルト]]で行われた選挙は
なんら効力を持たないだろう。[[ミラノ]]が反駁するだろう。
彼の一番の近親者があまりにも強大に見えるので、
ライン川を越えて沼地に追いやられるであろう。
[[88>百詩篇第6巻88番]]
ある大王国が荒廃したままになるだろう。
エブロ川の近くで会合が持たれるだろう。
ピレネー山脈が彼を慰めるだろう、
五月に大地が震えるであろう時に。
[[89>百詩篇第6巻89番]]
二隻の小舟の間で足と手を結び付けられ、
顔に蜜と乳を塗られ、命を繋ぐも、
忍ぶ愛(のせいで)、雀蜂と蝿に苦しめられ、
盃に穴を開ける酌人(からも)、試される。
90
悪臭を放つ忌まわしき不名誉は、
その行為の後で祝福されるであろう。
[[ネプトゥヌス]]が平和に靡かなかったことに
好意的でないために、貴人は赦される。
91
海戦の指揮官により、
赤き者は抑えがきかなくなり、深刻で恐るべき騒擾が。
捕虜は年長者から逃れて袋の中へと、
アグリッパの息子が貴人から産まれるであろう時に。
92
あまりに美しく優雅な君主が、
指導者へと連行され、二度目に裏切られる。
都市には剣、その表面は火薬で燃やされる。
あまりの大虐殺ゆえに、指導者は国王から恨まれる。
93
吝嗇な高位聖職者が野望に欺かれる。
強く思うようになること以外には何もないだろう。
その伝令官たちと彼が罠に掛けられる。
木を割った者がまったく正反対に見る。
[[94>百詩篇第6巻94番]]
王は誓約を破る者に怒るだろう、
戦いの甲冑が禁じられるであろうときに。
苺のために砂糖に塗られた毒。
大水によって傷つけられ、「閉じろ、閉じろ」と言いつつ死んだ者。
95
軽んずる者によって、より若いものへの中傷が、
並外れた戦争行為が起こるであろう時に。
最も小さな疑わしき部分が年長者に。
そしてすぐに王国では党派的行為があるだろう。
[[96>百詩篇第6巻96番]]
大いなる都市は兵士たちに委ねられる。
こんなに切迫した致命的な騒擾はかつてなかった。
おお、何という忌まわしい惨禍が近づいていることか。
一つの攻撃を除けば、そこで許されるものはないだろう。
[[97>百詩篇第6巻97番]]
五と四十度で空は燃えるだろう、
火が大きな新しい都市に近づくために。
瞬時に撒き散らされた大きな炎が爆ぜるだろう。
人々がノルマン人たちを試したいであろう時に。
[[98>百詩篇第6巻98番]]
非常に強い恐怖によって、恐るべきウォルスキ人たちは荒らされる。
彼らの大いなる都市は染められる、悪疫のような行為(によって)、
つまりは太陽と月とを奪うことや、神殿を荒らすこと、
そして二つの川を流血で赤くすること(によって)。
[[99>百詩篇第6巻99番]]
博学な敵が混乱に転じるだろう。
大いなる陣営が病み、待ち伏せによって崩される。
ピレネー山脈もポエヌスも、彼に拒絶されるだろう、
その川の近くで古い甕が発見されるから。
[[愚かな批評家に対する法の警句]]
この詩を読むであろう方々よ。とくと熟考なさい。
俗人、門外漢、無知な者に近づいてはならない。
占星術師、愚者、野蛮人は全て遠ざかっていなさい。
さもなくば儀式に従って呪われるがよい。
**補遺篇
[[100>百詩篇第6巻100番]]
アウラの娘であり、不健全な者が避難する場所、
そこでは天を衝く円形劇場が見える。
驚異が見られ、汝の災いが切迫して近づいている。
汝は囚われるだろう、四回以上も。
----
※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。
[[第1巻>詩百篇第1巻]]・[[第2巻>百詩篇第2巻]]・[[第3巻>百詩篇第3巻]]・[[第4巻>百詩篇第4巻]]・[[第5巻>百詩篇第5巻]]・&bold(){第6巻}・[[第7巻>百詩篇第7巻]]・[[第8巻>百詩篇第8巻]]・[[第9巻>詩百篇第9巻]]・[[第10巻>詩百篇第10巻]]・[[第11巻>詩百篇第11巻]]・[[第12巻>詩百篇第12巻]]
[[ミシェル・ノストラダムス師の予言集]]の&bold(){詩百篇第6巻}(&bold(){百詩篇第6巻})は、1番から99番までの四行詩と、番号のないラテン語による四行詩の計100篇で構成されている。現在確認できる範囲内では、[[1557年9月6日版予言集>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1557年)]]で初めて公刊された。
ほかに[[ジャン=エメ・ド・シャヴィニー]]が発表した補遺篇が1篇存在するが、真贋は不明である。当「大事典」としては、偽作の疑いが強いと考えている。
*翻訳
以下に詩百篇第6巻の全100篇+補遺篇1篇の翻訳を提供する。
詩番号にリンクが貼ってあるものは、別ページに解説を用意してある。リンク先に掲げてある原文については、正篇の底本が 1557U、補遺篇の底本が 1594JF である。ただし、&color(red){詩番号の隣の*にリンクが貼ってある場合は、当面、非公開なのでご理解いただきたい。}
訳文はいずれも不断の見直しを必要とする仮訳だが、とりわけ解説を作成していない詩については、今後の詳細な分析の中で、主として採用する訳文が大きく変更される可能性があることを、あらかじめご承知おきいただきたい。
( )は言葉を補ったもの、〔 〕は難読語の読み、〔= 〕は簡略な語注を指す。
[[1>百詩篇第6巻1番]]
ピレネー山脈の周囲に大群、
それは新しい王を救うための異邦人たち。
ガロンヌ川のル・マスの大寺院の近くで、
[[ローマ]]の首領は彼を水の中に囲い込むだろう。
[[2>百詩篇第6巻2番]]
五百八十より多いか少ないかの年に
とても奇妙な時代が待ち望まれるだろう。
七百と三の年には、― 諸天がそれを証言している ―
多くの王国が一から五に変わるだろう。
3
ケルト人の新しく生まれた者を試す川が
帝国により大きな不和の中にあるだろう。
若い君主は教会の人々により、
王杖を和合から取り除くだろう。
[[4>百詩篇第6巻4番]]
ケルトの川が岸を変え、
もはや[[アグリッピナの都市>ケルン]]を流れることはないだろう。
古い言葉以外の全てが変えられる。
土星は獅子宮、火星は巨蟹宮にて略奪。
[[5>百詩篇第6巻5番]]
非常に大きな飢饉が悪疫の波と
北極沿いの長雨によって広がる。
[[サマロブリウァ>Samarobryn]]は、半球から百リューにて
政治から疎外され、法なしに生きるだろう。
[[6>百詩篇第6巻6番]]
北方に向かって現れるだろう、
長髪の星が巨蟹宮から遠くないところで。
スーザ、シエーナ、ボイオティア、エレトリア。
[[ローマ]]の大物が死ぬだろう。夜が失せる。
7
ノルウェーとダキアとブリテン島は
連合した兄弟によって悩まされるだろう。
ガリアの血筋から出たローマの指導者と
その軍隊は、森林へと押し返されるだろう。
[[8>百詩篇第6巻8番]]
知識に傑出した人々は、
王の代替わりで衰えるだろう。
支援もなく黄金も持たずに追放される人々もいる。
学識者にも文学にも大きな価値はなくなるだろう。
9[[*>詩百篇第6巻9番]]
聖なる殿堂に醜聞が起こるだろう。
(それらは)栄誉と賞賛に値すると見なされるだろう。
金貨や銀貨に刻まれるうちの一人の
最期は、実に奇妙な責め苦によるものになるだろう。
[[10>百詩篇第6巻10番]]
少しの間、白色と黒色の神殿は
双方によって混ぜ合わされる。
赤と黄はお互いに相手のものを盗むだろう。
血、大地、ペスト、飢餓、火が水によって狂わされる。
[[11>百詩篇第6巻11番]]
七つの小枝が三つに減らされるだろう。
最も年上の者たちが死に襲われるだろう。
二人は兄弟殺しに魅惑されるだろう。
眠りに落ちた陰謀者たちは死ぬだろう。
[[12>百詩篇第6巻12番]]
帝国で成り上がるために軍隊を打ち立て、
王家の血は[[バチカン]]によって(その正統性を)保つだろう。
[[フランドル]]人、[[イングランド]]人、スペインは[[シュパイアー]]とともに、
イタリアとフランスに対抗して争うだろう。
13
怪しげな人物は帝国の遠くには来ないだろう。
最大部分は彼を支持することを望むだろう。
カピトリウムのごとき神殿は彼の統治をまったく望まないだろう。
(彼は)その大いなる責務を保ち続けられないだろう。
[[14>百詩篇第6巻14番]]
その領地から離れて、国王は戦いを落とすだろう。
すぐに逃げるが、追撃され、続いて捕らわれる。
(素性を)知られずに捕らわれる、黄金の鎖帷子 〔くさりかたびら〕 と
偽りの身なりで。そして敵は驚かされる。
[[15>百詩篇第6巻15番]]
墓の下で見付かるだろう、
[[ニュルンベルク]]を凌駕する価値を持つであろう君主が。
か細き磨羯宮にてスペインの王は
ヴィッテンベルクの貴人に欺かれ、裏切られる。
16
フランスのノルマンディとピカルディによって、
若い鳶から奪われるであろうところのもの。
黒き森がある場所の寺院の黒き者たちが
ロンバルディアの宿と火を提供するだろう。
[[17>百詩篇第6巻17番]]
シャツを燃やされた後に驢馬引き人たちは
別々の服装に変えることを強いられるだろう。
[[サトゥルヌス主義者]]たちは粉挽き人たちに燃やされる、
覆われるであろう大部分を除いては。
[[18>百詩篇第6巻18番]]
医師たちから見放された大王が、
ヘブライの技術ではなく呪術によって生き延びる。
彼とその同類が王国で高位に押し上げられ、
キリストを嫉む民族に恩寵が与えられる。
[[19>百詩篇第6巻19番]]
真の炎が婦人を呑み込むだろう、
― 彼女は無垢な者たちを火にかけたがるであろう ―
襲撃が近づくと軍隊は炎上する、
セビーリャでは牛の姿をした怪物が目撃されるであろう時に。
20
偽りの同盟はほとんど持続しないだろう。
数人が変わり、大部分が改められる。
船内で軍隊は容認されるだろう。
そのとき[[ローマ]]は新しい豹を戴くだろう。
[[21>百詩篇第6巻21番]]
北極の人々が一つにまとまる時に、
オリエントでは大きな恐怖と畏怖が。
新たな者が選ばれ、大神殿は支えられる。
[[ロードス]]と[[ビュザンティオン>イスタンブル]]は[[バルバロイ]]の血に染まるだろう。
22
天の大神殿に属する土地のなかで、
ロンドンにて、偽りの和睦によって甥が殺される。
それから小舟は分裂的になるだろう。
偽りの自由は角笛と大声とによって(布告される)だろう。
[[23>百詩篇第6巻23番]]
王国の才人によって鋳貨の価値下落が布告され、
民衆はその王に対して煽動されるだろう。
治安も新しい行為も聖なる教えも、より悪化する。
ラピ 〔=[[パリ]]〕 がかつてこれほどに厳しい状況に置かれたことはなかった。
[[24>百詩篇第6巻24番]]
[[マルス]]と王杖が交会するだろう、
巨蟹宮の下で。凄惨な戦争。
少し後で新しい王が聖油を塗られるだろう。
その者は長らく地上に平和をもたらすだろう。
[[25>百詩篇第6巻25番]]
逆さまの[[マルス]]により、偉大な漁師の君主政体は、
破滅的な困難に陥るだろう。
若くて黒い赤き者は[[ヒエラルキア]]を掌握するだろう。
裏切り者たちは霧雨の日に決行するだろう。
[[26>百詩篇第6巻26番]]
四年間、いくらか立派な人物が御座を保つだろう。
生活の不品行な一人が後に続くだろう。
[[ラヴェンナ]]、[[ピサ]]、[[ヴェローナ]]は支持するだろう、
十字架を掲げたいという教皇の熱望を。
27
五つの川が一つになる島々で、
偉大なる[[シラン>Chyren]]・[[スラン>Selin]]の三日月によって、
空模様が霧雨の時期に、ある者が怒る。
六人は亜麻の束に隠されて逃れる。
28
偉大なケルト人が[[ローマ]]に入るだろう、
亡命者たちや追放者たちの群れを引き連れて。
偉大な牧者が死なせるだろう、
アルプスで雄鶏のために結びついた人すべてを。
29
彼女の小枝〔=子ども〕たちが混乱と騒乱の中にいるとの
知らせを聖なる未亡人が聞きつつ、
喧騒を鎮めるために導かれるだろう。
その導きによって、剃髪たちで一杯にするだろう。
30
神聖に見せかけた外観のせいで、
御座は裏切られて敵たちに引き渡されるだろう。
安全に眠れると思われていた夜に、
ブラバントの近くでリエージュの人々が行進するだろう。
31
国王は切望していたものを見付けるだろう、
高位聖職者が誤って譴責されるであろう時に。
公爵は自らへの返答に不満を抱き、
[[ミラノ]]で多くの者を死なせるだろう。
[[32>百詩篇第6巻32番]]
裏切りにより死に至るまで杖で打ち据えられ、
その騒乱によって囚われ、乗り越えられるだろう。
取るに足らない会議が偉大な捕虜に嗅ぎつけられる、
[[ベジック>Begich]]が狂って鼻を噛みに来るであろう時に。
[[33>百詩篇第6巻33番]]
彼の最後の手勢は[[ハルス>Alus]]を通じて血まみれになり、
海での安全を保証できないだろう。
二つの川の間で軍の手が取り囲み、
黒き者にして怒れる者は彼を後悔させるだろう。
[[34>百詩篇第6巻34番]]
飛ぶ火による陰謀が
偉大な首領に攻囲された人々を混乱させに来るだろう。
(攻囲された場所の)中では暴動が起こるだろう、
堕落した人々が絶望するような類の。
[[35>百詩篇第6巻35番]]
白い羊毛に近い[[リオン>Rion]]のそばで
― 白羊宮、金牛宮、巨蟹宮、獅子宮、処女宮、
火星、木星、太陽 ― それが焼くだろう、大平原と
木々と都市を。手紙は爉で封をされる。
36
地上戦による良きも悪きも
ペルージャの境界地域には達しないだろう。
[[ピサ]]は蜂起し、[[フィレンツェ]]は悪い状態に気付く。
黒い脚絆でラバに跨る国王は、夜に傷つけられる。
[[37>百詩篇第6巻37番]]
古い作品が仕上がり、
大物の上へ屋根から不幸にも崩れたものが落ちるだろう。
致死的な事実で無実の者が告発されるだろうが、
罪ある者は隠される、霧雨の降る雑木林に。
38
平和の敵たちが打ち倒された者たちへと、
イタリアを征服した後に。
血まみれの黒い赤き者は委ねられるだろう。
火、血が流れ、水は血の色に染まる。
39
王国の子息は囚われた父親を
解放するために丸裸にされるだろう。
トラジメーノ湖の近くで奇襲が。
軍隊はあまりにも酔っていたために人質になる。
40
マゴンティアクムの貴人は大変な渇きをいやすために、
その偉大なる尊厳を奪われるだろう。
[[ケルン]]の人々がそのことをあまりにも強く悔やむことになるので、
その大きな集団はライン川に投げ捨てられるだろう。
[[41>百詩篇第6巻41番]]
デンマーク王国の二番目の指導者は、
フリースラントとブリテン島の人々を介し、
一億マルク以上を支払わせ、
イタリアで無駄に旅をさせるだろう。
42[[*>詩百篇第6巻42番]]
[[オグミオス]]に残されるだろう、
武力でさらに多くをなすであろう偉大な[[スラン>Selin]]の王国が。
イタリア諸邦をめぐってその軍旗を広げるだろう。
奇形の慎重な人物によって治められるだろう。
43[[*>詩百篇第6巻43番]]
長いあいだ人が住むことはなくなるだろう、
セーヌ川とマルヌ川が近くで合流することになる場所では。
テムズ川とその好戦的な人々によって到達が試みられ、
休むことを考えていた守備隊たちは不意を突かれる。
[[44>百詩篇第6巻44番]]
ナントのために、夜に[[イリス]]が現れるだろう。
(いくつかの)海の技術が雨を創り出すだろう。
アラブの湾は大艦隊を沈めるだろう。
ザクセンでは雄熊と雌豚から一匹の怪物が生まれるだろう。
45
王国の総督は熟知していて、
国王の行為に同意することを望まない。
マルタの艦隊は逆風により、
彼を、その最も不忠義な者に委ねるだろう。
[[46>百詩篇第6巻46番]]
公正な者が亡命地に戻されるだろう、
[[ノンセグル>Nonseggle]]の境界地域でのペストによって。
赤き者への返答は彼に道を踏み外させるだろう、
蛙と鷲から国王を取り去りつつ。
47
二つの山々の間に集まった二人の貴人が
秘めていた憎悪を捨て去るだろう。
ブリュッセルとドールはラングルに打ちのめされる、
メヘレンに彼らのペストを負わせるために。
[[48>百詩篇第6巻48番]]
ひどい紛い物にして誘惑的な神聖さが、
雄弁な舌に伴われる。
古い都市と[[パルマ]]はあまりにも性急で、
[[フィレンツェ]]と[[シエーナ]]をいっそう荒廃させるだろう。
[[49>百詩篇第6巻49番]]
マメルに属する大祭司が
ドナウ川の両岸を支配するだろう、
鉄(武器)によって何が何でも十字架を駆逐するために。
捕虜たち、黄金、指輪、十万点以上のルビー
50
井戸の中で骨が発見される。
継母によって近親相姦が犯されるだろう。
その身分は変わり、人々は名声と賞賛を求めるだろう。
[[マルス]]はその出生図でアセンダントになるだろう。
[[51>百詩篇第6巻51番]]
新しい見世物を見に集まった人々。
王子たちと王たちも多くの支持者たちのために。
柱と壁は崩れるが、奇跡のように
救われた王と、居合せた人々のうち三十人。
52
刑を宣告された貴人の代わりに
牢獄を出たその友人が彼の地位につく。
六ヶ月間かたわらにあった[[トロイア>トロイアの血]]の希望は死産となる。
太陽は宝瓶宮に。河川は凍りつくだろう。
53
ケルトの偉大な高位聖職者は国王に疑われ、
夜のうちに王国の外に出るだろう。
肥沃なブルターニュの公爵を通じて、その大王へと。
[[ビュザンティオン>イスタンブル]]はキプロスからもチュニスからも疑われない。
[[54>百詩篇第6巻54番]]
夜明け、雄鶏が二度目に啼く時に
チュニス、[[フェズ]]、ベジャイアの人々。
アラブ人により、モロッコ王は囚われの身に。
典礼の千六百と七の年。
55
凪に、協約を結んだ公爵は、
突然に現われたアラブの帆に気付く。
トリポリ、キーオス、[[トレビゾンド]]の人々、
公爵は黒海で捕らわれ、その都市が荒らされる。
56[[*>詩百篇第6巻56番]]
[[ナルボンヌ]]の敵の恐るべき軍勢が
[[ヘスペリア]]諸邦をあまりにもひどく怯えさせるだろう。
盲目のモグラによってペルピニャンを空にする。
そのときバルセロナは海で攻撃を加えるだろう。
57
王国であまりにも前に出ていた者は、
[[ヒエラルキア]]の近くで赤い頭をしていて、
貪欲にして残酷で、恐れられるだろう。
神聖な君主制を継承するだろう。
58
隔たった二人の君主のあいだで、
― [[月>Selin]]によって太陽の光が失われる時に ―
島々と[[シエーナ]]で自由が回復されたことに
憤慨した二人のあいだに大きな敵意が。
59
姦通の怒りによって取り乱した婦人は、
その君主へと口外しないことを示し合わせに来るだろう。
だがすぐに不名誉が知られるだろう。
それで十七人が殉死するだろう。
60
君主は自分のケルトの領地の外で
通訳に欺かれて、裏切られるだろう。
[[ルーアン]]、ラ・ロッシェルはアルモリカの人々を通じ、
ブライユの港で修道士と司祭に欺かれる。
61
折り畳まれたつづれ織は示さないだろう、
物語の大部分を半分しか。
王国から追放され、遠くで荒々しい者が現われるだろう。
それで誰もが戦闘行為での彼を信じることになるだろう。
62
二つの花が双方とも非常に遅れ、失われるだろう。
(彼は)教えに反する誓いをしたがらないだろう。
陰謀者たちの力は[[ガリア人たち>Gallot]]によって打ち倒される。
サヴォーナとアルベンガではモナコによる大殉教が。
63[[*>詩百篇第6巻63番]]
婦人が独りで王国に残される。
唯一の者が栄誉ある寝台〔=戦場〕で最初に死ぬ。
七年間、(彼女は)悲しみに沈むだろう。
そして、大いなる幸運によって王国での長寿が。
64
いかなる協約も確定したままで保持されないだろう。
すべての調印者たちは欺瞞によって手続きをするだろう。
海と陸とで平和と休戦が主張される。
バルセロナによって艦隊は術策をもって捕らわれる。
65
戦端が半ば開かれ、灰色と茶色が
夜に襲撃され掠奪されるだろう。
囚われた茶色は監獄に移るだろう。
その神殿は開かれ、二人は敷地で焼かれる。
[[66>百詩篇第6巻66番]]
新しい宗派の礎で、
偉大なローマ人の骨が発見されるだろう。
覆われた大理石の墳墓が出現するだろう。
大地が四月に震え、不十分に埋もれる。
[[67>百詩篇第6巻67番]]
まったくの別人が大帝国で成り上がるだろう。
幸福からよりも善良さから程遠い。
藁布団から遠くない場所で生まれた者によって支配される。
諸王国は破滅し、大いなる不幸が。
68
暴動を起こす激情に駆られた兵士たちが
その指導者に対して夜に剣を抜くであろう時に、
アルバからの敵が激昂した武力によるにせよ、
そのとき[[ローマ]]を苦しめ、重要人物たちを誑かす。
[[69>百詩篇第6巻69番]]
大いなる惨めさがすぐにもあるだろう。
与えていた者たちが奪わざるをえなくなるだろう。
寒さと渇きによって飢えた丸裸たちが群れをなし
不祥事を仕出かしつつ山々を越える。
[[70>百詩篇第6巻70番]]
偉大な[[シラン>Chyren]]が世界の首領になるだろう、
プルス・ウルトラが愛され、恐れ慄かれた後に。
彼の名声と称賛は天を越え行くだろう。
そして勝利者という唯一の称号に強く満足する。
[[71>百詩篇第6巻71番]]
その大王の葬礼を執り行おうと人々がやって来るであろう時に、
― 彼がその御霊を完全に返してしまう前に ―
それをあまり悲しむことにならないであろう者へと、
獅子たちと鷲たちを介して、十字架と王冠が売られる。
72
神聖な興奮のふりをした激情により、
貴人の細君は手ひどく犯されるだろう。
裁判官たちはそのような振る舞いを断罪することを望み、
犠牲者が何も知らない民衆に捧げられる。
[[73>百詩篇第6巻73番]]
さる修道士と熟練工が大都市の
門の近く、城壁沿いに住まう。
[[モデナ]]に対し、秘密をフクロウが語り、
(彼らは)裏切られる、婚礼という口実で実行するために。
[[74>百詩篇第6巻74番]]
追い払われた女性が王国に戻るだろう。
謀反者たちの中に彼女の敵が見出される。
かつてないほどに彼女の時代は勝ち誇ったものになるだろう。
三と七十が死を強く保証される。
[[75>百詩篇第6巻75番]]
偉大な水先案内人は国王から命じられるだろう、
より高い場に到るために艦隊を離れるようにと。
七年の後に(彼は)楯突くだろう。
[[バルバロイ]]の軍が[[ヴェネツィア]]を取り囲みに来るだろう。
[[76>百詩篇第6巻76番]]
[[アンテノルにより建設された古き都市>パドヴァ]]は
もはやその暴君を支持することができず、
不具を装う者が神殿で喉を切る。
その手下たちを民衆は死へと押しやることになるだろう。
77[[*>詩百篇第6巻77番]]
欺かれた者の詐欺的な勝利により、
二艦隊が一つに。ゲルマニアの反乱。
指導者は殺され、その息子は天幕に。
[[フィレンツェ]]とイモラはロマーニャで追い回されるだろう。
78[[*>詩百篇第6巻78番]]
大いなる[[スラン>Selin]]の三日月に勝ったと大声で告げる。
ローマ人たちによって鷲が要請されるだろう。
[[ティキヌム>パヴィーア]]、[[ミラノ]]、ジェノヴァはそれに同意しない。
そして彼ら自身によって偉大なる王位が要求されるだろう。
79
ティチーノの近くで、ロワール、
ガロンヌ、セーヌ、タルン、ジロンドの住民たちは
山々を越えて、橋頭堡を築くだろう。
紛争が与えられる。ポー川は増水し、波に呑まれる。
[[80>百詩篇第6巻80番]]
[[フェズ]]の王国がヨーロッパの諸王国へと到達するだろう。
彼らの都市に火、そして刃が断ち切るだろう。
アジアの貴人が海と陸とで大軍を。
それで紺青の者たちが十字架を死へと追いやるだろう。
[[81>百詩篇第6巻81番]]
涙、叫び、嘆き、怒号、恐怖
人でなしで残酷で黒く、凍てついた心。
レマン湖、島々、ジェノヴァの貴族たち、
血が撒き散らされ、情け容赦のない寒さと飢え。
82
開けた野生の地の砂漠で
偉大な教皇の甥が彷徨うことになるだろう。
(彼は)殴り倒される、重い丸太を持ち、
のちに聖杯を奪うであろう七人によって。
83
ガリア・ベルギカに入るにあたり、
多くの栄誉と賛辞を得るであろう者が、
しばしの後に多くの荒事をなし、
花に対して非常に好戦的になるだろう。
84
跛者であるためにスパルタに君臨できない者、
彼があまりにも誘惑的な方法で行おうとするので、
彼は不意に法廷に召喚されるだろうし、
自らの見解を王に対して示すだろう。
85
タルソスの大都市はガリア人によって
破壊されるだろう。全員ターバンに囚われる。
偉大なポルトガル人たちによる海からの救援。
夏の最初、聖なるウルバヌスの日。
[[86>百詩篇第6巻86番]]
偉大な高位聖職者が夢を見た翌日、
― その意味は正反対に解釈される ―
彼をガスコーニュから来た修道士が突然訪ね、
サンスの偉大な高位聖職者を選出させるだろう。
[[87>百詩篇第6巻87番]]
[[フランクフルト]]で行われた選挙は
なんら効力を持たないだろう。[[ミラノ]]が反駁するだろう。
彼の一番の近親者があまりにも強大に見えるので、
ライン川を越えて沼地に追いやられるであろう。
[[88>百詩篇第6巻88番]]
ある大王国が荒廃したままになるだろう。
エブロ川の近くで会合が持たれるだろう。
ピレネー山脈が彼を慰めるだろう、
五月に大地が震えるであろう時に。
[[89>百詩篇第6巻89番]]
二隻の小舟の間で足と手を結び付けられ、
顔に蜜と乳を塗られ、命を繋ぐも、
忍ぶ愛(のせいで)、雀蜂と蝿に苦しめられ、
盃に穴を開ける酌人(からも)、試される。
90
悪臭を放つ忌まわしき不名誉は、
その行為の後で祝福されるであろう。
[[ネプトゥヌス]]が平和に靡かなかったことに
好意的でないために、貴人は赦される。
91
海戦の指揮官により、
赤き者は抑えがきかなくなり、深刻で恐るべき騒擾が。
捕虜は年長者から逃れて袋の中へと、
アグリッパの息子が貴人から産まれるであろう時に。
92[[*>詩百篇第6巻92番]]
あまりに美しく優雅な君主が、
指導者へと連行され、二度目に裏切られる。
都市には剣、その表面は火薬で燃やされる。
あまりの大虐殺ゆえに、指導者は国王から恨まれる。
93
吝嗇な高位聖職者が野望に欺かれる。
強く思うようになること以外には何もないだろう。
その伝令官たちと彼が罠に掛けられる。
木を割った者がまったく正反対に見る。
[[94>百詩篇第6巻94番]]
王は誓約を破る者に怒るだろう、
戦いの甲冑が禁じられるであろうときに。
苺のために砂糖に塗られた毒。
大水によって傷つけられ、「閉じろ、閉じろ」と言いつつ死んだ者。
95
軽んずる者によって、より若いものへの中傷が、
並外れた戦争行為が起こるであろう時に。
最も小さな疑わしき部分が年長者に。
そしてすぐに王国では党派的行為があるだろう。
[[96>百詩篇第6巻96番]]
大いなる都市は兵士たちに委ねられる。
こんなに切迫した致命的な騒擾はかつてなかった。
おお、何という忌まわしい惨禍が近づいていることか。
一つの攻撃を除けば、そこで許されるものはないだろう。
[[97>百詩篇第6巻97番]]
五と四十度で空は燃えるだろう、
火が大きな新しい都市に近づくために。
瞬時に撒き散らされた大きな炎が爆ぜるだろう。
人々がノルマン人たちを試したいであろう時に。
[[98>百詩篇第6巻98番]]
非常に強い恐怖によって、恐るべきウォルスキ人たちは荒らされる。
彼らの大いなる都市は染められる、悪疫のような行為(によって)、
つまりは太陽と月とを奪うことや、神殿を荒らすこと、
そして二つの川を流血で赤くすること(によって)。
[[99>百詩篇第6巻99番]]
博学な敵が混乱に転じるだろう。
大いなる陣営が病み、待ち伏せによって崩される。
ピレネー山脈もポエヌスも、彼に拒絶されるだろう、
その川の近くで古い甕が発見されるから。
[[愚かな批評家に対する法の警句]]
この詩を読むであろう方々よ。とくと熟考なさい。
俗人、門外漢、無知な者に近づいてはならない。
占星術師、愚者、野蛮人は全て遠ざかっていなさい。
さもなくば儀式に従って呪われるがよい。
**補遺篇
[[100>百詩篇第6巻100番]]
アウラの娘であり、不健全な者が避難する場所、
そこでは天を衝く円形劇場が見える。
驚異が見られ、汝の災いが切迫して近づいている。
汝は囚われるだろう、四回以上も。
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