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[[ミシェル・ノストラダムス師の予言集]]の&bold(){詩百篇第5巻}(&bold(){百詩篇第5巻})は、100篇の四行詩で構成されている。補遺篇などは存在しない。現在確認できる範囲内では、[[1557年9月6日版予言集>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1557年)]] (1557U) で初めて公刊された。
*翻訳
以下に詩百篇第5巻の全100篇の翻訳を提供する。
詩番号にリンクが貼ってあるものは、別ページに解説を用意してある。ただし、&color(red){詩番号の隣の*にリンクが貼ってある場合は、当面、非公開なのでご理解いただきたい。}
リンク先原文の底本は1557Uである。
訳文はいずれも不断の見直しを必要とする仮訳だが、とりわけ解説を作成していない詩については、今後の詳細な分析の中で、主として採用する訳文が大きく変更される可能性があることを、あらかじめご承知おきいただきたい。
( )は言葉を補ったもの、〔 〕は難読語の読み、〔= 〕は簡略な語注を指す。
[[1>百詩篇第5巻1番]]
ケルト人の破滅が到来する前に、
寺院の中で二人が話し合うだろう。
駿馬に跨った者の短剣と槍が心臓に。
騒ぐことなしに(彼らは)その貴人を埋葬するだろう。
2[[*>詩百篇第5巻2番]]
宴席で陰謀に加担する七人は閃かせるだろう、
三人に対して白刃を、船の外で。
一人が二船団を貴人へと導かせるだろう。
その額に金槌でドゥニエ貨幣を打ちつける時に。
[[3>百詩篇第5巻3番]]
公国の後継者が来るだろう、
[[トスカーナ]]の海よりもずっとさらに遠く。
ガリアの分家は[[フィレンツェ]]をかかえこむだろう、
そのふところに。海の蛙は合意する。
[[4>百詩篇第5巻4番]]
都市から追い払われた大きなマスチフ犬が、
異国の同盟に悩まされるだろう。
野で牡鹿が追われた後に、
狼と熊が互いに不信を抱くだろう。
[[5>百詩篇第5巻5番]]
隷属から取り去るという偽りの口実で、
人々と都市を彼自身が強奪するだろう。
若い娼婦の詐術によって一層悪いことをするだろう。
偽りの序文を読みながら、野で引き渡される。
[[6>百詩篇第5巻6番]]
[[卜占官]]が王の頭上に手を置いて、
イタリアの平和を祈ることになるだろう。
王杖を左手に持ち替えることになるのだ。
王から平穏な皇帝になるだろう。
7
三頭政治執政官の骨が発見されるだろう、
謎めいた財宝を地中深く探していると。
一帯の人々は休める状態にないだろう、
大理石と金属光沢のある鉛を発掘することで。
[[8>百詩篇第5巻8番]]
生きて火に委ねられるだろう。死して隠される。
球形の中におぞましく恐るべきもの。
夜間、艦隊により都市は灰燼に帰せられる。
都市には火。敵には好都合。
9
巨大な櫃は底まで壊される、
捕虜の長によって。その友は先を越される。
婦人から、顔面毛むくじゃら(の子供)が生まれるだろう。
その時、奸策によって公爵には死がもたらされる。
10
ケルトの指導者が紛争の中で傷つけられる、
穴倉近くで、死が彼の配下たちを打ち倒すのを見つつ。
血と傷と敵たちによって追い詰められ、
見知らぬ四人によって救われる。
[[11>百詩篇第5巻11番]]
太陽の民たちにとって、海は安全に渡れなくなるだろう。
[[ウェヌス]]の人々はアフリカ全土を掌握するだろう。
彼らの王国をもはや太陽も[[サトゥルヌス]]も占領することはないだろう。
そしてアジアの一部が変わるだろう。
12
[[レマン湖]]の近くで手引きされるだろう、
都市を裏切りたい異国の娘によって。
その殺害の前に、[[アウクスブルク]]では大追跡が。
そして、ライン川の人々はそこに侵攻しに来るだろう。
13[[*>詩百篇第5巻13番]]
ベルギカのローマ王は激しい昂ぶりによって
軍隊を使って[[バルバロイ]]を苦しめることを望むだろう。
激昂で(歯を)軋らせつつ、リビアの民を追い払うだろう、
[[パンノニア]]からヘラクレスの柱まで。
[[14>百詩篇第5巻14番]]
[[土星>サトゥルヌス]]と[[火星>マルス]]が獅子宮にあり、スペインは囚われる。
衝突に際してリビアの指導者によって捕縛され、
マルタと[[ロードス]]の近くで生け捕りにされる。
そして、[[ローマ]]の王杖は雄鶏によって打たれるであろう。
15
航海中、教皇は虜囚の身となる。
大規模な準備をしくじり、聖職者たちは蜂起させられる。
次に選ばれた者は不在で、その財政は悪化する。
彼のお気に入りの私生児は殺される。
[[16>百詩篇第5巻16番]]
[[シェバの涙]]はもはや高価ではなく、
人の肉身は死によって灰となる。
ファロス島では十字軍兵士たちによって錯乱させられる。
その時[[ロードス]]では苛烈な亡霊が現われるだろう。
17
国王は夜に回廊の近くを通り、
キプロス出身の重要人物を見張る。
国王はしくじり、手勢は[[ローヌ川]]沿いに逃れる。
陰謀の加担者たちは彼を殺しに行くだろう。
18
打ち倒された不幸な者が悲嘆に暮れて死ぬだろう。
彼に勝利した女は[[ヘカトンベ]]の式典を挙行するだろう。
原初の自由権の規定は王令によって回復される。
壁と君主は七日目に陥落する。
[[19>百詩篇第5巻19番]]
大いなるロワイヤル金貨は青銅(の比重)が増やされる。
約定は破られ、若者によって戦端が開かれる。
民衆は指導者によって悲しみに暮れ、嘆かされる。
大地は[[バルバロイ]]の血で覆われるだろう。
[[20>百詩篇第5巻20番]]
大軍がアルプスを越えるだろう。
少し前に[[ヴァパン>vapin]]の怪物が生まれるだろう。
驚倒すべきほど突然に引き返すだろう、
[[トスカーナ]]の貴人が最も近い彼の土地へと。
21
[[ラティウム]]の君主の逝去により、
彼が領有していた臣民たちは王国によって救済される。
火が輝くだろう。戦利品が分けられる。
公的な死が大胆な者たちによって課せられる。
22
[[ローマ]]にて貴人が魂を委ねる前に、
大いなる恐怖が異国の軍隊に。
騎兵隊により、パルマ付近では待ち伏せが。
そして赤き者二人が一緒に食事をとるだろう。
23
対立する二者が一つにまとまるだろう、
大部分が[[マルス]]と合になるであろう時に。
アフリカの大物は恐怖で震える。
二頭政治は艦隊のせいで分かたれる。
24
[[ウェヌス]]の下での王国と教えが高くなる。
[[サトゥルヌス]]は[[ユピテル]]の上に帝国を築くだろう。
太陽による教えと王国が持ち上げられる。
サトゥルヌスの人々による最悪に耐え忍ぶだろう。
[[25>百詩篇第5巻25番]]
火星、太陽、金星(が)、獅子宮(に入る)。アラブの君主(により)、
教会の統治は海から潰されるだろう。
ペルシアの辺りで、まさにほぼ百万。
[[ビュザンティオン>イスタンブル]]とエジプト(に)、[[ヴェル=セルプ>ver.serp.]]が侵攻するだろう。
26
隷属する民族は軍事的な幸運によって、
あまりにも高い水準に持ち上げられることになるだろう。
(彼らは)君主をさる地方出身者に替えるだろう。
軍隊は海を越え、山々に登る。
[[27>百詩篇第5巻27番]]
火と武器によって、黒海から遠くないところにある
トレビゾンドを占領しにペルシャから来るだろう。
ファーロスとミティリーニは震え、太陽は快活で、
アドリア海はアラブ人の血で覆われる。
28
腕は吊るされ、足は繋がれる。
顔面は蒼白、胸部には短剣が隠される。
三人は群集によって宣誓させられるだろう。
ジェノヴァの貴人には鉄器が放たれる。
[[29>百詩篇第5巻29番]]
自由は元に戻らないだろう。
黒く尊大で卑しく不公正な者がそれを占有するだろう。
[[ヒステル>Hister]]の橋の資材が加工されるであろうとき、
[[ヴェネツィア共和国>ヴェネツィア]]は悲嘆にくれるだろう。
[[30>百詩篇第5巻30番]]
大いなる都市の辺り一面で、
兵士たちが野に町に駐留するだろう。
[[パリ]]を襲撃するために、[[ローマ]]が唆される。
その時、橋の上では大掠奪が行われるだろう。
31[[*>詩百篇第5巻31番]]
アッティカの大地での叡智の始原、
それが今や世界のバラである。
橋が壊され、その偉大なる卓越者は
沈められ、波間で遭難するだろう。
[[32>百詩篇第5巻32番]]
全てが良好にして順調で、太陽と月が
豊かにある場所。その破滅が近づいている。
空から急いで変えにやってくる、汝の財産を
七番目の巌と同じ状態に。
[[33>百詩篇第5巻33番]]
叛乱した都市の主だった人々、
彼らは自由を取り戻す側を強く支持するだろう。
男たちを虐殺する。不幸な乱闘。
ナントでの叫びや悲鳴。哀れな人々を目にする。
[[34>百詩篇第5巻34番]]
[[イングランド]]西方の最奥部から
― そこはブリテン島の指導者のいる場所 ―
艦隊が[[ブロワ]]を経由しジロンド川に入るだろう。
ワインと塩の代わりに火器が大樽に隠される。
[[35>百詩篇第5巻35番]]
塩辛い大洋の自由都市に
― そこは今も胃に石を持っている ―
[[イングランド]]の艦隊が霧雨の中を来るだろう、
小枝を取りに。偉人によって戦端が開かれる。
36[[*>詩百篇第5巻36番]]
姉(妹)の弟(兄)は憎悪と欺瞞によって、
混ぜに来るだろう、鉱物に露を
菓子の上で。(それを)鈍い老婆に与え、
死なせる。それを味わう者は単純にして愚昧だろう。
[[37>百詩篇第5巻37番]]
三百人がひとつの望みと合意に属するだろう、
彼らの目的を達成しきるために。
二十か月の後、全ての者たちと証人たちが、
偽りの憎悪を模倣しつつ、彼らの王を裏切る。
[[38>百詩篇第5巻38番]]
かの大君主、その死を受け継ぐであろう者が
法に背く淫奔な生活をもたらすだろう。
不精ゆえに全員を認知するだろうから、
しまいにはサリカ法典が必要になるだろう。
[[39>百詩篇第5巻39番]]
百合の花の真の枝の中から、
エトルリアの後継者が置かれ、とどまる。
長きに渡って織りなされてきたその由緒ある血が、
紋章としての[[フィレンツェ]]を花開かせるだろう。
40
王家の血があまりにもひどく混ざり合うだろう。
ガリア人たちは[[ヘスペリア]]から(撤退することを)強いられるだろう。
人々は待つだろう、一定期間が過ぎ、
その声の記憶が消え去るまで。
[[41>百詩篇第5巻41番]]
夜のような日中と陰の下に生まれた者が、
この上ない善良さで君臨し、
古い壺からの彼の血統を蘇らせるだろう、
青銅の時代を黄金の時代と取り替えつつ。
42
その最も高い塔に上った[[マルス]]は、
[[アロブロゲス>Allobroges]]たちをフランスから退却させるだろう。
ロンバルディアの民は非常に強い恐怖を喚起させるだろう、
天秤宮の下に含まれる鷲の人々に。
43
聖職者たちの大々的な破滅は遠くない、
プロヴァンスでも[[ナポリ]]でも[[シチリア>シチリア島]]でもセーでもポンスでも。
ゲルマニアではラインとケルンにて、
マグンティアクムの万民により、死に至る苦しみを受けるだろう。
44
海で赤き者が海賊たちに捕らわれるだろう。
平和は彼の仲介で掻き乱されるだろう。
見せかけの行為によって激昂と貪欲がひとつになるだろう。
偉大な教皇には軍隊が倍増されるだろう。
45[[*>詩百篇第5巻45番]]
すぐに大帝国が荒らされるだろう。
そしてアルドゥエンナ・シルウァ近くへと移される。
私生児二人が年長者に斬首される。
そして鷲鼻の[[アヘノバルブス>Aenobarbe]]が君臨するだろう。
46
赤帽たちによって諍いと新たな分裂が(あるだろう)、
そのサビニ人が選ばれるであろう時に。
彼に対する新たな詭弁が生み出されるだろう、
そして[[ローマ]]は[[アルバの人々>Albanois]]に侵害されるだろう。
47
大いなるアラブ人がかなり前へと行進し、
[[ビュザンティオン>イスタンブル]]人たちに裏切られるだろう。
由緒ある[[ロードス]]が彼の前に立ちはだかるだろう。
粗野な[[パンノニア]]人たちによる、いっそう大きな災いが。
48
王杖の大いなる苦悩の後で、
敵二人が彼らに破られるだろう。
アフリカの艦隊が[[パンノニア]]人たちへと姿を現すことになるだろう。
海と陸とで恐るべきことが行われるだろう。
[[49>百詩篇第5巻49番]]
スペインからでは一切なく、由緒あるフランスから
揺れる舟のために選ばれるだろう。
敵方への信頼が生み出されるだろう。
それは彼の王国では苛烈な[[悪疫]](のごとく)であろう。
50[[*>詩百篇第5巻50番]]
白百合の兄弟が成人になる年に、
彼らのうちの一人が大いなるロマニアを保持するだろう。
山々が震え、[[ラティウム]]の小道が開かれる。
アルメニアの強者に対抗し、打ち砕くための約定。
51[[*>詩百篇第5巻51番]]
ダキア、イングランド、ポーランド、
ボヘミアの民が新たな同盟を結ぶだろう、
ヘラクレスの柱の向こうへ赴くために。
バルキノとティレニアの者たちは残酷な諍いを打ち立てる。
52
ある王が反対するだろう。
亡命者たちは王国で高められるだろう。
ヒッポリュトスの階級社会の連中が血の中を泳ぐ。
そして長い間そのような旗印の下で栄えるだろう。
[[53>百詩篇第5巻53番]]
太陽の教義と金星(の教義)が争い合うだろう。
預言の精髄を適用しつつ、
一方も他方も理解されることはないだろう。
偉大なメシアの教義は太陽によって保つだろう。
[[54>百詩篇第5巻54番]]
ポントゥス・エウクシヌスと大タルタリアから、
一人の王が現れるだろう。彼はガリアを見に来ようとして、
アラニアとアルメニアを貫通し、
[[ビュザンティオン>イスタンブル]]では血塗られた鞭を残すだろう。
[[55>百詩篇第5巻55番]]
アラビア・フェリックス地方〔=現イエメン〕から
[[ムハンマド]]の信仰をもつ強者が生まれるだろう。
スペインを悩ませ、[[グラナダ]]を征服する。
さらには海を経て[[リグーリア]]の民へと。
[[56>百詩篇第5巻56番]]
非常に高齢の教皇の逝去により、
適齢のローマ人が選ばれるだろう。
彼はその座 〔=教皇の聖座〕 を弱体化させたと言われるだろうが、
長く(その地位を)保つだろう、辛辣な企てによって。
[[57>百詩篇第5巻57番]]
ゴシエ山とアヴェンティーノから出るだろう、
穴を通じて軍隊に知らせる者が。
二つの岩の間で戦利品が取られるだろう。
セクストゥスの霊廟の名声は衰える。
[[58>百詩篇第5巻58番]]
ガルドン川のユティサンスの水道橋、
― それは森と近寄れない山を通っている ―
その橋の真ん中にて、拳で汚されるだろう、
非常に恐ろしいネマウススの首領は。
[[59>百詩篇第5巻59番]]
ニームにて[[イングランド]]の指導者には過度の逗留が。
[[アヘノバルブス>Aenobarbe]]はスペインの方へと救援に。
多くの者たちがその日に開かれた[[マルス]]によって死ぬだろう。
アルトワで[[鬚髯>barbe]] 〔ひげ〕 の星が衰える時に。
60
剃髪頭にとって、まさしく悪い人物を選ぶことになるだろう。
彼以上に非難される者が扉を通ることはないだろう。
(彼は)あまりにも強い激昂や激怒を口にするだろう、
両性とも火と血とで引き裂くであろうほどに。
61
その出生地にはいない貴人の子供が、
アッペンニーノの高い山々を征服するだろう。
天秤宮の人々すべてを震えさせるだろう、
そして火の山々からモン=スニまでも。
[[62>百詩篇第5巻62番]]
岩々の上に血が雨下するのが見られるだろう。
東方の太陽、西方の土星。
オルゴンの近くで戦争、[[ローマ]]では大いなる災厄を見る。
船舶は水底に沈められ、三叉の衝角を持つ船は奪われる。
[[63>詩百篇第5巻63番]]
無為な遠征による名誉、不相応な不満。
船乗りたちは寒さ、空腹、荒波の中、[[ラティウム]]をさまよう。
[[テヴェレ川]]から遠くない大地は血塗られる。
人々は様々な痛手を負うだろう。
[[64>百詩篇第5巻64番]]
集められた人々の大多数が落ち着くことで、
陸と海を通じての勧告は取り消される。
秋が近づくとジェノヴァとニースでは陰で
田舎と諸都市とを通じ、指導者が反逆される。
65
突然の来訪で、恐怖は大きいだろう。
その事件の主要人物の幾人かは隠される。
そして燃え上がる婦人はもはや目も当てられないだろう。
徐々に貴人たちは怒るだろう。
[[66>百詩篇第5巻66番]]
[[ウェスタリス]]の古い建物の下、
崩れた水道橋から遠くないところ。
輝く金属は太陽と月に属している。
黄金で彫られたトラヤヌスの燃えるランプ。
67
ペルージャの指導者があえて寛衣を
脱ぎ捨てて裸身を晒そうとはしないであろう時に、
アリストクラティアの行為で七人が囚われるだろう。
父と息子は頸部への刺突で殺される。
[[68>百詩篇第5巻68番]]
ドナウ川とライン川に水を飲みに来て、
大きなラクダがそれを悔いることはないだろう。
ローヌ川の人々を震撼させ、ロワール川の人々を一層強く(震撼させる)。
そしてアルプスの近くで雄鶏がそれを滅ぼすだろう。
[[69>百詩篇第5巻69番]]
偉人はもはや偽りの眠りに陥らないだろう。
憂慮が休息することになるだろう、
黄金、瑠璃、紅玉の杖を仕上げて、
アフリカを征服し、骨まで齧ることで。
70
天秤宮に従えられている諸地域の
山々を(彼らは)大戦によって悩ませるだろう。
両性も[[ビュザンティオン>イスタンブル]]のすべての人々も囚われる。
それで人々は夜明けに大地から大地へと叫ぶだろう。
71
水にたどり着く一人の激昂によって、
そして大いなる怒りによって、全軍が動揺させられる。
貴族たちは十七隻の舟に乗せられる。
ローヌ川沿いに、遅れた伝令官が来る。
[[72>百詩篇第5巻72番]]
享楽的な王令の望むところのせいで、
品位に毒が混ぜられるだろう。
[[ウェヌス]]が流れにおいてあまりにも力強くなるだろうから、
太陽の品位をことごとく暗くするだろう。
[[73>百詩篇第5巻73番]]
神の教会が迫害されるだろう。
そして聖なる殿堂群が掠奪に遭うだろう。
母親は幼子を肌着一枚にするだろう。
アラブ人たちはポーランド人たちと再び一つにまとまるだろう。
[[74>百詩篇第5巻74番]]
[[トロイアの血]]からゲルマニアの心が生まれ、
非常に高らかな力となるだろう。
アラブの異邦人を外へと駆逐するだろう、
教会をかつての優位に戻しつつ。
[[75>百詩篇第5巻75番]]
その場所で、より右に向かって高く登るだろう。
方形の石に座ったままでいるだろう。
南面し、左に置かれる。
手には曲がった杖、口は閉じられる。
76[[*>詩百篇第5巻76番]]
空いている場所で(彼は)天幕を張るだろう。
そして諸都市では陣取ることを望まないだろう。
エクス、カルパントラ、ウォルカエの島、カヴァイヨンの丘、
それらの場所すべてで自らの足跡を消し去るだろう。
77
教会の栄誉のあらゆる位階が、
ディアリス・クィリナリスに替わるだろう。
司祭職はマルティアリス・クィリナリスに。
フランス王はそれをウォルカヌス式にするだろう。
78
二者が長くまとまり続けることはないだろう、
十三年のあいだ、[[バルバロイ]]のサトラップに対して。
双方の側に(彼らが)あまりにも損害を生み出すだろうから、
一人が小舟とそのケープを賛美するだろう。
[[79>百詩篇第5巻79番]]
聖なる華美がその翼を低くすることになるだろう、
偉大な立法者の到来によって。
下層民を高くし、反逆者たちを悩ませるだろう。
(彼と)競える者は地上に一人も生まれないだろう。
80
[[オグミオス]]が大[[ビュザンティオン>イスタンブル]]に近づくだろう。
[[バルバロイ]]の同盟は駆逐されるだろう。
二つの教義のうちの一つが異教を放り捨てるだろう。
バルバロイとフランク族は永遠に権謀術数を巡らせる。
[[81>百詩篇第5巻81番]]
太陽の都市で王家の鳥が、
七ヶ月前に夜間の前兆を示すだろう。
東の壁は陥落するだろう。雷鳴と稲妻。
七日が経つとすぐさま敵たちが門へと。
82
砦の外で協約がまとまる。
そのことに落胆させられた者は出ないだろう。
アルボワとラングルの人々がブレスに対抗し、
ドールの丘で敵の待ち伏せをするだろう時に。
83
比類なく強い無敵の王国を
転覆させようと企む者たちが、
夜に、偽計によって三人に警告するだろう。
最も偉大な者が卓上で[[聖書]]を読むであろう時に。
[[84>百詩篇第5巻84番]]
湾と測りしれない都市から生まれるだろう、
暗く陰鬱な両親を出自とする者が。
その者は、大王の畏敬される権力を
[[ルーアン]]と[[エヴルー]]を経て破壊することを望むだろう。
[[85>百詩篇第5巻85番]]
[[スエビ人]]たち(の土地)とその近隣の辺りで、
(彼らは)戦争状態になるだろう、雲霞のごときもの
― 海風に乗る軍勢、すなわち[[イナゴ>飛蝗]]とイエカ 〔家蚊〕 ― のせいで。
[[レマン>レマン湖]]の牧場はまさしく丸裸にされるだろう。
86
双頭と三本の分かれた腕によって、
大いなる都市は水に悩まされるだろう。
彼らの中の偉大な何人かは亡命によって彷徨う。
ペルシアの頭によって[[ビュザンティオン>イスタンブル]]は強く押されるだろう。
87
[[サトゥルヌス]]が隷属から外れるであろう年、
フランク族の領地では洪水が起こるだろう。
[[トロイアの血]]の結婚があり、
スペイン人たちに取り囲まれ、安全になるだろう。
88
忌まわしい洪水によって砂浜で
別の海から来た海の怪物が見付かる。
その場所の近くでは避難が行われるだろう、
サヴォーナを[[トリノ]]に隷属させたままにしつつ。
89
ハンガリーで、ボヘミアとナヴァルによって、
そしてその旗に集った軍隊によって、偽りの暴動が。
白百合の花を持つものによって横木が。
オルレアンに対抗し、蜂起するだろう。
[[90>百詩篇第5巻90番]]
キクラデス諸島で、[[ペリントス]]とラリサで、
スパルタとペロポネソス半島全域で、
非常に大規模な飢饉と[[悪疫]]が鎌によって影響を受け、
九ヶ月続くだろう。そして[[ケルソネソス>Cherronnesse]]の全域にも。
[[91>詩百篇第5巻91番]]
大きな市場にて ― そこは嘘つきたち(の大きな市場)と呼ばれ、
急流の端とアテナイの野とに位置する ―、
(彼らは)襲撃されるだろう、軽騎兵たちによって、
アルバニア人たちによって。火星は獅子宮に、土星は宝瓶宮の第一度に。
[[92>百詩篇第5巻92番]]
御座が十七年間保たれた後に、
そういう巡り終えた期間に五人が変わるだろう。
そして、同じ時期に一人が選ばれるだろう。
その者はローマ人たちには余り似つかわしくないだろう。
[[93>百詩篇第5巻93番]]
太陰の丸い球体 〔=月〕 の領域のもとで、
[[メルクリウス]]が支配者となるであろう時、
スコットランドの島が光るものをひとつ生み出すだろう。
それはイングランド人たちを落胆させるだろう。
94
大ゲルマニアに運ぶだろう。
ブラバントとフランドル、ヘント、ブルッヘとブーローニュ。
休戦が装われ、アルメニアの大公は
ウィーンとケルンを襲うだろう。
95
海の櫂が招くだろう、大帝国の陰を。
そのとき、惹き起こすことになるだろう、
エーゲ海で舟艇の遭難事故を。
ティレニアの海に沿って航海することを妨げつつ。
96
大いなる世界の中心にバラが。
新しい事件のせいで、公的な血が流される。
真実を語るその口を人々は閉ざすだろう。
待ち望まれたものは必要な時に遅れてやってくるだろう。
97
異なる生まれの者が恐怖で息詰まる、
大王が住まう都市で。
捕虜たちに厳しい王令が取り消される。
雹と雷鳴、コンドン(の被害)は計り知れない。
[[98>百詩篇第5巻98番]]
緯度の四十八度にて、
巨蟹宮の終わりに非常に大きな旱魃が。
海、川、湖の魚は熱せられて痩せ衰える。
ベアルン、[[ビゴール]]は天の火により苦境に陥る。
[[99>百詩篇第5巻99番]]
[[ミラノ]]、[[フェッラーラ]]、[[トリノ]]、アクイレイア、
[[カプア]]、ブリンディジは悩まされるだろう、ケルト人によって、
獅子によって、鷲の軍隊によって。
[[ローマ]]がブリタニアの老人を指導者に戴くであろう時に。
[[100>百詩篇第5巻100番]]
火付け役が自分の火にまかれる、
天からの火により、[[カルカソンヌ]]とコマンジュ方面の
[[フォワ]]、オーシュ、マゼールにて。高位の老人は逃がされる、
ヘッセン、ザクセン、テューリンゲンの人々によって。
----
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[[第1巻>詩百篇第1巻]]・[[第2巻>百詩篇第2巻]]・[[第3巻>百詩篇第3巻]]・[[第4巻>百詩篇第4巻]]・&bold(){第5巻}・[[第6巻>百詩篇第6巻]]・[[第7巻>百詩篇第7巻]]・[[第8巻>詩百篇第8巻]]・[[第9巻>詩百篇第9巻]]・[[第10巻>詩百篇第10巻]]・[[第11巻>詩百篇第11巻]]・[[第12巻>詩百篇第12巻]]
[[ミシェル・ノストラダムス師の予言集]]の&bold(){詩百篇第5巻}(&bold(){百詩篇第5巻})は、100篇の四行詩で構成されている。補遺篇などは存在しない。現在確認できる範囲内では、[[1557年9月6日版予言集>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1557年)]] (1557U) で初めて公刊された。
*翻訳
以下に詩百篇第5巻の全100篇の翻訳を提供する。
詩番号にリンクが貼ってあるものは、別ページに解説を用意してある。ただし、&color(red){詩番号の隣の*にリンクが貼ってある場合は、当面、非公開なのでご理解いただきたい。}
リンク先原文の底本は1557Uである。
訳文はいずれも不断の見直しを必要とする仮訳だが、とりわけ解説を作成していない詩については、今後の詳細な分析の中で、主として採用する訳文が大きく変更される可能性があることを、あらかじめご承知おきいただきたい。
( )は言葉を補ったもの、〔 〕は難読語の読み、〔= 〕は簡略な語注を指す。
[[1>百詩篇第5巻1番]]
ケルト人の破滅が到来する前に、
寺院の中で二人が話し合うだろう。
駿馬に跨った者の短剣と槍が心臓に。
騒ぐことなしに(彼らは)その貴人を埋葬するだろう。
2[[*>詩百篇第5巻2番]]
宴席で陰謀に加担する七人は閃かせるだろう、
三人に対して白刃を、船の外で。
一人が二船団を貴人へと導かせるだろう。
その額に金槌でドゥニエ貨幣を打ちつける時に。
[[3>百詩篇第5巻3番]]
公国の後継者が来るだろう、
[[トスカーナ]]の海よりもずっとさらに遠く。
ガリアの分家は[[フィレンツェ]]をかかえこむだろう、
そのふところに。海の蛙は合意する。
[[4>百詩篇第5巻4番]]
都市から追い払われた大きなマスチフ犬が、
異国の同盟に悩まされるだろう。
野で牡鹿が追われた後に、
狼と熊が互いに不信を抱くだろう。
[[5>百詩篇第5巻5番]]
隷属から取り去るという偽りの口実で、
人々と都市を彼自身が強奪するだろう。
若い娼婦の詐術によって一層悪いことをするだろう。
偽りの序文を読みながら、野で引き渡される。
[[6>百詩篇第5巻6番]]
[[卜占官]]が王の頭上に手を置いて、
イタリアの平和を祈ることになるだろう。
王杖を左手に持ち替えることになるのだ。
王から平穏な皇帝になるだろう。
7
三頭政治執政官の骨が発見されるだろう、
謎めいた財宝を地中深く探していると。
一帯の人々は休める状態にないだろう、
大理石と金属光沢のある鉛を発掘することで。
[[8>百詩篇第5巻8番]]
生きて火に委ねられるだろう。死して隠される。
球形の中におぞましく恐るべきもの。
夜間、艦隊により都市は灰燼に帰せられる。
都市には火。敵には好都合。
9
巨大な櫃は底まで壊される、
捕虜の長によって。その友は先を越される。
婦人から、顔面毛むくじゃら(の子供)が生まれるだろう。
その時、奸策によって公爵には死がもたらされる。
10
ケルトの指導者が紛争の中で傷つけられる、
穴倉近くで、死が彼の配下たちを打ち倒すのを見つつ。
血と傷と敵たちによって追い詰められ、
見知らぬ四人によって救われる。
[[11>百詩篇第5巻11番]]
太陽の民たちにとって、海は安全に渡れなくなるだろう。
[[ウェヌス]]の人々はアフリカ全土を掌握するだろう。
彼らの王国をもはや太陽も[[サトゥルヌス]]も占領することはないだろう。
そしてアジアの一部が変わるだろう。
12
[[レマン湖]]の近くで手引きされるだろう、
都市を裏切りたい異国の娘によって。
その殺害の前に、[[アウクスブルク]]では大追跡が。
そして、ライン川の人々はそこに侵攻しに来るだろう。
13[[*>詩百篇第5巻13番]]
ベルギカのローマ王は激しい昂ぶりによって
軍隊を使って[[バルバロイ]]を苦しめることを望むだろう。
激昂で(歯を)軋らせつつ、リビアの民を追い払うだろう、
[[パンノニア]]からヘラクレスの柱まで。
[[14>百詩篇第5巻14番]]
[[土星>サトゥルヌス]]と[[火星>マルス]]が獅子宮にあり、スペインは囚われる。
衝突に際してリビアの指導者によって捕縛され、
マルタと[[ロードス]]の近くで生け捕りにされる。
そして、[[ローマ]]の王杖は雄鶏によって打たれるであろう。
15
航海中、教皇は虜囚の身となる。
大規模な準備をしくじり、聖職者たちは蜂起させられる。
次に選ばれた者は不在で、その財政は悪化する。
彼のお気に入りの私生児は殺される。
[[16>百詩篇第5巻16番]]
[[シェバの涙]]はもはや高価ではなく、
人の肉身は死によって灰となる。
ファロス島では十字軍兵士たちによって錯乱させられる。
その時[[ロードス]]では苛烈な亡霊が現われるだろう。
17
国王は夜に回廊の近くを通り、
キプロス出身の重要人物を見張る。
国王はしくじり、手勢は[[ローヌ川]]沿いに逃れる。
陰謀の加担者たちは彼を殺しに行くだろう。
18
打ち倒された不幸な者が悲嘆に暮れて死ぬだろう。
彼に勝利した女は[[ヘカトンベ]]の式典を挙行するだろう。
原初の自由権の規定は王令によって回復される。
壁と君主は七日目に陥落する。
[[19>百詩篇第5巻19番]]
大いなるロワイヤル金貨は青銅(の含有量)が増やされる。
約定は破られ、若者によって戦端が開かれる。
民衆は指導者によって悲しみに暮れ、嘆かされる。
大地は[[バルバロイ]]の血で覆われるだろう。
[[20>百詩篇第5巻20番]]
大軍がアルプスを越えるだろう。
少し前に[[ヴァパン>vapin]]の怪物が生まれるだろう。
驚倒すべきほど突然に引き返すだろう、
[[トスカーナ]]の貴人が最も近い彼の土地へと。
21
[[ラティウム]]の君主の逝去により、
彼が領有していた臣民たちは王国によって救済される。
火が輝くだろう。戦利品が分けられる。
公的な死が大胆な者たちによって課せられる。
22
[[ローマ]]にて貴人が魂を委ねる前に、
大いなる恐怖が異国の軍隊に。
騎兵隊により、パルマ付近では待ち伏せが。
そして赤き者二人が一緒に食事をとるだろう。
23
対立する二者が一つにまとまるだろう、
大部分が[[マルス]]と合になるであろう時に。
アフリカの大物は恐怖で震える。
二頭政治は艦隊のせいで分かたれる。
24
[[ウェヌス]]の下での王国と教えが高くなる。
[[サトゥルヌス]]は[[ユピテル]]の上に帝国を築くだろう。
太陽による教えと王国が持ち上げられる。
サトゥルヌスの人々による最悪に耐え忍ぶだろう。
[[25>百詩篇第5巻25番]]
火星、太陽、金星(が)、獅子宮(に入る)。アラブの君主(により)、
教会の統治は海から潰されるだろう。
ペルシアの辺りで、まさにほぼ百万。
[[ビュザンティオン>イスタンブル]]とエジプト(に)、[[ヴェル=セルプ>ver.serp.]]が侵攻するだろう。
26
隷属する民族は軍事的な幸運によって、
あまりにも高い水準に持ち上げられることになるだろう。
(彼らは)君主をさる地方出身者に替えるだろう。
軍隊は海を越え、山々に登る。
[[27>百詩篇第5巻27番]]
火と武器によって、黒海から遠くないところにある
トレビゾンドを占領しにペルシャから来るだろう。
ファーロスとミティリーニは震え、太陽は快活で、
アドリア海はアラブ人の血で覆われる。
28
腕は吊るされ、足は繋がれる。
顔面は蒼白、胸部には短剣が隠される。
三人は群集によって宣誓させられるだろう。
ジェノヴァの貴人には鉄器が放たれる。
[[29>百詩篇第5巻29番]]
自由は元に戻らないだろう。
黒く尊大で卑しく不公正な者がそれを占有するだろう。
[[ヒステル>Hister]]の橋の資材が加工されるであろうとき、
[[ヴェネツィア共和国>ヴェネツィア]]は悲嘆にくれるだろう。
[[30>百詩篇第5巻30番]]
大いなる都市の辺り一面で、
兵士たちが野に町に駐留するだろう。
[[パリ]]を襲撃するために、[[ローマ]]が唆される。
その時、橋の上では大掠奪が行われるだろう。
31[[*>詩百篇第5巻31番]]
アッティカの大地での叡智の始原、
それが今や世界のバラである。
橋が壊され、その偉大なる卓越者は
沈められ、波間で遭難するだろう。
[[32>百詩篇第5巻32番]]
全てが良好にして順調で、太陽と月が
豊かにある場所。その破滅が近づいている。
空から急いで変えにやってくる、汝の財産を
七番目の巌と同じ状態に。
[[33>百詩篇第5巻33番]]
叛乱した都市の主だった人々、
彼らは自由を取り戻す側を強く支持するだろう。
男たちを虐殺する。不幸な乱闘。
ナントでの叫びや悲鳴。哀れな人々を目にする。
[[34>百詩篇第5巻34番]]
[[イングランド]]西方の最奥部から
― そこはブリテン島の指導者のいる場所 ―
艦隊が[[ブロワ]]を経由しジロンド川に入るだろう。
ワインと塩の代わりに火器が大樽に隠される。
[[35>百詩篇第5巻35番]]
塩辛い大洋の自由都市に
― そこは今も胃に石を持っている ―
[[イングランド]]の艦隊が霧雨の中を来るだろう、
小枝を取りに。偉人によって戦端が開かれる。
36[[*>詩百篇第5巻36番]]
姉(妹)の弟(兄)は憎悪と欺瞞によって、
混ぜに来るだろう、鉱物に露を
菓子の上で。(それを)鈍い老婆に与え、
死なせる。それを味わう者は単純にして愚昧だろう。
[[37>百詩篇第5巻37番]]
三百人がひとつの望みと合意に属するだろう、
彼らの目的を達成しきるために。
二十か月の後、全ての者たちと証人たちが、
偽りの憎悪を模倣しつつ、彼らの王を裏切る。
[[38>百詩篇第5巻38番]]
かの大君主、その死を受け継ぐであろう者が
法に背く淫奔な生活をもたらすだろう。
不精ゆえに全員を認知するだろうから、
しまいにはサリカ法典が必要になるだろう。
[[39>百詩篇第5巻39番]]
百合の花の真の枝の中から、
エトルリアの後継者が置かれ、とどまる。
長きに渡って織りなされてきたその由緒ある血が、
紋章としての[[フィレンツェ]]を花開かせるだろう。
40
王家の血があまりにもひどく混ざり合うだろう。
ガリア人たちは[[ヘスペリア]]から(撤退することを)強いられるだろう。
人々は待つだろう、一定期間が過ぎ、
その声の記憶が消え去るまで。
[[41>百詩篇第5巻41番]]
夜のような日中と陰の下に生まれた者が、
この上ない善良さで君臨し、
古い壺からの彼の血統を蘇らせるだろう、
青銅の時代を黄金の時代と取り替えつつ。
42
その最も高い塔に上った[[マルス]]は、
[[アロブロゲス>Allobroges]]たちをフランスから退却させるだろう。
ロンバルディアの民は非常に強い恐怖を喚起させるだろう、
天秤宮の下に含まれる鷲の人々に。
43
聖職者たちの大々的な破滅は遠くない、
プロヴァンスでも[[ナポリ]]でも[[シチリア>シチリア島]]でもセーでもポンスでも。
ゲルマニアではラインとケルンにて、
マグンティアクムの万民により、死に至る苦しみを受けるだろう。
44
海で赤き者が海賊たちに捕らわれるだろう。
平和は彼の仲介で掻き乱されるだろう。
見せかけの行為によって激昂と貪欲がひとつになるだろう。
偉大な教皇には軍隊が倍増されるだろう。
45[[*>詩百篇第5巻45番]]
すぐに大帝国が荒らされるだろう。
そしてアルドゥエンナ・シルウァ近くへと移される。
私生児二人が年長者に斬首される。
そして鷲鼻の[[アヘノバルブス>Aenobarbe]]が君臨するだろう。
46
赤帽たちによって諍いと新たな分裂が(あるだろう)、
そのサビニ人が選ばれるであろう時に。
彼に対する新たな詭弁が生み出されるだろう、
そして[[ローマ]]は[[アルバの人々>Albanois]]に侵害されるだろう。
47
大いなるアラブ人がかなり前へと行進し、
[[ビュザンティオン>イスタンブル]]人たちに裏切られるだろう。
由緒ある[[ロードス]]が彼の前に立ちはだかるだろう。
粗野な[[パンノニア]]人たちによる、いっそう大きな災いが。
48
王杖の大いなる苦悩の後で、
敵二人が彼らに破られるだろう。
アフリカの艦隊が[[パンノニア]]人たちへと姿を現すことになるだろう。
海と陸とで恐るべきことが行われるだろう。
[[49>百詩篇第5巻49番]]
スペインからでは一切なく、由緒あるフランスから
揺れる舟のために選ばれるだろう。
敵方への信頼が生み出されるだろう。
それは彼の王国では苛烈な[[悪疫]](のごとく)であろう。
50[[*>詩百篇第5巻50番]]
白百合の兄弟が成人になる年に、
彼らのうちの一人が大いなるロマニアを保持するだろう。
山々が震え、[[ラティウム]]の小道が開かれる。
アルメニアの強者に対抗し、打ち砕くための約定。
51[[*>詩百篇第5巻51番]]
ダキア、イングランド、ポーランド、
ボヘミアの民が新たな同盟を結ぶだろう、
ヘラクレスの柱の向こうへ赴くために。
バルキノとティレニアの者たちは残酷な諍いを打ち立てる。
52
ある王が反対するだろう。
亡命者たちは王国で高められるだろう。
ヒッポリュトスの階級社会の連中が血の中を泳ぐ。
そして長い間そのような旗印の下で栄えるだろう。
[[53>百詩篇第5巻53番]]
太陽の教義と金星(の教義)が争い合うだろう。
預言の精髄を適用しつつ、
一方も他方も理解されることはないだろう。
偉大なメシアの教義は太陽によって保つだろう。
[[54>百詩篇第5巻54番]]
ポントゥス・エウクシヌスと大タルタリアから、
一人の王が現れるだろう。彼はガリアを見に来ようとして、
アラニアとアルメニアを貫通し、
[[ビュザンティオン>イスタンブル]]では血塗られた鞭を残すだろう。
[[55>百詩篇第5巻55番]]
アラビア・フェリックス地方〔=現イエメン〕から
[[ムハンマド]]の信仰をもつ強者が生まれるだろう。
スペインを悩ませ、[[グラナダ]]を征服する。
さらには海を経て[[リグーリア]]の民へと。
[[56>百詩篇第5巻56番]]
非常に高齢の教皇の逝去により、
適齢のローマ人が選ばれるだろう。
彼はその座 〔=教皇の聖座〕 を弱体化させたと言われるだろうが、
長く(その地位を)保つだろう、辛辣な企てによって。
[[57>百詩篇第5巻57番]]
ゴシエ山とアヴェンティーノから出るだろう、
穴を通じて軍隊に知らせる者が。
二つの岩の間で戦利品が取られるだろう。
セクストゥスの霊廟の名声は衰える。
[[58>百詩篇第5巻58番]]
ガルドン川のユティサンスの水道橋、
― それは森と近寄れない山を通っている ―
その橋の真ん中にて、拳で汚されるだろう、
非常に恐ろしいネマウススの首領は。
[[59>百詩篇第5巻59番]]
ニームにて[[イングランド]]の指導者には過度の逗留が。
[[アヘノバルブス>Aenobarbe]]はスペインの方へと救援に。
多くの者たちがその日に開かれた[[マルス]]によって死ぬだろう。
アルトワで[[鬚髯>barbe]] 〔ひげ〕 の星が衰える時に。
60
剃髪頭にとって、まさしく悪い人物を選ぶことになるだろう。
彼以上に非難される者が扉を通ることはないだろう。
(彼は)あまりにも強い激昂や激怒を口にするだろう、
両性とも火と血とで引き裂くであろうほどに。
61
その出生地にはいない貴人の子供が、
アッペンニーノの高い山々を征服するだろう。
天秤宮の人々すべてを震えさせるだろう、
そして火の山々からモン=スニまでも。
[[62>百詩篇第5巻62番]]
岩々の上に血が雨下するのが見られるだろう。
東方の太陽、西方の土星。
オルゴンの近くで戦争、[[ローマ]]では大いなる災厄を見る。
船舶は水底に沈められ、三叉の衝角を持つ船は奪われる。
[[63>詩百篇第5巻63番]]
無為な遠征による名誉、不相応な不満。
船乗りたちは寒さ、空腹、荒波の中、[[ラティウム]]をさまよう。
[[テヴェレ川]]から遠くない大地は血塗られる。
人々は様々な痛手を負うだろう。
[[64>百詩篇第5巻64番]]
集められた人々の大多数が落ち着くことで、
陸と海を通じての勧告は取り消される。
秋が近づくとジェノヴァとニースでは陰で
田舎と諸都市とを通じ、指導者が反逆される。
65
突然の来訪で、恐怖は大きいだろう。
その事件の主要人物の幾人かは隠される。
そして燃え上がる婦人はもはや目も当てられないだろう。
徐々に貴人たちは怒るだろう。
[[66>百詩篇第5巻66番]]
[[ウェスタリス]]の古い建物の下、
崩れた水道橋から遠くないところ。
輝く金属は太陽と月に属している。
黄金で彫られたトラヤヌスの燃えるランプ。
67
ペルージャの指導者があえて寛衣を
脱ぎ捨てて裸身を晒そうとはしないであろう時に、
アリストクラティアの行為で七人が囚われるだろう。
父と息子は頸部への刺突で殺される。
[[68>百詩篇第5巻68番]]
ドナウ川とライン川に水を飲みに来て、
大きなラクダがそれを悔いることはないだろう。
ローヌ川の人々を震撼させ、ロワール川の人々を一層強く(震撼させる)。
そしてアルプスの近くで雄鶏がそれを滅ぼすだろう。
[[69>百詩篇第5巻69番]]
偉人はもはや偽りの眠りに陥らないだろう。
憂慮が休息することになるだろう、
黄金、瑠璃、紅玉の杖を仕上げて、
アフリカを征服し、骨まで齧ることで。
70
天秤宮に従えられている諸地域の
山々を(彼らは)大戦によって悩ませるだろう。
両性も[[ビュザンティオン>イスタンブル]]のすべての人々も囚われる。
それで人々は夜明けに大地から大地へと叫ぶだろう。
71
水にたどり着く一人の激昂によって、
そして大いなる怒りによって、全軍が動揺させられる。
貴族たちは十七隻の舟に乗せられる。
ローヌ川沿いに、遅れた伝令官が来る。
[[72>百詩篇第5巻72番]]
享楽的な王令の望むところのせいで、
品位に毒が混ぜられるだろう。
[[ウェヌス]]が流れにおいてあまりにも力強くなるだろうから、
太陽の品位をことごとく暗くするだろう。
[[73>百詩篇第5巻73番]]
神の教会が迫害されるだろう。
そして聖なる殿堂群が掠奪に遭うだろう。
母親は幼子を肌着一枚にするだろう。
アラブ人たちはポーランド人たちと再び一つにまとまるだろう。
[[74>百詩篇第5巻74番]]
[[トロイアの血]]からゲルマニアの心が生まれ、
非常に高らかな力となるだろう。
アラブの異邦人を外へと駆逐するだろう、
教会をかつての優位に戻しつつ。
[[75>百詩篇第5巻75番]]
その場所で、より右に向かって高く登るだろう。
方形の石に座ったままでいるだろう。
南面し、左に置かれる。
手には曲がった杖、口は閉じられる。
76[[*>詩百篇第5巻76番]]
空いている場所で(彼は)天幕を張るだろう。
そして諸都市では陣取ることを望まないだろう。
エクス、カルパントラ、ウォルカエの島、カヴァイヨンの丘、
それらの場所すべてで自らの足跡を消し去るだろう。
77
教会の栄誉のあらゆる位階が、
ディアリス・クィリナリスに替わるだろう。
司祭職はマルティアリス・クィリナリスに。
フランス王はそれをウォルカヌス式にするだろう。
78
二者が長くまとまり続けることはないだろう、
十三年のあいだ、[[バルバロイ]]のサトラップに対して。
双方の側に(彼らが)あまりにも損害を生み出すだろうから、
一人が小舟とそのケープを賛美するだろう。
[[79>百詩篇第5巻79番]]
聖なる華美がその翼を低くすることになるだろう、
偉大な立法者の到来によって。
下層民を高くし、反逆者たちを悩ませるだろう。
(彼と)競える者は地上に一人も生まれないだろう。
80
[[オグミオス]]が大[[ビュザンティオン>イスタンブル]]に近づくだろう。
[[バルバロイ]]の同盟は駆逐されるだろう。
二つの教義のうちの一つが異教を放り捨てるだろう。
バルバロイとフランク族は永遠に権謀術数を巡らせる。
[[81>百詩篇第5巻81番]]
太陽の都市で王家の鳥が、
七ヶ月前に夜間の前兆を示すだろう。
東の壁は陥落するだろう。雷鳴と稲妻。
七日が経つとすぐさま敵たちが門へと。
82
砦の外で協約がまとまる。
そのことに落胆させられた者は出ないだろう。
アルボワとラングルの人々がブレスに対抗し、
ドールの丘で敵の待ち伏せをするだろう時に。
83
比類なく強い無敵の王国を
転覆させようと企む者たちが、
夜に、偽計によって三人に警告するだろう。
最も偉大な者が卓上で[[聖書]]を読むであろう時に。
[[84>百詩篇第5巻84番]]
湾と測りしれない都市から生まれるだろう、
暗く陰鬱な両親を出自とする者が。
その者は、大王の畏敬される権力を
[[ルーアン]]と[[エヴルー]]を経て破壊することを望むだろう。
[[85>百詩篇第5巻85番]]
[[スエビ人]]たち(の土地)とその近隣の辺りで、
(彼らは)戦争状態になるだろう、雲霞のごときもの
― 海風に乗る軍勢、すなわち[[イナゴ>飛蝗]]とイエカ 〔家蚊〕 ― のせいで。
[[レマン>レマン湖]]の牧場はまさしく丸裸にされるだろう。
86
双頭と三本の分かれた腕によって、
大いなる都市は水に悩まされるだろう。
彼らの中の偉大な何人かは亡命によって彷徨う。
ペルシアの頭によって[[ビュザンティオン>イスタンブル]]は強く押されるだろう。
87
[[サトゥルヌス]]が隷属から外れるであろう年、
フランク族の領地では洪水が起こるだろう。
[[トロイアの血]]の結婚があり、
スペイン人たちに取り囲まれ、安全になるだろう。
88
忌まわしい洪水によって砂浜で
別の海から来た海の怪物が見付かる。
その場所の近くでは避難が行われるだろう、
サヴォーナを[[トリノ]]に隷属させたままにしつつ。
89
ハンガリーで、ボヘミアとナヴァルによって、
そしてその旗に集った軍隊によって、偽りの暴動が。
白百合の花を持つものによって横木が。
オルレアンに対抗し、蜂起するだろう。
[[90>百詩篇第5巻90番]]
キクラデス諸島で、[[ペリントス]]とラリサで、
スパルタとペロポネソス半島全域で、
非常に大規模な飢饉と[[悪疫]]が鎌によって影響を受け、
九ヶ月続くだろう。そして[[ケルソネソス>Cherronnesse]]の全域にも。
[[91>詩百篇第5巻91番]]
大きな市場にて ― そこは嘘つきたち(の大きな市場)と呼ばれ、
急流の端とアテナイの野とに位置する ―、
(彼らは)襲撃されるだろう、軽騎兵たちによって、
アルバニア人たちによって。火星は獅子宮に、土星は宝瓶宮の第一度に。
[[92>百詩篇第5巻92番]]
御座が十七年間保たれた後に、
そういう巡り終えた期間に五人が変わるだろう。
そして、同じ時期に一人が選ばれるだろう。
その者はローマ人たちには余り似つかわしくないだろう。
[[93>百詩篇第5巻93番]]
太陰の丸い球体 〔=月〕 の領域のもとで、
[[メルクリウス]]が支配者となるであろう時、
スコットランドの島が光るものをひとつ生み出すだろう。
それはイングランド人たちを落胆させるだろう。
94
大ゲルマニアに運ぶだろう。
ブラバントとフランドル、ヘント、ブルッヘとブーローニュ。
休戦が装われ、アルメニアの大公は
ウィーンとケルンを襲うだろう。
95
海の櫂が招くだろう、大帝国の陰を。
そのとき、惹き起こすことになるだろう、
エーゲ海で舟艇の遭難事故を。
ティレニアの海に沿って航海することを妨げつつ。
96
大いなる世界の中心にバラが。
新しい事件のせいで、公的な血が流される。
真実を語るその口を人々は閉ざすだろう。
待ち望まれたものは必要な時に遅れてやってくるだろう。
97
異なる生まれの者が恐怖で息詰まる、
大王が住まう都市で。
捕虜たちに厳しい王令が取り消される。
雹と雷鳴、コンドン(の被害)は計り知れない。
[[98>百詩篇第5巻98番]]
緯度の四十八度にて、
巨蟹宮の終わりに非常に大きな旱魃が。
海、川、湖の魚は熱せられて痩せ衰える。
ベアルン、[[ビゴール]]は天の火により苦境に陥る。
[[99>百詩篇第5巻99番]]
[[ミラノ]]、[[フェッラーラ]]、[[トリノ]]、アクイレイア、
[[カプア]]、ブリンディジは悩まされるだろう、ケルト人によって、
獅子によって、鷲の軍隊によって。
[[ローマ]]がブリタニアの老人を指導者に戴くであろう時に。
[[100>百詩篇第5巻100番]]
火付け役が自分の火にまかれる、
天からの火により、[[カルカソンヌ]]とコマンジュ方面の
[[フォワ]]、オーシュ、マゼールにて。高位の老人は逃がされる、
ヘッセン、ザクセン、テューリンゲンの人々によって。
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