詩百篇第3巻

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[[第1巻>詩百篇第1巻]]・[[第2巻>詩百篇第2巻]]・&bold(){第3巻}・[[第4巻>百詩篇第4巻]]・[[第5巻>百詩篇第5巻]]・[[第6巻>百詩篇第6巻]]・[[第7巻>百詩篇第7巻]]・[[第8巻>百詩篇第8巻]]・[[第9巻>詩百篇第9巻]]・[[第10巻>詩百篇第10巻]]・[[第11巻>詩百篇第11巻]]・[[第12巻>詩百篇第12巻]]  [[ミシェル・ノストラダムス師の予言集]]の&bold(){詩百篇第3巻}(&bold(){百詩篇第3巻})は、100篇の四行詩で構成されている。補遺篇などは存在しない。[[予言集初版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1555年リヨン)]]に収録されていた。 *翻訳  以下に詩百篇第3巻の全100篇の翻訳を提供する。  詩番号にリンクが貼ってあるものは、別ページに解説を用意してある。リンク先の原文の底本は1555Vである。  訳文はいずれも不断の見直しを必要とする仮訳だが、とりわけ解説を作成していない詩については、今後の詳細な分析の中で、主として採用する訳文が大きく変更される可能性があることを、あらかじめご承知おきいただきたい。  ( )は言葉を補ったもの、〔 〕は難読語の読み、〔= 〕は簡略な語注を指す。 [[1>百詩篇第3巻1番]] 戦闘と海戦の後で、 偉大な[[ネプトゥヌス]]はその最も高い塔にある、 ― 赤い敵は恐怖で蒼ざめるだろう。― 大洋を怯えた状態にしつつ。 [[2>百詩篇第3巻2番]] [[みことば]]が与えるだろう、実体つまりは 天地を含み、神秘的な事実によって隠されているものへと、 肉体、魂、精神を。それは全能を有するからである、 天の御座にあるようにその足下でも。 [[3>百詩篇第3巻3番]] [[マルス]]と[[メルクリウス]]と銀がひとつに結びつく。 南の方には極度の旱魃。 アジアの奥地で大地が震えると噂されるだろう。 そのとき[[コリントス]]と[[エフェソス]]は困惑する。 [[4>百詩篇第3巻4番]] (二つの)光の消失が近づくとき、 ― それは互いにさして隔たっていない ― 寒波、旱魃、危険が国境付近に、 そして同じく神託が始まった場所にも。 [[5>百詩篇第3巻5番]] 二つの大きな発光体の消失から近く遠い。 それは四月と三月の間に起きるだろう。 おお、なんと高くつくのか! しかし、二人の偉大な好人物が 陸と海を通じて全ての地域を救うだろう。 6 閉ざされた殿堂の中、そこに雷が入り込むだろう。 中の市民たちは手ひどく傷つけられるだろう。 馬たち、牛たち、人々、そして壁に水が到達するだろう。 飢えと渇きと汚れによって、最も弱い人々が疲弊しきるだろう。 7 逃亡者たち、その槍の上に天からの火。 カラスたちが飛び廻り、衝突が近い。 大地の助けと天の救いが大声で求められるだろう、 兵士たちが壁の近くにいるであろう時に。 8 キンブリ人たちは隣人たちと結びつき、 スペインの人口をほとんど根絶やしに来るだろう。 ギュイエンヌと[[リムーザン>リモージュ]]で寄せ集められた人々は、 同盟を組んで、彼らと一緒にいるだろう。 9 [[ボルドー]]と[[ルーアン]]とラ・ロッシェルが結びつき、 オケアノスの大海の周りで保つだろう。 [[イングランド]]人、ブルターニュ人、[[フランドル]]人たちがまとまって、 ロアンヌの近くまで彼らを駆逐するだろう。 10 血と飢えのより大きな破局が 七度、海岸で準備される。 モナコは飢える。場が占領され、(人が)捕らわれる。 鉄の檻の中にて、貴人が鉤で引き摺られる。 [[11>百詩篇第3巻11番]] 武器が長期にわたり空で音を立てる。 都市の中心で木が倒される。 害虫、疥癬、剣、燃えさしが面前に。 アドリアの君主が倒されるときに。 12 エブロ、ポー、[[テージョ>テージョ川]]、テヴェレ、[[ローヌ>ローヌ川]]の膨張により、 そして[[レマン>レマン湖]]とアレティヌムの湖沼によって、 ガロンヌの二つの大きな主都と諸都市で 囚われる者たち、死ぬ者たち、溺れる者たち。人の横領品を分け合う。 [[13>百詩篇第3巻13番]] 雷によって櫃の中で金と銀が熔かされる。 二人の捕虜の一方が他方を食うだろう。 その都市の最も偉大な者が倒されるだろう、 艦隊が沈められて人々が泳ぐであろう時に。 14 フランスの勇者の取るに足らない分家から、 そして不幸な父親から、 名誉と富(を得る者が出る)。年老いてから苦労する、 愚か者の助言を信じたりするものだから。 15 心と勢力と栄光。治世は変わるだろう、 すべての点で対抗する敵を持って。 そのとき幼子が死によってフランスを従属させるだろう。 それで偉大な摂政がいっそう対立的になるだろう。 16 [[マルス]]が天の中心にあるとき、[[イングランド]]の君主は その恵まれた幸運を追い求めるだろう。 二度の決闘で、一人が相手の肝臓を突き刺すだろう。 彼からは嫌われるが、その母親からは愛される。 [[17>百詩篇第3巻17番]] アウェンティヌスの丘が夜に燃えるのが目撃されるだろう。 [[フランドル]]では突然に空が暗くなる。 君主が自らの甥を追い出すであろう時に、 教会の連中が醜聞を起こすだろう。 [[18>百詩篇第3巻18番]] かなり長引く乳の雨の後に、 [[ランス]]の多くの場所に天が触れる。 ああ、それらの近くではどれだけの流血の殺人が準備されることか! 国王たる父君もその令息たちもあえて近づかないだろう。 [[19>百詩篇第3巻19番]] [[ルッカ]]で血と乳が雨下するようになるだろう、 法務官交代の少し前に。 (その雨は)大規模な[[悪疫]]と戦争、飢えと渇きを目撃させるだろう、 彼らの君主でもある偉大な指導者が死ぬであろう遠い場所で。 [[20>百詩篇第3巻20番]] バエティカの大河の(流れる)諸地方を通り、 イベリアから遠く、[[グラナダ]]の王国へ、 十字架は[[ムハンマド]]の信徒によって押し返される。 [[コルドバ]]の一人(の男)が国を裏切るだろう。 [[21>百詩篇第3巻21番]] アドリア海を通って[[クルストゥメリア>crustamin]]で、 戦慄すべき一尾の魚が現われるだろう。 人の顔と水棲の尾を持ち、 釣り針で (水の) 外に釣り上げられるだろう。 [[22>百詩篇第3巻22番]] 六日間、都市の前で攻め立てられる。 激しく厳しい一戦が交えられるだろう。 三人が都市を明け渡し、彼らには赦しが与えられる。 残りの者は火に、そして血に、切断と裁断。 23 フランスよ、もしも汝が[[リグーリア海>リグーリア]]を越えるなら、 島と海とに閉じ込められる羽目になるだろう。 [[ムハンマド]]は敵対的で、アドリア海ではより一層に。 汝は馬とロバの骨を齧るだろう。 24 軍事行動の大混乱、 人々と数えきれない財宝の損失。 汝はそれについてのさらなる拡大をすべきではない。 フランスよ、私の言うことに沿えるようにせよ。 25 その者はナヴァル王国で成り上がるであろう、 [[シチリア>シチリア島]]と[[ナポリ]]の人々が結びつくであろう時に。 彼は[[フォワ]]とオロロンを経て[[ビゴール]]とランドを保つだろう、 スペインとあまりにも強く繋がるであろう者によって。 26 幾人かの王たちや君主たちが像を建てるだろう。 高き占い杖を持つ[[卜占官]]と腸卜僧。 生贄の角は金と瑠璃と螺鈿で(飾られる)。 腸占いの解釈が行われるだろう。 [[27>百詩篇第3巻27番]] 西方で力のあるリビアの君主が、 フランソワをアラブのものであまりにも燃え立たせることになるので、 受け入れて、文芸に通じる人々にさせるであろう、 アラビア語をフランス語に翻訳することを。 [[28>百詩篇第3巻28番]] 取るに足らない土地の貧しい家族から、 折々に慎ましく帝国で成り上がるだろう。 長い間、一人の若い女性が君臨するが、 かつてそうまで悪しき人物が不意に即位したことはなかった。 29 別々の場所で育てられた甥たち二人が、 ― 海戦で父たちは地に落とされる。 ― 非常に高い身分になり、戦慣れし、 不正の者に復讐しに来るだろう。敵たちは破られる。 [[30>百詩篇第3巻30番]] 戦争に関する出来事にて戦いと鉄器で 自分よりも偉大な者に勝るであろう者、 夜の寝室で六人が彼に槍を向けるだろう。 甲冑をまとわぬ丸裸にて出し抜けに襲われるだろう。 [[31>百詩篇第3巻31番]] メディア、アラブ、アルメニアの野で、 二つの大軍が三度会戦するだろう。 アラクスの河岸近くで 大スレイマンの軍団が地に堕ちるだろう。 32 アキテーヌの人々の大きな墳墓が [[トスカーナ]]のそばに近づく。 [[マルス]]がゲルマニアの片隅と マントヴァの民の領地にいるであろう時に。 33 狼が入るであろう都市では、 そのすぐ近くに敵たちがいるだろう。 異国の軍勢が大国を台無しにするだろう。 朋友たちはアルプスの高い壁を越えるだろう。 [[34>百詩篇第3巻34番]] 太陽が欠けるであろう時、 白昼に怪異が目撃されるだろう。 それは全く異なる意味に解釈されるだろう。 騰貴は警戒されず、誰もそれに備えないだろう。 [[35>百詩篇第3巻35番]] ヨーロッパ西部の最も奥深い場所の、 貧しい人々の中から一人の幼い子供が生まれ、 その弁舌によって大群衆を籠絡するだろう。 その名声は東方の王国で一層大きくなるだろう。 36 死なないまま埋葬された卒中患者が、 手を食われた状態で発見されるだろう。 彼らの法を変えたように彼らには見えたところの 異端者に、都市が刑を宣告するであろう時に。 37 襲撃の前に訓示が宣べられる。 [[鳶>ミラノ]]は鷲に捕らわれる、待ち伏せに騙されて。 古い城壁は大砲で打ち破られるだろう。 火と血によって、慈悲を受け取れる者はほとんどいない。 [[38>百詩篇第3巻38番]] ガリアの民と異民族は、 山々を越えて、死んだり、囚われたり、打ち倒される。 葡萄収穫期に近い対蹠の月 〔=半年後〕 に、 領主たちによって合意へと導かれる。 39 三分割した七が合意するだろう、 アッペンニーノ・アルプスを従えるために。 しかし、嵐と[[リグーリア]]の卑怯さが 彼らを突然の破滅へと打ち倒すだろう。 [[40>百詩篇第3巻40番]] 大劇場が建て直されることになるだろう。 押し出された天蓋とすでに張られていた網が、 大音響の中、当初の構造物を過度に疲弊させることになるだろう、 割れてからかなり経つ迫持 〔せりもち〕 の崩壊のせいで。 [[41>百詩篇第3巻41番]] 傴僂 〔くる〕 が会議で選ばれるだろう。 それ以上に醜い怪物が地上で目撃されることはない。 飛来する一撃が高位聖職者の目を裂くだろう。 売国奴が王に忠臣と受け取られる。 [[42>百詩篇第3巻42番]] 喉に二本の歯を持つ子供が生まれるだろう。 [[トゥスキア]]では石つぶてが雨の代わりに降るだろう。 ほんのわずかな年の後、ないだろう、 飢えで衰えた人々を飽食させるための小麦も大麦も。 43 タルン、ロット、ガロンヌ周辺の人々よ、 汝らはアッペンニーノの山々を越えることに用心せよ。 汝らの墓は[[ローマ]]とアンコーナの近くに。 黒い縮れ毛が戦勝記念を建てさせるだろう。 [[44>百詩篇第3巻44番]] 飼い馴らされた動物が人へと 大変な骨折りと跳躍の末に話しかけに来るであろう時、 雷は乙女へと大いに害をなすだろう。 (彼女は)大地から取られ、空中に吊るされる。 [[45>百詩篇第3巻45番]] 五人の外国人たちが神殿に入り、 彼らの血が地面を汚すことになるだろう。 [[トゥールーズ]]市民たちには非常に厳しい例示となるだろう、 彼らの法制を滅ぼしに来るであろう一人からの。 [[46>百詩篇第3巻46番]] 天は我々([[プランクスの都市]])に予兆を示す、 明白な徴候と恒星によって、 その急変に時代が近づいていることを、 その吉兆のためでも凶兆のためでもなく。 47 老いた君主がその王国から追い出されるだろう。 オリエントへと救いを要請しにいくだろう。 十字架の恐怖により、自らの旗をたたむだろう。 港と土地のためにミティリーニへ行くだろう。 48 乱暴に繋がれた七百人の捕虜たち、 その半分を死なせるために、籤が引かれる。 手近な希望があまりにも迅速にやってくるが、 死ぬ十五人ほどにとっては遅きに失する。 [[49>百詩篇第3巻49番]] ガリアの王国よ、汝はすっかり変わるだろう。 帝国は異なる場所に移される。 汝は別の習慣と法制で整えられるだろう。 [[ルーアン]]と[[シャルトル]]は汝をひどく苦しめるだろう。 [[50>百詩篇第3巻50番]] 大都市の共和政体は 大変な強情さで同意したがらないだろう、 王が[[喇叭>ラッパ]]手 〔らっぱしゅ〕 を通じて外に出るよう命じたことに。 壁に梯子、都市は後悔する。 51 [[パリ]]は大いなる殺人を犯すことを企てる。 [[ブロワ]]がそれを実現するだろう。 オルレアンの人々は自分たちの指導者を復帰させたがるだろう。 アンジェ、トロワ、ラングルは彼らに大きな被害を与えるだろう。 52 カンパーニアでは非常に長期の雨が、 プーリアでは非常に大規模な旱魃があるだろう。 雄鶏は見るだろう、翼が成長しきっておらず、 獅子によって窮地に置かれるであろう鷲を。 [[53>百詩篇第3巻53番]] [[ニュルンベルク]]、[[アウクスブルク]]、[[バーゼル]]の人々を 最も偉大な者が上回るであろう時に、 [[アグリッピナ>ケルン]]によって[[フランクフルト]]の指導者は奪回される。 (彼らは)[[フランドル]]人たちを経て[[ウェールズ]]まで通り抜けるだろう。 54 最も偉大な者たちの一人がスペインに逃げて、 その後、長雨のなか血を流すことになるだろう。 軍隊に高い山々を越えさせて 全てを荒廃させつつ。そして平和裏に統治する。 [[55>百詩篇第3巻55番]] フランスに片目が君臨する年に、 宮廷は非常に厄介な困難に直面するだろう。 [[ブロワ]]の偉人がその友を殺すだろう。 王国は悪くなり、懸念は倍増する。 [[56>百詩篇第3巻56番]] モントーバン、ニーム、[[アヴィニョン]]、ベジエで、 三月の終わりに[[悪疫]]、雷鳴、雹が。 [[パリ]]の橋、[[リヨン]]の壁、モンペリエ。 六百と七に二十三の部分。 [[57>百詩篇第3巻57番]] 汝らはブリタニアの人々が七回変わるのを見るだろう。 ― それは二百九十年にわたる血塗られたもので、 自由では全くなく、ゲルマニアの支援によるところの変化である。― 白羊宮はバスタルニアの緯度を危惧している。 [[58>百詩篇第3巻58番]] ライン川の近く、[[ノリクム>Norique]]の山々の、 非常に遅れてきた人々の中から一人の偉人が生まれ、 [[サルマティア人たち>Saurome]]と[[パンノニア]]人たちを守るだろう。 しかし、彼がどうなるのかは分からないだろう。 59 [[バルバロイ]]の帝国は第三の者に簒奪される。 その血統の最大部分が死に至るだろう。 老齢の第四の者は彼に打たれて死ぬ、 血が血に殺されることを恐れたために。 [[60>百詩篇第3巻60番]] アジア全土で大規模な追放が(あるだろう)、 とりわけ[[ミュシア]]、[[リュキア]]、[[パンピュリア]]にて。 赦免のために血が流れるだろう、 背信に満ちた黒い若者の(血が)。 61 十字架を持つ大軍と宗派が [[メソポタミア]]で立ち上がるだろう。 近くの川からの軽騎兵の一団は、 そのような宗教を敵視するだろう。 62 ドウロ川に近き者はティレニア海を閉ざされ、 ピレネーの大きな山々を突破することになるだろう。 ごくわずかな時間で、その突破を表面的に説明する。 [[カルカソンヌ]]では陰謀を主導するだろう。 63 ローマの権勢が完全に打ち倒されるだろう。 偉大な隣人がその足跡を真似る。 隠れた憎悪と市民たちの討議が 道化師たちの狂気を妨げるだろう。 [[64>百詩篇第3巻64番]] ペルシアの指導者は満たすだろう、大きな輸送船団 つまり[[ムハンマド]]の信徒に対抗する三段櫂の艦隊を、 パルティアとメディアの者たちで。キクラデスを掠奪するために。 イオニアの大きな港での長期に渡る休息。 [[65>百詩篇第3巻65番]] 偉大なローマ人の墳墓が発見される時、 その次の日に教皇が選ばれるだろう。 彼は元老院からはほとんど賛同されないだろう。 聖杯で彼の血は毒される。 66 オルレアンの偉大な代官が死ぬだろう、 執念深い血族の一人によって。 死んで当然なのではないし偶然死ぬのでもない。 両手両足のせいで中途半端な虜囚にされていたのだ。 [[67>百詩篇第3巻67番]] 哲学者たちの新しい一派は、 死、黄金、名誉、富を蔑む。 ゲルマニアの山々はその境目にならないだろう。 彼らに付き従うべく支持と人波を得るだろう。 68 イタリアとスペインの指導者を持たない人々が、 [[ケルソネソス>Cherronnesse]]で死に、打ち倒される。 彼らの作戦行動は軽率な狂気によって振り回され、 通り道のいたるところで血が泳ぐ。 [[69>百詩篇第3巻69番]] 若人に率いられた大軍勢が、 敵の手に落ちることになるだろう。 だが、半分豚にて生まれた老人が [[シャロン]]と[[マコン]]を仲良くさせるだろう。 [[70>百詩篇第3巻70番]] [[イングランド]]が含まれるグレート・ブリテンは、 非常に高い大水によって水浸しになるだろう。 新たな同盟が[[アウソニア]]の戦争を生み出すだろう。 ゆえに彼ら自身に対して、彼らは立ち向かうことになるだろう。 [[71>百詩篇第3巻71番]] 諸都市で長いあいだ攻囲された人々は、 敵に対抗する精力と武力とを手に入れるだろう。 市外で打ち倒され、飢え死にする人々は、 決してないであろうほどの大規模な飢えで(死ぬことになる)。 72 善良な老人が完全に生きたまま埋められる、 大河の近くで、間違った嫌疑により。 新しい老人は富によって高められる。 代価の黄金はすべて道中で奪われる。 73 跛者が王国で成り上がるであろう時、 近縁の私生児を競争相手に持つだろう。 彼と王国はあまりにもひどい疥癬になるだろうから、 治るよりも先にその事情がかなり手遅れになるだろう。 74 [[ナポリ]]、[[フィレンツェ]]、ファエンツァ、イモラは かなりの狼狽をするところだろう。 [[ノーラ]]の不幸に寄り添うために、 その指導者を悪く言ったことが嘆かれるものだから。 [[75>百詩篇第3巻75番]] [[パヴィーア]]、[[ヴェローナ]]、[[ヴィチェンツァ]]、[[サラゴサ]]、 (それらの)諸地方は長剣によって血で濡れる。 非常に大規模な[[悪疫]]が大きな莢へと来るだろう。 救いは近いが、治癒は程遠い。 [[76>百詩篇第3巻76番]] ゲルマニアに様々な宗派が生まれるだろう、 幸せな異教にはっきりと近づきつつ。 心を手に入れ、受け取るものは少しだけ、 そして本来の十分の一税を払うことに回帰するだろう。 [[77>百詩篇第3巻77番]] 白羊宮に含まれる第三の地帯で、 千七百二十七年の十月に、 ペルシアの王はエジプトの人々によって捕らわれる。 衝突、死、損失。十字架に大きな恥辱が。 78 スコットランドの指導者はドイツの六人とともに、 オリエントの海の人々に囚われて、 [[カルペ>Calpre]]とスペインを通り抜けるだろう、 怯えつつ、ペルシアで新王に献上される。 79 連鎖式の果てしなき宿命の秩序は、 続く秩序によって回転することになるだろう。 [[フォカエア人]]の港の鎖は引きちぎられるだろう。 たちまち都市は敵に奪われるだろう。 80[[*>百詩篇第3巻80番]] [[イングランド]]の王国から相応しくない者が追い出される。 助言者は怒りによって火刑に処される。 彼の党人たちがあまりにも低い者まで探しに行くであろうから、 私生児が半ば受け入れられるほどだろう。 [[81>百詩篇第3巻81番]] とても喧〔かまびす〕しく、恥知らずで無遠慮な人物が、 軍の統率者に選ばれるだろう。 彼の対抗者の大胆さ(が表出するだろう) 。 橋が壊され、都市は恐怖で卒倒する。 [[82>百詩篇第3巻82番]] フレジュス、アンチーブといったニース周辺の諸都市は、 海と陸から鉄器によって荒廃させられる。 [[イナゴ>飛蝗]]たちが海と陸とで順風に乗る。 戦争の掟なしに囚われ、死なされ、縛られ、掠奪される。 83 ガリア・ケルティカの長髪たちは、 異民族たちを伴って、 アクィタニアの民族を捕らえるだろう、 虐殺に屈するようにするために。 84 大都市はまさに荒涼とするだろう。 住民のうちでただの一人もそこに留まらないだろう。 壁、性〔=女性?〕、神殿、処女が力ずくで奪われる。 鉄器、火、[[悪疫]]、大砲によって民衆は死ぬだろう。 85 都市は詐欺と欺瞞によって奪われる、 秀麗な若者が騙される手口で。 襲撃はオード川近くのロビーヌ川で与えられる。 彼と全ての人々はすっかり騙されたせいで死ぬだろう。 86 [[アウソニア]]の指導者がスペインに行くだろう。 海路で、マルセイユにて停泊するだろう。 その死の前に彼は長いあいだ思い悩むだろう。 その死の後に大いなる驚異が目撃されるだろう。 [[87>百詩篇第3巻87番]] ガリアの艦隊よ、[[コルシカ>コルシカ島]]には近づくな、 ましてや[[サルデーニャ>サルデーニャ島]]には。汝はそれを悔いるだろう。 一人残らず殺され、救いは断たれる。鼻面が 血を泳ぐだろう。囚われてから、汝は我を信じるだろう。 88 海路バルセロナから非常に大きな艦隊が。 マルセイユ全土は恐怖で震えるだろう。 島々は囚われ、海からの助けは閉ざされる。 汝を裏切る者は陸で立ち回るだろう。 89 その時にキプロスは断たれるだろう、 エーゲ海の人々による救いを。 老人たちは殺されるが、貪欲な男たちにより 王は籠絡され、王妃はいっそう辱められる。 90 大きなサテュロスとヒュルカニアの虎。 贈り物が大洋の人々へ進上される。 艦隊の指導者はカルマニアから出発するだろう。 その者はティレニア海で[[フォカエア人]]の土地に上陸するだろう。 91 長い間死んで干からびていた木が、 一晩で再び緑になるだろう。 王は慢性的な病で、王子が足を解き放たれる。 敵に恐れられ、その帆をはためかせるだろう。 [[92>百詩篇第3巻92番]] 世界は最後の時期に近い。 [[サトゥルヌス]]が今一度ゆっくりと戻ってくるだろう。 帝国は[[ブロド>Brode]]の国の方に移し変えられ、 目は[[ナルボンヌ]]でオオタカに刳り貫かれる。 93 [[アヴィニョン]]で帝国の全首脳部は [[パリ]]を荒廃させるための準備をするだろう。 トリカスティニはハンニバル的な怒りを抑えるだろう。 [[リヨン]]は変化によってろくに慰められないだろう。 [[94>百詩篇第3巻94番]] 五百年にわたり、人々はもはや省みなくなるだろう、 かの時代の誉れであったその人を。 そして突然に彼が大いなる光をもたらし、 その世紀を通じて人々を非常に満足させるだろう。 [[95>百詩篇第3巻95番]] 人々は[[モール人>マウレタニア]]の法が滅びるのを見るだろう。 その後には、もっと誘惑的な別の法が。 ボリュステネースがまず屈する。 贈り物と弁舌とによって、一層魅力的なるもの。 [[96>百詩篇第3巻96番]] フォッサノの長が喉を切られるだろう、 ブラッドハウンドとグレイハウンドの調教師によって。 タルペイアの岩の人々によって犯された事件。 土星が獅子宮にある二月十三日。 [[97>百詩篇第3巻97番]] 新しい法が新しい土地を占領する、 [[シリア]]、ユダヤ、パレスティナの方で。 [[バルバロイ]]の大帝国は崩壊する、 ポイベーがその周期を固定する前に。 [[98>百詩篇第3巻98番]] 王家の兄弟二人が余りにも激しく戦うので、 そして、彼らの間では、戦いがきわめて致命的となるので、 それぞれに(相手の)堅牢な場所を占有するだろう。 彼らの大騒擾は、王国と生命を賭けたものとなるだろう。 99 アランとヴェルネーグの草原にて、 デュランス川に近いリュブロンの山から、 二つの陣営の衝突は非常に激しいものだろう。 [[メソポタミア]]はフランスで衰えるだろう。 100 ガリア人たちの間で最後に賞賛される者が、 敵である男に勝利を収めるだろう。 (その敵の)武力と領地はたちどころに偵察される、 嫉む者が矢の一撃で死ぬであろう時に。 ---- ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。
[[第1巻>詩百篇第1巻]]・[[第2巻>百詩篇第2巻]]・&bold(){第3巻}・[[第4巻>百詩篇第4巻]]・[[第5巻>百詩篇第5巻]]・[[第6巻>百詩篇第6巻]]・[[第7巻>百詩篇第7巻]]・[[第8巻>百詩篇第8巻]]・[[第9巻>詩百篇第9巻]]・[[第10巻>詩百篇第10巻]]・[[第11巻>詩百篇第11巻]]・[[第12巻>詩百篇第12巻]]  [[ミシェル・ノストラダムス師の予言集]]の&bold(){詩百篇第3巻}(&bold(){百詩篇第3巻})は、100篇の四行詩で構成されている。補遺篇などは存在しない。[[予言集初版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1555年リヨン)]]に収録されていた。 *翻訳  以下に詩百篇第3巻の全100篇の翻訳を提供する。  詩番号にリンクが貼ってあるものは、別ページに解説を用意してある。リンク先の原文の底本は1555Vである。ただし、&color(red){詩番号の隣の*にリンクが貼ってある場合は、当面、非公開なのでご理解いただきたい。}  訳文はいずれも不断の見直しを必要とする仮訳だが、とりわけ解説を作成していない詩については、今後の詳細な分析の中で、主として採用する訳文が大きく変更される可能性があることを、あらかじめご承知おきいただきたい。  ( )は言葉を補ったもの、〔 〕は難読語の読み、〔= 〕は簡略な語注を指す。 [[1>百詩篇第3巻1番]] 戦闘と海戦の後で、 偉大な[[ネプトゥヌス]]はその最も高い塔にある、 ― 赤い敵は恐怖で蒼ざめるだろう。― 大洋を怯えた状態にしつつ。 [[2>百詩篇第3巻2番]] [[みことば]]が与えるだろう、実体つまりは 天地を含み、神秘的な事実によって隠されているものへと、 肉体、魂、精神を。それは全能を有するからである、 天の御座にあるようにその足下でも。 [[3>百詩篇第3巻3番]] [[マルス]]と[[メルクリウス]]と銀がひとつに結びつく。 南の方には極度の旱魃。 アジアの奥地で大地が震えると噂されるだろう。 そのとき[[コリントス]]と[[エフェソス]]は困惑する。 [[4>百詩篇第3巻4番]] (二つの)光の消失が近づくとき、 ― それは互いにさして隔たっていない ― 寒波、旱魃、危険が国境付近に、 そして同じく神託が始まった場所にも。 [[5>百詩篇第3巻5番]] 二つの大きな発光体の消失から近く遠い。 それは四月と三月の間に起きるだろう。 おお、なんと高くつくのか! しかし、二人の偉大な好人物が 陸と海を通じて全ての地域を救うだろう。 6 閉ざされた殿堂の中、そこに雷が入り込むだろう。 中の市民たちは手ひどく傷つけられるだろう。 馬たち、牛たち、人々、そして壁に水が到達するだろう。 飢えと渇きと汚れによって、最も弱い人々が疲弊しきるだろう。 7 逃亡者たち、その槍の上に天からの火。 カラスたちが飛び廻り、衝突が近い。 大地の助けと天の救いが大声で求められるだろう、 兵士たちが壁の近くにいるであろう時に。 8 キンブリ人たちは隣人たちと結びつき、 スペインの人口をほとんど根絶やしに来るだろう。 ギュイエンヌと[[リムーザン>リモージュ]]で寄せ集められた人々は、 同盟を組んで、彼らと一緒にいるだろう。 9 [[ボルドー]]と[[ルーアン]]とラ・ロッシェルが結びつき、 オケアノスの大海の周りで保つだろう。 [[イングランド]]人、ブルターニュ人、[[フランドル]]人たちがまとまって、 ロアンヌの近くまで彼らを駆逐するだろう。 10[[*>詩百篇第3巻10番]] 血と飢えのより大きな破局が 七度、海岸で準備される。 モナコは飢える。場が占領され、(人が)捕らわれる。 鉄の檻の中にて、貴人が鉤で引き摺られる。 [[11>百詩篇第3巻11番]] 武器が長期にわたり空で音を立てる。 都市の中心で木が倒される。 害虫、疥癬、剣、燃えさしが面前に。 アドリアの君主が倒されるときに。 12 エブロ、ポー、[[テージョ>テージョ川]]、テヴェレ、[[ローヌ>ローヌ川]]の膨張により、 そして[[レマン>レマン湖]]とアレティヌムの湖沼によって、 ガロンヌの二つの大きな主都と諸都市で 囚われる者たち、死ぬ者たち、溺れる者たち。人の横領品を分け合う。 [[13>百詩篇第3巻13番]] 雷によって櫃の中で金と銀が熔かされる。 二人の捕虜の一方が他方を食うだろう。 その都市の最も偉大な者が倒されるだろう、 艦隊が沈められて人々が泳ぐであろう時に。 14 フランスの勇者の取るに足らない分家から、 そして不幸な父親から、 名誉と富(を得る者が出る)。年老いてから苦労する、 愚か者の助言を信じたりするものだから。 15 心と勢力と栄光。治世は変わるだろう、 すべての点で対抗する敵を持って。 そのとき幼子が死によってフランスを従属させるだろう。 それで偉大な摂政がいっそう対立的になるだろう。 16 [[マルス]]が天の中心にあるとき、[[イングランド]]の君主は その恵まれた幸運を追い求めるだろう。 二度の決闘で、一人が相手の肝臓を突き刺すだろう。 彼からは嫌われるが、その母親からは愛される。 [[17>百詩篇第3巻17番]] アウェンティヌスの丘が夜に燃えるのが目撃されるだろう。 [[フランドル]]では突然に空が暗くなる。 君主が自らの甥を追い出すであろう時に、 教会の連中が醜聞を起こすだろう。 [[18>百詩篇第3巻18番]] かなり長引く乳の雨の後に、 [[ランス]]の多くの場所に天が触れる。 ああ、それらの近くではどれだけの流血の殺人が準備されることか! 国王たる父君もその令息たちもあえて近づかないだろう。 [[19>百詩篇第3巻19番]] [[ルッカ]]で血と乳が雨下するようになるだろう、 法務官交代の少し前に。 (その雨は)大規模な[[悪疫]]と戦争、飢えと渇きを目撃させるだろう、 彼らの君主でもある偉大な指導者が死ぬであろう遠い場所で。 [[20>百詩篇第3巻20番]] バエティカの大河の(流れる)諸地方を通り、 イベリアから遠く、[[グラナダ]]の王国へ、 十字架は[[ムハンマド]]の信徒によって押し返される。 [[コルドバ]]の一人(の男)が国を裏切るだろう。 [[21>百詩篇第3巻21番]] アドリア海を通って[[クルストゥメリア>crustamin]]で、 戦慄すべき一尾の魚が現われるだろう。 人の顔と水棲の尾を持ち、 釣り針で (水の) 外に釣り上げられるだろう。 [[22>百詩篇第3巻22番]] 六日間、都市の前で攻め立てられる。 激しく厳しい一戦が交えられるだろう。 三人が都市を明け渡し、彼らには赦しが与えられる。 残りの者は火に、そして血に、切断と裁断。 23 フランスよ、もしも汝が[[リグーリア海>リグーリア]]を越えるなら、 島と海とに閉じ込められる羽目になるだろう。 [[ムハンマド]]は敵対的で、アドリア海ではより一層に。 汝は馬とロバの骨を齧るだろう。 24 軍事行動の大混乱、 人々と数えきれない財宝の損失。 汝はそれについてのさらなる拡大をすべきではない。 フランスよ、私の言うことに沿えるようにせよ。 25 その者はナヴァル王国で成り上がるであろう、 [[シチリア>シチリア島]]と[[ナポリ]]の人々が結びつくであろう時に。 彼は[[フォワ]]とオロロンを経て[[ビゴール]]とランドを保つだろう、 スペインとあまりにも強く繋がるであろう者によって。 26 幾人かの王たちや君主たちが像を建てるだろう。 高き占い杖を持つ[[卜占官]]と腸卜僧。 生贄の角は金と瑠璃と螺鈿で(飾られる)。 腸占いの解釈が行われるだろう。 [[27>百詩篇第3巻27番]] 西方で力のあるリビアの君主が、 フランソワをアラブのものであまりにも燃え立たせることになるので、 受け入れて、文芸に通じる人々にさせるであろう、 アラビア語をフランス語に翻訳することを。 [[28>百詩篇第3巻28番]] 取るに足らない土地の貧しい家族から、 折々に慎ましく帝国で成り上がるだろう。 長い間、一人の若い女性が君臨するが、 かつてそうまで悪しき人物が不意に即位したことはなかった。 29 別々の場所で育てられた甥たち二人が、 ― 海戦で父たちは地に落とされる。 ― 非常に高い身分になり、戦慣れし、 不正の者に復讐しに来るだろう。敵たちは破られる。 [[30>百詩篇第3巻30番]] 戦争に関する出来事にて戦いと鉄器で 自分よりも偉大な者に勝るであろう者、 夜の寝室で六人が彼に槍を向けるだろう。 甲冑をまとわぬ丸裸にて出し抜けに襲われるだろう。 [[31>百詩篇第3巻31番]] メディア、アラブ、アルメニアの野で、 二つの大軍が三度会戦するだろう。 アラクスの河岸近くで 大スレイマンの軍団が地に堕ちるだろう。 32 アキテーヌの人々の大きな墳墓が [[トスカーナ]]のそばに近づく。 [[マルス]]がゲルマニアの片隅と マントヴァの民の領地にいるであろう時に。 33 狼が入るであろう都市では、 そのすぐ近くに敵たちがいるだろう。 異国の軍勢が大国を台無しにするだろう。 朋友たちはアルプスの高い壁を越えるだろう。 [[34>百詩篇第3巻34番]] 太陽が欠けるであろう時、 白昼に怪異が目撃されるだろう。 それは全く異なる意味に解釈されるだろう。 騰貴は警戒されず、誰もそれに備えないだろう。 [[35>百詩篇第3巻35番]] ヨーロッパ西部の最も奥深い場所の、 貧しい人々の中から一人の幼い子供が生まれ、 その弁舌によって大群衆を籠絡するだろう。 その名声は東方の王国で一層大きくなるだろう。 36 死なないまま埋葬された卒中患者が、 手を食われた状態で発見されるだろう。 彼らの法を変えたように彼らには見えたところの 異端者に、都市が刑を宣告するであろう時に。 37 襲撃の前に訓示が宣べられる。 [[鳶>ミラノ]]は鷲に捕らわれる、待ち伏せに騙されて。 古い城壁は大砲で打ち破られるだろう。 火と血によって、慈悲を受け取れる者はほとんどいない。 [[38>百詩篇第3巻38番]] ガリアの民と異民族は、 山々を越えて、死んだり、囚われたり、打ち倒される。 葡萄収穫期に近い対蹠の月 〔=半年後〕 に、 領主たちによって合意へと導かれる。 39 三分割した七が合意するだろう、 アッペンニーノ・アルプスを従えるために。 しかし、嵐と[[リグーリア]]の卑怯さが 彼らを突然の破滅へと打ち倒すだろう。 [[40>百詩篇第3巻40番]] 大劇場が建て直されることになるだろう。 押し出された天蓋とすでに張られていた網が、 大音響の中、当初の構造物を過度に疲弊させることになるだろう、 割れてからかなり経つ迫持 〔せりもち〕 の崩壊のせいで。 [[41>百詩篇第3巻41番]] 傴僂 〔くる〕 が会議で選ばれるだろう。 それ以上に醜い怪物が地上で目撃されることはない。 飛来する一撃が高位聖職者の目を裂くだろう。 売国奴が王に忠臣と受け取られる。 [[42>百詩篇第3巻42番]] 喉に二本の歯を持つ子供が生まれるだろう。 [[トゥスキア]]では石つぶてが雨の代わりに降るだろう。 ほんのわずかな年の後、ないだろう、 飢えで衰えた人々を飽食させるための小麦も大麦も。 43 タルン、ロット、ガロンヌ周辺の人々よ、 汝らはアッペンニーノの山々を越えることに用心せよ。 汝らの墓は[[ローマ]]とアンコーナの近くに。 黒い縮れ毛が戦勝記念を建てさせるだろう。 [[44>百詩篇第3巻44番]] 飼い馴らされた動物が人へと 大変な骨折りと跳躍の末に話しかけに来るであろう時、 雷は乙女へと大いに害をなすだろう。 (彼女は)大地から取られ、空中に吊るされる。 [[45>百詩篇第3巻45番]] 五人の外国人たちが神殿に入り、 彼らの血が地面を汚すことになるだろう。 [[トゥールーズ]]市民たちには非常に厳しい例示となるだろう、 彼らの法制を滅ぼしに来るであろう一人からの。 [[46>百詩篇第3巻46番]] 天は我々([[プランクスの都市]])に予兆を示す、 明白な徴候と恒星によって、 その急変に時代が近づいていることを、 その吉兆のためでも凶兆のためでもなく。 47 老いた君主がその王国から追い出されるだろう。 オリエントへと救いを要請しにいくだろう。 十字架の恐怖により、自らの旗をたたむだろう。 港と土地のためにミティリーニへ行くだろう。 48 乱暴に繋がれた七百人の捕虜たち、 その半分を死なせるために、籤が引かれる。 手近な希望があまりにも迅速にやってくるが、 死ぬ十五人ほどにとっては遅きに失する。 [[49>百詩篇第3巻49番]] ガリアの王国よ、汝はすっかり変わるだろう。 帝国は異なる場所に移される。 汝は別の習慣と法制で整えられるだろう。 [[ルーアン]]と[[シャルトル]]は汝をひどく苦しめるだろう。 [[50>百詩篇第3巻50番]] 大都市の共和政体は 大変な強情さで同意したがらないだろう、 王が[[喇叭>ラッパ]]手 〔らっぱしゅ〕 を通じて外に出るよう命じたことに。 壁に梯子、都市は後悔する。 51 [[パリ]]は大いなる殺人を犯すことを企てる。 [[ブロワ]]がそれを実現するだろう。 オルレアンの人々は自分たちの指導者を復帰させたがるだろう。 アンジェ、トロワ、ラングルは彼らに大きな被害を与えるだろう。 52 カンパーニアでは非常に長期の雨が、 プーリアでは非常に大規模な旱魃があるだろう。 雄鶏は見るだろう、翼が成長しきっておらず、 獅子によって窮地に置かれるであろう鷲を。 [[53>百詩篇第3巻53番]] [[ニュルンベルク]]、[[アウクスブルク]]、[[バーゼル]]の人々を 最も偉大な者が上回るであろう時に、 [[アグリッピナ>ケルン]]によって[[フランクフルト]]の指導者は奪回される。 (彼らは)[[フランドル]]人たちを経て[[ウェールズ]]まで通り抜けるだろう。 54 最も偉大な者たちの一人がスペインに逃げて、 その後、長雨のなか血を流すことになるだろう。 軍隊に高い山々を越えさせて 全てを荒廃させつつ。そして平和裏に統治する。 [[55>百詩篇第3巻55番]] フランスに片目が君臨する年に、 宮廷は非常に厄介な困難に直面するだろう。 [[ブロワ]]の偉人がその友を殺すだろう。 王国は悪くなり、懸念は倍増する。 [[56>百詩篇第3巻56番]] モントーバン、ニーム、[[アヴィニョン]]、ベジエで、 三月の終わりに[[悪疫]]、雷鳴、雹が。 [[パリ]]の橋、[[リヨン]]の壁、モンペリエ。 六百と七に二十三の部分。 [[57>百詩篇第3巻57番]] 汝らはブリタニアの人々が七回変わるのを見るだろう。 ― それは二百九十年にわたる血塗られたもので、 自由では全くなく、ゲルマニアの支援によるところの変化である。― 白羊宮はバスタルニアの緯度を危惧している。 [[58>百詩篇第3巻58番]] ライン川の近く、[[ノリクム>Norique]]の山々の、 非常に遅れてきた人々の中から一人の偉人が生まれ、 [[サルマティア人たち>Saurome]]と[[パンノニア]]人たちを守るだろう。 しかし、彼がどうなるのかは分からないだろう。 59 [[バルバロイ]]の帝国は第三の者に簒奪される。 その血統の最大部分が死に至るだろう。 老齢の第四の者は彼に打たれて死ぬ、 血が血に殺されることを恐れたために。 [[60>百詩篇第3巻60番]] アジア全土で大規模な追放が(あるだろう)、 とりわけ[[ミュシア]]、[[リュキア]]、[[パンピュリア]]にて。 赦免のために血が流れるだろう、 背信に満ちた黒い若者の(血が)。 61 十字架を持つ大軍と宗派が [[メソポタミア]]で立ち上がるだろう。 近くの川からの軽騎兵の一団は、 そのような宗教を敵視するだろう。 62 ドウロ川に近き者はティレニア海を閉ざされ、 ピレネーの大きな山々を突破することになるだろう。 ごくわずかな時間で、その突破を表面的に説明する。 [[カルカソンヌ]]では陰謀を主導するだろう。 63 ローマの権勢が完全に打ち倒されるだろう。 偉大な隣人がその足跡を真似る。 隠れた憎悪と市民たちの討議が 道化師たちの狂気を妨げるだろう。 [[64>百詩篇第3巻64番]] ペルシアの指導者は満たすだろう、大きな輸送船団 つまり[[ムハンマド]]の信徒に対抗する三段櫂の艦隊を、 パルティアとメディアの者たちで。キクラデスを掠奪するために。 イオニアの大きな港での長期に渡る休息。 [[65>百詩篇第3巻65番]] 偉大なローマ人の墳墓が発見される時、 その次の日に教皇が選ばれるだろう。 彼は元老院からはほとんど賛同されないだろう。 聖杯で彼の血は毒される。 66 オルレアンの偉大な代官が死ぬだろう、 執念深い血族の一人によって。 死んで当然なのではないし偶然死ぬのでもない。 両手両足のせいで中途半端な虜囚にされていたのだ。 [[67>百詩篇第3巻67番]] 哲学者たちの新しい一派は、 死、黄金、名誉、富を蔑む。 ゲルマニアの山々はその境目にならないだろう。 彼らに付き従うべく支持と人波を得るだろう。 68 イタリアとスペインの指導者を持たない人々が、 [[ケルソネソス>Cherronnesse]]で死に、打ち倒される。 彼らの作戦行動は軽率な狂気によって振り回され、 通り道のいたるところで血が泳ぐ。 [[69>百詩篇第3巻69番]] 若人に率いられた大軍勢が、 敵の手に落ちることになるだろう。 だが、半分豚にて生まれた老人が [[シャロン]]と[[マコン]]を仲良くさせるだろう。 [[70>百詩篇第3巻70番]] [[イングランド]]が含まれるグレート・ブリテンは、 非常に高い大水によって水浸しになるだろう。 新たな同盟が[[アウソニア]]の戦争を生み出すだろう。 ゆえに彼ら自身に対して、彼らは立ち向かうことになるだろう。 [[71>百詩篇第3巻71番]] 諸都市で長いあいだ攻囲された人々は、 敵に対抗する精力と武力とを手に入れるだろう。 市外で打ち倒され、飢え死にする人々は、 決してないであろうほどの大規模な飢えで(死ぬことになる)。 72 善良な老人が完全に生きたまま埋められる、 大河の近くで、間違った嫌疑により。 新しい老人は富によって高められる。 代価の黄金はすべて道中で奪われる。 73 跛者が王国で成り上がるであろう時、 近縁の私生児を競争相手に持つだろう。 彼と王国はあまりにもひどい疥癬になるだろうから、 治るよりも先にその事情がかなり手遅れになるだろう。 74 [[ナポリ]]、[[フィレンツェ]]、ファエンツァ、イモラは かなりの狼狽をするところだろう。 [[ノーラ]]の不幸に寄り添うために、 その指導者を悪く言ったことが嘆かれるものだから。 [[75>百詩篇第3巻75番]] [[パヴィーア]]、[[ヴェローナ]]、[[ヴィチェンツァ]]、[[サラゴサ]]、 (それらの)諸地方は長剣によって血で濡れる。 非常に大規模な[[悪疫]]が大きな莢へと来るだろう。 救いは近いが、治癒は程遠い。 [[76>百詩篇第3巻76番]] ゲルマニアに様々な宗派が生まれるだろう、 幸せな異教にはっきりと近づきつつ。 心を手に入れ、受け取るものは少しだけ、 そして本来の十分の一税を払うことに回帰するだろう。 [[77>百詩篇第3巻77番]] 白羊宮に含まれる第三の地帯で、 千七百二十七年の十月に、 ペルシアの王はエジプトの人々によって捕らわれる。 衝突、死、損失。十字架に大きな恥辱が。 78 スコットランドの指導者はドイツの六人とともに、 オリエントの海の人々に囚われて、 [[カルペ>Calpre]]とスペインを通り抜けるだろう、 怯えつつ、ペルシアで新王に献上される。 79 連鎖式の果てしなき宿命の秩序は、 続く秩序によって回転することになるだろう。 [[フォカエア人]]の港の鎖は引きちぎられるだろう。 たちまち都市は敵に奪われるだろう。 80[[*>百詩篇第3巻80番]] [[イングランド]]の王国から相応しくない者が追い出される。 助言者は怒りによって火刑に処される。 彼の党人たちがあまりにも低い者まで探しに行くであろうから、 私生児が半ば受け入れられるほどだろう。 [[81>百詩篇第3巻81番]] とても喧〔かまびす〕しく、恥知らずで無遠慮な人物が、 軍の統率者に選ばれるだろう。 彼の対抗者の大胆さ(が表出するだろう) 。 橋が壊され、都市は恐怖で卒倒する。 [[82>百詩篇第3巻82番]] フレジュス、アンチーブといったニース周辺の諸都市は、 海と陸から鉄器によって荒廃させられる。 [[イナゴ>飛蝗]]たちが海と陸とで順風に乗る。 戦争の掟なしに囚われ、死なされ、縛られ、掠奪される。 83 ガリア・ケルティカの長髪たちは、 異民族たちを伴って、 アクィタニアの民族を捕らえるだろう、 虐殺に屈するようにするために。 84 大都市はまさに荒涼とするだろう。 住民のうちでただの一人もそこに留まらないだろう。 壁、性〔=女性?〕、神殿、処女が力ずくで奪われる。 鉄器、火、[[悪疫]]、大砲によって民衆は死ぬだろう。 85 都市は詐欺と欺瞞によって奪われる、 秀麗な若者が騙される手口で。 襲撃はオード川近くのロビーヌ川で与えられる。 彼と全ての人々はすっかり騙されたせいで死ぬだろう。 86 [[アウソニア]]の指導者がスペインに行くだろう。 海路で、マルセイユにて停泊するだろう。 その死の前に彼は長いあいだ思い悩むだろう。 その死の後に大いなる驚異が目撃されるだろう。 [[87>百詩篇第3巻87番]] ガリアの艦隊よ、[[コルシカ>コルシカ島]]には近づくな、 ましてや[[サルデーニャ>サルデーニャ島]]には。汝はそれを悔いるだろう。 一人残らず殺され、救いは断たれる。鼻面が 血を泳ぐだろう。囚われてから、汝は我を信じるだろう。 88 海路バルセロナから非常に大きな艦隊が。 マルセイユ全土は恐怖で震えるだろう。 島々は囚われ、海からの助けは閉ざされる。 汝を裏切る者は陸で立ち回るだろう。 89 その時にキプロスは断たれるだろう、 エーゲ海の人々による救いを。 老人たちは殺されるが、貪欲な男たちにより 王は籠絡され、王妃はいっそう辱められる。 90 大きなサテュロスとヒュルカニアの虎。 贈り物が大洋の人々へ進上される。 艦隊の指導者はカルマニアから出発するだろう。 その者はティレニア海で[[フォカエア人]]の土地に上陸するだろう。 91 長い間死んで干からびていた木が、 一晩で再び緑になるだろう。 王は慢性的な病で、王子が足を解き放たれる。 敵に恐れられ、その帆をはためかせるだろう。 [[92>百詩篇第3巻92番]] 世界は最後の時期に近い。 [[サトゥルヌス]]が今一度ゆっくりと戻ってくるだろう。 帝国は[[ブロド>Brode]]の国の方に移し変えられ、 目は[[ナルボンヌ]]でオオタカに刳り貫かれる。 93 [[アヴィニョン]]で帝国の全首脳部は [[パリ]]を荒廃させるための準備をするだろう。 トリカスティニはハンニバル的な怒りを抑えるだろう。 [[リヨン]]は変化によってろくに慰められないだろう。 [[94>百詩篇第3巻94番]] 五百年にわたり、人々はもはや省みなくなるだろう、 かの時代の誉れであったその人を。 そして突然に彼が大いなる光をもたらし、 その世紀を通じて人々を非常に満足させるだろう。 [[95>百詩篇第3巻95番]] 人々は[[モール人>マウレタニア]]の法が滅びるのを見るだろう。 その後には、もっと誘惑的な別の法が。 ボリュステネースがまず屈する。 贈り物と弁舌とによって、一層魅力的なるもの。 [[96>百詩篇第3巻96番]] フォッサノの長が喉を切られるだろう、 ブラッドハウンドとグレイハウンドの調教師によって。 タルペイアの岩の人々によって犯された事件。 土星が獅子宮にある二月十三日。 [[97>百詩篇第3巻97番]] 新しい法が新しい土地を占領する、 [[シリア]]、ユダヤ、パレスティナの方で。 [[バルバロイ]]の大帝国は崩壊する、 ポイベーがその周期を固定する前に。 [[98>百詩篇第3巻98番]] 王家の兄弟二人が余りにも激しく戦うので、 そして、彼らの間では、戦いがきわめて致命的となるので、 それぞれに(相手の)堅牢な場所を占有するだろう。 彼らの大騒擾は、王国と生命を賭けたものとなるだろう。 99 アランとヴェルネーグの草原にて、 デュランス川に近いリュブロンの山から、 二つの陣営の衝突は非常に激しいものだろう。 [[メソポタミア]]はフランスで衰えるだろう。 100 ガリア人たちの間で最後に賞賛される者が、 敵である男に勝利を収めるだろう。 (その敵の)武力と領地はたちどころに偵察される、 嫉む者が矢の一撃で死ぬであろう時に。 ---- ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。

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