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予兆詩第52番(旧48番) 1560年2月について
*原文
Rompre diete, l'antiq&sup(){1} sacré r'avoir&sup(){2},
Dessoubs les deux, feu par pardon s'ensuivre.
Hors d'armes [[sacre]]&sup(){3}, voudra long rouge avoir&sup(){4}.
Paix du neglect, l'esleu, le vefve&sup(){5} vivre. ((原文は Chevignard [1999] p.139による。))
**異文
(1) l'antiq : lantiq 1605 1628 1649Xa 1649Ca
(2) r'avoir 1589Rec 1594JF : ravoir 1605 1628 1649Xa 1649Ca 1650Le 1668
(3) sacre conj.(BC) : Sacre &italic(){T.A.Eds.}
(4) voudra long rouge avoir &italic(){conj.(BC)} : voudra long Rouge avoir 1589Rec, long Rouge voudra avoir &italic(){T.A.Eds.}
(5) l'esleu, le vefve 1589Rec : l'Esleu le Vefue &italic(){T.A.Eds.}
(注記)1589Rec は[[ジャン=エメ・ド・シャヴィニー]]の手稿。初出である『[[1560年向けの暦>Almanach, Pour l'an 1560]]』は現在の所有者が不明のため、参照できない。
*日本語訳
議会を中断し、古き聖なるものが取り戻す、
二者の下で。許しによって火が続いて生じる。
長身の赤き者は、軍隊を除外した式典の挙行を望むだろう。
怠慢の平和、選ばれし者、未亡人は生きる。
*信奉者側の見解
[[ジャン=エメ・ド・シャヴィニー]]は、1560年10月からのオルレアンの全国三部会の予言とした。「議会を中断し」とは、国王フランソワ2世の死(同年12月)によって中断されたことを指し、1行目後半から2行目前半は、パンとワイン(「二つのもの」)を使って行われた聖体の秘蹟のことだという。「許し」はオルレアンの寛容王令(1561年1月)のことで、これが宗教対立の激化(「火」)に結びついたことを表しているとした。「長身の赤き者」はギーズ家のロレーヌ枢機卿としているが、「未亡人は生きる」は何のことだか分からないとした((Chavigny [1594] p.78))。
*同時代的な視点
「赤き者」は枢機卿を表しているとしばしば言われるので、ロレーヌ枢機卿の可能性はあるのかもしれない。
「許しによって火が続いて生じる」にしても、シャヴィニーのように、プロテスタントへの許しがさらなる宗教対立につながるという意味にとってもよさそうに思える。
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予兆詩第52番(旧48番) 1560年2月について
*原文
Rompre diete, l'antiq&sup(){1} sacré r'avoir&sup(){2},
Dessoubs les deux, feu par pardon s'ensuivre.
Hors d'armes [[sacre]]&sup(){3}, voudra long rouge avoir&sup(){4}.
Paix du neglect, l'esleu, le vefve&sup(){5} vivre.((原文は Chevignard [1999] p.139による。))
**異文
(1) l'antiq : l'antiq' 1560LN, lantiq 1605 1628 1649Xa 1649Ca
(2) r'avoir 1560LN 1589Rec 1594JF : ravoir 1605 1628 1649Xa 1649Ca 1650Le 1668
(3) sacre 1560LN : Sacre &italic(){T.A.Eds.}
(4) voudra long rouge avoir &italic(){conj.(BC)} : voudra long Rouge avoir 1589Rec, long Rouge voudra avoir &italic(){T.A.Eds.}
(5) l'esleu, le vefve 1589Rec : l'esleu le vefve 1560LN, l'Esleu le Vefue &italic(){T.A.Eds. }
(注記)1560LN は初出である『[[1560年向けの暦>Almanach, Pour l'an 1560]]』の原文。1589Rec は[[ジャン=エメ・ド・シャヴィニー]]の手稿『[[散文予兆集成>Recueil des Presages Prosaiques de M. Michel de Nostredame]]』の異文。
**校訂
シュヴィニャールの校訂は当時行方不明だった『1560年向けの暦』の原文は踏まえていない。それでも大文字の扱いなどはおおむね正しいのだが、3行目の語順は不適切だろう。
シュヴィニャールは1589Rec がオリジナルで 1594JF は改変されたものと推測していたが、初出である 1560LN の原文は Rouge が大文字で始まっていることも含め、1594JF の系列と一致している。この場合は 1589Rec こそが改変されたものと見るべきだろう。
*日本語訳
議会を中断し、古き聖なるものが取り戻す、
二者の下で。許しによって火が続いて生じる。
長身の赤き者は、軍隊を除外した式典の挙行を望むだろう。
怠慢の平和、選ばれし者、未亡人は生きる。
*信奉者側の見解
[[ジャン=エメ・ド・シャヴィニー]]は、1560年10月からのオルレアンの全国三部会の予言とした。「議会を中断し」とは、国王フランソワ2世の死(同年12月)によって中断されたことを指し、1行目後半から2行目前半は、パンとワイン(「二つのもの」)を使って行われた聖体の秘蹟のことだという。「許し」はオルレアンの寛容王令(1561年1月)のことで、これが宗教対立の激化(「火」)に結びついたことを表しているとした。「長身の赤き者」はギーズ家のロレーヌ枢機卿としているが、「未亡人は生きる」は何のことだか分からないとした((Chavigny [1594] p.78))。
*同時代的な視点
「赤き者」は枢機卿を表しているとしばしば言われるので、ロレーヌ枢機卿の可能性はあるのかもしれない。
「許しによって火が続いて生じる」にしても、シャヴィニーのように、プロテスタントへの許しがさらなる宗教対立につながるという意味にとってもよさそうに思える。
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