詩百篇第8巻補遺篇6番

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[[百詩篇第8巻]]>6番(補遺篇)* *原文 Las quel desir ont&sup(){1} Princes estrangers, &sup(){2} Garde toy&sup(){3} bien qu'en ton pays ne vienne&sup(){4} Il y auroit de terribles dangers En&sup(){5} mains&sup(){6} contrees&sup(){7}, mesmes&sup(){8} en la Vienne. **異文 (1) desir ont : plaisir ont 1672Ga (2) estrangers, : estrangers ! 1628dR 1649Ca 1650Le 1668 (3) Garde toy : Garde-toy 1649Xa (4) ton pays ne vienne : ton Pais ne Vienne 1672Ga (5) En : Er en 1605sn, Et en 1649Xa 1672Ga (6) mains 1588Rf 1589Me 1612Me : maintes 1605sn 1649Xa 1672Ga, maints &italic(){T.A.Eds.} (7) contrees : Contrées 1672Ga (8) mesmes 1588Rf 1589Me : mesme T.A.Eds. (注記)この詩は全ての版に含まれているわけではないため、底本を 1588Rf とし、比較の対象に 1589Me, 1589Rg, 1605sn, 1611, 1628dR, 1649Ca, 1649Xa, 1650Le, 1981EB, 1668, 1672Ga を用いた。 **校訂  4行目 mains は maintes(多くの)の方が文脈には適している。 *日本語訳 ああ!異国の君主たちは何という野望を持つのか。 汝の国へ(侵攻して)来ぬように細心に守るがよい。 耐えがたい危機があるだろう、 多くの地方で。同じくヴィエンヌでも。 **訳について  大乗訳1行目「ああ!よろこびが外国の王女たちに」((大乗訳 [1975] p.257.以下この詩の訳は同じページから))は誤訳。[[ヘンリー・C・ロバーツ]]が採用していた異文は1672Gaと同じなので、その訳として「よろこび」は誤りではないが、Princes(王子たち、君主たち)を「王女たち」と訳すのは単純なミス。  同2行目「汝自身 自分の国からだれもこさせないように見張れ」も誤訳。ロバーツの英訳 Guard thyself lest any should come into thy country((Roberts [1949] p.277))と見比べてもそれは明らかだろう(come into を come from と取り違えたか)。  なお、4行目「ヴィエンヌ」は、フランスの都市名であるとともに、オーストリアのウィーンのフランス名でもある。 *信奉者側の解釈  [[ジャック・ド・ジャン]](1672年)は当時の英仏蘭の関係と解釈している((Jant [1672]))。  [[アンドレ・ラモン]]や[[ロルフ・ボズウェル]]は1938年3月にドイツがオーストリア国境を越え、ウィーンを占領してオーストリアを併呑したこと、そしてその後ミュンヘン会談などでドイツに対する宥和政策が取られたことに関する予言と解釈した((Lamont [1943] pp.173-174, Boswell [1943] pp.177-178))。 *同時代的な視点  Vienne はフランスのヴィエンヌとオーストリアのウィーンの2通りに訳せる。後者だとすれば、オスマントルコの侵略に対する警戒と見ることが出来るのかもしれない。
[[詩百篇第8巻]]>6番(補遺篇)* *原文 Las quel desir ont&sup(){1} Princes estrangers, &sup(){2} Garde toy&sup(){3} bien qu'en ton pays&sup(){4} ne vienne&sup(){5} Il y auroit de terribles&sup(){6} dangers En&sup(){7} mains&sup(){8} contrees&sup(){9}, mesmes&sup(){10} en la Vienne. **異文 (1) desir ont : plaisir ont 1672Ga (2) estrangers, : estrangers ! 1628dR 1649Ca 1650Le 1667Wi 1668A 1668P 1689Ma (3) Garde toy : Garde-toy 1649Xa 1667Wi 1689Ma 1720To (4) pays : païs 1667Wi 1689Ma, Pais 1672Ga (5) ne vienne : ne Vienne 1672Ga (6) terribles : terrible 1720To (7) En : Er en 1605sn, Et en 1649Xa 1672Ga (8) mains 1588Rf 1589Me 1612Me : maintes 1605sn 1649Xa 1672Ga, main 1689Ma, maints &italic(){T.A.Eds.} (9) contrees : Contrées 1672Ga (10) mesmes 1588Rf 1589Me : mesme T.A.Eds. -(注記)この詩は全ての版に含まれているわけではないため、底本を 1588Rf とし、比較の対象に 1589Me, 1589Rg, 1605sn, 1611A, 1611B, 1612Me, 1628dR, 1649Ca, 1649Xa, 1650Le, 1667Wi, 1668A, 1668P, 1672Ga, 1689Ma, 1720To, 1981EB を用いた。 #co(){ *その他  1689Maは、この詩が第8巻の補遺であることを明記しつつも、第12巻と六行詩の間に挿入している。1720Toでは第12巻71番になっている。 } **校訂  4行目 mains は maintes(多くの)の方が文脈には適している。 *日本語訳 ああ!異国の君主たちは何という野望を持つのか。 汝の国へ(侵攻して)来ぬように細心に守るがよい。 耐えがたい危機があるだろう、 多くの地方で。同じく[[ヴィエンヌ]]でも。 **訳について  既存の訳についてコメントしておく。  大乗訳1行目「ああ!よろこびが外国の王女たちに」((大乗訳 [1975] p.257.以下この詩の訳は同じページから))は誤訳。[[ヘンリー・C・ロバーツ]]が採用していた異文は1672Gaと同じなので、その訳として「よろこび」は誤りではないが、Princes(王子たち、君主たち)を「王女たち」と訳すのは単純なミス。  同2行目「汝自身 自分の国からだれもこさせないように見張れ」も誤訳。ロバーツの英訳 Guard thyself lest any should come into thy country((Roberts [1949] p.277))と見比べてもそれは明らかだろう(come into を come from と取り違えたか)。  なお、4行目「ヴィエンヌ」は、フランスの都市名であるとともに、オーストリアのウィーンのフランス名でもある。 *信奉者側の解釈  [[ジャック・ド・ジャン]](1672年)は当時の英仏蘭の関係と解釈している((Jant [1672]))。  [[アンドレ・ラモン]]や[[ロルフ・ボズウェル]]は1938年3月にドイツがオーストリア国境を越え、ウィーンを占領してオーストリアを併呑したこと、そしてその後ミュンヘン会談などでドイツに対する宥和政策が取られたことに関する予言と解釈した((Lamont [1943] pp.173-174, Boswell [1943] pp.177-178))。 *同時代的な視点  Vienne はフランスのヴィエンヌとオーストリアのウィーンの2通りに訳せる。  後者だとすれば、オスマントルコの侵略に対する警戒と見ることが出来るのかもしれない。 ---- ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。

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