Nostradamus : Life and Literature

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 『&bold(){ノストラダムス:生涯と文学}』(Nostradamus : Life and Literature)は、[[エドガー・レオニ]]の著書。1961年にニューヨークのエクスポジション・プレスから出版された。懐疑的・実証的見地からの研究としては、20世紀に出版された関連書の中でも屈指のものである。 *正式名 -Nostradamus : Life and Literature --Including --All the Prophecies in French and English, With Complete Notes and Indexes --A Critical Biography of Nostradamus, His Will and Personal Letters --Bibliography of Nostradamus and His Commentators --A Review of Theories About Him, His Method and Other Supplementary Material -ノストラダムス:生涯と文学 --以下の内容を含む --完全な注記と索引を付した仏英対訳の全予言 --ノストラダムスの批判的伝記、遺言書、私信 --ノストラダムスとその解釈者たちの書誌 --彼についての理論、彼の方法論、その他補足的題材の再検討 *構成  まず、ノストラダムスの伝記が収められている。そのあと、ノストラダムス作品と関連文献の書誌が続く。  予言本編については、セザールへの手紙、百詩篇集、アンリ2世への手紙、予兆詩の原文対訳が載せられ、脚注の形でフランス古語などの語注が充実している。ただし、原文は現代フランス式の綴りに直されている。  そのあと、予言のテーマや地名ごとの索引が続き、ひとつひとつの予言に関する解説が付けられている。  巻末には関連資料として遺言書や私信の対訳、偽予言に分類した六行詩集やオリヴァリウスの予言の対訳などが収められている。 *評価  レオニの研究は信奉者側にも懐疑派にも高く評価する者たちがいる。  信奉者側では[[ジョン・ホーグ]]が5段階評価で5をつけている。[[ヴライク・イオネスク]]はその学殖の豊かさを褒めている((Hogue [1997/1999], イオネスク [1990]))。  懐疑派側では、[[テレンス・ハインズ]]がかつては「最も学術的なノストラダムスの研究書」と紹介しており、[[ジェイムズ・ランディ]]も(手放しではないにせよ)重要な参照元としてレオニを挙げている。[[志水一夫]]も「必携書」として紹介していた((『ハインズ博士「超科学」をきる』化学同人、ランディ [1999]、志水 [1998]))。  ノストラダムス関連文献以外にも、フランシス・ゴイエットによるエチエンヌ・タブーロ『雑集』の復刻版、サンジャイ・スブラフマニヤムによる16世紀の終末論に関する論文((中村玲生訳「テージョ河からガンジス河まで―16世紀ユーラシアにおける千年王国信仰の交錯」『思想』937号、2002年))など、ノストラダムス関連情報についての参考元としてレオニの文献を挙げている研究は見出せる。 *意義  レオニの研究は1961年のものであり、その後急速に進展したノストラダムス研究の成果は反映されていない。現在では、伝記については[[エドガール・ルロワ]]や[[イアン・ウィルソン]]、書誌については[[ミシェル・ショマラ]]や[[ロベール・ブナズラ]]、百詩篇の校訂については[[ピエール・ブランダムール]](第4巻53番まで)、百詩篇の解釈についてはブランダムール、[[ロジェ・プレヴォ]]、[[ピーター・ラメジャラー]]、[[ジャン=ポール・クレベール]]、予兆詩については[[ベルナール・シュヴィニャール]]、用語については[[マリニー・ローズ]]、私信については[[ジャン・デュペーブ]]等々と、レオニの研究水準を乗り越えている文献をいくつも挙げることはできる。  しかし、それらの様々なジャンルはそれぞれの情報量が膨大になりつつあり、全体を見通しづらくなっていることも事実である。そういう意味では、伝記、書誌、原文対訳、予言解釈などを手際よく1冊に纏め上げたこの本は、入門的な「総合案内」あるいは実証的なノストラダムス研究の「古典」として、いまなお大きな存在意義を持っているといえるのではないだろうか。 *再版  1965年にノスブックス(Nosbooks)から第2版が出版された。扉や裏面の著作権表示はエクスポジションプレスのままで印刷されており、その上から版元をノスブックスに、版と刊行年を「second edition, 1965」に差し替えるシールが貼られている。  ただし、単なるシールの貼付だけではなく、製本自体が新たに行なわれている。というのは、カバーを外した本体の背表紙が、エクスポジション版はねずみ色の地に赤で印字されており、一番下には小さく Exposition University とあるのに対し、ノスブックス版は黒地に金で印字されており、一番下にはNOSBOOKS とあるからだ。  内容的な変更はないようで、エクスポジション版で挟まれていた正誤表に記載されていた誤りも、全く訂正されていない。  なお、ノスブックスからは1961年のエクスポジション版の扉などの一部にシールを貼った版も出版されている。シール上には版や刷の情報はなく、エクスポジション版の情報をそのまま使っているという。また、そのカバーにはノスブックスと明記されているが、ハードカバー本体の背表紙はエクスポジション版と同じで、ねずみ色の地に Exposition University と印字されているという(([[http://8315.teacup.com/shinsenpou/bbs/201]]))。  1982年には、『[[ノストラダムスとその予言>Nostradamus and His Prophecies]]』と改題され、再版された。こちらも何度か版を重ねた。 *外部リンク -[[レオニとノストラダムス>http://www.ne.jp/asahi/mm/asakura/nostra/report/Leoni_comment.htm]] --「ノストラダムスサロン」内のコンテンツである。レオニの大著に関して網羅的な情報を見ることが出来る。 ---- #comment
 『&bold(){ノストラダムス:生涯と文学}』(Nostradamus : Life and Literature)は、[[エドガー・レオニ]]の著書。1961年にニューヨークのエクスポジション・プレスから出版された。懐疑的・実証的見地からの研究としては、20世紀に出版された関連書の中でも屈指のものである。 *正式名 -Nostradamus : Life and Literature --Including --All the Prophecies in French and English, With Complete Notes and Indexes --A Critical Biography of Nostradamus, His Will and Personal Letters --Bibliography of Nostradamus and His Commentators --A Review of Theories About Him, His Method and Other Supplementary Material -ノストラダムス:生涯と文学 --以下の内容を含む --完全な注記と索引を付した仏英対訳の全予言 --ノストラダムスの批判的伝記、遺言書、私信 --ノストラダムスとその解釈者たちの書誌 --彼についての理論、彼の方法論、その他補足的題材の再検討 *構成  まず、ノストラダムスの伝記が収められている。そのあと、ノストラダムス作品と関連文献の書誌が続く。  予言本編については、セザールへの手紙、百詩篇集、アンリ2世への手紙、予兆詩の原文対訳が載せられ、脚注の形でフランス古語などの語注が充実している。ただし、原文は現代フランス式の綴りに直されている。  そのあと、予言のテーマや地名ごとの索引が続き、ひとつひとつの予言に関する解説が付けられている。  巻末には関連資料として遺言書や私信の対訳、偽予言に分類した六行詩集やオリヴァリウスの予言の対訳などが収められている。 *評価  レオニの研究は信奉者側にも懐疑派にも高く評価する者たちがいる。  信奉者側では[[ジョン・ホーグ]]が5段階評価で5をつけている。[[ヴライク・イオネスク]]はその学殖の豊かさを褒めている((Hogue [1997/1999], イオネスク [1990]))。  懐疑派側では、[[テレンス・ハインズ]]がかつては「最も学術的なノストラダムスの研究書」と紹介しており、[[ジェイムズ・ランディ]]も(手放しではないにせよ)重要な参照元としてレオニを挙げている。[[志水一夫]]も「必携書」として紹介していた((『ハインズ博士「超科学」をきる』化学同人、ランディ [1999]、志水 [1998]))。  ノストラダムス関連文献以外にも、フランシス・ゴイエットによるエチエンヌ・タブーロ『雑集』の復刻版、サンジャイ・スブラフマニヤムによる16世紀の終末論に関する論文((中村玲生訳「テージョ河からガンジス河まで―16世紀ユーラシアにおける千年王国信仰の交錯」『思想』937号、2002年))など、ノストラダムス関連情報についての参考元としてレオニの文献を挙げている研究は見出せる。 *意義  レオニの研究は1961年のものであり、その後急速に進展したノストラダムス研究の成果は反映されていない。現在では、伝記については[[エドガール・ルロワ]]や[[イアン・ウィルソン]]、書誌については[[ミシェル・ショマラ]]や[[ロベール・ブナズラ]]、百詩篇の校訂については[[ピエール・ブランダムール]](第4巻53番まで)、百詩篇の解釈についてはブランダムール、[[ロジェ・プレヴォ]]、[[ピーター・ラメジャラー]]、[[ジャン=ポール・クレベール]]、予兆詩については[[ベルナール・シュヴィニャール]]、用語については[[マリニー・ローズ]]、私信については[[ジャン・デュペーブ]]等々と、レオニの研究水準を乗り越えている文献をいくつも挙げることはできる。  しかし、それらの様々なジャンルはそれぞれの情報量が膨大になりつつあり、全体を見通しづらくなっていることも事実である。そういう意味では、伝記、書誌、原文対訳、予言解釈などを手際よく1冊に纏め上げたこの本は、入門的な「総合案内」あるいは実証的なノストラダムス研究の「古典」として、いまなお大きな存在意義を持っているといえるのではないだろうか。 *再版  1965年にノスブックス(Nosbooks)から第2版が出版された。扉や裏面の著作権表示はエクスポジションプレスのままで印刷されており、その上から版元をノスブックスに、版と刊行年を「second edition, 1965」に差し替えるシールが貼られている。  ただし、単なるシールの貼付だけではなく、製本自体が新たに行なわれている。というのは、カバーを外した本体の背表紙が、エクスポジション版はねずみ色の地に赤で印字されており、一番下には小さく Exposition University とあるのに対し、ノスブックス版は黒地に金で印字されており、一番下にはNOSBOOKS とあるからだ。  内容的な変更はないようで、エクスポジション版で挟まれていた正誤表に記載されていた誤りも、全く訂正されていない。  なお、ノスブックスからは1961年のエクスポジション版の扉などの一部にシールを貼った版も出版されている。シール上には版や刷の情報はなく、エクスポジション版の情報をそのまま使っているという。また、そのカバーにはノスブックスと明記されているが、ハードカバー本体の背表紙はエクスポジション版と同じで、ねずみ色の地に Exposition University と印字されているという(([[http://8315.teacup.com/shinsenpou/bbs/201]]))。  1982年には、『[[ノストラダムスとその予言>Nostradamus and His Prophecies]]』と改題され、再版された。こちらも何度か版を重ねた。 *外部リンク -[[レオニとノストラダムス>http://www.ne.jp/asahi/mm/asakura/nostra/report/Leoni_comment.htm]] --「ノストラダムスサロン」内のコンテンツである。レオニの大著に関して網羅的な情報を見ることが出来る。 ---- - 1961年のノスブックス版については、[[ノストラダムスサロン>>http://www.ne.jp/asahi/mm/asakura/nostra/n_index.htm]]の新戦法氏からご教示いただきました。特記して御礼申し上げます。 -- sumaru (2011-12-02 22:26:35) #comment

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