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予兆詩第104番(旧94番) 1564年2月について
*原文
Deluge grand, bruit de mort conspirée.
Renové&sup(){1} siecle, trois grands&sup(){2} en grand discord.
Par boutefeux&sup(){3} la concorde empirée.
Pluye&sup(){4} empeschant, [[conseils>conseil]] malins d'accord. ((原文は Chevignard [1999] p.163 による。))
**異文
(1) Renové : Renoue 1605 1649Xa, Renoüé 1650Le
(2) grands &italic(){conj.(BC)} : Grands &italic(){T.Eds.}
(3) boutefeux : boutfeux 1605 1649Xa
(4) Pluye : Pluy 1605 1649Xa
(注記)1589Rec は[[ジャン=エメ・ド・シャヴィニー]]の手稿『[[散文予兆集成>Recueil des Presages Prosaiques de M. Michel de Nostredame]]』の異文。この年向けの予兆詩は、初出に当たるフランス語版の暦書どころか英語訳やイタリア語訳すら確認されていないため、復元にあたっての底本は1589Rec になる。
*日本語訳
大洪水。陰謀が企てられた死という噂。
世紀は刷新され、三人の偉大な者たちは大いに仲違いする。
煽動者たちによって、和解は悪化させられる。
妨げの雨。合意のための悪意ある勧告。
**訳について
siecle は「世紀」と直訳したが、この場合は単に一定の時期や時代を指すものだろう。
*信奉者側の見解
[[ジャン=エメ・ド・シャヴィニー]]は1564年の情勢とした。ただし、「大洪水」には触れていない。
1行目の残りは、ギーズ家とシャティヨン家(プロテスタントのコリニー提督などを輩出した)の反目と解釈した。
2行目の「世紀は刷新され」は、「病は戦争や、理由なき人々による民衆の抑圧や弾圧と同じように恐れるべきものである。しかし、新しい世紀は刷新されるに違いない」(1553年向けの予兆((『散文予兆集成』第1巻53番 - Chevignard [1999] p.199)))や「つまり今夏、天とその表徴は、今や鉄とサトゥルヌスの新しい世紀になっていることを示すのである」(1555年向けの予兆((『散文予兆集成』第1巻284番 - Chevignard [1999] p.223)))といった先行する予言と関連付けた。ただし、具体的な解釈はない。
3行目については融和姿勢を見せていたシャルル9世の調停がうまく行かないことの描写とした((Chavigny [1594] p.130))。
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