「ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集 (ジャン・ヴォルケ、1689年)」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
ケルンの出版業者ジャン・ヴォルケは、『ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集』を1689年に出版した。現ドイツ領内で出版された18世紀以前の『予言集』は、この1冊だけである。
#ref(1689Vo.JPG)
【画像】第一部の扉((画像の出典:[[http://www.propheties.it/]]))
*正式名
第一部
-Les Vrayes Centuries et Propheties de Maistre Michel Nostradamus,
--Où se void representé tout ce, qui s'est passé, tant en France, Espagne, Italie, Alemagne, Angleterre, qu'autres parties du monde.
--Revëues & corrigées suivant les Editions imprimées à Lyon l'an 1644. & à Amsterdam l'an 1668.
--Avec la vie de l'Autheur.
--à Cologne, Chez Jean Volcker, marchand libraire l'an 1689.
-ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集
--フランス、スペイン、イタリア、ドイツ、イギリス、および世界の他の地域において起こった全てのことが描かれている版。
--1644年リヨン版と1668年アムステルダム版に基づき改訂・校正した。
--著者の伝記付き。
--ケルンの書籍販売業者ジャン・ヴォルケの工房にて、1689年。
第二部
-Les Propheties de M. Michel Nostradamus. Centuries VIII. IX. X.
--Qui selon l'edition imprimée à Lyon chez Claude la Riviere l'an 1644. n'ont encores jamais esté imprimées.
-ミシェル・ノストラダムス師の予言集。百詩篇第八・九・十巻。
--1644年にクロード・ド・ラ・リヴィエールが刊行したリヨン版によれば、決して出版されてこなかったもの。
『真の百詩篇集と予言集』という題名を持つ版は二部構成をとらないのが一般的で、二部構成をとっているのはこのケルン版と、ボルドーのピエール・アブグー版(1689年)のみである。
*内容
第一部冒頭には1668年アムステルダム版から転記された簡潔な解釈集が掲載されている。そのあと、[[ジャン=エメ・ド・シャヴィニー]]によるノストラダムスの伝記、第一序文(セザールへの手紙)、百詩篇第1巻から第7巻が続く。第6巻はラテン語詩以外に補遺篇の100番が収録されている。第7巻は補遺篇を含む計48篇である。
第二部は、第二序文(アンリ2世への手紙)、百詩篇第8巻から第10巻、[[六行詩集>この世紀のいずれかの年のための驚くべき予言]]、[[四行詩による第11巻>百詩篇第11巻]]、[[第12巻>百詩篇第12巻]]、[[予兆詩集]]の順に収められている。第8巻に補遺篇は含まれていないが、第10巻の101番目の詩は収録されている。
最後に四行詩の冒頭の数語から引くことの出来る索引がついている。
*特色
古い版には底本をぼかすものが多いのだが、この版は底本をきちんと明示している。
第一部は1668年アムステルダム版を、第二部は1644年リヨン版をもとにしており、補遺篇の収録の仕方にもそれは反映されている(アムステルダム版の第7巻は48篇、リヨン版は44篇である。リヨン版の第8巻に補遺篇がないが、アムステルダム版にならある)。
ただし、第一序文については異なる。1668年アムステルダム版の場合、伝記の後に第二序文を掲載していたが、これを第一序文に差し替え、第二序文は第8巻の前に置くという伝統的なスタイルに戻している。
十分に誠実に出版されたといってよいのかもしれないが、その分「謎」が存在せず、版の系譜などを考察する上でも、原文の校訂の材料にする上でも、ほとんど特筆する要素のない版である。
『予言集』がどれだけ広い地域で出版されてきたかという、歴史的証言としての意義はあるだろう。
*所蔵先
-アミアン市立図書館、ドール市立図書館、リヨン市立図書館、リヨン市立図書館ショマラ文庫、ストラスブール市立図書館、ジャック・プレヴェール図書館、ウェルカム図書館、オックスフォード大学テイラー図書館、ウィーン国立図書館、バイエルン州立図書館、コペンハーゲン市立図書館、フリブール州立図書館/大学図書館、ハンガリー国立セーチェーニ図書館、スペイン国立図書館(マドリード)、プラハ国立図書館、プラハPNP、ポーランド国立図書館(ワルシャワ)、ヴロツワフ大学図書館、スウェーデン王立図書館、ウプサラ大学図書館、オスロ大学図書館、ビリニュス科学アカデミー(リトアニア)、ブルノ公立図書館(チェコ)、オロモウツ公立図書館(チェコ)、テキサス大学図書館、プリンストン大学図書館、イェール大学図書館、フロリダ大学図書館、ニューアークの大学(デラウエア大学かラトガース大学?)((所蔵先情報は Chomarat [1989], Benazra [1990] によっているが、前者の簡略な書式の問題から、一部の所蔵先については特定しきれない。))
----
#comment
ケルンの出版業者ジャン・ヴォルケは、『ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集』を1689年に出版した。現ドイツ領内で出版された18世紀以前の『予言集』は、この1冊だけである。
#ref(1689Vo.JPG)
【画像】第一部の扉((画像の出典:[[http://www.propheties.it/]]))
*正式名
第一部
-Les Vrayes Centuries et Propheties de Maistre Michel Nostradamus,
--Où se void representé tout ce, qui s'est passé, tant en France, Espagne, Italie, Alemagne, Angleterre, qu'autres parties du monde.
--Revëues & corrigées suivant les Editions imprimées à Lyon l'an 1644. & à Amsterdam l'an 1668.
--Avec la vie de l'Autheur.
--à Cologne, Chez Jean Volcker, marchand libraire l'an 1689.
-ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集
--フランス、スペイン、イタリア、ドイツ、イギリス、および世界の他の地域において起こった全てのことが描かれている版。
--1644年リヨン版と1668年アムステルダム版に基づき改訂・校正した。
--著者の伝記付き。
--ケルンの書籍販売業者ジャン・ヴォルケの工房にて、1689年。
第二部
-Les Propheties de M. Michel Nostradamus. Centuries VIII. IX. X.
--Qui selon l'edition imprimée à Lyon chez Claude la Riviere l'an 1644. n'ont encores jamais esté imprimées.
-ミシェル・ノストラダムス師の予言集。百詩篇第八・九・十巻。
--1644年にクロード・ド・ラ・リヴィエールが刊行したリヨン版によれば、決して出版されてこなかったもの。
『真の百詩篇集と予言集』という題名を持つ版は二部構成をとらないのが一般的で、二部構成をとっているのはこのケルン版と、ボルドーのピエール・アブグー版(1689年)のみである。
*内容
第一部冒頭には[[1668年アムステルダム版>ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集 (ジャン・ジャンソンほか、1668年)]]から転記された簡潔な解釈集が掲載されている。そのあと、[[ジャン=エメ・ド・シャヴィニー]]によるノストラダムスの伝記、第一序文(セザールへの手紙)、百詩篇第1巻から第7巻が続く。第6巻はラテン語詩以外に補遺篇の100番が収録されている。第7巻は補遺篇を含む計48篇である。
第二部は、第二序文(アンリ2世への手紙)、百詩篇第8巻から第10巻、[[六行詩集>この世紀のいずれかの年のための驚くべき予言]]、[[四行詩による第11巻>百詩篇第11巻]]、[[第12巻>百詩篇第12巻]]、[[予兆詩集]]の順に収められている。第8巻に補遺篇は含まれていないが、第10巻の101番目の詩は収録されている。
最後に四行詩の冒頭の数語から引くことの出来る索引がついている。
*特色
古い版には底本をぼかすものが多いのだが、この版は底本をきちんと明示している。
第一部は[[1668年アムステルダム版>ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集 (ジャン・ジャンソンほか、1668年)]]を、第二部は[[1644年リヨン版>ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1644年リヨン)]]をもとにしており、補遺篇の収録の仕方にもそれは反映されている(アムステルダム版の第7巻は48篇、リヨン版は44篇である。リヨン版の第8巻に補遺篇がないが、アムステルダム版にならある)。
ただし、第一序文については異なる。1668年アムステルダム版の場合、伝記の後に第二序文を掲載していたが、これを第一序文に差し替え、第二序文は第8巻の前に置くという伝統的なスタイルに戻している。
十分に誠実に出版されたといってよいのかもしれないが、その分「謎」が存在せず、版の系譜などを考察する上でも、原文の校訂の材料にする上でも、ほとんど特筆する要素のない版である。
『予言集』がどれだけ広い地域で出版されてきたかという、歴史的証言としての意義はあるだろう。
*所蔵先
-アミアン市立図書館、ドール市立図書館、リヨン市立図書館、リヨン市立図書館ショマラ文庫、ストラスブール市立図書館、ジャック・プレヴェール図書館、ウェルカム図書館、オックスフォード大学テイラー図書館、ウィーン国立図書館、バイエルン州立図書館、コペンハーゲン市立図書館、フリブール州立図書館/大学図書館、ハンガリー国立セーチェーニ図書館、スペイン国立図書館(マドリード)、プラハ国立図書館、プラハPNP、ポーランド国立図書館(ワルシャワ)、ヴロツワフ大学図書館、スウェーデン王立図書館、ウプサラ大学図書館、オスロ大学図書館、ビリニュス科学アカデミー(リトアニア)、ブルノ公立図書館(チェコ)、オロモウツ公立図書館(チェコ)、テキサス大学図書館、プリンストン大学図書館、イェール大学図書館、フロリダ大学図書館、ニューアークの大学(デラウエア大学かラトガース大学?)((所蔵先情報は Chomarat [1989], Benazra [1990] によっているが、前者の簡略な書式の問題から、一部の所蔵先については特定しきれない。))
----
#comment