予兆詩第109番

予兆詩第109番(旧99番) 1564年7月について

原文

En peril monde, & Rois feliciter.
Razes esmeus1, par conseil ce qu'estoit,
L'Eglise Rois pour eux peuple irriter.
Un monstrera apres ce qu'il n'estoit. *1

異文

(1) esmeus 1589Rec 1594JF : esmeu T.A.Eds.

(注記)1589Rec はジャン=エメ・ド・シャヴィニーの手稿『散文予兆集成』の異文。この年向けの予兆詩は、初出に当たるフランス語版の暦書どころか英語訳やイタリア語訳すら確認されていないため、復元にあたっての底本は1589Rec になる。

日本語訳

世界は脅威に晒され、王たちは祝福する。
剃髪たちは存在した限りでの助言を受け動揺させられる。
彼らにとっての教会と王たちが人々を苛立たせる。
後にある人はそれではなかったものを示すだろう。

訳について

 2行目と4行目の後半は関係詞節が簡略な分、曖昧で訳しづらい。
 3行目は若干変則的だが、ジャン=エメ・ド・シャヴィニーが理解したように「教会と王たちと人々が彼らに苛立つ」とも訳せる。

信奉者側の見解

 ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは、1564年7月の宗教対立に関する詩とした。2行目はカトリックの祝祭に何の変化もないことを指しているという。3行目はカトリック教会も王族も庶民もプロテスタントを快く思わなかったことだとした。4行目については推測不能と述べている*2


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予兆詩
最終更新:2010年05月26日 22:39

*1 原文は Chevignard [1999] p.165 による。

*2 Chavigny [1594] p.136