原文
Ie pleure Nisse
1,
Mannego2, Pize
3, Gennes,
Sauone, Sienne,
Capue4, Modene
5, Malte:
Le dessus sang & glaiue par
estrennes,
Feu, trembler terre
6, eau, malheureuse
7 nolte8.
異文
(1) Nisse : Nice 1627Ma 1627Di 1672Ga 1800AD
(2) Mannego : Monnego 1568X 1590Ro, Manuego 1627Ma 1627Di, Monaco 1672Ga, manége 1800AD
(3) Pize : pise et 1800AD
(4) Capue : Capuë 1597Br 1606PR 1607PR 1610Po 1627Ma 1627Di 1644Hu 1650Ri 1653AB 1665Ba 1667Wi 1716PR 1720To 1840, Capoue 1800AD
(5) Modene : Mo ene 1568B
(6) terre : terro 1649Xa, Terre 1672Ga
(7) malheureuse : mal-heureuse 1610Po 1668P, mal'heureuse 1605sn 1628dR 1649Xa 1649Ca 1650Le 1668A, Malheureuses 1800AD
(8) nolte : notes 1800AD
(注記)1800AD は匿名の解釈書『暴かれた未来』(1800年)での異文。なお、Malheureuses notes は 1800AD の解釈の中では Maleureuse note と引用されている。
校訂
Nisse は Nice の方が綴りとしては正しいが、プロヴァンス語名のニッサ(Nissa)を踏まえて意図的にそう綴った可能性もあるだろう。
Mannego を Monaco と同一視する従来の読み方が正しいのなら、1568Xに見られる Monnego の方が正しかったのかもしれない。
日本語訳
私は涙する。ニース、モナコ、ピサ、ジェノヴァ、
サヴォーナ、シエーナ、カプア、モデナ、マルタ、
新年の贈り物として上方に血と剣、
火、地震、水、不吉にして望まれざるもの。
訳について
山根訳はほとんど問題ないが、
nolte を「抵抗」と訳すのは、
エリカ・チータムの reluctance (不本意)という英訳を踏まえたものにしても、若干ニュアンスが異なるように思える。大乗訳も似たようなもので、nolte を「結末」と訳すこと以外はおおむね許容範囲だろう。
ただし、
nolte についてはあまり説得的な読みが存在するとは言えず、どのような語に引きつけて理解するかによって様々な読み方がありうるだろう。
信奉者側の見解
五島勉は『
ノストラダムスの大予言II』の時点では、1990年代のいずれかの年の初めに、挙げられている都市が全滅することと解釈した。湾岸戦争開戦直前に出された『
ノストラダムスの大予言・中東編』では、当時の中東危機に関連し、イラクないし他のアラブの過激国によるミサイルが、挙げられている都市に打ち込まれるおそれがあると解釈していた。
同時代的な視点
【画像】関連する地名(スピネッタ・マレンゴはナポレオンの「マレンゴの戦い」でも知られる場所。近隣にはボスコ・マレンゴがあるが省略した)
最終更新:2019年10月30日 00:58