藤島啓章

 藤島啓章(ふじしま けいしょう、1948年- )は愛媛県出身のノンフィクション作家。早稲田大学第一文学部卒業。『失われた文明の謎』(学研M文庫)、『大地震完全対策―この1冊があなたを救う!』 などの著書がある。


【画像】『大地震完全対策』カバー表紙

ノストラダムス関連

 学研のムー・ブックスの1冊として『ノストラダムスの大警告』(1989年)を出版した。これは雑誌『ムー』(100号、1989年)の総力特集記事「1999年ノストラダムスの大警告」を再構成の上大幅加筆して単行本化したものである。

 また、『聖書預言 戦慄の黙示』(コスモ出版、1992年)では、「序章 ソ連の崩壊を的中させたノストラダムスの予言」で、自身の過去の解釈が的中したとアピールしている。実際には、藤島はソ連が1990年代の世界大戦の引き金を引くと解釈しており、都合の悪いところには一切ふれないようにしつつ、1991年以降のシナリオで「ソ連」としていた箇所を「ロシア」に置き換えて紹介している。
 本章では聖書預言の解釈が展開されるが、そのシナリオでも随時ノストラダムス予言の解釈が織り交ぜられている。

 藤島は他の執筆者たちとの共同ペンネームとして 「泉保也」 を使っており、『ムー』で連載記事を持っている。その単行本化された2巻本の2冊目 『増補版 世界不思議大全II』(学研パブリッシング、2013年) にも、ノストラダムスの項目がある。
 しかし、その項目の情報は 「1512年にキリスト教に改宗した」「最初の妻の名は (アドリエットですらなく) アトリエット」「本来の百詩篇集は全1200篇だった」 など、現在の実証的研究では数十年前に廃棄されているような誤った旧説や、それをさらに改変したような情報がほとんどを占めている。
 執筆者代表としてその1巻に藤島が寄せた序文では、信奉者寄りの情報を集めたが、捏造の類はしていないと表明している。ノストラダムス情報の誤りにしても、確かに過去にそんなことを主張していた論者たちがいるのは事実なので、捏造しているわけではないだろう。だが、数十年前に否定されているような情報ばかり集めてそれで良しとするのは、執筆者の取材能力が問われるのではないだろうか (共同ペンネームなので、同項目を実際に執筆したのが誰なのかは特定できない)。


【画像】 『増補版 世界不思議大全II』 カバー


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  • ストラダムスの大警告、イオネスク氏の著作がさりげなく紹介されているのが印象深い。 -- とある信奉者 (2013-03-24 22:47:00)
最終更新:2013年03月24日 22:47