予兆詩第117番(旧107番) 1565年2月について
原文
Entre les grands
1 naistre grande discorde
Du clerc
2 procere, un grand cas brassera:
Nouvelles sectes
3, mettra
4 en haine & discorde
5,
Que guerre & changes tout peuple
6 offensera.
異文
(1) grands 1565Od : Grands T.A.Eds.
(2) Du clerc 1565Od : Le Clerc T.A.Eds.
(3) Nouvelles sectes : Sectes nouvelles 1589Rec
(4) mettra 1565Od : mettre T.A.Eds.
(5) discorde : corde 1589Rec
(6) Que guerre & changes tout peuple 1565Od : Tout peuple guerre & change T.A.Eds.
日本語訳
偉人たちの間で大きな不和が生じる、
長身の学者について。大きな事件が煽り立て、
新しい諸宗派を憎しみと不和の中におくだろう。
同時に戦争と諸変化が全ての人々を傷つけるであろう。
訳について
2行目 clerc の意味する範囲は広い。中期フランス語では助祭(acolyte)や官吏(commis)の意味もあった。
4行目は動詞の活用形からすると「全ての人々は戦争と諸変化を傷つける」となる方が自然だが、文脈を優先し、活用形は直前の語に引きずられた変則的なものと判断した。このような例は他にもあることが指摘されている。
信奉者側の見解
ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは1565年2月のこととし、このときにロレーヌ枢機卿がモンモランシー公と対立し、パリ入市を拒否されたことと解釈した。「長身の学者(聖職者)」はロレーヌ枢機卿だという。
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最終更新:2010年06月19日 10:56