The True Prophecies or Prognostications of Michael Nostradamus

 『 ミシェル・ノストラダムスの真の予言集あるいは予測集 』(The True Prophecies or Prognostications of Michael Nostradamus)は、テオフィル・ド・ガランシエールの著書。1672年にロンドンのトマス・ラトクリフとナサニエル・トムソンによって出版され、1685年に同じ都市のジョン・サラズバリーによって再版された。
 初めての仏英対訳版『予言集』であると同時に、フランス語以外の言語で出版された最初の版でもある。

【画像】1672年版の扉 *1

正式名

  • The True Prophecies or Prognostications of Michael Nostradamus, Physician to Henry II. Francis II. and Charles IX. Kings of France, And one of the best Astronomers that ever were.
    • A Work full of Curiosity and Learning.
    • Translated and Commented by Theophilvs de Garencieres, Doctor in Phisick Colleg. Lond.
    • London, Printed by Thomas Ratcliffe, and Nathaniel Thompson, and are to be sold by John Martin, at the Bell in St. Pauls Church-yard, Henry Mortlack at the White Hart in Westminster-Hall, Thomas Collins, at the Middle-Temple Gate, Edward Thomas, at the Adam and Eve in Little Britain, Samuel Lowndes over against Exeter-house in the Strand, Rob. Bolter, against the Sooth-door of the Exchange, Jon, Edwin, at the Three Roses in Ludgate-street, Moses Pits at the White Hart in Little Britain, 1672
  • フランス国王アンリ二世、フランソワ二世、シャルル九世の侍医にして不世出の最高の天文学者の一人であったミシェル・ノストラダムスの真の予言集あるいは予測集
    • 好奇心と学識の詰まった作品
    • ロンドン大学医師のテオフィリュス・ド・ガランシエールによる翻訳と注釈
    • ロンドン、トマス・ラトクリフとナサニエル・トムソンによって印刷され、(中略)によって販売される。

 1685年版も大文字、小文字の使い分けやそれに伴うレイアウトの違いはあるものの、表題そのものは1672年版と全く同じである。ただし、その末尾の印刷・販売業者名は当然差し替えられており、
  • London, Printed, and are to be Sold by John Salusbury at the Sign of the Atlas in Cornhill, 1685
となっている。サラズバリーが販売も手がけたことから、販売業者名が列挙されていた1672年版に比べてすっきりとした印象を与えている。

 表題の Prophecies と Prognostications についてだが、小見出しなどを見ると、ガランシエールは Prophecies を百詩篇集に、Prognostications を六行詩集に対応させていることが分かる。

内容

 ガランシエール自身の献辞と序文に続いて、ノストラダムスの伝記とその弁明(apology)が掲載されている。

 そのあと、『予言集』本編として英訳のみの第一序文(セザールへの手紙)、英仏対訳の百詩篇第1巻から第5巻、第6巻(補遺篇の100番を含む)、第7巻(従来の42番が44番にずらされ、反マザランの偽42番偽43番が収録されている。また、73番から82番の4篇も含んでいる)、英訳のみの第二序文(アンリ2世への手紙)、英仏対訳の百詩篇第8巻(補遺篇の6篇を含む)、第9巻と第10巻、第11巻(2篇)、第12巻(11篇)、六行詩集と続いている。

コメント

 表題の類似性や反マザランの詩が含まれていることから明らかなように、底本になったのは1649年頃の偽年代版である。この版は誤植が非常に多い。そして、それを転記したガランシエールのフランス語原文には、輪をかけて誤植が増えている(仏語原文に英単語が混じっている百詩篇第2巻88番百詩篇第3巻96番は顕著な例)。
 彼の場合、1656年の解釈書で改竄された異文も取り込み、さらに独自に改変しているため、本来の原文の姿からかなり乖離した詩も散見される。
 また、英訳については、単なる逐語訳の場合も少なくない。そして、その際には分かりづらい単語が訳されないまま残されていることがしばしばあり、エドガー・レオニエヴリット・ブライラーからは原文も訳も質が悪いと評価されている *2

 ただし、ピエール・ブランダムールによる校訂で支持されている異文もないわけではない(百詩篇第1巻10番百詩篇第4巻29番など)。

 解釈についても、全ての詩に解釈をつけた初の試みとしては一定の評価に値するのだろうが、「意味は平易」といった何の役にも立たない一言が載せられているだけの場合も多く、内容的に貢献してくれる要素は限定的である。

再版

 1685年ジョン・サラズバリー版は、扉の出版社名を書き換えてある以外は1672年版と全く同じである。

 20世紀には、ヘンリー・C・ロバーツが『ノストラダムス全予言』をまとめる際の底本のひとつになった。ことに英訳についてはガランシエール訳がそのまま転用されているケースも少なくない。

 2001年にはガランシエールのフランス語原文と英訳のみを抽出・転記した復刻版『ノストラダムス、彼の作品と予言集』がアメリカで出版された。

所蔵先

1672年版
  • フランス国立図書館、ポール・アルボー博物館、大英図書館、ウェルカム医学史図書館、ケンブリッジ大学、オックスフォード大学ボドレー図書館、オックスフォード大学モードリン・カレッジ、バイエルン州立図書館、コペンハーゲン王立図書館、クリーヴランド公立図書館、ニューヨーク公立図書館、サクラメント公立図書館、ニューアーク Newark 公立図書館、ミシガン大学(アンアーバー)、ヴァージニア大学(シャーロットヴィル)、カーネル大学、フィラデルフィア大学、トリニティーカレッジ、ハーヴァード大学、イェール大学、テネシー大学(ノックスヴィル)、イリノイ大学(アーバナ)、ワシントン大学、ハンチントン図書館(カリフォルニア)、W.A.クラーク図書館、アルバニーSL(NY)、フィラデルフィアLC、ヴァッサー大学(ニューヨーク州ポキプシー)、Williamstorn Chapin L、ジェイムズ・ランディ
  • かつてダニエル・ルソも私蔵しており、2007年のオークションで売りに出された。

1685年版
  • 大英図書館、カーネル大学、イェール大学、フィラデルフィア医科大学、トリニティーカレッジ、ボウドイン図書館(ブランシュヴィック)、ハンチントン図書館、フィラデルフィアLC


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