予兆詩第123番(旧113番) 1565年8月について
原文
Point ne sera le grain à suffisance.
La mort s'approche à neiger plus que
1 blanc.
Sterilité, grain pourri, d'eau
2 bondance.
Le grand
3 blessé, plusieurs de mort de flanc.
異文
(1) plus que : plus qus 1649Ca
(2) d'eau : d'eau' 1565Od
(3) Le grand : Le Grand 1589Rec 1594JF
日本語訳
小麦は十分というには程遠いだろう。
死は非常に白い雪が降ることに寄り添う。
不毛、腐った小麦、多量の水。
偉大な者は負傷し、そのわきには何人かの死体がある。
訳について
現代フランス語では「~に近づく」という場合の前置詞には de をとるが、中期フランス語では à を使えた。
信奉者側の見解
ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは1行目を1565年8月に当てはめ、ヨーロッパのいくつかの地方で生活費が高騰したことを指すとした。書き方が曖昧だが、3行目もこれと関連付けているようである。
2行目は「奇妙な隠喩」で、空から降る雪のように密度濃く寄り集まる人々が引っ掻き回され、殺されることとし、1572年8月のサン=バルテルミーの虐殺と関連付けた。4行目は虐殺事件の中でシャチヨン提督が負傷したこととした。
最終更新:2010年07月06日 23:05