ver.serp.

　ver.serp. はおそらく何かの略語だろうが、意味が確定されていない語。以下のような解釈がある。

• フランス語 verra, serpentera（見るだろうし、屈曲するだろう）の略。これはアナトール・ル・ペルチエが推測したが(*1)、現在では支持する者はいない。

• ラテン語のvera serpens（真の蛇）の略。これはエドガー・レオニが提示し、ブリューノ・プテ＝ジラールらが支持している(*2)。

• ミシェル・デュフレーヌは、ver.を「真の」と理解するのはすぐ上の説と同じだが、serp.はラテン語からの借用で「蛇」を意味している可能性のほか、ギリシャ語からの借用で「木の箱、柩」の可能性があるとしている(*3)。

• ラテン語の versus serpens（とぐろを巻いた蛇）の略。ジャン＝シャルル・ド・フォンブリュヌはこの表現が『ヨハネの黙示録』でサタンを指している表現をもとにしていると理解し (*4)、ピーター・ラメジャラーはこの表現をウェルギリウスの『アエネイス』と結び付けた(*5)。

• ピエール・ブランダムールは vers sept. と校訂し、vers le Septentrion（北方へ）の略ではないかと推測した(*6)。

• ジャン＝ポール・クレベールは vermine （害虫）と serpents （蛇）の略と見なした(*7)。

　なお、シャルル・レノー＝プランスの巻末用語集やマリニー・ローズの用語事典には、この語の解説は載っていない。

登場箇所

• 詩百篇第5巻25番

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*1 Le Pelletier [1867b]

*2 Leoni [1982], Petey-Girard [2003]

*3 Dufresne [1989] pp.334,378-379

*4 Fontbrune [1980/1982]

*5 Lemesurier [2003b]

*6 Brind’Amour [1993] p.252

*7 Clebert [2003]