アンノジジェ(Ennosigée, エンノジジェ)は
詩百篇第1巻87番に登場する語。
ギリシア語
エンノシガイオス(Ennosigaios)ないしラテン語
エンノシガエウス(Ennosigaeus)のフランス語化。
17世紀の
テオフィル・ド・ガランシエール以来、ほとんど異論のない読み方である。
エンノシガイオスもエンノシガエウスも「大地を震わせる者」の意味で、海神ポセイドン(ネプトゥヌス)に与えられていた異称の一つであった。
『イリアス』に見られるが、当時はまだポセイドンが海神か陸神かが不分明だったらしい。
補論
五島勉は『
ノストラダムスの大予言・地獄編』において、「私の調べでは、古代ギリシャ語の『エンノシジェウス』から取られたもの」で「『ポセイドンが起こす最後の大地震の破滅』のことを、古代ギリシャ人は神話に託して『エンノシジェウス』と呼んでいたのだ」と説明していた。
しかし、これは Ennosigaeus をギリシア語とした上で earth-shaking と不適切に英訳していた
エリカ・チータムの語注をそのまま転用したことによる誤りであろう。
チータムの参照元と推測される
エドガー・レオニは Ennosigaeus をラテン語とした上で、 the earthshaker と正しく英訳していた。
この語はあくまでも地震そのものではなく、それを起こす者を指していること、地震そのものとする勘違いは信奉者側の著作でも余り見られないこと、そしてその勘違いに立脚して「最後の大地震の破滅」の意味だとした論者は五島以外に誰もいないことを確認しておきたい。
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最終更新:2010年07月20日 21:42