予兆詩第130番

予兆詩第130番(旧120番) 1566年2月について

原文

A deux fort grande 1 naistre 2 perte pernicieuse 3 ,
Les plus grands 4 feront perte biens, d'honneur, & de vie,
Tant grands bruits couriront, l'une 5 trop odieuse,
Grands maladies estre, messe presche 6 en envie 7 . *1

異文

(1) grande 1566Br : Grandes T.A.Eds.
(2) naistre : naistres 1605 1649Xa
(3) pernicieuse 1566Br 1594JF : pernitieuse T.A.Eds.
(4) Les plus grands 1566Br : Les plus Grands T.A.Eds.
(5) l'une 1566Br 1594JF 1668P : l'vrne T.A.Eds.
(6) messe presche 1566Bra : Messe presche 1566Brb, presche, messe T.A.Eds.
(7) en envie : envie 1668P

(注記)1566Br は『1566年向けの暦』の異文。この暦書は2箇所ずつ予兆詩が登場していることから、最初に登場している方を 1566Bra とし、後に登場している方を 1566Brb とした。1589Rec はジャン=エメ・ド・シャヴィニーの手稿『散文予兆集成』の異文。

日本語訳

二者へと、有害な大損失が強烈に生じる。
最も偉大な者は財と名誉と生命を失わせるだろう。
とても大きな騒動が駆け巡る。非常に憎らしい女性。
大病が存在し、ミサを説教は妬む。

訳について

 1行目は grande と perte が対応しているとするベルナール・シュヴィニャールの読み方に従った。
 4行目後半は王党派カトリックであったノストラダムスの立場を踏まえて訳したが、「ミサは説教を妬む」とも読むことはできる。

信奉者側の見解

 ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは、1行目を「二人の偉大な女性に有害な損失が生じる」と読んで1567年2月に当てはめ、スコットランド女王メアリー・スチュアート(1567年に廃位・幽閉された)とした。3行目の「女性」はカトリーヌ・ド・メディシスのことだとした *2

同時代的な視点

 1566年向けの予兆詩では、この詩のほかに3月向け12月向けでも、「ミサ」と「説教」がセットで登場している。これらは別の詩でシャヴィニーが指摘しているように、「ミサ」がカトリック、「説教」がプロテスタントを指していると見るべきだろう。


名前:
コメント: