Cherronnesse

 Cherronnesse は Chersonèse と同じで、押韻の必要上から採用された綴りの揺れと理解されている。『羅和辞典』には Chersonnesus と同じ意味の Cherronnesus が載っている。
 Chersonèse は「半島」を意味するギリシア語に由来し、この語を含む地名は古代に複数存在していたが、わけてもケルソネスス・トラキカ(Chersonesus Thracica)を指すことがあった。ケルソネスス・トラキカ(トラキア半島)とは、現在のトルコ北西部に位置するゲリボル半島(Gelibolu / Gallipoli)のことである*1
 『羅和辞典』で Chersonnesus を引くと、トラキア半島とケルソネスス・タウリカ(現在のクリミア半島)の2つが挙げられている。

登場箇所


 押韻と関係のない場面では Chersonnez とも綴られている(詩百篇第9巻91番)。


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最終更新:2010年08月19日 21:05

*1 Brind’Amour [1996] pp.423-424