予兆詩第135番

予兆詩第135番(旧125番) 1566年7月について

原文

Par pestilence 1 & feu, fruits d'arbres periront :
Signe d'huile abonder : pere 2 Denis non gueres :
Des grands mourir mais peu, estrangers 3 sailliront :
Insult marin Barbare 4 : & dangers de frontieres. *1

異文

(1) pestilence 1566Br 1594JF 1650Le 1668A : pestilente T.A.Eds.
(2) pere : Pere 1605 1649Xa
(3) estrangers 1566Br : d'estrangers T.A.Eds.
(4) Barbare : barbare 1566Br 1668P

(注記1)1566Br は『1566年向けの暦』の異文。この暦書は2箇所ずつ予兆詩が登場しているが、この詩には登場箇所による違いはない。
(注記2)ジャン=エメ・ド・シャヴィニーの手稿『散文予兆集成』では、1行10音綴りに書き直されている。

日本語訳

悪疫と火により、木々の実は滅びるだろう。
油が手に入る兆候は豊富にあるが、パテル・デニスはほとんどない。
偉人たちは死ぬが多くはない。異邦人たちは出発するだろう。
バルバロイの海の襲撃、そして前線の危機。

訳について

 2行目の Signe d'huile の直訳は「油のしるし」。ここではおそらく妥当と考えられる形で言葉を補った。

信奉者側の見解

 ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは、1行目は夏の酷暑とペスト禍を言ったものとした。3行目については peu d'estrangers と書き変えたこともあって、外国勢力がフランスに来ることもこの年はほとんどなかったと解釈した。2、4行目には何も触れていない *2

同時代的な視点

 7月向けの予兆ということもあり、1行目の「火」が酷暑の隠喩の可能性は確かにあると思われる。2行目のパテル・デニスリベル・パテルと同じくワインの隠喩だろうから、酷暑でブドウがだめになってワイン作りにも響くということだろうか。
 後半は素直に読むならばオスマン帝国の脅威を警告したものだろう。

 なお、1566年7月はノストラダムスが亡くなった月だが、彼が自分を grand (偉人、大物)と位置づけていたのでない限りは、この詩で予言されていたと解釈することは難しいだろう。


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